恋なんてもうしない けれど、ふたたび出会ってしまった 忘れられない 忘れられるわけない だって好きだったんだ――

  • 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作徒花の恋

長瀬亘,高校の同級生,23歳
戸川貴一,デザイナー,23歳

同時収録作品コハルビヨリ!

元木ハジメ,大学4年生
橘タケル,大学3年生

その他の収録作品

  • その後の二人(描き下ろし)
  • その後の二人+α(描き下ろし)
  • あとがき
  • カバー下:4コマ漫画×2 イラスト

あらすじ

16歳の時、戸川貴一が好きになったのは同級生の長瀬亘だ。貴一にちょっかいをかけては好きだと言う亘に、卒業式の日、冗談めかして告白する。けれど、貴一の想いが本気だと気づいたのか、亘とは疎遠になった。以来、貴一は恋愛をしない。割り切った関係でいい、本気になっても返ってくるものは何もないのだから── そんなある日、貴一は亘と再会して…!?

作品情報

作品名
徒花の恋
著者
ツトム 
媒体
漫画(コミック)
出版社
大洋図書
レーベル
H&C Comics CRAFTシリーズ
発売日
ISBN
9784813030447
3.5

(39)

(10)

萌々

(10)

(13)

中立

(3)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
10
得点
132
評価数
39
平均
3.5 / 5
神率
25.6%

レビュー投稿数10

西嶋さんラブ

二作品収録されています。

表題作【徒花の恋】は高校の同級生同士・再会もの。
「おまえのこと、すきだなぁ」と貴一に何度となく言ってた亘。それは本心だけど深い意味を考えるのが怖かった彼が、貴一から卒業式に告白されて、男が好きな自分という事実にビビって逃げてしまい…。
二人は偶然再会するのだけど、卒業式の出来事で深く傷ついた貴一は当然、亘を拒絶するのに亘は構わず近づいてきて…。
何かと近づこうとする亘の意図が掴めず戸惑う気持ち、そして目にすれば固く封をしたはずの思いが少しずつ揺れる気持ち。この気持ちの描き方が好きです。

なによりこの作品に魅力を添えているのはやっぱり西嶋さんという亘のセフレの存在。
再会を果たしたものの勘違いからすれ違いそうになる亘と貴一の橋渡しをし、スマートに立ち去る西嶋さん。
そのことで終わりを告げた亘との関係にふっと寂しげな表情をしながらも「あいつらうまくいくといいなぁ」と願う…
個人的にはここがこの作品の中で一番好きなところ。(攻め受けのシーンではないけど…。)
亘と貴一というカプが青春のやり直しみたいなどこか不器用な初々しさが残るのにたいして、西嶋さんは超スマートな大人。この対比がとってもいい。

私、ツトムさんの描くおじさまが好きなんです。(今、ツトムさんが一般で描いてる「おじさんはカワイイものがお好き」もいいです!)
西嶋さんはおじさまではないけれど、あと数年も経てば酸いも甘いも噛み分けた超魅力的なおじさまになると思う。
書き下ろしの「その後のふたりα」では二人でランチをしようとしたところに偶然、西嶋さんと出会って三人でランチを…。西嶋さんと仲良さげな貴一に嫉妬する亘と、その嫉妬心丸出しの様子が気に入ってしまった西嶋さん。亘には手ェ出さないでよ!とキレる貴一。
まさかの新たな三角関係の始まり?!みたいな冗談めいたオチがおもしろかったです。
ていうか、西嶋さん。その場合はもちろん「受け」てくださるんですよね。私は西嶋さんが受けになってるの読みたいな。

もう一つの【コハルビヨリ!前編後編】は、女好きの大学生が出会い頭にぶつかって以来、何かと構ってくるようになった先輩にペースをすっかり狂わされて…。
先輩は「そんな顔してたらほっとけねーだろ!」みたいなセリフとともにギューっと抱き寄せるんですが肝心のラブについては超無自覚。
側からみたら、きゃ~なにこのBLカプ!みたいな事やってくれてるのに、当の二人はほぼ無自覚というここのギャップにニマニマしちゃいます。

描き下ろしが二つあってこれが好きなので萌よりの萌萌で。

4

16歳は繰り返しやってくる

たとえばある登場人物が相手になにか言われたときの、その瞬間的な表情を確かめたくなって前ページに戻る。その回数が多いなぁと思う作家(作品)のひとりです。

表題作は16歳で同級生への恋を自覚し、相手はそうじゃないとわかって卒業以来離れたままだったが後に再会。そこから始まるお話です。皆さまレビューされているように、全体的に珍しい展開ではないと思うけれど細かいエピソードなどもよくて、やはり惹きつけられるものがあるんですよねぇ。どのページのどの言葉も必要に思えたし、Hシーンへの入り方も面白みがあるのにさりげなくて、私はとても気持ちよく読めました。

高校時代を振り返るシーンで、授業中に後ろの席から頭をツンツンやるのですが、そのときのセリフがよくって。BLで、相手が気になり始めるきっかけに「やわらかそうな髪」とか「きれいな髪」って思うのはよくある気がするけれど、そこは「触りたくなる形の頭」とくるんですよね。もうそれを読んでからこの丸い頭が可愛くて(笑)。

それと、おそらく本作でファンを作ってしまった西嶋のストーリーも、ぜひ読んでみたいところです。江名さんが西嶋の魅力についてレビューされています。高校生も可愛くてよいのですが、作者の描くオヤジがけっこう好きな者としては20代、30代、それ以上の懐深そうな男でも、ぜひお願いしたい。

4

江名

詩雪さん、コメントありがとうございました(#^^#)

セフレの西嶋さん、よかったですよね~~
ペーパーでは、西嶋さん自身が可愛いモブくんと妄想してたり、
攻めの亘にちょっかいをだしたりしていたので、
なんだかこっちも余計に妄想の夢が広がっちゃいましたw
西嶋さんの美人受け、わたしもかなり見たーーい☆
それは無理でも大人CPのお話、ぜひぜひ読みたいですね。

詩雪さんのレビューを読んで、また「触りたくなる形の頭」が見たくなりましたよ~
情景が浮かぶステキなレビューが読めて嬉しかったです(*´ω`*)

脇役が誰より印象的。

高校時代、好きになった友達に振られ、それから5年。

もう恋なんてしないと思っていたのに、
よい関係を築いてるセフレもいて、
そんな身体だけの関係で十分だと思っていたのに、
高校時代の片想いの相手に再会して、
思い出してしまう、あの頃の恋心…
そして、気付いてしまう、今も奥底に眠る気持ちに…

すごくよくありそうな話ですが、
微妙な表情や、その場の空気がとても上手く描かれていて、
じわじわと温かい気持ちになれるいいお話でした。

再会してからくっつくまでが、結構あっという間でしたが、
それだけ高校時代に築いていたふたりの間の関係は、
特別なものだったのでしょう。

ちょっと残念だったのは、
受けよりも攻めよりも、受けのセフレの西嶋さんが一番格好よく、
印象的だったこと。

スマートで、余裕がある大人。
ついこの間まで受けと寝ていたのに、
うまく攻めと受けが話し合えるように引き合わせて、
「あいつら、うまくいくといいなァ」なんて言えちゃう人。
でも、どこかちょっと寂しそうでもあって…
その、かすかにふわっと漂う哀愁が、
どうにも魅力的に見えて仕方なかったな。

ツトムさん、
こういう人を攻めにして(いや、受けもいいかも?)
長編1本描いてくれないかなぁ~~

8

ふんわり再会もの

高校時代仲良かった二人が嫌な別れ方してうん年ぶりに再会して…という話は確かに集めたら高層ビルできそうですが、
ツトムさん特有の優しいふんわりした雰囲気に癒されました。
病み男も出てくるけど当て馬の西嶋さんが超デキた人で、西嶋さんがすれ違う二人を包み込む話、といっても過言ではない!
スーパー攻め様な西嶋さんもどうかお幸せに!
後半は爽やか眼鏡先輩とツンなチャラ男くんのお話。チャラ男くんの陥落が可愛かったです。

2

再会もの

雰囲気が好みだったので購入。
でもちょっと分かり辛いお話でした。
いえ、話の筋は至ってシンプルで、高校時代に好きだったけれど振られた同級生と再会して、まとまる話。
整理してみるととても分かりやすい話の筈なんですが、何故か主人公がゲイだっていうのがスッと入ってこないのです。
ゲイなのは主人公なんですが、好き好き云っていたのが同級生なので、何となく違和感を覚えたまま終わってしまいました。
同級生からのベクトルは「好き」じゃなくて、普通に友達としてとても仲がいい方が分かりやすかったかも。いや、友情も「好き」のうちなんですけれど。
主人公はずっと好きだって云われていたから、思いきって告白したら振られたって事ですよね?
主人公がゲイじゃなくてもよかったのでは?
何となく最後まで分かったような分からないような状態で、ふわふわした感じで終わってしまいました。
西嶋さんの存在は必要だったのかも謎。主人公ががちゲイだって描写したいためだとは思うのですが、何かそういう雰囲気じゃないのは何故なのか。私が鈍いから読み取れていないだけなんですかね。
読後感は悪くないですが、個人的には何となく残らないお話でした。
実をいいますと、レビュー書こうと半月くらい保留にしただけで、話の半分くらい思い出せないのです(汗)
読んでふんわりした気分になりたい時はいいかもしれません。

ああ、そうか、あまり切なくないんだ(納得)

4

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(コミック)一覧を見る>>

PAGE TOP