イラスト入り
木原先生は8作品目。
読み終わって「これはBLなのか?」と思いました。
確かにBLではあるんですが、個人的にはどっちつかずな印象を受けました。
大半がとことん現実を突き詰めた内容に占められていたので、最後の展開に少し違和感を覚えました。
あくまでも個人的な感覚ですが、ほとんどBLとは関係ないストーリーだったところで、最後によくわからないまま宇野と村上がヨリを戻して終わりというのが...
ヨリを戻すのがおかしいというよりは、BLならBLとしてその後の生活をもうちょっと覗きたかったし、そもそも村上の気持ちがあやふやな印象を受けたのでその辺りも掘り下げていただきたかったという願望です。
ただ、それを差し置いても素晴らしすぎる内容でしたので、神評価にさせていただきます。
のっけからアカン受けや・・・と思いつつ読み進める。でも学生時代とか受けの立場って本当はこういう感じなんだろうねと思えると言うか、片思いの辛さが同調出来るようになっています。
でもって、落ちる所まで落ちた村上と出会うこと、それを受け入れることで望みを叶えたかにも思えるけど、実は村上の方はそうじゃない。それを分かってしまうと自己防衛で前に進もうとする受けが切ない。
実際の恋愛でもこういうのはあるよね、きっと。村上にしたって相手は既に子持ちだし、相手も一番好きな人じゃ無くてもそれなりに幸せな生活を築けてる(多分)
人でなしの恋の最後、ちょっと駆け足での村上の変化が今までのリアルをぶち壊してる気がして神評価にはしてません。
最後はHappyになって欲しいものの、ちょっと受けの彼女への嫉妬からだけってのは前半の村上の感じからはポカン感に。
読後はHappyなだけに悪くは無いんですけどね。あれ?って言う感じでした。
やっぱり、木原先生の作品は心して読まねばならん。
表紙とタイトルで甘酸っぱいのかな?なんて思ったけど、んなわけなかった。
この作品も攻めがクズい。まだあんまり木原作品読んでないけど、大体ナチュラルにヒドイ態度取ったり言うたりする攻めが出てくる。
学生時代人気者のリア充攻めが、いろんなことが重なって見事な転落人生。
そこに現れた干渉せずにただ見守ってくれ、自分の居場所になってくれた元同級生(受け)に依存。
廃人同然だった日々からようやく立ち直りかけ感謝を込めてささやかながら受けのサプライズ誕生日会を開いた日に出て行ってほしいと言われ逆上(まぁ、どっちの気持ちもわからないでもない)受けに恋愛の意味でも好きだから一緒にいるのが辛いみたいな事言われて勢いで強姦まがいに致してしまう。
(ここまで受け視点)
次から攻め視点がスタートするんだけど
何でや!ゲイでもないのに欲情って、そこはわからん。
それからも何度もSEXするけど、出したら気持ちが冷めて恋愛の意味で好き違うわって毎回思うってどんだけ酷いやつや!寂しいから身体で繋ぎ止めてるだけって。
結婚まで考えた元恋人を好きだった気持ちと比べると全然違う。この関係ずるずる続けたらあかんなって悶々としつつ、でも1人は寂しいし、でもラブではないしと延々ループ。
うーん、本心だからどうしようもないよなって読んでて辛い。
受けもそんな事お見通しで、自分から離れてあげる。
最後に優しい暗示の言葉を掛けてあげて。
(ここ、泣ける……。)
なのに、受けに新しく彼女が出来たと知って、
攻めが嫉妬心でなんて事を!!!!!
なんてやつ!!!!!!!!!
許さんっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
(ホントこれくらいの憤りでした)
って思ってからの怒涛のラスト!
嗚咽ヤバい。
久しぶりに声出して泣いてしまいました。
木原作品これだから読んじゃうんだよ。
先生のあとがきにもありましたが
あらゆる悪臭に塗れた作品です。
ひたすら臭そうです。
クズい人も居れば良心的な人も出てきます。
人は何かのきっかけで転落してしまったり、自分で命を落とそうと思ってしまったりするけど、これまた何かのきっかけでやり直せたりするんだって、希望も持たせてくれる作品です。
最後に、
何も悪くないのにNTLにあった可哀想な彼女に
今後幸あれ!
普段は攻めが受けを溺愛するものか、執着攻めばかり読む私ですが、今回は趣旨を変えて購入。
音瀬先生の作品は「FRAGILE」を既読。
痛い・グロい・重い、があまり得意ではないので心構えをして拝読。
読み始めて中盤くらいで終わりを感じ、すごくいい物語だなぁと思いきや後半が本番でした。
ああ、これが音瀬先生か…と再確認させられた後半は攻め視点。
受けはもちろんのこと、読んでいるこちらの感情もグチャグチャ。
かなり女性絡みがあるので地雷な方は本当に要注意!
その代わり、現実感がすごくありました。
そしてなんといっても、今まで読んできた中で攻めが一番クズ。
だけどこれがリアルだよな…と現実を突きつけれました。
攻めがどんな姿であろうと包み込む受けの包容力はマザーテレサでした。
そのマザーテレサに向かって恋愛感情は沸かないと言い放った時は心の中で荒れ狂いました(笑)
あまりにも受けが可哀想すぎる…。
でもこれが恋だし、攻めに強要もできない。分かる、と一人で納得(笑)
なんとか攻めザマァが多少あり、救われましたが読んだ後も色々考えてしまい、ただただ無感情で萌えられるBLを漁りました(笑)
好みとは違いますが、音瀬先生の凄さを痛感した一冊でした。
長く熟成させた積読でしたが、やっと読了。
手をつけたら一気読みでした。なんでしょう、早く読めばいいのに…。
(いろいろ心の準備が必要、と身構えるのでつい積んでしまうのに、読み始めたら止まらなくなるのが、ザ・木原マジック)
比較的ハピエンですよね(笑)。正直、”期限切れの初恋”までだと、村上の気持ちは”生存本能”じゃないの?という印象でした。”人でなしの恋”でやっと、どうにかどうにか、宇野の初恋が成仏してる感じです。こんなにも元カノに未練たらたらな村上が、どうしたら他に(しかも男)に特別な感情を抱くことができるんだろう、、しかもめっちゃ”ときめき”とかの恋愛要素にこだわってるのに…と最後の最後までハラハラしてしまいました。(芽生えない可能性もあるのかしらと…)
ただ、油断できないのは、”村上は愛しているかもしれない男”の~”という最後の一文。え、まだ”かもしれない”んだ、さすが木原先生、と思ってしまいました(笑)