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海とヘビースモーカー

umi to heavy smorker

重度烟瘾者与海的约定

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表題作海とヘビースモーカー

肺癌を告知された男
和久井
大学時代の恋人

同時収録作品海と王子様

風間アンリ
26歳,自殺志願の王子様
田端
46歳,左遷された信金職員

同時収録作品蜜柑の海 前・中・後編

晃司
腐れ縁の幼なじみで農協職員
継巳
上京して8年の地方出身者

その他の収録作品

  • 開幕ベルが鳴る前に
  • 彼を待ちながら
  • 蜜柑の海 そのごのはなし(描き下ろし)

あらすじ

榎田尤利が峰島なわことのコラボのために書き下ろした“海”シリーズが遂にコミックス化。
海がある町を舞台としたドラマティック長編作品、甘く苦く心に染みいる全3編。描き下ろし有り。

重病を告知された男が再会するかつての最愛の恋人とは…「海とヘビースモーカー」
新進気鋭バレエダンサーと冴えないバツイチ男のキセキの出会い「海と王子様」
故郷に戻りたくても戻れない男を救う幼なじみの10年愛「蜜柑の海」

榎田尤利ショート小説「海とヘビースモーカー」と「海と王子様」の後日譚を収録。

作品情報

作品名
海とヘビースモーカー
作画
峰島なわこ 
原作
榎田尤利 
媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
シトロンコミックス
発売日
ISBN
9784799714034
4.1

(92)

(42)

萌々

(34)

(12)

中立

(0)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
28
得点
382
評価数
92
平均
4.1 / 5
神率
45.7%

レビュー投稿数28

短編集やったんかーい!

榎田尤利先生原作漫画って事で買ってた今作。
1話読み終わるまで知らなかった、短編集でした。
海がキーワードで繋がっている作品集なのですね。

【海とヘビースモーカー】
こちらは物語の起承転結の転で驚かされます。
表紙のタバコを咥えた黒髪の男、畠が主人公。人生ドン底、挙げ句の果てステージ3の肺がんと診断されてなんでか海のある田舎町の駅に降り立つ畠。そこで出会ったかつての恋人和久井の娘らしきワンピースの元気な少女。彼女に翻弄されながら和久井との過去の思い出に耽りながら自分の事も振り返る。
驚きの展開は読んだ方がいいと思うので書きませんが、視覚効果が生かされた演出で小説よりも漫画での表現にピッタリなことから原作の榎田尤利先生のテクニック凄い!って思わされました。

ただ、いい話ではあるのですが、短編だから説明不足な部分があり、描かれていない部分を読み取る力もいりました。最近はわかりやすく説明がされている作品が多いので読者として甘やかされてるから足らないなんて思ってしまうのかもしれません。

畠さん、この後タバコ禁煙してガンが完治して前向きに生きていってくれたらいいな。

【海と王子様】
この作品が1番好き!めちゃくちゃ不幸でもないけどまぁまぁ貧乏くじ引いてしまうしがない46歳の中年ノンケおじさんと膝の故障で人生絶望中の美形の花形バレエダンサー。いろんなコントラストが効いていてとってもよかったです。
美形が肉まんがっついてるとか、投身自殺しようと海に入ったら結局泳いじゃって死ねなかったとか、20歳と46歳とか、しがないサラリーマンとキラキラ花形ダンサーとか。
そんな2人なのに、キラキラの方がおじさんの事めっちゃ好きになってるんですよ。なんか夢がある。
職場でいい人だけど男としての魅力がなくて冴えない人認定されてるおじさんだけど、この先絶対いい感じの色気が出てきて密かに人気で出したりするんだろうな。私はメガネキャラ大好物なのでそんな未来が容易に想像できる。

【蜜柑の海前編・中編・後編】
田舎から上京してサラリーマンしている継巳の元に10年ぶりに会う幼馴染晃司くんが仕事のついでに現れてからの怒涛の展開。これ、数日の間のお話やんね?
①1日目 突然一人暮らしの部屋に幼馴染が仕事での出張の宿として泊まりに来る。(彼女らしき女の子が家でご飯作ってくれてたところに)

②2日目 東京観光案内。気付かずに新宿2丁目のゲイの出会いの場的ショットバーに入店。トイレで継巳襲われかけたところ康司救出。
継巳なんか性的なトラウマありそげなビビり方してる?

③3日目 母からの入電
最愛の祖母急死で10年帰っていなかった故郷に帰省。ここから怒涛の展開。

晃司くんはずっと継巳くんのこと好きだったんだろなってのはすぐわかる。ずっと片思いでこの気持ちは伝えずに秘めておこうと思ってたのがこんな怒涛の展開舞い上がってしまわない?ポーカーフェイスな晃司くん視点も読んでみたかった。心の中カッコ悪いくらい大騒ぎだったんじゃないかな。恋愛ってかっこ悪くて情けないもんだって思うからそんなところも見たかったです。

開幕ベルが鳴る前に/小説
海と王子様の第三者視点のお話
本編で風間アンリくんが田端さんを招待した復帰後の舞台の幕前での出来事。2人共素直で可愛いです。この後2人の話が始まるんだろうなって予感がしてキュンキュンします。

彼を待ちながら/小説
海とヘビースモーカーの和久井視点のお話。榎田尤利先生って死をモチーフにしたお話が多いんだけど、こちらもそうですね。畠の事が心配でどうにかしてあげたくて出てきちゃったんだろな。
畠にとってずっと忘れられない恋人だったんだろけど、和久井はその後結婚して娘もいててって感じだったら奥さんと娘の元にもピンチの時は助けに出てくるのかな。それとも霊感強くないと見えないのかな。どうなんだろうか。

【蜜柑の海】
2人の故郷はみかんの里って事と方言からして愛媛なんだろうな。東京と愛媛、めちゃ遠距離恋愛。お互い金銭的にも時間的にも普段があるな。たまに会うから盛り上がると取るか、マイナスに取るかは自分次第だな。

シーモアで購入
そんなシーンは殆どないけど、白抜き修正。

0

海に因む泣ける三話

「海」に因んだ三話。短編集。お盆なので、再読。


①海とヘビースモーカー
こういう展開は、読後に悲しくなるので苦手・・タラレバが尽きない。
この中で一番短い短編だけど、胸にグサッと刺さる。
病人にもっと優しくしようと反省。

肺がんを告知される畠。事業に失敗して、友人も恋人も去っていた。
駅のホームでふと癌で死んだ人を思い出す。

実家に帰る和久井の事情を理解せず怒って、そのまま意地を張って連絡を絶った学生時代の恋人。
和久井は、女性と結婚して子が生まれ、数年前に癌で亡くなっている。
「いつか一緒に見よう」と約束した海と、和久井の遺影をみたくなって出かける畠。
駅に着いたら、死んだ恋人の面影を持つ少女が何故か待っていた。

切ない伏線が仕込まれていて、少女の正体がわかる場面で、毎回泣けてしまう。
魂魄を残すほど、畠を心配をしていた和久井。
意地を張らず「ずっと好きだった」と生前に言えていたら、違う人生になっていたかも。
畠のばかぁー。


①「海と王子様」
海辺で助けた自殺未遂の男性は、実は有名なバレエダンサーだった。
年齢差20歳。 御伽噺ような壮年の恋物語。


③「蜜柑と海」
大好きな蜜柑畑がある田舎、でも故郷にいけない訳がある。
その原因を、祖父の葬儀で従弟が解決して、二人の恋が深まる。
海と蜜柑に因む恋物語。

0

夏の幻

探してたのは ずっしりと読みごたえのあるものだったんです
しかも 暑いので できれば見た目に涼しい表紙のもので


失敗した事業でこさえた借金 女には逃げられ友人には避けられ そんなろくでもない人生に告げられたのは 肺の病

感傷に浸るつもりもないのに突如現れたのは彼によく似た少女
すこし図々しくて すこしお節介で すこしおませで

確かにそこにいたものは病の愁いが見せた幻だったのか 未練と罪悪感が作り出した妄想だったのか

表題作で一瞬鳥肌が ぶわッ!ってなりましたよ
ぶわッ!と膝から下総毛立つように


短編詰め合わせだって知らなかったんです 知らなかったんだけど

自分を王子様だと言い張る死にたがりの彼も 世渡り下手なお人よしの彼も
幼馴染にガールフレンド取られまくりの故郷を嫌う彼も すべてを飲み込んで一途に待った彼も

短編のくせにどれも ぎゅッ!っと圧縮された 迷いながら歩く各々の人生と 人を想うキモチがパンパンにはいってて 必ず最後のページに泣かされて鳥肌がたったんですけど

びっくりだよ

今まで短編詰め合わせ読んでもお話毎に好き嫌いが出ちゃってたのに 好きしかない短編集に出逢えるとわ

原作・漫画どちらもはじめましての作家さんだったけど
なんならこのまま『夏だ!ホラーだ!オカルトだ!』まつりを開催してやろうかと思うくらい好きだわ 表題作

0

つらい!

つらい、、、
3つのお話し、それぞれツラい。
ままならない。
ハッピーなとこで区切ればハッピーエンド
だけど、ホントはその前も、その先もあるんだって感じさせてくれるお話しばかり。
それぞれツライけど、自己完結してなくて
後ろ向きじゃないので読み終わったあとドヨンとした気持ちにはなりません。
神で!

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珠玉の短編集とはこのことか

珠玉の短編集とはこのことかと✨
絵がきれい。
どのお話もステキ。


表題作…肺ガンになった畠が昔の恋人の故郷を訪れる。切ないお話。
その恋人が言った「海があるってことはすべてがあるってことなんだ」は本作のテーマだと思った。

海と王子様…さえない中年リーマン田端が海で出会った男は王子様と名乗る。
死のうとする王子様に「いいかげんにしなさい!」と叱る田端さんいい。
今まで不遜だったのに「ごめんなさい」と素直になる王子様も。
田端を好きになった王子様が迫り、ビックリして
「ぼ 僕は46歳のオジサンだぞ!」
「俺26 20歳差だね」
と返すのおもしろい。
「絶対に嫌だ」
「流されるの得意なんだろ」
「今だけは流されないっ」
の流れも笑ったw
後日談の小説もよかった。

蜜柑の海…昔の同級生が再会、継巳が失くした故郷や海を晃司の支えがあり取り戻す。
晃司がしゅっとしていい男。
黒髪短髪長身筋肉質切れ長目
ちゅうからのいちゃいちゃもいい。

どのお話も海の場面が美しかった。
海辺でいい男たちが恋するの絵にならないわけないね✨

0

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