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お米と恋の成長を見守るのどかな1冊でした。
草間先生の挿画も作品の雰囲気とぴったり。
架空の米どころが舞台となっているのも新鮮でしたし、想像していたよりもしっかりと農業に関しての描写があります。この切り口は面白いなあ。
田舎の風景と季節の移ろい、手作りの料理、収穫したての食べ物の美味しさが伝わる文章が素敵でした。
真夜中に読むのはおすすめ出来ません。
もれなくお米が食べたくなりますから。
ひょんなことから「こめ王子」として、米作りを素人目線で見て学び経験し、世の中に発信することになった万里。
全編受けの万里視点で進むので、ちょっと彼の子供っぽさと年齢にそぐわない行動の奇妙さにはもう少しなんとかならなかったのかな…と思うところがあり…正直受けにはそこまで愛着がわきませんでした。
どちらかというと、食に助けられた自分が出来ることはないのか?地元の農業の活性化をはかるにはどうしたら良いのか?と考えるに至った攻めの方が好みだったかもしれません。
劇的な恋が描かれているわけでも、大きな出来事があるわけでもなく、お米と農業に真剣に向き合う青年たちの日々が描かれています。
決して派手ではないのがこちらの作品の良さなんですねえ。
彼らが奮闘する町おこしならぬ農業おこしは、現実世界ではなかなかこんなには上手くはいかないのだろうなと思いつつ、前向きに少しずつチャンスをものにしていく彼らの姿は読んでいて気持ちが良かったです。
周囲の人々との付き合い方も無理がなく、ほどよくリアル。
肝心の恋愛面に関しては薄めかなと思います。
でも、序盤から数多→万里への好意はダダ漏れな気が。
非常に甘めでしたので、これは攻め視点も読んでみたかったかも。
あっさりと描かれていましたが、写真を並べるって結構キているような…攻めのトラウマと過去部分の明かし方がやや性急だったのも残念。
キャラクターは良かったのですけれど、もうひと萌えほしかったです。
個人的には恋愛面よりも、農業初心者マークの万里の目線で語られる農業を介しての新しい発見や楽しさ、面白さの方に魅力を感じました。
穏やかでほのぼの。そんな言葉がぴったりな、田舎ののどかな風景が楽しめる1冊です。
会社を辞め実家へ戻り農業を営む30歳の数多と、新卒で就職した途端に倒産→無職の憂き目にあった万里。
そんな万里がやけになって数多の田圃へ自転車でダイブしたところを助けられ、お詫びに農家PRの為にこめ王子というゆるキャラ的な役割を引き受けることで進むちょい地味なお話です。
ただ、ちょいちょい挟まれる話(自分が撮った万里の写真をいくつも枕元へ飾る数多とか、数多がたった一人で大きな一軒家で暮らすことのちょっとした寂しさとか)が個性的でホロリとさせられ、その辺りはさとさんらしいなあと感じます。
もともと数多はゲイという設定なのですが(でも好みはガチムチ)、万里へその辺りを気持ち悪くないかと気遣ったり可愛い可愛いと褒めちぎっていたり、矢印は最初からかなり万里へ向いています。
ですのでノンケの万里が数多への恋心を実感すれば両想いなのですが、でもこれは後半でしたね。
大きな出来事はないものの、万里の歳の割に擦れてない素直な性格も良いですし数多もゴリ押ししない良い男なのでホンワカしたお話でした。
癒し系BLとでもいいましょうか、何ともふわふわした男の子が主人公です。
最近、任侠やら執着やらSMやらを読んでいたので落差が激しいけど、私は楽しく読みました。
主人公の龍川万里は、やっと就職した会社が1ヶ月で倒産して、ヤケを起こして自転車で田んぼにダイブ。その田んぼの持ち主の男性、生田数多(あまた)に助けてもらって、話も聞いてもらって、就職決まるまででいいから村おこしのアイドル「こめ王子」になって地元の農産物のPRブログをやって欲しい、と依頼され。
万里は22才の設定だけどかなり子供っぽい。
自信なさげにはじめた田植えの手伝いや畑仕事、草刈り、毛筆でのブログ、それら全てを、まるで夏休みにおばあちゃんの田舎に来た小学生みたいにキラキラと体験していく感じに描かれている。
ブログやポスター、フリーペーパーなどで「こめ王子」に反響が出始め、「会社」からは必要とされない自分と、多くの人に慕われ、何より数多から求められている「こめ王子」としての自分を天秤にかけた時、万里は「こめ王子」に専念することに決める…
見ようによっては、褒められて気分のいい方に流れている、とも見えてしまうけどね。
数多も素直な万里が可愛いんでしょうね、いつもストレートに感謝の気持ちなどを言葉でちゃんと伝えて、とても素敵な人です。騎士っぽいかも。
ノンケの万里が、頼れる数多に好意を抱くのはともかく恋愛感情まで、というのは少〜し無理めな展開とも言えるけど、いざHとなると、これでなかなか自然な積極性もありつつの健全男子でありました。
数多も万里もいい人で、友達のカメ(♀)もいいキャラで、農業おこしも順調で、あ〜良かった、という読後感の一冊です。
田舎で農業を営むトラウマ持ちゲイな攻と、就職難の末にやっと就職した会社が倒産し、途方に暮れていたところを攻に拾われて地域興しのこめ王子になった受の、ハートフルなハッピー農業ライフものです。
受の一人称なのですが、正直なところ一人称を書くには作者の力不足を感じずにはいられません。
が、勢いがあるのでそのあたりを無視できたら最後まで一気読みです。
前作も里山体験ものでしたが、今回はさらにパワーアップした本格農業BLです(笑)
離農によって過疎化していく田舎町を何とかすべく、こめ王子というプロジェクトを立ち上げて就農者を増やしたり地域興ししたりする話なんですが、なんちゃって田舎体験したい方にはおすすめです。
コメディとシリアスの中間という、なんとも言えない中途半端感がありますが、ガチムチで面倒見のいい攻と、少し天然入った素直受という絶妙に癒されるカップリングに、読んでてほっこりしました。
穫れたて新鮮野菜や、てりてりねっちりな炊きたてご飯がやたら出てくるので、深夜の飯テロ具合もなかなかのもの。
この作品で描写される田舎がどの程度かは分からないですが、結構真面目に農業について書かれています。自然災害、虫や病気はガン無視なので、実際にはこんな甘いもんじゃないですが。
ご近所付き合いや、田舎の嫁姑問題なんかもちょろっと出てきたりして苦笑い。
その辺はマイルドに濁されているので苦痛は感じませんが、実際の農村の閉鎖的で保守性の高い、噂がひとっ飛び感もないので妙に明るく不自然なのが現実味に欠けてます。
大自然の中で人間の原始的な営みをしながら、攻と受が徐々に近づいていく様子は、作物の実りの過程を見ているようで楽しかったです。
年の差があるので受の素直っぷりが遺憾なく発揮されていて、ふたりで仲良く百姓やる姿は微笑ましい。桃色シーンも恥じらいと開けっぴろげ感が絶妙で、もの凄く萌えました。
この受本当に真っ直ぐで可愛い。考えなしで我儘なところがあるので、好き嫌いが激しく分かれる性格ですが、甘やかされた末っ子なんてこんなもんだと思うと、それすら可愛い。
そして攻が格好いい。セレブ攻がスポーツジムで作り上げた人工的な腹筋もいいですが、力仕事で自然と割れた腹筋攻のなんと眩しいこと!
あー楽しかった。
PCだスマホだラインだに疲れてる方はぜひどうぞ。
はぜ掛け米うめ~ってなります。
先日相撲部の受けのBLに出会って驚きましたが、コメ作りがメインとなったBLも初めてです。
農園が舞台だったり農家出身の主役はいましたが、それでもおしゃれな感じだったり小奇麗な感じなので、どっぷり農作業で泥まみれになっての田植えや地味な日々の生活の中からボーイズにラブが生まれて来たのは新鮮でした。
苦労して入った会社に入社からひと月で倒産という憂き目にあった万里が、自棄になって自転車ごと田んぼに飛び込むというおちゃめな純情青年がとっても面白かったです。
地域と農産物のPR用のアイドル「こめ王子」にというのがホントにありそうです。先細りの農村や町おこし企画が楽しそうです。妄想掻き立てられるような王子ならぬ男カップルだったら、見に行くなり農作業のお手伝いに行き野菜ゲットのイベントにも行ってみたいですね。
実はゲイでしたと言う生田さんも、全くそんな気のなかった万里も農作業や町起こしイベントを企画していく中で、お互い意識しながらも最後まで告白しないで終わりなんじゃないかと思うくらい何もありません。
かっこよくて憧れのお兄さん的な感じで仄かに目覚めてしまいましたという結末かと思いましたが、何とかぎりぎりで万里の踏み出した一歩で告白&両思いにこぎ着けたときには、やっとだよーっとほっとしたものです。
万里の家族からは理解が得られそうですが、田舎の農村でどんなふうにゲイカップルが暮らしていくのか見守っていきたいような気がします。