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前の職場を解雇されてから就活を続けて振られること1年、「ベースカラー診断」の看板につられてジュエリーショップに立ち寄った昇龍は、子供の頃に離ればなれになった晶と再会する、というお話。
晶にとって昇龍は初恋の相手かつファーストキスの相手です。
「銀座の恋の物語」という、ゲイバー「銀城」を舞台にした作品に、お客として登場する鳴海晶が本作のメインキャラ。どっちがどっちのスピンオフなのか分かりませんが、双方の第1話初出は同じ年(2011年に別の雑誌掲載)のようです。「ジュエリー・スィートホーム」にも銀城が出てきます。
さて、晶と昇龍はなかなか、難物なカップルでした。まず、晶がものすごくモテる人で貞操観念が低い。つきあっている(別れたいと思いつつずるずる)恋人は妻子持ちであり、この1冊の中でも関係のある男が他に何人も出てきます。対して、昇龍の方は、1話では女の子と同棲していたノンケで、再会した晶のことは美人だと見とれたりするものの性別が男なら恋愛の範疇外だとはっきり表しています。なのに1話ですぐに二人が寝てしまうので、勢いにしても付いていけないなあと思っていました。
それが2話で、晶の方は、初恋の相手とはいえ寝てみたら大してそうでもないな、と冷静に考えていたり、昇龍の方も男と寝たことを今さらながら後悔していたり、流れがリアルな方向に変わってきたのでどうにか気持ちを立て直して先を読むことができました。
でもやはり、昇龍がノンケで、男はないわー、とついこの間まで思っていたこともあって、最後まで煮え切らない(ように見える)、それだけに現実味を感じられるところではあるのですが、元からゲイの恋敵たちの方が晶には合うんじゃないかと思ってしまいます。晶は確かに美人だけど、昇龍が本当に晶のことを好きなのか分からないところもマイナスです。(恋敵の存在に煽られているだけ?)
という点はあるものの、お話は特異で面白かったです。ジュエリーショップのお話だけあって、パワーストーンの持つエネルギー(歯車がずれた等)のエピソードや、晶が石と会話?したりするのも良かったです。
でも本作の肝は、晶の養父であり師匠の鳴海安志とパートナーのアレクの老老カップルにつきます。最後の最後まで添い遂げて、遺灰同士を合わせてメモリアルダイヤにするなんて、素敵過ぎました。
小さい頃、結婚式ごっこでキスまで交わした幼馴染の再会もの。
宝石と人間の相性とかいろいろと盛り込んだお話でした。
最後の養父のお話は凄くいいね。
お互いが愛しあってても身内には認めてもらえず…
なので死んでも同じお墓に入ることなんてできない。
そこでジュエリーの先代が願ったのが火葬した後に灰をコップ1杯もらうこと。
のちに自分が亡くなったら、
自分の灰と一緒にしてメモリアルダイヤモンドにしてもらいたいと。
そうすれば2人で1つのダイヤモンドになれるから…
(ちょっとウルッとしたよ~っ)
宝石店を営むゲイの晶は、就活中の昇龍と再会。
二人は離ればなれになっていたが幼なじみで、おままごとで結婚式のチューをした仲。
昇龍を雇うことになった晶の初恋の相手は昇龍だったのだが、現在は妻子持ちと不倫中だし、昇龍はノンケで同棲中だし。
二人の仲が進展するとは思えなかったものの、そんな時に昇龍が結婚まで考えていた彼女に逃げられて…
といった内容の、ちょっとだけスピリチュアルなラブストーリー。
晶は、ジュエリーの持つパワーや、運命を視ることに詳しいようで、端々にそのようなセリフやシーンがでてくるのが、スピリチュアル好きには楽しかったです。
この作品に惹かれたのは、一つには主人公が見た目女性的なのに反発が湧かなかったこと。
女性っぽさのあるBLキャラって、基本好きじゃないんですが、晶はスーツ着用だからか不思議と気にならず、むしろ応援したくなるキャラでした。
思うに、晶って「愛する人を得て、共に生きること」に対して真摯でどん欲で、そこが素直に共感できたのかなぁ。
それから、スピリチュアルが上手く使われているなと思ったこと。
スピリチュアルやオカルトって、付け焼き刃的な使い方されるとウンザリしてしまうのですが、この作品は程よくリアルと不思議の境界線な範疇なのがいい感じでした。
さらに、自分はスーツ好きなんですが、絵が上手いのもあって、イチイチ格好いいのがポイント高いです。
実は絵柄的には凄く好みという訳ではないのですけど、作者さんの絵が上手いだけではなく、描くプロポーションが結構自分好みでした(笑)
話は安定した面白さだし、この作者さんはこの作品と一緒に買った「銀座の恋の物語」が初読みだったので、今後の期待も含めて評価甘めです。
これからは、この作者さんの新刊は買いで行こうと決めました!
同時発売された「銀座の恋の物語」のゲイバー「銀城」の常連、晶の物語。
あちらが「場所」を軸にした、いろいろな恋の物語なら、
こちらは「時の流れ」を軸にして、恋の終わりと新しい恋の始まりを、じっくり描いた連載物。
美人のビッチ受け君が
諦めきれずにいたノンケ男に襲い受けてみたら、上手くこっちに転がってくれて、
ずるずると切るに切れずにいたダメ男と別れさせてくれる。
そんなお話。
鳥人先生は、このパターンのお話を、こんな風にしっかり読ませてくれるので好き。
元ノンケ君の葛藤する様も、美人受けちゃんが不倫を嫌って別れたがるところも、
そして、美人受けちゃんにつきまとうダメ男も、
なんだかとってもツボなの。
「銀恋」より萌一つマイナスなのは、「銀恋」の方の占いネタは割とさらっとしているけど、こっちは、ストーリーの根幹に関わるからしょうがないとしても、宝石に関しての蘊蓄がちょっとオヤジの蘊蓄クサイでその辺りでごめんなさい。
【ジュエリー☆スイートホーム5.5】(最後の描き下ろしの話)
終わり方が、実に鳥人ヒロミ先生らしいなぁ。
受け・晶の元彼(不倫してた)の息子が受けの前に颯爽と登場し、意味深な言葉と意味深な行動を残して立ち去って行く… 余韻でEND。有りと言えば有りな展開となってます。
まあ、そうなっちゃうわけなのねっ! 実に面白い。
私はこの続きが読みたいです!元彼の息子に話を引っ掻き回してもらいたい!
受け・晶は魔性の男。(初めて会ったはずの元彼の息子も照れるくらいの)
ひと目あったその日から、誰もがメロメロになってしまう美人受け・晶。
晶がモテモテで心配がこれからも増え続けるでしょうが、攻め・昇龍は、真っ直ぐにスクスクと晶の彼氏として成長していく事でしょう。
強烈にインパクトが残る描き下ろしの感想を書いてしまった私ですが、もちろん本編も良かったですよー。
幼馴染の『ファースト・ラブ』『ファースト・キッス』が『セカンド・ラブ』『セカンド・キッス』になる物語。
読んでいるこっちがドキドキしてしまいました。
