偽×恋ボーイフレンド

ダークな毒があります。

ちるちるのアタル先生紹介記事で興味を持ち購入。
性癖絡みのちょい病み系の作品が詰まった短編集です。

「偽x恋ボーイフレンド」
女装男子が登場するお話、と言ってもいいのかな…
普段はクールな男の子の巡(めぐる)は実は可愛い格好が好き。周りには隠してるけど、カワイイものオタクの綜太郎ならわかってくれると思ったのか、完全女装して綜太郎の家にやってきた。
見た目超可愛い女の子なので、綜太郎はその子がクラスメイトの巡だと全く気付かない。なのに話を合わせようとしてわかる、と言ってしまった事から起こるすれ違いのドタバタ。
絵柄が可愛い〜から単なるTLに見えそうな話だけど、巡は女装の時と男装の時と性格が違うみたい。服装によって何かが憑依してるみたいにも見えて、恋愛的にはかなりムリ目な部分もあるけど話的には面白い。

「弱虫カレシとろくでなし」
好きになった男の子は、インラン小悪魔だった！というお話。
媚薬飲まされたり散々翻弄される攻めだけど、本気になって攻めると悪魔ちゃんもメロメロに…
この2人、こうやってシーソーみたいに上下関係のやり取りしてるんだろうなー。

「君と僕で蝶々結びを」
これはヤバい…
イケメンの花緒には色々女の子が寄ってくるけど、好みがうるさく真剣な恋などしない。そんな花緒の本当の好みは…
小さくて弱くて幼い身体に酷いことをしたい…っていう願望。
ロックオンされた恋乃クンの方もうっすら病んでます。

「嘘つきとハッピーエンドを」
女の子たちのアイドル・比呂乃は、いつも一人で本を読んでいる地味なクラスメイトの緒方が実はかっこいいのを知って、メガネを取って上を向いて友達作ったら、とアドバイス。
あっという間にアイドルの座を奪われた比呂乃は、緒方にイジメを受けていた過去を告白し、また一人になってしまった、と泣くが…
緒方のヤンデレ思考にゾッとする間もなく、比呂乃が呆気なく緒方にオちてずっこけました。


可愛い絵柄で実はメリバ的なダークな世界観がある作品たち。毒があります。

絵がかわいい

表題作はオタクで地味な綜太郎とイケイケグループにいながら女装が好きな巡のお話なのですが、このストーリーが一番面白かったです。綜太郎は見た目はかわいらしく、頼りない感じがするのですが、巡と付き合っていくうちにだんだんと男らしさが出てきて読んでいて頼もしかったです。あと、巡の普段の男前な感じと女装した時のかわいい感じのギャップが良かったです。ストーリーの中で巡が可哀想に思うことも多々ありましたが、結果的にハッピーエンドだったので安心しました。

どっちが攻めか…

ショタっぽい男子高校生が出てきます。個人的に漫画の上ではこういう可愛い男子は大好きなので楽しく読めました。

具体的な描写はあまり出てこないので、最初はどっちが攻めなのかわかりづらいです。それもそのはず、いつもは不良っぽくてカッコいい慧くんが女装すると巡ちゃんになるし、巡ちゃんのことはしばらくは女の子だと思っていたので綜太郎は、彼女の前では彼氏であろうとしているからなんです。
綜太郎の普段の仕草は女の子っぽくて、あざとくも見えるのですが苛められても好きなものは好きと言い切ったり、慧くんが辱しめられているとゴミ箱を投げて助けたり、いざとなると勇気のある子なので攻めでもいい気もしますが、やはり可愛い顔でとろんとして寝ちゃう終わりかたも萌えますね。

なんてこった

表題作は途中ですぐ女装に気付くだろ笑。と突っ込みたくなりますが、あまりに普段とキャラがかけ離れていて思いもしなかったのでしょうね。

攻めの巡くんの女装も可愛いけど、受けの綜太郎はメイクも何にもしてないのに元から可愛い系です。
綜太郎はオタクで反応もオドオドしてるけど、意外と頑固で振り回されてるのがむしろ巡くんの方だったのが面白かったです。


表題作以外も全体的にふわ～とした絵柄で、受けが中性的だったり幼い感じでした。

一番結末に驚いたのが｢嘘つきとハッピーエンドを｣で、読み始めた時の予想と全く違う結末でした。題名の通りどんな形でもあの2人が幸せならそれはハッピーエンドなので、他人から見れば完全にヤンデレっててアウトな関係ですが、あの閉塞感嫌いじゃないかも……


表題作の女装の他、ろくでなしビッチだったり、ヤンデレ、幼い見た目の子が好きな男子高校生だったりとパンチがきいたキャラばかりですが、重く感じないのは短編であったのとやはりこの可愛らしい絵柄かなと思いました。

慧巡(さといめぐる)×綜太郎　同級生・女装攻め
フツメンオタク主人公で相手はツンデレ美少女装っ子で、萌え系寄りの絵なので男の娘好きの男性が読んでも面白そう
ただし入れられるのは
そういえば意外と詳細検索の項目に「女装」ってないんですね、わりと好きなんで追加してほしいですｗ