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表題作お手をどうぞ

桐原征司,30代半ば,ホテルチェーンオーナー
藤井暁斗,20歳,売れないモデル

その他の収録作品

  • キスで起こして
  • good morning?
  • あとがき

あらすじ

「私がおまえにチャンスをやろう」
恋人のカメラマンに捨てられ仕事も干されたモデルの暁斗は、桐原という男に拾われる。
豪奢なホテルの一室に暮らす資産家らしい彼は、正体を明かさないまま、元恋人を見返したいと願う暁斗に協力を申し出た。
彼のもとで一流のモデルになる特訓を始めた暁斗は、共に過ごすうち、厳しくも優しい桐原に惹かれていくが…?
BL版マイ・フェア・レディ、書き下ろしも収録v

作品情報

作品名
お手をどうぞ
著者
水壬楓子 
イラスト
雨澄ノカ 
媒体
小説
出版社
海王社
レーベル
ガッシュ文庫
シリーズ
お手をどうぞ
発売日
ISBN
9784796404358
3.3

(17)

(3)

萌々

(3)

(8)

中立

(3)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
8
得点
54
評価数
17
平均
3.3 / 5
神率
17.6%

レビュー投稿数8

スパダリ年上攻め

スパダリもので甘いお話が読みたいなーと思い、手に取ったので、その点は満足だった。
恋人に捨てられ、その恋人を寝取ったライバルにも馬鹿にされ、やけになっているところを攻め様に拾われた暁斗。そこから、かつての恋人を見返すために攻め様のもとで一流モデルを目指す、という流れになるんだけど。
暁斗がとても大変な想いをして、いろんなレッスンを受けたんだろうな、というのはわかるんだけど、説明だけで、努力をしているという具体的なエピソードがないのが残念。
なので、攻め様が受けのどこをそんなに買ったのか、可能性を見出だしていたのかがいまいち伝わってこなかった。
で、最後まで読むと、結局一目惚れっていうか、好みのタイプだったんだろうな、って感じで…うーん…。この部分、もうちょっとなんかほしかったな。

とは言え、暁斗が変に調子に乗ったり、嫌な感じの子じゃないので、楽しく読めました。
元彼とライバルキャラは、ステレオタイプな感じの敵キャラって感じで、出てくるたびにすごくイライラしたけど。

「キスで起こして」
続編のこちらのお話の方が好みでした。
ちょっとした喧嘩からすれ違い→仲直りエッチという、ベタな話なんだけど、喧嘩の原因が、受けがピーマンを残したから、っていう超絶下らない理由なのが妙にツボだった。
本編の攻めが何を考えているのか掴みにくいキャラだった分、こちらでは意地っ張りだったり、受けのことになると余裕がなかったり、意外とムッツリだったりして、なんか可愛く思えて萌えた。

それにしてもこの攻め様、プラス10歳は上でも良さそうな感じ。34~5歳ってまだまだ若手のイメージなので、ちょっとどっしりし過ぎかも…。

0

若者は与えられるべきですよね

床に摘んでいた本の山を整理しながら「ああ、何か夢のあるものを読みたい」と思って選んだ1冊。
はい、現実逃避には最適の本でした。結局『片付けが終わらない』というおまけ付きですが。

ピグマリオンものというか、マイ・フェア・レディものというか、これらのお話は何度衣替えしても、やはり楽しめます。
なんてったってドリームですもの。
年上のスパダリ紳士に甘やかされる受け様というのは、読んでいて大変気持ちが良いものです。

「飽きた」という理由でカメラマンの恋人にボロクズのように捨てられた暁斗くんが主人公なのですけれど、そいつと一緒にいた時には暁斗くんって二流(下手をすれば三流)のモデルだったんですよ。
『20歳前にスカウトされてモデルを始めて』ならば、それは暁斗くんが悪い訳じゃないよねと思ったんです。で、実はこのお話のキモってここなんじゃないかと。
綺麗な洋服を着れば良いって訳じゃないんですよね、人が輝くためには。
どういうスキルを身につけるか、何を観るか、誰と付き合うか。
そして本人がそこから何を得ようとするか、なんだと思うんです。

『歳をとっている大人は、前途ある若者に与えなければならない』ということに気付きましたよ。
若者から搾取しちゃいけない、って。
肝に銘じておこうっと。

続編があるんですね。楽しみです。
もらうだけじゃなく、暁斗くんが段々と与える側になって行く様になって欲しいなぁ。

1

マイ・フェア・レディーなシンデレラストーリー

2001年に出版されたシリーズ3巻が文庫化されたのですが、今回4巻目にして完結編が出版された機会に久しぶりに再読しました。
何回読んでも楽しめます。

マイ・フェア・レディーなシンデレラストーリーです。
この手のものは大好き、というかたに超オススメな作品です。

人が成功してくストーリーは読んでいて楽しいですし気持ちが上昇します。
その上美形で仕事のできるセレブな年上の恋人があれやこれや面倒見て石ころかと思った青年が輝くダイヤモンドに変わっていくのを見ているのはワクワクします。

三流モデルの暁斗が、恋人だと思っていたカメラマンから利用価値がなくなっとばかり新しい恋人にその場を奪われ二人からひどい言葉を投げかかられて恋人と住むところを失ったあと出会ったのが美形の年上の男。
うっかり寝てしまったあとで元恋人を見返すために一流モデルになる手伝いをするという謎の男の口車に乗せられて…というのがマイ・フェア・レディの始まりです。

やがて、大きな仕事を得た暁斗に対して元カレがまた戻って来いと言い寄ってきた時も、落ち目だと見切られた暁斗を切ったモデル事務所の女社長が再契約を迫ったときも桐原が出てきて撃退してくれてすっきりした。

惰性でやってきたモデルという仕事だったけれど、初めて本気で取り組んで真面目に努力する日々の暁斗は可愛かったしいい男になっていく様子を読んでいくのが楽しかったです。

3

その後が好きです

2001年発行の文庫化。
後に続編・スピンオフとシリーズ化されていますが、後を引くラストでないので単独で楽しめます。いずれも暁斗(受け)が主人公です。

「お手をどうぞ」
暁斗がフラれてヤケになって寝た男・桐原(攻め)が、仕返しに手を貸してくれて、3か月で一流モデルに教育してくれるという話です。
「プリティ・ウーマン」は思いついても「マイフェア・レディ」を知らなかったという点で、暁斗の若さと未熟を感じました。あと、暁斗が眠って意識がないときに悪戯してた桐原に若さと萌えを感じました!

「キスで起こして」
前作で二人は恋人同士になって1か月後に暁斗のポスターが張り出されたというエンドなのですが、その合間の話です。
桐原に商品としての価値しか求められてないのかと悩むという良くある展開なのですが、気合の入ったサプライズパーティが絡んで楽しい内容になっています。プレゼント姿の暁斗、イラストで見たかったです!

「good morning?」
前作のその後、誕生日の翌朝&ポスター撮影の日の甘さ残る話です。

最終選考に残ったくらいなので素地はあったとはいえ、暁斗はそれまでがあんまりモデルとして努力していなかったので、桐原に見いだされて&愛されて良かったね!という感じでした。

健気でなく意地っ張りなタイプのシンデレラが主人公の、しっかり甘やかされるシンデレラ・ストーリーがお好きな方にお勧めです。

2

お馴染みマイフェアレディの男性版

マイフェアレディ、素敵な映画でしたよね、そして女の子が憧れるシンデレラストーリー
そんな作品の文庫化再販ものですが、BL慣れした皆様にはなんだか王道過ぎて
物足りないのかもなどと思いはするけれど、個人的に私は大好きです。
いくつになっても夢見る事が出来る、そんな書籍の一つだと思っています。

内容的にはカメラマンの恋人に捨てられモデル事務所の新人に仕事も恋人の座も
全て奪われ、愛していたと思っていた相手には三流扱いされどん底状態で荒れて
酔って周りに迷惑をかけていた時に攻め様と知り合い、酔った勢いと捨てられた悔しさ
悲しさもろもろが溢れ、誰でもいいから縋りつきたい時に出会った攻め様。

そんな攻め様と一夜の関係を持ち、更に受け様を捨てた恋人を見返してやるために
協力をしてくれると言われ、初めは猜疑心もあり、攻め様の元から離れるが、
元恋人の現在の恋人で新人のモデルに辛辣にバカにされた事で怒り、再び攻め様の元へ。
そこから有名人も集まるパーティーが3か月後にあり、そこで受け様をバカにした相手を
見返してやれと言われ、期間限定で攻め様と暮らしながら短期間で一流のモデルに
近づく為のレッスンを始める事になる。

やんちゃで生意気かと思えば寂しがり屋で傷つきやすい受け様、傲慢でオレ様かと
思えば細かい気遣いが出来て、受け様の為に出来うる限りの環境を整える攻め様。
そんな中で受け様の中に攻め様に対しての着実な思いが育つのですが、
受け様はかなりの負けず嫌いで意地っ張り、攻め様の恋人と思われる相手が現れ
嫉妬心が芽生えるが攻め様はマイフェアレディごっこの暇つぶしと受け様は誤解してて
自分の気持ちに気が付いても期間限定の関係で離れる日も決まっている相手だと
意気消沈しながらも、3か月後の本番に向けて攻め様に恥をかかせない為にも頑張る
以外に健気な受け様なのです。

本当に内容的にも流れも王道過ぎるのですが、だからこその安心感と甘さに浸れる
そんな素敵な作品だとあらためて思います。

2

なんで今コレ?

と思っちゃうくらい王道マイフェアレディもの。

旧版シリーズ3冊とも持ってるんですが、私は個人的に水壬さんのごく初期の作品は(数少ない例外を除いて)あまり好みじゃないんですよ。
こちらも、旧版時から『う~ん、なんとも平坦なイメージの作品だなあ』と思ってました。それでもやっぱり買ってしまう。水壬さんは大好きだから。

ストーリーに山や谷がないわけじゃないのに(『マイフェアレディ』ですから、上へ行く・乗り越えるためのアレコレは当然ある)、いかにも『こういう設定で書くための~』にしか感じられなくて読んでてシラケるんですよね。すべてにおいて魅力に乏しい。

今の水壬さんならキャラクターもエピソードのひとつひとつもストーリー展開も、もっと説得力のある描き方がいくらでもできるんじゃないかな~と思うと惜しいです。
新装版というのはこういうものなんでしょうが、せっかく出し直すんならこの設定を活かして書き直したものが読みたかったな。無理は承知でそう感じてしまいました。

新装版は『出し直し』なんだとわかってるはずなのに・・・もちろん旧版が好きだったんなら、書き下ろしの楽しみはありますけどね。

3

シンデレラ・ストーリーに近いような

3ヶ月連続で刊行される、この新装版シリーズ。
『キスをどうぞ』が桐原と暁斗の続編、
『秘密をどうぞ』では、桐原パパ×リック(桐原の悪友)のスピンオフも読めるようです。

さて本編は「BL版マイ・フェア・レディ」という割には、
本家と違って、主人公に精神的な自立・成長があまり見られず。
最後まで攻めにおんぶにだっこ状態で、どちらかと言えばシンデレラ・ストーリーと言った方がしっくりくるかなと思いました。


主人公は三流モデルの暁斗。
バーで出会った謎の資産家・桐原に見出され、
一流モデルを目指して色んなレッスンを受けさせられる。
同時に、悪友のリックほか、様々な業界人を紹介され、モデルとしての道が開けていく。
一緒に暮らすうち、どんどん桐原に惹かれていく暁斗。
ラスト、お披露目パーティーで桐原の素性が明かされ、
実は桐原も以前から暁斗を気に入っていたことが分かり、晴れて恋人同士になる…というお話。


謎の資産家・桐原が何の仕事をしているのか、
暁斗がちっとも気にしないので、終盤まで正体は明かされず。
もしや読み落とした?とページを行きつ戻りつしてしまいましたw

水壬先生は好きな作家さんですが、
今回は暁斗の魅力がよく分からないせいか、残念ながら今ひとつ萌えられなかった…。
レッスンにしても恋愛にしても、いまいち主体性がなく、流されがちだったのが気になりました。
桐原が暁斗に惹かれた理由も、分かるような分からないような…カメラを離れた素の笑顔の可愛さ?
しかし何といってもこのシリーズは続くので、続編では暁斗の成長も少しは見られるといいなと思います。


【good morning?】は、新装版描き下ろし。
朝、仕事を忘れてイチャイチャする二人の元へ、リック達が乗り込んでくる。
リックが、隠れている暁斗のシーツを剥ぎ取り、皆にひやかされる…というお話。
こうもオープンにされると若干萎えてしまいますが、
モデルのヌードなど見慣れている人々の集まりと考えるとまあ納得なノリ。
いつも冷静な桐原が、羽目を外して珍しく慌てているところに可愛さがありました。

3

王道マイフェアレディ

帯にも「セレブな紳士×仕事を干されたモデル、BL版マイ・フェア・レディv」とある通り、そのまんまの実に王道でした。
あれ?やけにベタコテだし、作家さんぽくないと思ったら01年の作品の新装版なんですね。
旧版に書き下ろし【good morning?】が入っています。
本当に何も書くことがないくらいに、ズバリなんで困ってしまうw

再婚した母親の夫とそりが合わず、大学の学費を手切れ金のようにして家を出た主人公・暁斗が、目的もなくすごしていたところをカメラマンの田上にスカウトされてモデル兼恋人になったのだが、仕事もなくなり捨てられる。
バーで荒れて会計が出来なくなっているところを助けたのが、桐原という金持ちの謎の男。
どうやら、酔った勢いで色々と吐きだして、そして彼と寝てしまったらしい事に目が冷めて気がつく。
そして、桐原に3カ月の猶予を与えるので、一流になって田上を見返せと言われ、暁斗はそれから色々なレッスンを受け、桐原に連れ回され色々な人々に引きあわされ、
そしてパーティの場で、桐原の正体と自分の立場を知るのでした。
そして、どうして自分なのか?という全てを桐原の告白により知った時、初めて恋人になる二人。

お話ですから、若干なんちゃって感があふれ、色々と都合よく進みますが、これも作品設定ならではのご愛敬。
こういうマイフェアレディものというのは、その磨かれる人間の魅力というのは、磨くことにした本人にしか解りえないものでw
最後のネタばらしで、桐原が色々言いますが、暁斗の魅力って???
よくわかりませんでした(汗)
この話の中で悪者になるカメラマンの田上ですが、人間として最低ですね(笑)
所詮、暁斗もモデルになりたくてなったわけでなく、どちらかというと一人ぼっちの心の隙に付け入られただけの関係で、暁斗自体もモデルとして精進するより、恋人のウエイトが高かったのもそもそもの原因。
それにしても、所属していたモデル事務所も酷いもんですね!
そこへ、桐原が闘志をたきつけてやる気を出させる、本気でモデルになるというのは大変なんだよ、、、
と、言いたいところですが、そういう描写って最初の水膨れくらいであまりなかったり~
やる気は持つけど、何となく暁斗は受け身だったような感じがします。
桐原の事を好きになっちゃうのですが、本人に対して恋人とかそれ以外に素性とか仕事とか関心とか持たなかったのかしら?
どうして人に引き合わせるのか?その会った相手が誰なのか?とか
普通だったら興味を持てば聞いたり、調べたりしそうなものですが、暁斗に至ってはまったく。
それで後で知ってビックリ!って・・・あまりにふがいないアホの子ちゃんでした(苦笑)

【キスで起こして】
暁斗がピーマンが嫌いな事から桐原と喧嘩して、偶然桐原の誕生日を知ったことでサプライズパーティをすることになってという、大人な桐原が子供っぽさを見せる話でしたが、
書き下ろしの【good morning?】はその甘いひと時を過ごした翌日の話で、
肝心のポスター撮影があるのに、二人で盛大に寝坊してしまうというお話。
この本編外の話の中では、桐原はクールさの仮面がはがれて(?)一人の男に戻っているという点が注目でしょうか?
ラブバカップル話でございます。

こういった話、嫌いじゃないけど多分時代が10年以上前なので、現代の感覚からしてベタコテすぎて、ちょっとつまらないという感じかも?
暁斗が間抜けすぎて、意地張ってるのがかわいいとか、境遇が可哀相とかまで行かず、かといって頑張る姿もさほど感じられず、スムースすぎるからかな?
主人公達の魅力がよくわからないという点が自分的にかなりマイナスです。

4

この作品が収納されている本棚

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