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夜空の灯・星は、人の想いを映して創られる──。
青井先生作品初読みです。
透明感ある絵がきれいですね。
静謐な空気感が伝わってくるようです。
星をつくる工場が舞台。
なんてファンタジー。
童話BLと言っていいくらいの内容ですね。先生はおとぎ話と仰っているのか。わかる。
セリフ少なめで美しい絵で語られる。
悲しげなカナタに無垢なアル。
つい、かっこいいカナタとかわいいアルという見方をしてしまいますが。
カナタのぼっかりあいた心の穴をアルがゆっくり埋めていってあげるやさしいお話でした。
キケとレオシュのお話もよかった。
レオシュの「あなたの作る星はいつも暖かい色で」「僕は先輩の星がとても好きです」のセリフがとても好きです。
キケのことをよく見ていてやさしい。
愛の告白の言葉でもある。
もう1編の不思議なお話もよかったです。
タイトルはstella(星)+arium(場所)で、星の場所……星の栽培地、という意味でしょうか。
そのタイトル通り、星の製造工場を舞台とする短編連作と、世界観のちがう読み切りが収録されています。
スト重傾向のあるCannaレーベルの作品ですが、ストーリーを楽しむというより、雰囲気や絵の美しさを楽しむ作品です。
宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』のような雰囲気があります。
きらきら輝く星が貝殻や海中の発光生物などを原料とし工場生産されるという、不思議な設定です。工場の様子がレトロな様子でありつつ、背景描写に90年代初頭の少女漫画やリトグラフの雰囲気があります。この世界観は、ハマる人はどっぷりハマるんじゃないかと思います。
『銀河鉄道の夜』の他に、長野まゆみ先生の幻想小説『夏帽子』『野ばら』『三日月少年漂流記』などが好きな方におすすめです。
初の作家さん読みです。
2013年の作品なんですね。
ストーリーが、とても美しい〜その美しいストーリーのせいなのか、まったく色褪せない素敵な作品でした。
静かに、ゆっくり、傷を癒すような風潮だったり、時間をかけて〜愛を育んだり。
3編の主人公から、脇役まで〜みんな、心が純粋で美しい人達で悪役が1人もいません。
更に、星を作る工場って、ロマンティックですねぇ〜。ため息が出る程、良かった。
エロはありません。
けど、大好きな作品の1つです。
青井さんの単行本の中で一番起承転結があり、多くの人の琴線に触れる作品だと思います。
鉱石や植物等をモチーフにして、読み易い作品に仕上がっています。
表題作も好きですが『真空庭園』も雰囲気があって面白いです。
一般的なBL要素は期待しないほうが良いです、独特の世界観は健在ですが『百年結晶目録 』の様な突き抜けた要素があるかと言われると微妙かもしれません。
それでも一般の漫画読みさんとBL読者さんの両方に手に取ってみて欲しい作品です。
ファンタジーものではありますが、がっつりというよりは、本当にありそうだけどない設定というような、現実の延長線上にあるような雰囲気の作品でした。前半は星を製造している研究所でのカップルが2組、後半は体から植物が生えている男性とのカップルが1組収録されています。
前半は星の描写がたくさん出てくることもあってとても綺麗なシーンが多いのですが、ストーリー的には後半の方が好みだったかもしれません。前半2組は切ない雰囲気があまりにもさらさらと流されているようで、絵の綺麗さ以上に物語が心に訴えかけてこなかったような気がします。後半のキャラは、片方は相手に植物を与え、もう片方は相手に呼気を与えて生きている2人という面白い設定で、年齢差や仮死状態からの生還など、もっと読みたいと思わせる要素がたくさん詰まっていました。