この呪いは、とけますか。

深潭回廊(2)

shintan kairou

深潭回廊(2)
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神46
  • 萌×27
  • 萌4
  • 中立2
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
11
得点
272
評価数
61
平均
4.5 / 5
神率
75.4%
著者
永井三郎 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
ふゅーじょんぷろだくと
レーベル
POEBACKS Be comic
シリーズ
スメルズライクグリーンスピリット
発売日
電子発売日
ISBN
9784865896398

あらすじ

柳田(やなぎだ)の無気力な日々は近所の男子学生・渚(なぎさ)によって劇的に変化した。渚との触れ合いは長年の傷を癒すように柳田をぽかぽかと幸せにする。そこら中に花が咲いて、視界はキラキラときらめいて、まるで全てが初めての世界。いつまでも、いつまでも、このあたたかな陽気が続きますように。

表題作深潭回廊(2)

山田(柳田先生)
尾崎渚,中学3年生

同時収録作品深潭回廊(2)

渚の友人の父親
尾崎渚,中学3年生

その他の収録作品

  • プロローグ

レビュー投稿数11

読み手を選ぶ作品かと思われるが。

『深潭回廊』の2巻目。
永井先生の代表作の一つと言って良いでしょう、『スメルズ ライク グリーン スピリット』のスピンオフ作品。『スメルズ~』の主人公の三島を襲った、高校教師の柳田先生のお話です。続きものなので前作が未読だと理解できません。未読の方はそちらを読まれてから今作品を読まれることをお勧めします。

三島から、そして自身の性癖から逃げ続けた柳田が行き着いた、小さな島。
名を隠し、山田と名乗りひっそりと生きる彼は、その島で一人の少年に出会う。中学3年生の渚に。

人と深く付き合うことを避けてきた山田だったが、渚はグイグイと山田の懐に入り込んでくる。そしてついに二人は一線を越えるが―。

というところまでが1巻で描かれていたストーリー。

2巻はそんな二人が少しずつ距離を近づけていくシーンからスタートします。

誰からも。
親からも、そして自分自身でさえ受け入れてあげることのなかった「ゲイ」そして「ペド」という性癖。

そんな性癖を抱え、葛藤し、苦しんできた山田にとって、渚という少年の存在がどれほど彼の支えになったのか。渚は中学生で男の子。山田の性癖にドンピシャな存在なんですね。

けれど、山田にとって、渚という少年はただ自身の性癖を潤す存在ではなくなっていく。「渚」という、一人の人間としての存在を、山田は欲していく。そんな山田の姿に安心するけれど。

んー。

今作品は柳田先生の救済のストーリーだと思ってたんですよね。『スメルズ~』で幸せになれなかった柳田先生が、幸せを手に入れるストーリー。

でも、違う。
今作品は、渚救済のストーリーなのだと、そう思いました。
ネタバレになってしまうので詳細は書きませんが、渚の現在置かれている状況はかなり劣悪です。胸糞です。胸が痛いです。
なぜ、そうなってしまったのか、そこはまだ描かれていませんが、けれど彼の状況は許しがたい状況です。

山田の闇を渚が受け入れた、のだと、1巻を読んだときには思いました。けれど、渚もまた、救助を待っている。山田の存在が、渚にとっての救済の場になってる。渚が、山田の前だけで見せる、心からの笑顔に思わず落涙しました。

今作品は読み手を選びます。
子どもが大人たちの食い物になっているストーリーが苦手な方にはお勧めできません。

で。
2巻に入り、柳田先生の根っこであろう南条くんの存在が少しずつ大きくなってきました。びっくりする形で、柳田先生は南条くんと再会します。再会するけれど…、うん。切ない。

人を、そのあるがまま受け入れることの難しさと大切さ。
その表裏一体の事項が、これでもかと描かれています。

読んでいて、心が温かくなるお話ではありません。
読み手を選ぶ、かなりハードなお話です。
けれど、ここまで深く、「人を愛すること」「自分と違うものを受け入れることの難しさと大切さ」「普通って何?」を問うたストーリーが他にあっただろうか。

タイトルの「深潭回廊」。
このタイトルがまた意味深っていうのかな。
渚、そして山田。
彼らが囚われたままの深潭。
抜け出せない回廊。

それらが端的に漫画の中でも描写されていてどこまでも胸に迫ってくるお話でした。

先述しましたがBLという萌えはほぼありません。
けれど一つの作品として素晴らしい。
神×10くらい付けたい。

次巻が今から待ち遠しい、そんな神作品です。

17

身勝手な男たちに怒りが止まらない

『深譚回廊』の2巻ですが、人間の本質を遠慮なしに描き出し、残酷で救われない世界をありありと映し出しています。
1巻の〝モっさん〟のような怪物は出て来ませんが、私には大人たちが本物の怪物に見えました。

渚によって救われた柳。
そして、渚も柳に必要とされることで救われているのだと思う。

村の男たちに性の対象として見られ、身体を貪られ続ける渚。
どこの世界に汚いおっさんにヤられてなんとも思わない子どもがいるよ!そんなのいるわけない‼︎
自分勝手で利己主義な男たちに憤りました。
何度も渚を犯す男たちは、きっと何度も渚の心を殺してるんだと思う。
そして、それが親友の父親だなんて信じられない!

「おじさんはセックスなしでも俺といれる?」
「俺をここから連れ出して」

散りばめられている渚の心の吐露に、胸が鷲掴みにされる思いでした。
渚は、村や父親に縛られて苦しんでいます。

その唯一の救いが、村の外から来た柳田だったのでしょう。
しかし、一冊の本が柳田から渚への関心を奪っていきます。
かつて柳田が本気で恋をした少年・南條。
その南條が書いた、少年2人の冒険譚。
描かれている少年は、柳田と南條なのか?
だとしたら、南條は柳田に恋していたのか?

南條へ想いを馳せる柳田は、もう渚の声も聞こえないし、渚のことも見えてない。

大人って、なんて自分勝手なんだろう。
すぐそばで助けを求めている少年に気付いてよ……そう思わずにはいられなくて、切なくて涙が止まりませんでした。
渚の目や感情がどんどん死んでいくみたいで、心配で堪らない。

また悪い男たちに利用されそうな渚と、それを分かっていて受け入れる渚。
一体どうなって行くんだろう……と、想像がつかない展開に、先が気になって仕方がありません。

数奇な縁で引き寄せられた柳田と渚を通して見せられる、大人たちの露悪的な表現に震撼させられる作品です。
文字にしない心理描写が半端なく、漫画ならではの表現力には唸るしかない。
これは、きっと柳田の救済の物語じゃない。
かつて子どもを恐怖に陥れた柳田が、子どもである渚を救済するお話なんだと思う。(そうあって欲しい)

今回はページ数が少なすぎて悲しかったので、3巻はボリューミーにお願いします!

11

すぐそばにある闇

少しずつでも穏やかにハッピーエンドに向かうかと思ったら、やっぱりそんなわけありませんでした。全ページほぼ、闇。搾取され続ける渚の死んだ目が読んだ後もずっと突き刺さって離れません。
狭い地域で、小さな世界で、まだ非力で逃げることができない子供が弱い大人に蹂躙される様は、この作品だけでなく現実にあることを改めて考えさせられます。
柳田との共依存気味の関係もあるきっかけから少しずつ変化して、渚の場所がどんどんとなくなっていくのが辛かった。
柳田が渚を救えるのか、救うことで自分を救えるのか。たとえハッピーエンドにならなくても完結まで見届けたいと思います。

5

謎が深まる

歪んでます
登場人物8割は歪んでます。いや、病んでるのか

少年のはずの渚は大人びすぎてる
無慈悲に当てられる性欲を受け入れ恐らく身体共に病んでる、というより死んでる?
海に飛び込む行為は死んで(フリ)清めてるつもりなのではないだろうか
その行為でリセットして自我を保ってるのではないかな
今まで受け入れてきた性欲とは違う求められ方をした渚は柳田からの求められ方を愛情かなにかと勘違いしていそうな…
渚は大人びているがまだ子供なので愛とかの考えはまだ幼そうだし
今の段階だと謎が多すぎるのでなんとも言えないが闇が深すぎてやばそう
もちろん渚が自分と同等の闇がありそうなおっさんを渚側に引き込もうとしている気もする

そしてなにかありそうな渚の父親
智の父親が言っていたが「蛙の子は蛙」
渚の父親もソッチだったのだろうか…
渚を探したり、タバコの吸い殻の量が多くあったシーンでも待っていたかのような描写だった
なぜ待っていたのか、なぜ探したりしていたのか
売り物だから?それとも心配して?
わからない。伏線が多くて面白い

もっさんこと柳田も南條君の真実を知ってしまい渚の存在価値が薄くなり、さあどうなるってところで次巻へ

あー続きが楽しみ

4

重くて悲しい

スメルズライクグリーンスピリットのスピンオフ作品。

1巻の最後の方でお花畑を見た柳田だったが、花の色が黒くなって2巻へ続き…。

もしかして、これから2人に明るい未来が待っている…のかも…とほんの少しだけ期待していたけれど、あ、そうだ、柳田は沈んでた。花は黒くなっていた。
と、思い出した2巻だった。

始まりから渚の闇…というか、周りの大人達が酷過ぎてどうにかして渚が救われないかと願うことばかり。

後半に南條くんが登場したが、これも救いようがない形での登場…。
そんな…と、柳田と共に号泣してしまった。

スメルズライクグリーンスピリットも最後に切なくなって泣いたけど…。

今回は、ただひたすら悲しくて。

それでも、私は何度も読み返すだろう…重くても悲しくても大好きな作品。

1

SOSに気づいて!

1巻から予想はついてたのですが、渚の置かれた環境が酷すぎて読むのが少々辛い2巻でした。
親に縛られ、周りの大人に搾取されている。
その状況をなかば諦めている感じなのが余計に辛い。
そっと発した信号に柳田は気づいてやれるのだろうか。
どうか気づいて欲しい、と今は祈るしかありません。

憎いと感じながら心の隅でまた会いたいと焦がれていたんでしょうね、南条くんに。
柳田との思い出を物語にしたあと亡くなった南条くんは何を思っていたんだろう、と思いを馳せるととても悲しい。
だけど、柳田には今は渚を見てほしいな。
今きっと柳田を必要としていて、柳田に必要なのも渚じゃないかなと思うから。

3

続きがとても気になります

渚を取り巻く大人の男たちに、反吐が出る程の怒りを覚えました。

山田(柳田)は渚が遠くを見詰める眼差しに、やはり南條くんを重ねていたんだなぁ…と。

そしてその渚から南條君の行方を知った山田は、目の前の現実が何も見えてないんです。彼はまだ夢の中を漂っていると思いました。そんな山田を慕う渚が切ないし、彼の物分かりの良さに悲しくなりました。

智が父親を嫌っている気持ちも分かりましたが、何も知らない智が事実を知ったらどんなふうに自分を責めるのだろうと心配になりました。

巻末に登場した島外の若者達も、渚にとって同じような存在なんでしょうね。
渚が自ら進んでそのようになったとも思えず、まだまだ真相は謎が多いです。

願わくばこの「深潭回廊」が山田(柳田)の起死回生の救済のお話である事を願います。

3

種類の違う強い呪い

 永井先生の目の描写にすごく引き込まれます。何も映していないようで、物事の深淵を見ているような、空虚と叡智が共存しているような瞳が好きです。1巻ではとにかく柳田の抱える闇の深さが際立っていましたが、2巻では奔放な少年に見える渚も、いろいろな柵や大人の汚さに絡まれながら生きていることが分かります。立ち居振る舞いは常に堂々としているけれど、それは感情のダメージを軽減するために自然と現れる彼の防衛本能の1つなのかもしれません。

 閉ざされた島でようやく今まで溜め込んできた憎悪や恐怖の感情を昇華させられそうな大人と、閉ざされた島の中の狭く汚い人間関係の外に一筋の光を見出した子供。柳田が長年想っていた南條のその後も明らかになり、さらに読めない展開となってきましたが、2人ともこの出会いをきっかけに、良い方向へと人生の舵を切って欲しいと願います。

1

渚と山田の地獄

最初に言うと、まだ終わりません。続きます。
まあ、こういう主題だから2巻でストンと完結するわけもないですね…

冒頭、渚とまったりな山田の図。
何よ。山田はすっかり憑き物が落ちたようなイケメンで、渚も山田の傍で小悪魔なんかじゃなくて邪気のない可愛らしさを漂わせてるじゃないの。
だけどこの巻は渚のいる地獄がこれでもか、と描かれる。
それは家。
それは学校の校内。
それは学校を抜け出した海の上の岬。
地獄の鬼は、父親?美術の教師?親友のお父さん?

この巻の描き方では、「山田」は渚が自分で頼った相手で、「山田には」愛情があってやってること、のように読める。
が、本当にそうなのだろうか?
1巻ではもっと山田を煽っていたではないか。
一方、学校の友達の前では全く年相応で、他の同級生たちとなんら変わらないのに。
渚、という少年は謎めいていてその姿が、その全貌が見えてこない。

さて、渚についてもっと知りたかったけれど、物語はまた別の展開に進んでいくのです。
渚が読んでいた本、『彼方へ』。
その著者名を見た途端、山田を取り巻く空気が一変する。
東条遥。
それはあの懐かしく苦しい記憶の。
そして渚は言うのだ。それは「遺作」だと。
その瞬間から山田の視界から渚は消え、山田は柳田の心に戻ってさまよい出す…

3巻はどうなるんだろう。
渚は?
地獄にいて、諦めているのか?それとも悪意を持って山田も自分の場所に引きずり込もうとしているのか?
あるいは本当に山田に愛情を持って共に抜け出すのか?
過去から死人の腕が伸びてきて足首を掴まれた柳田は?
教師時代に戻って渚を犯そうとするだろうか?それとも渚に殺してくれとでも?
ますます先が見えない。深すぎる深潭。そして曲がりくねった回廊。

9

人格を伴う関係が築けないか

カバーイラストにもある、自分の性癖や過去から逃げる大人と、大人の性の捌け口にされる少年の膝枕が刹那的です。
2巻では、渚を取り囲む汚い大人たちと大人になりつつある少年少女たち、また柳田の過去の重要人物との切り口のお話でした。衝撃に毒が抜けたような白い柳田が印象に残ります。

前半の大人と子供、後半の柳田の少年時代と現在は対になっているのでしょうか。
行為が出来なければ一緒に居られないのか、というのは以前から疑問でした。そして渚がぬくもりや素の会話を柳田にだけ求める理由は何なのでしょう。
渚が唯一助けを口にした相手柳田、彼が渚を目に留めていられるのは、今だけなのでしょうか。
渚はもう望みがないと気付いてますね。
人格を無視して行われる行為に、真っ黒い目をした彼自身がこれ以上蝕まれない未来が描かれる事を祈ります。
目が…怖くて…慣れない…

お話自体神ですが、この巻だけで言えばまだ途中段階なので、中立の立場にしました。

3

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