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計4作品が収録されています。
「僕の彼氏が宇宙一かわいい件について。~お泊まりデートで彼氏めろめろ大作戦~」がとんでもない神作だった河井さん。
他になにか読みたいと思っていたところ 本作に目が留まったのですが、
①表題作(82ページ):
逆体格差「高校時代の元先輩(表紙の黒髪メガネ)リーマンx元後輩、ニューハーフパブ勤務」。
本作では、攻めのために受けが女装を始めます。
ここがどうも現代のLGBT感覚では合わない気がしたんです。
「ぇ、誰になんと言われようとも『自分がそうなりたい』から女装するんじゃないの?そこに主体性はないの?」
と思ってしまって。
でも実際、新井祥さんの著作を多数読み漁り、いろんなLGBT+当事者の方々について詳しく知っていくうちに
「現実にも、もしかしたら きっかけが他者だった人もいるのかもしれない」
と思うようになり、やっと本作も受け入れられました。
せつなくて、ギュンギュンきました。花差すところで涙出ました。
くっそ、今日せっかくアイシャドウ完璧だったのに落ちてもーたわw
やっべぇこれ。神作決定。やはり素晴らしい作家さんです…。
女装BLがあまり好きではない私にとって次のハードルは
「女装にどれだけ攻めが重きを置いているか」
なんですが、ここもアッサリクリアです。
全然重きを置いてません。男同士のまま、ちゃんと愛し合います。
受けが背高くてカッコイイ&可愛い&元ヤンで男前。
攻めもただ受けより背が低いだけで、中身も外身もイッケメン。
2015年発売なので、芸人のノリで頭を叩いたり「〇ね!」と言ったりするシーンが出てきます。
でも「シャキッとする!」で おSiriシバくのは許す!(何様?
1話と2話がそれぞれアンソロ「泣けるBL」と「不憫BL」に収録されたのだとレビューで知りました。
納得…!(レビュワーさんありがとう!)
②「曙1丁目にて。」(2ページ):
「謎の男・後輩DKx先輩DK」3Pになる?直前の会話のみ。
3ページ目のカラー口絵はこの3人ですね。
③「阿佐ヶ谷南四丁目」(57ページ):
「インド人xリーマン」
指の絡め方がイイ!
当て馬との関係性も、ただ振るだけじゃなくてきちんとドラマで魅せてくださいました。
④「サニーサイド」(24ページ):
北陸の田舎が舞台、かなりせつない「リーマンx中学生ぐらい?」。
ショタというほどではないけど、かなり小柄なので苦手な方は注意。
以上、①イケオジや③ヒゲのアニキ系外国人も拝めるし(拝む)、無性にラーメンが食べたくもなる、文句なしの神作でした。
短編で泣いてしまうとは……
それほど健気で可愛い受けだったということてす。
短い作品と中編が入り乱れた作品集。
どれも良かったのですが、特に表題作が素晴らしかった。
受けの憲ニがめっちゃ可愛くて健気で泣けました。
憲ニは、好きなノンケ男のために女の子になろうとするのてすが、ここまでする受けは今まで見たことなかったかも。
180センチの長身で、言葉使いもやんちゃ。
なのに、大好きな先輩・春信の前でだけは乙女。
大きな体をプルプル震わせて、顔を真っ赤にして……めっちゃ可愛い♡
地味メガネに見えて、かなり手練れな春信も良き。
ただ、春信が憲ニを受け荒れるまでの気持ちの変化が、もう少しわかりやすいと良かったかなあ。
でも、それを差し引いても憲ニの健気さが胸を打つ素晴らしい作品でした。
◆2丁目の小さな魚(表題作)
高校時代の先輩である春信を、健気に想い続けている憲二がとっても可愛かったです。ノンケな春信のために少しでも可愛くなろうと努力していたのに、いざ春信の前に立つと、口調がすっかり元ヤン風に戻ってしまうところも可愛らしくて。対する春信の方もノリも面倒見も良く、ノンケではあったけれどゲイや女装する人間にまったく偏見を抱いていない非常に気持ちのいい青年で、これは男女問わずモテるだろうなぁと。憲二が泣いてばかりだったのが少し好みから外れてしまいましたが、2人のやりとりは甘酸っぱくて萌えました。
◆曙町1丁目にて。
これはわずか2ページで終わってしまう超短編作品だったのですが、すっごく面白そうだったので逆に気になった作品でした。節操のなさそうな森山先輩を挟む3P、見たかったです。
◆阿佐ヶ谷南四丁目
一番お気に入りのカップル。ラーメン好きのインド人と、惚れやすく彼の巨根をどうしても挿れたい三船。攻めは普通に日本人にも見えるくらいのビジュアルなのですが、片言の日本語や感情の高ぶった時などに混ざる母国語が魅力的で、辿々しい話し方は見た目とのギャップもあって素敵でした。淡々と接しているように見えて、実は外国人らしく情熱的なところもいいですね。それに照れる三船も、また可愛かったです。
表題作は二丁目で女装して働く男性を主役にしたお話です。
表紙を見たら女装ものという感じはしませんが、「女性になりたい」という願望から女装しているという感じではありません。
気持ちが女性であるわけではなく、好きになった人はノーマルで、彼女がいて、いつかは結婚してしまう。思いつめて自分も女性の格好をするに至るというストーリー。
重いお話ではないのですが、切ないです。せつなくて綺麗なお話でした。
憲二の思いが一途過ぎて、とても綺麗なものに思えます。
攻め側が主人公ですが、この先輩、憲二が女装して働いていることに驚きながらも受け入れるいい男だなあと思います。
しかし、いまいち何を考えてこういう関係に落ち着いたのか分かりにくかったので、もう少しの気持ちの変化が見えれば良かったと思います。
切なくて純粋、そういう作品を求めている方に是非ともおすすめしたいです。
表題作の【2丁目の小さな魚】は気づいたら泣いていました。
高校時代いつもつるんでいた後輩・憲二と6年ぶりに再会した春信。
再会したのは上司行きつけのニューハーフパブでまさかのニューハーフに変身していた。憲二は高校時代オラオラ系のチンピラヤンキーだったはずなのに‥‥‥。
憲二は男に興味がない春信の為に女に変身したんです。
「女になりたい」「女だったら正々堂々と告白できたのに・・・」と悩むキャラクターは今まで何度も読んできましたけど、本当にニューハーフになったキャラは憲二しか知りません。
せっかく変身しても会う勇気もなく連絡を取る事もなく、一生会えない可能性の方が高かったんです。それでも万のひとつの奇跡でも起こって、もしかしたら‥‥‥という一縷の望みを捨て切れなかった憲二。
春信の前では肩をすくめて顔赤らめて視線を上げる事も出来ない純情可憐な恋する乙女なのに、元ヤンという事もあり、春信以外には「あぁんてめぇ舐めてんのか?!ブッ殺すぞ!」みたいなオラオラ全開なところがヤンキー受け好きとしてはたまりません(笑)
この憲二がとにかくいじらしくていじらしくて‥‥‥健気です。
健気さ&いじらしさに関しては、天下一品。そうそういないレベルです。
ついに想い溢れて震えながら告白するシーンがいじらしくて過去の思い出と相まってこれまた泣けます。
その後も付き合うようになってもまだ夢心地で信じられない気分でいるけど、自分は紛れもない男である現実に何かとポロポロ泣く憲二が可愛い。いちいち言う事が必死で切なくていっぱいいっぱいで可愛いんだ、これが。
そして、それをさっくり受け止める男前の春信。
「おまえにもするよ?」というくだりがいい。気まぐれではなく長い付き合いになる事を望んでいるようでホッとする。
2丁目の小さな魚というタイトルは、180cm超えの長身イケメンである憲二が春信の前では陸揚げされてしまった魚のように、もがいていつも小刻みに震えている様を指しているようで、どうかお願いだからこの大きくて小さい魚をいつまでも大事にしてやって欲しいと願わずにはいられません。
episode01は泣けるBLに episode02は不憫BLというアンソロジーに掲載されていたというのを知って妙に納得です。こういう泣ける○○みたいなのにしっかり泣かされるタイプなので‥‥‥。
正直言うと、ドノンケの春信がいつ憲二の事を好きになったのか不明で腑に落ちないのですが、もうそういう細かい点は忘れてひたすら憲二というキャラクターを堪能する作品だと個人的には思ってます。
私がトピ立てした「ちるちるのランキング圏外だけど、心の琴線に触れた作品を教えてください」
http://www.chil-chil.net/answerList/question_id/4967/#IndexNews
で教えていただいたのが、こちらの作品を含む河井英槻さんのコミック数点でした。(Chance! /Thank you my God/2丁目の小さな魚/青春花心中)
他にも収録作が3つありましたが、表題作がめちゃくちゃ好みでした。
教えてくださり本当にありがとうございました。