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表題作やりすぎです、委員長!

宮沢隆昭,本社から晴樹の部署へ異動してきた,26歳
河野晴樹,製パン会社支社製品企画課勤務,26歳

その他の収録作品

  • 委員長に異議あり!
  • あとがき

あらすじ

…品行方正で超真面目、イジメから自分を守ってくれた委員長――
  そんな初恋相手が忘れられない晴樹の好みは、未だに優等生タイプ。
  ある日、職場に異動してきたのは、なんとその委員長の宮沢!
  晴樹は再会を喜ぶが、なぜか宮沢は冷たい。
  その上、昔と同じように四角四面で正論を吐き、
  同僚たちから総スカン!! 必死で宮沢をかばうけれど、
  「おまえも俺が嫌いなくせに」と意外な言葉でなじられて!?

作品情報

作品名
やりすぎです、委員長!
著者
楠田雅紀 
イラスト
夏乃あゆみ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
ISBN
9784199007439
3.5

(21)

(4)

萌々

(6)

(9)

中立

(2)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
9
得点
73
評価数
21
平均
3.5 / 5
神率
19%

レビュー投稿数9

設定がまず面白い!

初恋相手が自分の理想そのままに育っていても、イコール好きにつながるとは限らない。
堅物委員長気質が社会に出た時どうなるのか。自分のヒーローだった攻めと再会して、好きだけど悶々とする受けの様子がとても面白かったです。
ただ堅物すぎて(ネタバレのため詳しくは書きませんが、堅物/真面目を通り越した場面があるように感じました)こんな人本当にいるのかな?というところが少しだけ気になりました。設定とか流れとかが嘘っぽくなく面白かっただけにその部分でちょっと「ん?」と素に戻ってしまう感覚が残念でした。
でも変な当て馬もいなくて、吊り橋効果のようなもので好きになっていくのでもなく、気持ちの変化をじわじわと感じることのできる素敵な作品だなと思います!

2

ヒーロー時代からスケベだったなんて笑

前編だけだったら、満足出来ずもやもやしてたかもなんですが、
書き下ろしである後編により、すっきり読み終えることが出来ました。

主人公の晴樹。
最初は本当に好きでした。一途で、今時珍しい堅さを持った社会人で恋人が居たことも、恋愛面での経験もゼロで‥なんて純粋すぎて、ワタルではないですが心配になる気持ちがわかります。
お相手の委員長こと宮沢くん。
ルールに厳しく曲がったことを一切嫌うめっーちゃ真面目な優等生。
もっと緩くてもいいんじゃない?と、こちらは最初の頃は苦手なタイプでした。
でも読み進めていると、委員長は真っ直ぐでストレートで押すとこは押して、実はスケベで、なんて。魅力的な素敵な人だったんだ、と好きになっていけたのですが、一方晴樹に関しては、委員長とワタルによって付き合えたり、課長とのことも揉めずに済んだり、とハッキリ意思表示もなく行動にも移さないので、イライラする場面が多々ありました。
なので、このままストーリーが終われば微妙な作品だなあ‥と思ってたのですが、書き下ろしでまあなんとか満足出来ました。
晴樹が最後の最後にだけど、やっと行動してくれた!と、親心の様に読んでいた気分です笑。


でもなにより、ワタルと課長にもってかれましたー。
ええー!2人の今後が、主人公2人よりも気になる!と思ってはいるのですが、小太り嫌味課長のお話を読む勇気は、まだ私にはありません(^ω^;)

2

「委員長」

ハイスペック堅物攻め×健気ワンコ受け

受けさんも攻めさんも好みのキャラで、物語の展開も
テンポよく楽しめました。
ただ、脇キャラがここまで立ってしまうのはどうなんだろう、
主人公のご友人「ワタル」と同じく主人公の上司「香田」
何もここまで濃くしなくても……(苦笑
特に香田さんは悪目立ちがすぎてうーーーーんとなってしまいました。
深いネタばれは避けたいのでこれ以上書きませんが
もうちょっとひたらせてくれてもいいじゃないですか、、
という何とも言えない気持ちに。

そして、これはお話と直接の関係ないのですが話中で
受けさんが「晴樹(下の名前)」、攻めさんは「宮沢(上の名前)」
と表記されていたのがどこまでも引っかかってしまい……
どちらかに統一して欲しいなと思ってしまいました。
(更に個人的な趣味を言えば二人とも下の名前表記がうれしいのですが)

何だかんだいって「神」をつけるか迷ったのですが、
迷った時間が長かったのと、引っ掛かった部分が何点かあったので
萌*2にしました。
挿絵は好みが分かれるかな~と思いますが個人的には好きでした!

1

10年初恋

小中同級生が10年経って同じ職場で再会して誤解と勘違いの末に結ばれる話です。
受けになる晴樹は中学生の頃に本格的ないじめに遭いそうな時に小学校の途中から
転校してきた攻めになる宮沢に助けられてその姿と行動に子供心にカッコいいと思い
まるで雛が親に必死でついて行くように懐いた中学時代。

頭の出来もタイプも違う二人だけど、宮沢は晴樹を守り可愛がってくれた。
そんなときに宮沢に片思いしている相手がいると知り、そのことがきっかけで
晴樹は宮沢を意識しだし、それが友情以上の恋愛的な気持ちだと気がつき嫌われたくない
一心で思いに気づかれないように宮沢から距離をとるようになります。
そして、接点が少なくなり卒業を迎えた日に宮沢から携帯番号とメールアドレスの
書かれたメモをもらい、返事は晴樹が携帯を持ってからでいいと言う何か
かみ合わない言葉で別れ、少し疑問に感じながらも連絡を待っているという言葉は
きっと社交辞令なのだろうと判断し、連絡も出来ぬまま歳月が過ぎる。

晴樹はゲイだが、自分にとって正義のヒーローだった委員長に相応しい宮沢が初恋で
誰かと付き合うことになっても宮沢と比べてしまい、26年間も彼氏いない生活。
そんな初恋相手と再会するが、憧れでヒーローだった宮沢は四角四面で融通が利かず
正論を述べているけれど、職場の仲間から浮いてしまうのです。

過去の宮沢を知っている晴樹は理想と大人になった現実の姿に戸惑い過去に助けられた
こともある初恋相手が気になって心配しまわりとうまくやって欲しいとアドバイスを
しようとするが、けんもほろろ状態で取り付くしまもない。
子供の頃は正義感にあふれた委員長も大人社会では人間関係を円滑に出来ない問題児。

しかし、次第にそれが晴樹の思い違いだという展開になり、単に他人に甘えることが
出来ない不器用なだけで本質は昔と何も変わっていなくて、再び初恋相手に
恋をするような展開です。
お互いに10年も前から相愛なのに、勘違いと誤解、思いの伝え方のわかりにくさで
10年も無駄にしたようなお話でした。
全体的にはコミカルなテンポで読みやすく、後半に二人の嫌味な嫌われ者の上司が
晴樹の友人の恋人になるくだりがあるのですが、なんともイロモンマニアックで
妙に主役二人よりもインパクトが頭に残ってしまいました(笑)
頭に残ったけれど、上司のスピンオフは読みたくないと笑えました。

3

人には多面的側面があるとは言っても

よく小説家や漫画家達が「キャラが勝手に動いてくれた」と言うことがありますが、この作品は逆にキャラクタを作為的に動かしすぎてやいないかな、と感じました。

主人公の性格があまり好きになれない。作中、周りの評価は概ね良いし、本人も自分で悪い性格とは全くおもっていないでしょうけど、なんだかなあ、という価値観を持っているキャラクターでした(ああでも、作中で「面倒くさい」と友人に指摘されてましたね。同意見です。)。
自分で勝手に思い込んで持ち上げて、勝手に幻滅して落とす。これをされる当て馬的人物が数人出てくるのですが、そのキャラクター描写が冒頭に上げた「作為的では」と疑問を持つものでした。

主人公が当て馬的キャラクターに好感を持つ前半。翻って幻滅する後半。相手は全く別人のように感じます。主人公の想い人を持ち上げるために、無理やり当て馬を落としているような…。
ある人物を持ち上げる為に、他者を落としてその場をつなぐタイプの人っていますよね。私は嫌いな方法なのですが、そういう文章の書き方をしているのです。キャラクターもそうですが、作者の描き方に好感が持てませんでした。

メインカプの二人だけでゴチャゴチャしてくれる分には全く問題ありませんが、周りのキャラクターに対する配慮があんまりなかったな。流れは嫌いじゃないんですけど。

1

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