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漫画を担当されている山葵さんの作品はまだそれ程読んだことがないのですが、原作を担当されている中原さんは好きな作家さんの一人で、漫画の原作されてるのは珍しいなと思って読んだ作品です。
中原さんの得意な世界、得意なキャラというのが出ている作品かなと思いました。
裏社会ものといってもシリアスなものからコメディまで色々あると思うのですが、この作品はシリアスな中にも笑いの要素があって、重くなりすぎていないのがいいと思います。
男っぽいキャラのなかにも甘々な雰囲気が感じられて、男前な攻め様・受け様や、中原さんの作品がお好きな方にはお薦めです。
主人公の他にも印象的なキャラや面白いキャラが取り巻いているのも魅力的。
巻末には中原さんの描き下ろしショートストーリーや、山葵さんの描き下ろしショート漫画も収録されていて堪能できました。
ベテラン作家さんの原作つきだけあって、テンポよく無駄なく話が進んでいきます。1冊でシンプルにまとめられていますが、エロい場面はしっかりコマを割いているという充実ぶりです。
この漫画家さんの作品は初めて読んだのですが、綺麗な場面とコミカルな場面とで、メリハリのあるイラストで、とても良いです。はっと目の惹かれるような魅力的な表情もあります。
それにしても、狂犬ってヤクザ(黒崎・攻め)の方かと思っていたら、麻生(美人受け)のことで、予想外でした(笑)
婚約者がいた院長の孫娘に手を出して病院にいられなくなった男。麻生。
この事が病院外にも知れ渡ると
働かせてもらえるところがない。
今後の行く先を考えながら訪れた場所は闇医者まがいなことをしている場所。
そこには色んな理由で他の病院には行けない人が運び込まれてくる。
そこをよく利用している男が
黒崎。
違法のカジノバーを経営している。ヤクザと関係をしていないがためにトラブルが多く闇医者を利用している。
文字にすると結構な闇社会の男同士のお話のようですが
作品はそれを特に重く感じさせることもなく読めました。
でも、さすがに先生が亡くなったことなどふくめ、ラブだけでは
すまない世界だなとは思いました。
女癖が悪くて大学病院をクビになった外科医の麻生が昔の恩師で今は闇医者みたいな
ことをしている飲んだくれの医師のところで出会ったのが違法カジノ経営者の黒崎。
黒崎は麻生を見るなり一目ぼれのように喰いたいと言い放つ獣。
女大好きなのに、油断したときに黒崎に無理やり抱かれてしまう。
しかし、麻生先生はそれでもかなり強気、女好きなのに男に掘られたと怒るが
二度と隙を見せないと誓うが、飲んだくれ恩師に何度も呼ばれその度に襲われる。
二人の一筋縄ではいかないコミカルな関係に、恩師がトラブルに巻き込まれる
シリアスさをプラスしたストーリーで意外に面白い。
ヤクザの罠に嵌り恩師が亡くなってしまうと言うのは切ない感じでしたが
それもまた、医者の最後のプライドのような生きざまで良かった。
でもヤクザの組長と黒崎の隠された因縁は少々戴けなかったかも。
内容的にコミカルでシュールな内容にシリアスさもプラスしていたのに、
これは無いだろうとちょっぴり残念でした。
個人的に、黒崎のカジノに住み着いている猫の組長の話が面白い。
「組長の一日」と言う短編、眉間に傷のある迫力ある組長と言う名を持つ猫。
なんと黒崎は若頭だったのですよ(笑)
組長の縄張りの見回りで組長が見たのは黒崎と麻生の情事?
組長に姐として認められた麻生なのです。
悪くはないんだけど、これといってピンとも来なかったというのがちょっと印象でしょうか。
個人的に、山葵さんの作品の、あのふわんとした可愛い受が最近すごく好きなのです。なので、今回ちょっとアダルトで
内容もどっちかっていうとオトナ~な雰囲気なので思ったのと違ったといいますか。
中原さん原作ということで、最初からとおしての話もろもろ~の流れはよくわかるのだけれど、ちょっと自分のなかで噛み砕けなかったのがさみしい。
傲慢な攻に翻弄される受。
抵抗むなしく手篭にされて、あれよあれよと快楽に溺れてしまう。
一緒にいるうちに心も少しずつ~
あんなに女好きだったはずなのに。
そもそも病院を首になったのだって女がらみだったはずなのに。
今や自分が女にさry・・・・
( ゚ロ゚)ノ∝━━━゚ロ゚)━∈サクッ
まぁ、なんにせよ、ドタバタなカップル具合は嫌いじゃなかったです。
かわいい子期待して読んだのが失敗でした。