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柳田のレイプ未遂を美化しなかった点は、とても清々しく思いました。三島が少しでも同情しそうになった瞬間、桐野がきちんと止めに入る。そこが好感が持てます。
噂って、ひとりから十人、十人から百人へ…広がるほどに尾ひれ背ひれがついて、でたらめになっていく。それなのに、狭い町の人ほど、そうしたデタラメをむしろ簡単に信じてしまう。人の口が怖いものだと、改めて実感させられます。
そしてラストは…もう、やりきれない切なさでいっぱいです。どうしてこうなってしまったのか…現実とはわかっていても、ほんの少しだけ、違う展開を願わずにはいられなかった。それなのに、現実はここまで残酷なんだと、つくづく思い知らされました…。
今まで読んだBLの中でダントツで好きです。
ストーリー、キャラクター、画力、演出どれをとっても心を揺さぶる作品でした。
思春期の葛藤が繊細に描かれており、当事者でない立場からみても、心境を想像しやすいような高い表現力がありました。
閉鎖的な環境の中での居心地の悪さが印象に残る一方で2人の交流は明るく楽しく描き雰囲気を一変させるなど、物語の緩急がついていて読んでいて面白かったです。
主役2人のキャラクターにすごく感情移入できる作品でした。あまりBLを読んで泣くことは無かったのですが、この作品は泣きました。
うわー切ない!
見た目も身の上も真逆な三島と桐野、母親も真逆で反応も真逆。そして進む道も…恋愛だけなら何とかやり過ごせることもできるだろうけど、桐野は性自認も違うから並大抵な覚悟では無理だったんだろうなと想像。
大人になってからの桐野のモノローグがないから本心は分からないけど、結婚して子供もできて父親も家庭に戻ってきたようで母親も幸せそうだから、桐野も幸せなのかな。
それでもやっぱり息苦しさを感じてるのではとか、理解し許容してくれる奥さんと子供ならば息苦しさを解消できる未来もあるかなとか考えてしまいました。
夢野の反応はまだ中学生だから仕方ないですね。とてもリアルで苦しかった。でもそこで終わらないのがいい男だ!なんて一途なんだろう。
性認識が他人と違うことがどれだけ生きづらいのかが、とてもリアルに描かれているように感じられて良かったです。
それにしても桐野ママだけ一気に老けすぎてないだろうか。小ちゃくなりすぎw
フミさんのモデルはあの有名なおばちゃん?w
SIDE:B。
初読時に評価を入れてしまい、今更変更できません。「A」は萌でそのままだけど、こちらの「B」は今読むと「神」だよね。
ただ、これはBL的なラブがどうとかエロがどうとかじゃなくて、生きづらさを抱えた子どもが自分で生き方を切り開く決意をしていく、という彼らの人生航路に感じ入るから。
最悪なパターンで自分を拒絶された柳田は性暴力野郎に成り下がり。(そしてご存知の通り「深潭回廊」へ)
田舎町で噂になり同時に親に知られた三島、桐野、夢野。
三島母は元レディースで、テメーはテメーの道を行け一択。
夢野母はさすが国際結婚当事者。いいんじゃない?であっさりしてる。
問題は、桐野母。これは…
だから桐野は自分の人生を決める。断腸の思いで。
なんて苦しいんだろう。
生きることはままならない事の連続。自分で選んだという事その一点で桐野は人生を生きていくんだろうなぁ…
さて、驚きは三島と夢野がパートナーになってること。
夢野〜良かったね〜。
…ってだけじゃなくて、今は生きやすいであろう三島も夢野もままならない事も悩む事もたくさんあるよね、というのも伝わってくる。
恋愛縛りのBLじゃなくて、リアルな人生、生き方の選択を見せてくれる作品。
読もうかどうか迷ってる人、読んでください。
私自身、読んで本っっっっ当~~~に良かったです。
損はさせません。名作です。
便宜上女性コミックに分類されているけど、これは紛れもなくBLです。
桐野親子の回想シーン、自転車で別れるシーンでは目頭が熱くなりました。
ご安心ください、主人公はハピエンです。
ただ…桐野の選んだ道は賛否あり、本サイトに限らずレビュー欄にはピ側のかたも多いようですが、桐野のように性的指向(※"嗜好"ではない)を隠して偽装結婚する人は、可視化されてないだけで実際にはたくさんいるのだと思います。
現に私の友人も、妻子持ちさんとデュアルしたことがあると言ってましたから。
なので非常にせつないけれど、私としてはある程度は説明のつく、納得のいく終わり方でした。
女性とセッできてしまう時点で同性愛者じゃないのでは?という疑問もわきましょうが、こういった人々は現在では「ゲイフレキシブル」、ヘテロ寄りならば「ヘテロフレキシブル」と呼ばれています。
(ググってみてください)
もし桐野がゲイ男性ではなくトランスジェンダーMtFならば、この場合「ヘテロフレキシブル」です。
本作のタイトルはNirvanaの「Smells Like Teen Spirit」という曲から取られたものだ、と書いてくださったレビュワーさんのお陰で、この作品をより深く理解することができました。
(レビュワーさん、ありがとうございます)
作者さんはTeenをGreenに変えたのですね。
上手いなぁ…