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優しい年の差ロマンス!
初読みの作者さんです。
デビューから2作目ということで、
私は1作目を読んでいなかったのですが
丁寧な作品を描かれる方だな~という印象です。
作者さんもあとがきでおっしゃているのですが、
「真剣に恋愛と向き合う」お話でした。
塾講師のバイトをしている大学生の和音は、
生徒として医学部受験を目指す社会人の日下部をみることになる。
医学部に30を超えてということで、他の塾講師たちも
良い目では日下部のことを見ないのですが、日下部はとても
真面目に向き合っています。
自分の家の環境からも、自分を抑え、真面目に頑張る和音と
医者になろうという年齢からいったら不安もあることに
挑戦しようとする日下部2人のお話。
2編入っていて、2編目は、日下部が医大生になって
遠距離恋愛をするお話です。
もう2人とも真面目です。
「好き」とお互いに伝えあうことが何回かあるのですが、
あまり面と向かって言うって、あまり無いことだと思うんです。
でも、ちゃんと伝えあうって、素敵だなと思います。
デビュー作の「天国に手が届く」(木下けい子画)が、新人とは思えなかった作者。
前作は、著者の得意分野の山と恋愛が両輪となって素晴らしい作品だったので、
じゃあ他の分野のBLはどうか?と楽しみに待っていたのですが、
結論から言うと、期待の割にちょっと残念という感じでした。
「両親が仲直りしてくれないことも、自分に弟ほどのピアノの才能がないことも、
家に経済的な余裕がないことも、自分が同性愛者であることも、キスも告白も恋愛も、
ひとりぽっちなことも、全部諦めなくちゃいけなかった。」
色々なことを諦めて、コツコツ努力をして身の丈にあった生き方をしようとする
大学生の和音。
講師のアルバイトをしている塾で出会ったのは、30を過ぎて医学部受験を目指す日下部。
こんな平凡で真面目そうな人が、どうして安定した職を投げ打って?
そんな日下部を応援しながら一緒に過ごすうちに、
少しずつ和音の心の中には変化が生まれる…
地味だけれど人柄の良い人達の恋愛が、
ちょっと照れるくらい真面目に丁寧に綴られてはいるのですが、
まぁ全体にはありきたりという感は否めなかったかな~
安心して読めるとも言えるのですが、特に面白くも特にキュンキュンもしない。
和音の弟がピアニストの卵という設定なんですが、音楽ネタもほのかな香り程度ですし、
日下部が地域医療を目指しているという設定も、それほど強いインパクトはない。
後半は、その後の二人が医学生となった日下部視点で描かれているが(一人称が私→俺)、
こちらは真面目で清廉なようでいて、
やっぱり32才年相応にイヤラシかったりするところが良かったかな〜
和音は、大学生ってこんなにかわゆらしいか〜?と思いましたけれどw
離れている間和音が一人Hしていることを承知で、
隠しているローションとゴムを出せ!というところは、笑っちゃいました!
初Hのあとで、お腹が空いた日下部がカップラーメンを作って食べるところも、好き。
と、なんだか変なところに萌えておりましたが、全体としては好感の持てる話でした。
概ね同感です。でも何ででしょう?余り後味が良くなかったんです。
両想いで誰も傷つかず、悪人もいなくて(いや、いいんですけどね)・・・
お話もちょっと物足りないし、ひねりが足り無い感じ。
全体を覆う真面目で少し重い感じも苦手でした。
出てくる人物皆が、深く描かれていないなあ~~と、私は辛口で「星ひとつ!」でした^^
大学生と大学職員との緩やかで、生真面目な恋のお話でした。
大学生の受け様はゲイで、大学の同級生に1年半も淡い片思いをしている。
告白する予定も気持ちも持っていないが、たとえゲイでも人を好きになれると言う事
だけで、幸せを感じようとする受け様は、身の丈に合った将来設計をするような
堅実で真面目なタイプだが、そのせいで何かを強く求める事を諦めてる感じもする。
そして大学職員の攻め様は、32才の安定した現在の仕事を辞めて医者になる為に
医大の受験に備えて塾通いをする事になり、その講師が大学生の受け様なのです。
受け様は何故現在の安定した職を辞してまで、医者を目指すのか、無謀な挑戦では
無いかと初めは思っていたが、攻め様に接するたびに、軽はずみな考えでの行動では無く
考え抜いた末の目標に向かって努力する生真面目さに出来る限りの協力をしようとする。
そして二人は塾以外でも外食を共にしたり役立ちそうな問題集を一緒に探しに出向いたり
親しく話をするようになり、受け様が完ぺきに失恋した時に、酔った勢いで攻め様に
自分の家の事や、ゲイである事を話してしまう。
でもその後も態度も変わらず、大人で穏やかで安心できる攻め様と一緒にいる事が
受け様の心に新たな思いを育てていくことになるのです。
いつも控えめで諦める事が多い受け様が、攻め様に出会った事で諦めないで進む事が
出来るような自分の気持ちに正直になる強さを持つんです。
でも、受け様が思っている程、穏やかで優しく親切なだけの攻め様じゃないんですよね。
ゲイだと知っても、受け様に接する態度が変わらない大人だと受け様は思ってるけど
それだけでは無く、受け様に対して、攻め様もまた、確かな思いを持っている。
攻め様のアプローチに気が付かない受け様の純粋で純情な感じもなかなか萌えですが
攻め様のここぞという時の大人の男と言う雰囲気も素敵でした。
書下ろしは攻め様視点での見事医大に合格した攻め様と受け様の遠距離恋愛が
描かれています。
夕映月子さん、デビュー作から実に1年10ヶ月ぶりの2作目!
デビュー作も丁寧な作りが印象的で、好きなモノだけに丁寧に綴られているなーと思えたのですが、今作品も実に丁寧な描写と展開でとても好感の持てる仕上がりになっていました。
派手さがあるわけではない。
大きなヤマがあるわけではない。
もどかしいほどの純粋な気持ちがじんわりと伝わってくる。
堅実さが良さと言いましょうか、登場人物たちも誠実で真摯です。
色々なモノを諦めて生きてきているゲイの大学生・和音が塾講師のバイトで生徒として出会った、大学の教務職員の日下部。
彼は32歳にして医大へ入学するために予備校に通っているのでした。
担当を任された和音と、真面目に積極的に授業を受ける日下部。
和音には、親友の杉山への密かな片思いの気持ちがあったのですが、その杉山の彼女が妊娠してしまったことからその報われない片思いが決定的に絶たれ、
その時に彼を気遣い受け止めてくれた日下部を好きと意識していくのでした。
和音の気持ちの推移がよくわかります。
日下部の態度についても、その後の日下部視点の短編でも補完されていますが、そうでなくても本編において十分伝わってくる。
受け視点で綴られるのに、攻めの気持ちも伝わってくる点はわかりやすいと思います。
何もかも諦める癖がついていた彼は無意識に、人を好きという感情は持っていても、花から諦めているために、日下部に対しても初めて欲情を伴った感情を持っている事に戸惑い、杉山に思わず聞くというシーンに、彼のウブさを。
臆病になって逃げしまおうとする姿を日下部に叱咤される姿を。
思わず、愛しいな~と思ってしまったりwww
『一本道を二人』
これは日下部視点から描かれる、その後の二人の姿です。
恋人になって、遠距離恋愛がはじまって4ヶ月。
スカイプを通じて距離を埋めている二人。夏休みは一緒に過ごすこともできたのに、その後ほんの些細な行き違いでスレ違いを体験する二人。
やはりちょっとの和音の臆病と焦りが招いたものもあるかもしれないですね。
しかし、ただ自分が心から望んだ進路ではなかったにせよ、今は目的・目標となっている。
それが二人の未来に結びつくと信じて努力する。
そんな二人の姿は、いいな~と思える関係です。
がんばれ!と思わず応援したくなるのです。
初読みの作家さんですが、ピュアな世界がうまく表現されていて、良かったです。
32歳の医学部受験と、なかなか大変な選択をした日下部(攻様)と、そんな日下部の塾の担当になってしまった和音(受様)のお話です。
和音は、今まで両親の離婚やピアノ、それに、恋人を作ることだとか…いろいろな事を諦めて生きてきました。
そんな和音ですが、日下部の塾の講師になり、始めは厄介だと感じていますが、彼と接する内に、少しずつ惹かれていきます。
でも元来の性格もあって始めから両思いになる事を諦め、必死に期待しないよう自分に言い聞かせています。同性愛者であるとカミングアウトしてもなお、受け入れてくれる日下部に、どうしようもなく惹かれながらも、嫌われないよう自分の気持ちを隠し続けるのです。
でも、日下部にはそんな和音の気持ちはバレバレで…しかも、日下部も純粋な和音にしっかり惹かれいるため、ちょっとずつアプローチをしています。
恋愛に不慣れな和音は臆病で、日下部から一旦逃げてしまうのですが、思いなおして日下部に告白……
との展開になっています。
日下部は穏やかでいい人なだけかと思いきや、本音と建前?みたいなのもしっかりあって…それなりの年月を生きてきた大人だなぁとしみじみ感じます。
対して和音は、恋愛に関しては、世間一般の同年代より純粋で、お子様です。
そんな二人の恋愛話なので、ピュアなだけじゃなくて、心に響くものがあります。30歳を過ぎた、酸いも甘いも体験してきた大人が、ピュアなお子様に触れて、恋愛に真剣に向き合う……そんな姿は、やっぱりいいものです。
プラス、大人な日下部は、ちょぴりエッチで、そんなところは、ちょっと萌えて、なかなか満足な一冊となっていました。