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表題作アイロニードレスにさよなら

朝丘巡,29歳,ライター
天野恵一,男子高校生

その他の収録作品

  • 2回目の卒業式(描き下ろし)
  • カバー下(あとがき)

あらすじ

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アイロニードレスにさよなら
みよしあやと
「あの制服、本気で着たくて着てんの?」
悲鳴とともに捲れあがる制服のスカート。
ラッキースケベ、と思いつつもそれを見ていた巡だが、
スカートから覗いたのは男物のボクサーパンツで…!?
「見てんじゃねぇよ、オッサン」
女子高生の格好をした男子高校生の名前は恵一。
とあるきっかけで恵一を家に招くことになる巡だが、女子制服の謎は解けないまま。
だが偶然、恵一が女子の制服を着ている理由を知ってしまい…。

ココロとココロが結ばれる、初めての恋物語。
貴方のココロに寄り添うように、お届け。

作品情報

作品名
アイロニードレスにさよなら
著者
みよしあやと 
媒体
漫画(コミック)
出版社
一迅社
レーベル
gateauコミックス
発売日
電子発売日
ISBN
9784758073585
4.1

(73)

(32)

萌々

(27)

(11)

中立

(1)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
10
得点
302
評価数
73
平均
4.1 / 5
神率
43.8%

レビュー投稿数10

タイトルも秀逸!

みよし先生の作品の中で一番好きで、何度も読み返しています。

女子の制服で高校に通う恵一と、恵一と交流のあった隣人の息子・巡。
恵一と巡が親しくなっていくにつれ浮き彫りになる、恵一と母親の関係。
恵一の学校での立場……と、コミカルで明るい作風の中にあるシリアスがとーっても切ない。

明るくて優しい恵一。
優しいから傷つくのかな……そう思うと、さらに切ない。
恵一の機微を見逃さない巡も優しいんだよなあ。
ビジュアルもかっこよくて好きです^^

そして、巡は恵一によって救われたんだと思う。
彼の中にも、母親への後ろめたさや後悔の気持ちがあったと思うから。

何度読んでもとても素敵な作品で、改めて名作だと思いました。

1

うん、あり、かな。

なぜか女装している男子高校生と知り合いになったライターのおじさん。

おじさん好きなので手に取ってみました。
女装しよ、と思ったわけではなく、親にカミングアウトしたら、なぜか女の子用の制服を与えられ、それを着るようになった、という設定でした。
どうもこれがリアルに感じられず、なんとなく違和感を抱いたまま読み終えてしまった。

理解しようとして、女装させるに至った、そこの歪みはいい着目点だと思うのですが、実際与えられて素直に着るかな、というのが疑問に感じてしまい。

ただしおじさんと高校生のカプは好みなので、そこにすがって最後まで読みました。包容力があり、自分の本当の姿を見ようとしてくれるおじさんと、ゲイに悩む純粋な高校生、お互いに惹かれていくのはよくわかりました。

しかし、こういう年齢差のカプは多いのだけど(先生と生徒とか)、必ず卒業まで待つのは何かセオリーがあるのかな。やはり色々まずいのかもしれないよね。いくらファンタジーでも。。

1

女装願望は皆無なのに、スカートを履く理由

このお話の主人公はスカートを履いて学校へ通う男子高校生・恵一です。
女装願望は皆無なのに何故、スカートを履いて学校へ通うのか。
それはこのスカートが母親から贈られたものだから。高校へあがるタイミングで自分がゲイであることを打ち明けた際、母親は「子供の悩みを理解したつもり」でそのスカートを贈ったのです。
「違う!女装したい訳ではない!」と言いたかったけど言えなかった恵一は毎日スカートを履いて学校へ通います。当然、好奇の視線は避けられないし、時には嫌がらせを受けるにも関わらず毎日履き続けるのには理由があります。
それは「スカート」が母親の悪意なき拒絶・無理解の象徴であり彼自身への矛でもありますが、スカートを履いている限り自分に対する好奇の視線や批判は彼の「スカート」に対してであって、「ゲイ」というマイノリティな自分自身に対するものではないという自分自身を守る盾のつもりでスカートを履き続けるのです。

そんな日常を送る恵一ですが、巡という29歳の男性が母親の死をきっかけに実家へ戻ってきて以来、接点を持つようになります。
巡もゲイです。初めて同類に会えた恵一と、ゲイなのに女装させられている恵一が何だか気になる巡。そこから話が動き出します。
「俺、オッサンとは恋愛できるんだ…」と言ったときの晴れやかな恵一がとても不憫に感じました。別に巡の事が好きになったわけではなく、世の中のどこに恋愛対象がいるのかも判らない、そもそも恋愛なんかしてもいいのかも判らなかったであろう恵一の発見が切なすぎて。

母親も恵一のことを愛しているのは判るし悪い人ではないのも判る。完全に拒絶しているつもりはなく自分自身は受けて入れているつもりである。
この「つもり」でいる人のほうがかえって厄介だったりするんですよね。
巡自身は最後まで母親に自分がゲイであることを言えなかったけど、恵一の話の中で、今は亡き母がゲイであることに気づいて次第にそれを受け入れてくれた事を知ります。

BLという枠組みの中で、セクシャルマイノリティに対する身近な人・ここでは二人の母親(父親は全く登場せず)の理解や受け入れという重いテーマを重くなりすぎず恋愛を絡めて描いた良作だと思います。
ただ私個人の好みとしては、ヘビーなテーマはもうちょいあとひと匙重めに描いたほうが、胸にずっしりと感動が迫ったような気もしますが、あえてさらりと描くのは作家さんの個性なのかもしれないと思いました。
(他の作品も幾つか読みましたがヘビーになりすぎず、軽やかに描くというところが)

私がトピ立てした「ちるちるのランキング圏外だけど、心の琴線に触れた作品を教えてください」
http://www.chil-chil.net/answerList/question_id/4967/#IndexNews
で教えていただいたのが、こちらの作品です。
同じ女装男子を取り上げた秀良子さんの「宇田川町で待っててよ。」のようにこちらも映像化して、色々な方に幅広く見てもらえたらいいのになぁと願わずにはいられない作品でした。
教えてくださり本当にありがとうございました。

6

心が洗われるような作品!

初めて見る作家さんだったのですが、とってもよかったです。
ゲイだということを母親にカミングアウトしたら、プレゼントされたのが女の子の制服…。
受けの恵一はツンツンしてるんですけど律儀で素直なとってもいい子なんですね。だから母親が間違って自分を理解して、渡されたスカートを穿き続けています。
中盤の、攻めの朝丘とは恋愛が出来ると理解できた恵一の輝くような嬉しそうな表情がとてもお気に入りです。
他にも素敵なシーンがあるので探していただきたいです~。
心が洗われるような素敵な作品ですので是非。

5

輝きだす世界

凄く凄く良い話。
ゲイだと親にカミングアウトしたら、ゲイを受け入れられず息子は性同一性障害だと自分に思い込ませようとする母親。(私はそう解釈しました)恵一をめぐみちゃんと呼び 女子の制服を差し出す。男のまま男を好きなのは理解できない。それを仕方ないと受け入れ、女子の制服を着る恵。『子供』の悩みは親が一番理解しないといけないと笑う母親。切ない~!!性同一性障害なら受け入れられてゲイはなぜ受け入れられないのだ~!!と、反発もせず…。
そんなときに出会ったのがゲイだと簡単にカミングアウトする朝丘。最初は反発しながらも接点を持っていくうちに、お互い男で男が好きなもの同士、と言われて輝く恵の顔。その一言で凄く救われたんだろうな、というのが凄く表現されてる。世界が変わったんだろうなぁ。そこから意識しはじめる二人。初めて同じ男に性対象として見られた事に気がついた恵。この辺りの表現のしかた、コマ使い、全て絶品。
恵の親が朝丘をゲイと知ったあとの 恵と母親のやりとりなんかも凄く良くて、恵の切なさがビシバシ伝わってきます。そのことに反応した朝丘に対しても悔しくて恵は朝丘に突撃します。そこで初めてめぐみではなく 恵一って。男が男の名前を呼びながら抱き合える。男のまま男が好きでも良いんだってその一言で表してる!!そのあと朝丘も動き、初めて母親の怒りではない、嫌悪でもない、現実と向き合う表情がみえる。そして、母親の決意が感じられる。少し明るい未来が見える一言と背景。
話も絵もコマ使いも素晴らしかった!!

4

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