ボタンを押すと即立ち読みできます!
一途な年下攻×プライド高いビッチ受の駆け引きラブ!
それぞれの作品の特徴や魅力、表面的な形は違えど根底にある性質は共通しているように思えます。
それは麻生ミツ晃さんにしか描けない特有の雰囲気だったり表現力だったり。
繊細な線から放たれる感性、感情が揺れ動く瞬間の危うさや不確かな温もり、内なる優しさ…その脆弱が故の美しさに魅了されてしまいます。
完璧なる駆け引きをしていたつもりでいてもいつの間にか陥穽に陥っていたようなタイトルのイメージを裏切らないお話、後味を考えてしまうと決して良いとは言えないメリーバッドエンド匂わす作品もありましたが、それによって読み終えた後も感覚を刺激され、強烈な印象を蘇らせてくれるのだと感じます。
私個人としては高校生同士の「明日、彼らは」が一番好きかもです。
流血表現などもあり、萌とはちょっと違う感覚ではありますが、どの作品も好きなので萌×2評価にしました。
帯の煽りに惹かれて思わずの衝動買い。
そうじゃなくとも、作家買いしちゃっても損はないなと最近思う作家さんなのでありますが(・∀・)
さて、一作目がまず標題目。
この煽り文句からするに、この表紙の物憂げな受が傲慢な攻に
飼いならされて開発されて気持ちよくなっちゃうのであろうと思って追ったのです。思って追ったのですが
予想に反してのっけから真っ黒な受の顔が印象的でしたw
男を漁っては一夜限りの身体をつなぐ。
今日もちゃんといい男を物色して一夜を共に。
予想外だったのは、その後の展開で・・・なお話。
そもそも、受の性格に関して「ぎゃふん」だったわけですが
わんこな攻が後半豹変する。それによって~な展開が面白かったです。
■明日、彼らは
秘密の関係って燃えますよねww
ほかの人間にばれるのは恥ずかしい。でもそばにいたくて・・・
ストーリーもかわいくて個人的にはすきなのですが
受のそばかすが可愛かったのが印象的でした。
そばかすは最高のスパイスだと思うの。
そばかす受のジャンルを確立してほしいっ!
■青いカルテ
これもひとつの愛の形というやつなのは理解できるのですが
これをあえて「幸せ」とは表現できないのが残念。
感想としては”どうしてこうなった”が正直なところ。
痛いのとか暴力的なのが苦手な方はスルーするのが上策かも。
最近こういう系の作品を見なくなったので嫌いではないのだけれど。
■流れるように
P152の、白い指をはむ褐色の肉感がすきw
(どんだけピンポイント・・苦笑)
それが背徳であろうとも。。。
嫌いではないけど少々私のツボからは外れてたかな。
大好きになった麻生先生の短編集。季節や心の移ろいを描かれるのがとても上手くて、じーんとしてしまう作品が多いのですが、その上手さが別のベクトルに向かうと、見てはいけない深淵を覗いてしまったような、なんとも複雑な気持になるのだなと思い知らされました。そんな後味の悪い作品が表題作の『不出来な悪魔』とその描き下ろしの『未熟な悪魔』です。
これ怖いです!ホラーとか幽霊とかは全然怖くない私ですが、怖く見えない人間が実は…というのが本当に怖いのですよ。
最初に受けに弄ばれた攻めが、同じように心を弄んで仕返しをして、自分が向けたのと同じぐらいの気持ちを返してもらうというお話なんですが、攻めの五十嵐が怖すぎます。必死にぶんぶん尻尾を振る可愛い年下わんこの頭の中が策略でいっぱいだったなんて、受けの斎藤以上に罪深いと思います。いくらそれが仕返しでも、自分に気持ちを向けるためだとしても、本当に好きな人にはこんな策略なんてしてはいけないと思う。だから『未熟な悪魔』で、策略も駆け引きもなしに斎藤のもとへ駈け出した五十嵐に、ざまー見ろと思いながらも心底ほっとしました。
後味が悪いだけじゃない、なんとも心がざわざわするお話でした。こういうの怖いけど好きです。
・『明日、かれらは』
打って変わって可愛いお話です!男子高校生、体格差、ギャップ、と萌えがいっぱい詰まってます!
みんなに内緒で、二人だけの秘密の場所で、そこでだけは素直になれる。一生懸命に話す阿部はものすごく可愛いし、寡黙な牛島のゆっくりした話し方もすごくいい。少しずつ距離の近づいて行く二人が、とにかくものすごく可愛い。
想いが通じたその日のうちに牛島の家でHするのですが、そこへのアプローチが自然で、初体験の二人は初々しく、なのに口元はとても色っぽいというギャップもあり、大好きな作品になりました。麻生先生の描く男子高校生はすごくいいです。お勧めです!
・『青いカルテ』
母親から虐待を受けて育った有森とスクールカウンセラーの神部。こうなったのは名前を呼ばせたからなのか、それとも出会ったことが間違いだったのか。有森にとっての【暴力=愛情】を正すことが出来ず、彼をそのまま受け入れてしまう神部。生まれて初めて自分を求めて必要としてくれたのが有森だった。彼もまた病んでいた人なのでした。
病みBLに描かれた作品と言うことで、痛く苦しいシーンが多いので、苦手な方は要注意です。
・『流れるように』
リキュールの擬人化という珍しいお話です。私はお酒に弱いのでリキュールにも詳しくないのですが、それでもとても楽しめました。
冷静沈着なベネディクティンの心を揺らす嵐になる、ツンデレなカルーアが可愛いかった。彼らが“いい友達”になるための最後のSEXが切なくて、悲恋か~と思っていたらちゃんとハッピーエンドでした\(^o^)/
光と影、両極端な作品が同時収録されていますが、どれも麻生先生の魅力がたっぷりと詰まった魅力的な短編集でした。
そうだ、麻生さんだった。普通にガテン系ワンコ話だと思って読んでました。遊びのつもりが、ピュアな気持ちを向けられ絆されて、いつの間にか本気になってしまうという、スイートな展開を予想してしまったけど、違うに決まってるよね。なので、続く高校生ものはラストが普通にハッピーエンドで、肘が机からガクッとずり落ちる気持ちに。その次がまた、母親から虐待を受けることが愛情だと信じている生徒と、未熟なスクールカウンセラーのイタく暗いお話で、最後のお酒の擬人化はイマイチ理解できなくて、なんだか振り幅のある短編集でした。
独特の雰囲気と世界観のある作品でした
表題作はなんともいえない、大人の駆け引き
駆け引きという表現が適切なのかわかりませんが、不器用すぎるが故の不安定さが絶妙でした
裏の裏はただの表、なんてシンプルにはいかないよなを実感した作品でした
明日、彼らは は、初々しかったし胸がキュンとするようなお話
会話が多いわけではないのに、表情から気持ちが溢れてる感じが流石でした
短編集ですが、読後独特の重みを感じられる作品でした