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冤罪ではあるが痴漢の加害者とされ、
それを理由にリストラされてしまい、
妻と子をかかえて……
そんな主人公が働く先としてたどり着いたのは夜の商売。
ホール係といわれてきたはずが、男性を相手にするといわれて……
表紙はさておき、中にある挿絵もそうなんですけど
徹底して「主人公の印象が薄い」んですよ。
意図してそうされていると思うんですが、これがすごくて。
作中で行くと度なくそういう描写がされているから、その印象通りなんです!
そんな男がどうしてこの「悪辣」な男と関係を持っていくのかが
もう!秀逸すぎて!!
そんなところから罠張ってたの~~!!と途中で気づかされるんですが
まさかそうなるとは思わなかったなーって読み終わって感心しています。
読み終わって改めて表紙のイラストとタイトルみて
「ほんとだよ……そりゃ悪辣だよ」って思いました……。
とはいえ、痛い描写は少ないですし、
エロシーンもどちらかというと淡々とすぎていくのですが、
それよりも「妻」ともう一人の女性の描き方ですよ……。
お み ご と !
会員制クラブのオーナーである攻め鮎川と、痴漢疑惑が原因でリストラされ、無職の受け川崎。
紹介された求人に面接に行ったら…
鮎川のゾクゾクするような色気を奈良さんのイラストで表現されると、まんまその通りで…。お話自体は、攻めが実は学生時代にバイトしていた家庭教師の中学生だった、というものなのですが、川崎の性的嗜好に気がついてしまう過程が上手く描かれていて、なかなかに面白かったです。
ただ、萌か?というところだと、うーん、萌ではないな。
どちらかと言うとノンフィクションを感じさせるような(当たり前ですが、風ってことです)執着の中に見つける愛というか、目覚めというか。
中原さんの作品!っていう感じでもありました。
軽いハッピーエンドじゃないのに、最後はホッとしてしまう。。。
レール人生を生きてきた平凡な37歳既婚者が男に堕ちる…のを期待して読んだのですが、どちらかというと羞恥プレイが主だった気がします。
普通の飲食店だと思った求人は女人禁制のクラブで、自分以外のスタッフは若くて美しい…
その劣等感や、制服に隠された開発されていく身体の羞恥心と戸惑いが複雑で良かったです。可愛いような情けないような、淫靡なのか蓋したいのか混ざり合った感じで。もう少し鮎川が川崎に夢中になってベタベタして欲しかったな。種明かしもあっけなく。
気になっていた中原さん、現代モノ・単巻ということで、こちらで初読み。一冊目がこれで良かったのか……?という一癖ある内容だが、作者らしいとの感想もあったのでまあいいか。
文章はクセや特徴が綺麗に削ぎ落とされていて、内容だけがスルスル入ってくる。読んでいるのに文章の気配を感じないというか、なんかステルスな印象。
受けの川崎は外でも家庭でもとにかくずっと我慢している。最初はいつかキレて爆発しそうに見えて怖かったが、攻めの鮎川が出て来てからは様子が変わった。拒みながらも本音では拒みたくないらしく、一見流され系のようでいて実は嫌よ嫌よも好きのうち系の受けだった。
それにしても鮎川も名のあるモブも、川崎を追い詰める描写がねちっこい。一つ一つのシーンでいちいちしつこく責められるうえに、川崎も上手く反応を返せなくてもどかしい。
本質を隠すために分厚い殻をまとった川崎の中身を暴こうとしているので、それぞれが必要なシーンではあるが、川崎の心理的に抵抗する描写もしつこいため全体をクドく感じてしまう。
間に挟まれる過去エピソードは妖しい空気と萌えがいっぱいで良かった。
鮎川の事情が明かされてからの手のひら返しはあっさり。受けた仕打ちが悦びに変わるほど気持ちが傾いていたようには読み取れず、唐突な愛の告白に驚いた。
口では嫌がっているが本音では悦んでいるんだろう、暴いてやるぜ~っていう開発調教エロと、陥れて手中に収める拗らせ執着BLの王道を組み合わせたようなお話。
ラストはそれなりに綺麗に収まったが、これからが心配な二人だと思った。
女性陣は皆酷い有様で、良文だけが癒し。ただただ彼の今後が幸せであることを願う。