ボタンを押すと即立ち読みできます!
高校の屋上で出会った草次と海風の二人。
正反対だけど、なんとなく同じ匂いを感じて、お互いがお互いの足りないところを共にいることで保管しあっていたが、ときが経つにつれて疑問が浮かぶようになってきて、、、というお話。
好きだとか、恋人になろうだとか、そういった甘いLoveは描かれておりません。
しかし、終盤の「傍にいさせてよ」という海風の一言だけで、この先、草次とともにずっと生きていきたいという強い想いがひしひしと伝わってきます。
はっきり言って愛してるなんていう言葉よりも、愛情が詰まっているように感じました。
そう。
愛とは、必ずしも愛の言葉を囁くだけが愛ではないのだと、改めて知らされた場面でもありました。
そしてそれが草次に伝わったのも、高校生からつい最近までの喧嘩のやり取りなど、すべての過程があったこそでしょう。
海風母と草次の電話での勝手なやり取りには、ヒヤッとしましたが、おかげで海風自身がまとっていた鎧がひとつ剥がれたようで、最終的には安堵しました。
本編のあとのSSで、最近海風を見なくなったエピソードが描かれておりましたが、あのお話も尊かったです。
こんなの読んだら泣くし、海風も草次も幸せなんだなあって分かって、嬉しくなりました。
人って、ずっと停滞したままじゃなく、少しずつでも成長していく生きものなんですよね。
こういった色々考えさせられるストーリー重視のBL、本当に好きだなあと改めて思った1冊でした。
16歳の時に出会ってから社会人になった 今は同居していて、ずっと一緒にいる2人。
お互いの家庭環境とか、一緒にいて楽だったりとかどうして一緒にいるのかわからないけど一緒にいる二人。
2人で一緒にいる理由を考え始めた時、一緒にいることを降りることも考え始めた時。
お互いの気持ちが動くんだけど 、それがはっきりしない。
「でも一緒にいたい」 そういう気持ちに白黒つけられないところが、よりリアルに共感できて 心に響きました。
この作品って読んだ時の自分の状態や、読んだ回数によって受け取り方がまた違ってくるんじゃないのかな と思います。
タイトルにもしたけれども この先何度も何度も読み直すんだろうなと思った作品です。
表紙がとても好きで惹かれました。特に色のトーンがいい。
中身は、繊細な線で絵柄がきれいですね。
でいて、たま〜に作画が不安定?に感じるところや、小さな文字サイズ…などがストーリーに合っているなと。
思春期特有の繊細さと不安定さが、家族のアレが背景にあり、関係性にとらわれない曖昧な間柄が居心地がいい…のが、ポエミーが苦手な私でも、はい、一応わかりますよ〜と読み取れましてありがたかったです。
繊細で曖昧でありながらも、理解できたのは、わかるように描いて下さっているのと、思春期特有のこういうお話を嫌というほど見てきたからというのもあると思います。
別に思春期モノが好きなわけではないんだけど、嫌いでもないので、いろいろ見ていると必ずは当たるわけで、それくらい普遍的で昔からある話だなと。
なので、申し訳ないですが、意外性や新しさは感じられず。
キャラも同じく。
特に萌えもなく。
ただ、思春期の繊細さがポエミーに綴られ、少し大人になって、愛を感じられてよかったですね、というお話なんですね、という感想です。
情緒がなくてすみません。
完全に好みですが(5☆満点)
すごい ☆☆
面白い ☆☆
内容が好き ☆☆
絵が好き ☆☆
キャラが好き ☆
萌える ☆
ymz先生大好きなんだけども、デビュー作がこれほど素晴らしいとは…泣いたよね思わず。
気合いの入った感動的なシーンでもなく、淡々とした草次のモノローグ、そして海風への深い思いに気付く。ただ海風の幸せを祈る。
この静かな草次の思いにじわっと目が潤みました。
ドラマチックな展開などない淡々とした物語。小説を読んでいるようにも感じられる。
性愛的なBLを求める方には物足りないかもしれません。ただもっともっと深い所での繋がりを感じられる。これは愛のお話だと思う。
切なくてさっぱりしてて、優しいお話でした。二人の間にある感情は愛や恋とは違う、煙のような不思議な儚さを秘めたものです。色とりどりでカラフルな色ではなく、灰色や白などの落ち着いていて静かな色。
登場人物である草次も海風も心の底に暗くて重いものがあるからこそ、二人の間に優しい感情が芽生えていったんだと思います。BLというよりは、なにかもっと深くて儚いもののような気がしました
帯にハヤカワノジコさんの絵が描いてあったので、少し気になって購入させていただきました。最初の部分だけ見るつもりでしたがymzさんの世界観に引き込まれ時間も忘れてしまうようで、いつのまにか全て読み終えてしまいました。ページをめくるごとにある不思議な感覚はこの作品ならではだと思います。