• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作悪党

大城敬之,経営コンサルタント(かぶり屋),38歳
高村祥,日雇い現場作業員,元青年実業家,27歳

その他の収録作品

  • あとがき 水原とほる
  • あとがき 水名瀬雅良

あらすじ

美貌の若き青年実業家として成功していた祥。
しかし国税局の手が入り経営が傾いてしまい、生きるために日雇いの肉体労働をすることに。
現場仕事で出会った闇企業の大城は、この世で信じているのは金くらいという心の乾いた悪党だった。
大城に弱みを握られ嬲られる祥だったが、「どん底から這い上がる気があるなら俺を手を組め」と
仕事を持ちかけられて――?

作品情報

作品名
悪党
著者
水原とほる 
イラスト
水名瀬雅良 
媒体
小説
出版社
海王社
レーベル
ガッシュ文庫
発売日
ISBN
9784796407373
2.8

(6)

(0)

萌々

(2)

(2)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
1
得点
15
評価数
6
平均
2.8 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

悪の持つ温もりは…

あら、レビューが無い…

経営コンサルタント、その実態は闇の「かぶり屋」と、若き実業家だったが脱税で全てを失った男、のあれこれ。
かぶり屋っていうのが社会の実際の呼称なのかは知らないけれど、企業が脱税する時にダミーを使って、架空の取引をしていいところで全てをかぶって先に倒産し逃げる役割、のようです。
そんな「かぶり屋」稼業の大城に目をつけられたのが、自分の興した会社に査察が入り、全てを失って今は建設現場で肉体労働をする祥。
大城はゲイでもないのに祥を無理やり抱いてハメ撮りし、その写真を盾に脅して「かぶり屋」の手伝いをさせる。
祥は大城を恐れ、嫌い、心を許しませんが、体は次第に快楽に馴染み始め…

…と、BLとしては大城と祥の、はじめ反発次第に…というある意味王道的パターン。
そこに、祥のどこかゲーム感覚で生きていた過去、落ちるところまで落ちて這いつくばる姿、意外と真っ当な考え方、向上心。
一方、法律の裏をかき、何も誰も信じず、金を冷徹に追う大城がなぜか祥に興味を持ち可愛がるさま。
これらが絡んでなかなかスリリングで面白い。
大城は悪い大人の余裕。
祥も大城に飲み込まれまいと自分を強く保ちながらも、大城の心の奥底に触れるたびに堕ちそうになる…
しかし、本当に過去と訣別して前に進もうとした時に、祥は大城を出し抜くのか否か?
ラストに向けて疾走感があり一気に読みきった。
悪党には悪党の情がある、温もりがある。そこにしびれました。


1

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP