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計三話と短めですが、その中で主人公がゲイだけど普通に恋愛して幸せになりたい!という切実な気持ちが凄く伝わってきます。この手のストーリーの中では他のBL作品よりも私にはぐっときました。悩み行動する主人公(受け)の考え方や行動の仕方が素敵なんですね。
それに比べて残り半分を占める別の物語はそれ程でした。こちらの評価は「萌」位です。自分を過小評価しているオジサンの物語ですが、そうした後ろ向きの感じが個人的に駄目なようです。
完全版を読みました。
どうやら完全版の掲載は無いようなので、こちらにレビューします。
(完全版には電子限定番外編の「傍らの遠吠え」と「grooming time」も入っています)
ひとつ言いたいのは、表題作を読んだら「傍らの遠吠え」は絶対に読んでほしい、ということです。個人的には、この番外編まで通して一つの物語が完結すると思っています。
ゲイだと自覚する主人公が、紆余曲折あって、幸せになるお話です。
この「紆余曲折」が醍醐味なので、ここではこれ以上語りません。
同性恋愛なのだから、一筋縄ではいかずたくさん苦労してほしい!…と、思いながらいつもさまざまなBL作品を手に取るのですが、これを読んだ時、私はまさにこれを求めてた!と思いました。
BL作品に慣れてくると、男同士ってそんなにハードル高くないのではないか、という錯覚に陥りますが、この作品は初心を思い出させてくれます。
読み終わってすぐにもう一度読み返してしまいました。
あたたかくて、苦しくて、でもちゃんと萌える、そんな作品です。
レビューをしないまま神評価をつけた本作、
内容を全く覚えていなかったので再読しました^^;
読んでいるうちに少しずつ思い出したのですが、
〝神〟は表題作に付けたものでした。
最初に収録されているのが同時収録作で、
2作目が表題作なんですよね。
それは、やっぱりとても良いと感じました。
読み切り作品から始まるのですが、
好きだった男に「男の体は無理」と傷つけられてしまう永瀬が切なくて切なくて……
しゃがみ込んで涙する姿が苦しかったです。
ーーそして、その永瀬が大学生になってからの話へと続きます。
タイプじゃない先輩に恋をしてゆっくり築いていく関係がとてもいいです。
どんな出会いでもその出会いを大切にすれば、
それが特別なものになるかもしれないという括り方がとても好きでした。
『枯れた花に恋の水』
花咲が可哀想。これまでどんなけ傷ついてきたか。
見た目が怖くて中身が違うってだけでここまでの目に会わなきゃいけないの?
八田くんが救いの天使ですね。
好き好き攻撃も可愛いし、実は俺のこともう好きなんでしょ?とかわからせてあげるみたいな、キャッ。以外と強引でギャップがあって萌えました。
花咲を幸せにしてあげてね。
『狼に魔法を』
永瀬が切ないですね。誰かに好きになってほしい、女の子のようにされたい。それがどうしても叶わない。
いいなと思った女友達の彼氏とキスまで行きますが男とはやっぱり無理みたいで。女の子ってだけで何でも受け入れられるのが羨ましくて。
『狼は魔法を』
樋口先輩みたいなひと私も好きだな。
優しくて裏表なくて本当の事しか言わなくて。
無表情なのにマメにメールで励ましてくれたり家に入れてくれて楽しく過ごしたり。
永瀬の傷を思いやってくれて。早く追い付けーーー。
2作品収録です。
冒頭は表題作ではなく、花屋さんの話。
「枯れた花に恋の水」
『ヤクザ花屋』と子供にあだ名されるくらい怖い顔の、花咲曹介。
外見のコンプレックスで笑えず、性格も暗く、自信がない。
でもそこにガンガン突っ込んでくる八田。
今までの人格否定されまくりの人生、八田の好意は全く信じられず自分の気持ちも肯定できない。誰にも好意を抱かない事が自分の傷つかない方法。
でも本当は……『信じたい 甘えたい 好かれたい』こんな叫びが隠れている。人も自分も受け入れたい、と。
こんなこじらせ男をがっちり受け止める、可愛い顔して頼もしい年下攻めですよ。
「狼に魔法を」
若さゆえ。
イケメンでゲイの高校生永瀬の、残酷な青春。
「狼は魔法を」
大学生になった永瀬。男という事で拒否された彼は今、体だけの付き合いを中心としたゲイライフも覚えた。でも本当は彼氏が欲しい。
そんな時に知り合った、無口で無表情、何を考えているのかよくわからない樋口先輩。
全くタイプじゃないのに段々惹かれていくこの感じ。誰に対しても裏表のないブレない樋口先輩がどれだけ不安定な自分の支えになってたか。
永瀬君、先輩に恋ができて良かったね。
「狼と魔法を」
先輩目線。何を考えているのかわからないような先輩も、彼なりに外界を感じ考えている。(当たり前だけど)
先輩にとっても、永瀬君は特別。ほんのり恋風味。