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異種間ゆえの切なさ、感情面での齟齬、すれ違い。
ワンコ特有の健気さ、一途さ、執着、そして独占欲。
それら全てがうまく融合していて、最高のケモ作品だと思いました。
あらすじに「人のかたちに変化できるようになった壱ノ護に夏生は身体を奪われてしまう」とありますが、前半のエッチは獣のままでした。つまり獣姦。
獣姦は実は苦手だったのですが、この前半の獣姦は激しく萌えました。
組み敷かれている受け(半妖)の憤りや虚しさ、複雑な感情が伝わってきて、切なくてたまらなかったです。
それと同時に、攻め(妖犬)の束縛と強引さにも悶えた。
ワンコだからこそ、その束縛と強引さも「自分勝手さ」と感じることなく、純粋に萌えられた気がしました。
攻めと受けがすれ違いもまた切なくて。
この先どうなるのか、どう落ち着くのかが予想できないのもよかったです。最後の最後まで、ハラハラしながら読めました。
途中、人間たちに対して本気で殺意が芽生えましたが(笑)、ラストも読後感も悪くなく、幸せな気持ちで読み終えました。
世界観、文体、キャラクター、萌え要素、全てが完璧だったと思います!
先日読んだ野原滋先生の溺愛攻めの物語がとても良くて
(『溺愛紳士と恋するマカロン』:リアルわんこが出てくるお話でした☺︎)、
一つ前の作品も”ワンコ”な作品だと知り、こちらを購入。
もう、切なさ、やるせなさに途中泣きながら読みました( ; ; )
父母を失い一人きりになってしまった半妖の夏生(受)と、
夏生が幼い頃、命を失いそうになっているところを救い出された山犬・壱ノ護(いちのまる・攻)。
半妖で妖たちから狙われやすく、か弱い夏生を守るため
壱ノ護は精を注ぐことによって夏生に妖力を与えています。
獣姿でバックの姿勢の壱ノ護に精を注がれている時の、
夏生の感じるやるせなさ、壱ノ護は一体どんな顔をしているのか、
一度見てみたい…と思う心の切なさに、胸が締め付けられます。
山犬のため語彙を持たない壱ノ護と、その言葉を誤解してしまう夏生との
すれ違いのシーン、ここがとても辛くて切なかった…!
涙しながら読みました。
「夏生は主人なんかじゃない」という言葉、読んでいるこちらには
主従関係なんてものではなく、”愛する人”という意味なんだな、
壱ノ護は特別な絆、愛を感じているのだな…と伝わってくるのですが。
それが夏生には伝わらず、夏生の父の命に従って自分を護っているだけなのだ、
と誤解されてしまう。
寂しくて、心の奥底で”人間と触れ合いたい”と思っていた夏生。
しかし壱ノ護によって太一との交流を妨げられ、憤り、
自分は壱ノ護にとって主人でもなく、ただ彼を縛り付ける存在なのだと誤解し、
諦念のまま飲まず食わずで洞窟の中、数週間を過ごす…
このシーンだけでボロボロ泣けてしまって仕方なかったのですが、
その時の壱ノ護の行動がもう、さらに泣けて泣けて( ; ; )
一人黙って涙を流す夏生に「どこが痛い?」と聞いて
懸命に舐めて治そうとしたり、夏生が以前ニコニコ笑いながら話していたから、
という理由で不器用な大きな手で花冠を作ろうとしたり。
(失敗して隠そうとしているところまで、萌えて萌えて身悶えしました)
どこか偉そうに見えるのに、感情溢れる尻尾の振り方や
夏生の求めることを懸命に理解しよう、喜ばせようとする姿が一途で健気で。
こんなワンコが四六時中そばにいて護ってくれていたら、
絆されずにはいられないよね、と納得です。
終盤、夏生が騙され人間に捕らえられてしまってからの展開もまた、
泣けてしまいました。
人間の弱さと狡さ、そして情。。
憎らしいけれど憎みきれない、そんな人間の汚くて綺麗な本性、姿に
辛い気持ちになり…
最後の最後でも、二人(一人と一匹)を守ってくれた
夏生の母の愛にも、グッときました。
そして書き下ろしの、壱ノ護視点の温泉話がとても好きです。
熱さが苦手で温泉に入れない壱ノ護。
そんな壱ノ護を横目に、温泉に浸かる夏生に寄り添うようにして侍る
猿にまで嫉妬する壱ノ護、可愛いよーーーーっ!!! //
なんとか猿を夏生から引き剥がしたくて、
熱いのを我慢しながら恐る恐る湯に入る壱ノ護の姿に
激しく萌えました(*´∀`*)
肉球、熱いよね。。頑張ったね…!
どこまでも真っ直ぐて、一途に夏生を想う壱ノ護の粘り勝ち初恋ストーリー。
壱ノ護の作った花冠を頭に載せ、幸せそうに微笑む表紙の夏生が眩しい✨
切なさ続く展開の末に見えた圧倒的幸福と甘さに、
とんでもなく萌えてしまった一冊でした。
この先きっと何度も読み返すであろう、大切な小説になりました・:*+.
野原さんの初ファンタジーものです。人間の父と大樹の化身の母を持つ半妖の夏生と、夏生に拾われて命を救われてから夏生だけを守ってきた妖犬・壱ノ護の、夏生が自分の居場所を探すまでのお話です。
とにかく、壱ノ護の一途さと百年分の想いにキュンキュンしたし、夏生が好き過ぎてわけが分からなくなるほどのワンコぶりに萌えたしで、面白かったです。
ただ、夏生の母親が人間に殺されたり、夏生も人間の都合によって捕らえられたり、人間の身勝手さが目立つ場面ではイライラして胸が苦しくなりました。
夏生は、母親の死から、人間不信になっています。夏生自身も半妖のせいか全然年を取らないので1ヵ所にはとどまれなくて、父親亡き後は壱ノ護と共に放浪の旅を続けてきました。でも、安心できる自分の居場所や、人間との共存に人一倍憧れていて。
そんな時、川で妖に憑りつかれて溺れかけている青年を助けます。その青年は、今までの人間と違って自分を恐れないのが嬉しくて、急速に仲良くなります。
でも、壱ノ護は、夏生が人間と仲良くなるのを反対して。だから、その青年とコッソリと会うようになります。
そんなある日、壱ノ護が留守の間に、弟を助けてほしいと言われます。人間の里に行くのは危険だと思いながらも、初めて頼られたことが嬉しくてついていってしまいます。
そこで、待ち構えていた村人達が、夏生を神と崇めようと呪詛を用いて捕まえるのです。壱ノ護に助けを呼ぼうにも、護符の力でさえぎられて…。
壱ノ護が犬だったせいか、夏生と意思の疎通が上手くいかなくて、2人のすれ違いが切なかったです。夏生は、壱ノ護が自分の傍にいるのは父親の命令のせいだと思ってるし。一方の壱ノ護は、夏生が怒る理由や自分から離れようとする理由が分からないし。
だから、夏生が捕まった後に無事に再会できてからの、2人の気持ちが通じ合ったのに嬉しくてキュンとなりました。
言葉もたくさん覚えて夏生に甘いセリフを言う様子や、プレゼントをしたがる壱ノ護の溺愛ぶりにニヤニヤします。夏生も、壱ノ護と初めて離れたことで大切さを実感して、自分の居場所は壱ノ護の傍だと気付けたのが良かったです。
番外編で、安住の地を見付けて、2人で幸せそうに暮らしてる様子に胸が温かくなったし、夏生と母親のエピソードもホッコリして好きでした。
ちなみに、最初の方の2人のエッチは壱ノ護が犬のままで、エッチで壱ノ護の妖力をもらうという設定も萌えました。
驚愕の面白さです。
お話を作るのに大変苦労されたとのことでしたが、いつも通りよどみのない文章で、安心して物語の世界に入り込んで行くことができました。
上橋菜穂子先生の『狐笛のかなた』を彷彿とさせるような、どこか懐かしく牧歌的な雰囲気です。
迷いの多い難しいキャラと評された夏生ですが、取り込まれるばかりで取り込むことができないという性質にも、半妖という存在ゆえの孤立にも、壱ノ護とじゃれあう(本人は遊んであげているつもり?)場面でみせる蕩けるような愛情の発露にも、全てに萌えました。言わずもがな壱ノ護にも終始萌え、ふたりの関係性にも激しく萌え、ちるちるレビューにある「萌×2」評価はまさにこの作品のためにあるんじゃないかと思うほど萌えました。
これからも野原先生の作品に注目し続けていきたいと思います。
BL小説としての萌えや切なさもありつつ、昔ばなしを読んだような不思議な読後感の作品でした。
半妖の夏生は半妖ゆえに人間離れした美しい容姿を持つ青年です。しかし、人間とは異なる時の流れに生きる彼は孤独で、唯一こころを許せるのは長年一緒に旅をしている妖犬の壱ノ護だけ。人間への愛憎や半妖として生きる運命への哀しさに疲弊する夏生を守り、癒そうと、壱ノ護は全身全霊をかけて愛情表現します…ワンコなりに。ある日、二人を引き裂く出来事が起こってしまい――…というお話です。
夏生は存在感がどうにも儚く、長い年月を生きていく彼を思うととても切ないのですが、壱ノ護が変わったように夏生も精神的に強くなったようで嬉しかったです。
二人、いや一匹と一人の初エッチはなかなか衝撃的でしたが、壱ノ護の過剰な愛情が伝わってきたので嫌な感じはしませんでした。
途中で辛い展開はありますが「いつまでも仲良くくらしましたとさ。めでたし、めでたし」と締めくくりたくなるような作品でした。