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元は2003年・リンクスロマンスから刊行されたものだが、2013年刊のガッシュ文庫版を購入。
実相寺さんの挿絵が美麗だ。
ちなみに攻め・志水が雨男、受け・泉が晴れ男となる。
といっても迷信、非科学めいた話ではなく、仕事ぶりを通してのいい男ぶりを堪能できる。
一冊の中で前半・二人がくっつくまでは攻め・志水視点、後半・恋人になりたての微かな不安を抱えた胸中は受け・泉視点となっている。
さて相対するこの二人、泉が志水のいる大手総合商社に途中入社した事で再会する。
志水が自ら率いる課に引き抜いた当初は、自身の雨男効果が相殺されると内心ほくそ笑んでの不純な動機でつれ回す魂胆がガキっぽいなとは感じたが、いい大人なのにどこか憎めないお茶目さがある。
志水が子供の頃から疎ましいと思っている雨男ぶりだが、泉から見るとポジティブな考え方に変わるってのも何だかいいなと思える。
本当は高校生の頃に泉が志水を好きになったのが先だったのだが、自身を晴れ男としか見てもらえない事に反発してしまう。
周囲からの目を気にしているのは泉のほうが重症だったね。
でも清水に対してはちゃんと憎まれ口を叩いて返している部分もあるし、案外と気が強い性格だと思う。
ノンケのはずの志水が打ち解けた途端にいきなりキスしたり押し倒したのには手を出すのが早すぎ、とちょっと驚いたが、こうと決めたら迷わずに突き進んでいく行動力には惚れ惚れした。
心底惚れたノンケ男に捨てられる怖さに不安になっていた泉をグイグイ引っ張っていく頼もしさも素敵だ。
そして、そんな二人の仲を取り持った元同級生&同僚の藤近も、この話では脇役にも関わらず食えない性格ぶりを発揮していてなかなか興味をそそられるキャラだった。
是非藤近のスピンオフも読みたい!!と調べて分かったけれど、『ストレイ・リング』がその作品なんだね、タイトルだけは聞き覚えがあった。
それにしても雨男と晴れ男に対して、唐突なカミナリ、季節外れの台風、まさかの大雪といった天候からのヘビーな祝福には笑ってしまった。
自分に責任がなく努力してもどうにもならないことで責められ嫌われる『雨男』が、何の努力もなしに他力本願に利を得て感謝される『晴れ男』をやつあたり的に嫌う気持ちがよくわかって同情してしまいました。
けれど、そんな相手に対する不快感や言動にいちいちむかつく気持ちが、実は好意の裏返しだったなんて…。
何だかわからないけど気になってしまい、落ち着かない不安定な感情に振り回されてた攻めが、それを恋だと自覚するまでのお話です。
攻めが自分のマイナイス面をバネに誰にも何も言わせない結果を出す努力に変えるってとこに惚れました。見習いたいものです。
表紙イラストに一目惚れしてしまいました
受けからも攻めから漂う強烈な色気…
素晴らしいです
何時間でもうっとり眺めていられそう
中の挿絵は表紙と少し雰囲気が違う?感じがしますが
どちらにしろ美麗です 攻めの男の色気がすごい
小説の方は設定は面白いなと思ったんですが
流れも結末もありがちな感じでした
ノンケにゲイが恋をして、ノンケも相手を好きになって
すったもんだの末にくっ付いて、
そのうちゲイの方が相手には女性との未来があるんじゃないか、
自分じゃ相応しくないんじゃないか…と悩んで関係が危うくなって
攻めがお前じゃなきゃダメなんだと言い聞かせてまたラブラブに、という…
もっと晴れ男・雨男っていう設定を生かした熱い展開とか
深みが欲しかったところでした
イラストは文句なしの神です
ありがとうございます
同級生もの、数年のブランクを経てリーマンもの。
受(晴れ男)x攻(雨男)…人為的にはどうしようもないものを味方につけて
どうしろというのか…BLファンタジー全開でした。
読んだのが新装版で初版が2003年だそうなので、そんなものかとなぜか納得。
お天気を味方につけたまずありえない設定です。
同級生、それは高校時代の2年間のみです。
当時から攻が気になっていた受は面影を追いつつも特に意識して攻を追い
つづけていたようではないんですが、付き合う相手に面影を探していたり、
いくつかあった(はずの)再就職先も攻がいるという理由で決めてしまったり、
結局は好きという想いを抱えていたんだと気づきます。
攻は雨男という嫌われ要素のせいで真逆の受に複雑な気持ちを抱いていて、
受の一言で嫌いに傾いていた高校時代のうっ憤の仕返しをしてやろうと
部下にしても、有能さと晴れ男ジンクスに救われこそすれ優位に立つことも
できず、なんなんだととまどってしまいます。
リーマンものなので仕事の進捗状況に互いのジンクスを絡めて話はすすみ、
行き詰まりかけたらふたりの同級生(かつ同僚)がかく乱がてらうまく
とりまとめるという流れ。
水壬さんなので安心して読め、絵師は実相寺紫子さん(文庫)という色気の
あるかたなのでどちらかというと初心者向けの方の作品でしょうか。
BLはファンタジーだと思っているので天変地異を味方にした設定には
特に異論はありません。
むしろ上手に設定に盛り込んであって、自分の運動会はどうだったかなー
などと素直に思い出に浸ってしまいました(笑)
好きな10年愛的な設定とリーマン設定でしたがそこまで萌えきれず。。。
あまりにもできすぎな高スペック攻にバブリーな臭いを感じて
イマドキの話じゃないなと一歩引きぎみになってしまいました。
そして自分のことを乙女じゃないと突っ込みつつもまさに乙女な受。
好きな相手の幸せのためなら身を引こう、、、昭和的な乙女です(笑)
「晴れ男」「雨男」この設定にこだわり抜いて、トンチキか!?と思うほどに雨を降らせたり晴れさせたり、二人揃えばお天気雨とか(笑)を貫いた作品。
あまつさえ、これはお天気擬人化小説なのか?とも。
昔からイベントに自分が参加すれば雨になると周囲の人々から呆れられるほどの雨男・志水が悔しさから努力して頑張って歩んだエリートの道。
現在商社で30の若さにしてデキる課長として活躍中。
その会社に、真逆の晴れ男として志水が嫉妬と反抗心を抱いた泉が中途採用の部下として入社してくることから始まります。
ここぞとばかりに上司の立場を利用して泉を使う志水ですが、昔話をするうちにふと感じる違和感。
嫌がらせのつもりでキスをしてしまい、そこで判明する気持ち。
雨は晴れに焦がれ、晴れは雨に焦がれ
互いにないものに焦がれていたと言う展開でしょう。
とてもわかりやすいです。
雨というとネガティブな印象な為、志水が「なにクソ!」な、かなり強気の傲慢なキャラになっております。
泉はツンデレか?
そして【晴れ男の困惑 雨男の疑惑】ではまさに”雨降って地固まる”の展開を見せました。
その”雨降って”とはもちろんオフィスリーマンものですから社内の事、
デキる男が二人とも独身ですから、上司が直接に縁談を持ちかけてきたわけではないですが、それを打診するような事態にそれぞれがそれぞれを推薦してしまったということに加え、
泉の突然の抜擢と志水の疑惑問題などがあり、思いっきりすれ違いが発生してもう駄目なのかも?といった流れを見せます。
しかし、ところがどっこい!若干恋愛ではヘタレを見せながらも仕事では思いきり頑張りを見せる転んでもただで起きない雨男、という面を見せてハッピーエンドへ♪
旧版にない書下ろしが【晴れ男と雨男の休日】というラブラブ後日談。
東北の秘湯へ旅行に行った二人が、大雪で帰れなくなるというハプニング!
といったお話。
ここでも徹底的に天気にこだわりますね(笑)
がっつりと働く男の描写を、お天気デフォしながらシリアスもコミカルも含めて展開するライトな物語。
残念ながらキャラ萌えはありませんが、
脇となる志水と泉の友人の藤近と、志水の上司の右城がかなり曲者の登場。
彼等は次のスピンオフの主人公になっておりますから、どちらかというとそちらの方が興味あるキャラクターかもしれません。