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いいお話だった。
互いが互いのかけがえない存在となり、一緒にいられれば他に何もいらない盲目の受けと、そんな彼の純粋さに癒され救われていく攻めのお話。
世界名作劇場みたいな空気を感じて、いやこれBL要素なくていいよ…と失礼なことを思ってしまいました。
一般書で出会いたかった気がしなくもない(笑)
前レビューでも見かけましたが、私も親子に近い愛を二人に感じました。
そんな二人が体を重ねるところがどうにも唐突だった気がします。
せめてじゃれるようなキスまで程度だったら引っ掛かりませんでしたが、果たして性欲を抱き行為を必要とする二人だったのか…私のイメージにはなかったです。
攻めの双子の弟がほんとーーーーにできる男で人間完璧すぎて、やたらと感動してしまいました。
かわい先生の過去作品読み。こちらは2005年ごろの同人誌作を改稿して出された2015年作。同人誌作と気付く、独特の雰囲気なお話がありますが、こちらはあとがきまで全く気付けませんでした。音楽ものが好きなので萌2より萌です。オペラ座の怪人モチーフの本編220P弱+小編3編+あとがき。
帝国オペラ座でこまごまとした仕事をしながら面倒を見てもらっている10歳の盲目の雪乃。「椿姫」の素晴らしい舞台が終わったある日、既に明かりの落ちたはずの舞台から溜息がでるほど美しい声が聞こえてきて・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
嘉彬(よしあき、攻めの二卵性双生児の弟)、劇団の女性陣少々、攻めの家の使用人少々といったところ。嘉彬がナイスフォローです。よく出来た弟だ!
**攻め受けについて
欧州留学中に才能を妬まれてか放火され、大やけどを負い、結局デビューできずに終わった声楽家さん。魔王のような迫力のある良い声をなさっているようなのですが、火傷で顔も半分酷い状態になっているため、世を疎み引きこもりな生活を送っている方でした。
受けは幼い頃の高熱で視力を失った、青い目をもつ孤児。ひねくれた要素は何一つなく、心の目でまっすぐ物事を見ているようで、誰とも分からない攻めさんに、歌だけで懐いていく天使ちゃん。
見えないからということも相まって、歌を介してどんどん二人が心を通わせていくところが良かったです。最後、固く強張っていた心をほどいて、仮面付きではありますが攻めが再び舞台に立つところも良かった。自分の音楽を見失っていたわけではないけれど、人に心を開いて歌う事ができたのは嬉しいものです。
捻り無しストレートなお話なので、音楽もの、特にオペラ座の怪人が好きな方でしたら手に取ってみてもよいのではと思いました。
「オペラ座の怪人」をかわい先生がBLにしたら、こんなに優しいお話になるんだなあ…。穏やかで心が洗われるようで、とてもよかった。一途に英彬を慕う雪乃がピュアで癒されるし、自分の正体を明かさず、盲学校に行かせてやったり、歌を教えてやる英彬もあしながおじさんのようで萌えた。
6年間もの長い間、ほぼ毎晩劇場で秘密のレッスンをしていたというシチュにも萌えるんだけど、劇場側のスタッフなど本当に誰も一度も気づかなかったんだろうか、とちょっと不思議には思った。二人がすんなり結ばれるのが物足りない気もするので、そのあたりでハラハラするような一波乱があったら神評価にしてたかも。
でもお互いを思う気持ちがこんなに、どちらに対してもプラスの方向に向かう、というお話は、読んでいて素直に気持ちがいいのでこれはこれで。英彬は雪乃に救われてよかったなあと、読後、暖かい気持ちになれた作品。
電子書籍で読了。挿絵なし。
今回は私がオペラ好きということもあって、挿絵がない故に、勝手にビジュアルを想像する楽しみもありました。イラストなし電子書籍ってこんな風な楽しみ方もあるのね。新しい発見。
かわいさんが感じていた疑問は舞台や映画で「オペラ座の怪人」を見たことがある乙女なら、皆が感じることではないのでしょうか!乙女かどうかは別にして、私もそう思ったもん。
「本来、こうあるべき」な「オペラ座の怪人」がここにある。
ちなみに、私の高塚はずっとアルバレスの声で歌ってくれていました。
たとえあなたの顔を見ることができなくても…。盲目の少年と元オペラ歌手の身分&年の差ラブストーリー。「オペラ座の怪人」をモチーフに描かれた時代物です。ああ、久しぶりに萌えたというよりきゅんきゅんしてしまいました。やっぱこういうお話に弱いのって年齢かなぁ。
裕福な年長者がいたいけで不憫な子に目をかけて護り、同時に才能を開花させて支援する。おまけに両者とも見目麗しいときちゃ、懐かしの少女漫画脳が活性化せずにいられませんです、はい。美丈夫の双子の青年が登場するオープニングからして妄想が膨らみ、先が知りたくなって一気に読んでしまいました。
劇場に住み込み、雑用係をしている十歳の少年・雪乃。彼が公演後の後片付けをしていると、舞台の方から男性の美しい歌声が聞こえてきた。その日を境に雪乃は彼から歌を教えてもらうようになるのだが…。
男の雪乃に対する愛しさに溢れる様子や、彼にただ会いたいと切望する雪乃の思いがひたすら純粋で美しい。雪乃が成長して行き、男との間に官能的なものが芽生え始める瞬間に悶えつつも、雪乃が子供だった頃の二人の関係に一番癒されました。かわい先生のお話は品があって本当に素敵。
同人誌に発表した作品を改稿した作品なのだそうですが、先生の表現をお借りするとこういう「夜のお伽噺風」なお話、大好きです。あとがきを読むにつけ、ミュージカルやオペラ鑑賞が趣味だったらもっとお話の世界に入り込めたのかもしれないのだけれど、代わりに昔触れた芸術映画や近代小説なんかを思い起こしてイメージを膨らませ、自分なりにひっそりと楽しませてもらいました。『人でなしの恋』と少しリンクしているそうなので、そちらもぜひ読んでみたいと思います。