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私は不憫受けが幸せになると言うのが大好きなんですけど、今回は圧巻でした。
もう、1ページ目から圧倒的なパワーで読ませてくれるんですよ。
痛くてたまらないのに、それ以上に萌えて仕方ないんですよ。
クライマックスでは号泣ですよー!!
これ、BLアワードに推したいのに、もう12月も後半じゃないか・・・。
とりあえず、駄文ではございますが、少しでも魅力が伝わるように頑張ってレビューしたいと思います!
内容ですが、兎乃国の若き王・瑞龍×壬乃国の人質として囚われている新王・秀瑛によるシリアス寄りの大陸ものになります。
敵国である兎乃国に攻め入られ、人質として捕らわれた即位したばかりの壬乃国新王・秀瑛。
奴隷として屈辱的な扱いを受けるも、敵であるはずの兎乃国国王・瑞龍から窮地を救われます。
あたたかく鷹揚な彼と過ごすうち、自身の歪さに気付いてゆく秀瑛。
彼と共に過ごす事に喜びを感じるようになりますが、無情な使命が下りー・・・と言うものです。
で、まずこちら、受けである秀瑛がびっくりするほど不憫です。
最初の1ページからですね、「うっ!!」となるんですよ。
敵国に攻め入られ、王位を慌ただしく引き継いだばかりの彼が、自身が犠牲となり首を差し出す為に、たった一人で玉座に座っている。
で、その後、囚われて奴隷として酷い扱いを受ける秀瑛。
彼は敵国である兎乃国の民から、強い敵意を向けられるんですよね。
食事も取り上げられ、過酷な労働に駆り出され、更に監視兵達に集団で犯されそうになる・・・。
いやもう、めっちゃ痛い! 最初からエンジン全開でめっちゃ痛い・・・!!
が、彼はただただ不憫なだけの受けでは無いのです。
とにかく誇り高くて気性が激しいと言いますか。
決してへりくだる事なく、強靭な精神力を見せると言いますか・・・。
犯されそうになった彼が見せる行動と言うのに、強く心を奪われるんですよね。
その苛烈なまでの誇り高さに心を打たれると言うか。
なんかもう、あっという間に読者を虜にしちゃうんですよ。
で、そんな秀瑛に、読者のみならず虜となっちゃう瑞龍。
彼は敵国の王です。
が、器が大きく柔軟な思考の持ち主。
過酷な労働や犯されそうになった時の傷が元で弱った秀瑛を保護し・・・と物語は続きます。
で、ここからは超ほのぼの甘々パート。
秀瑛ですが、最初から違和感を覚えるキャラなのです。
とても聡明そうに見えるし、ちょい気位は高いけどとても清廉。
なのに、彼の知識と言うのは明らかに偏ってる。
兎乃国の民を劣った存在として蔑視してるんですよね。
そんな彼に、これまで知らなかった広い世界を見せてくれる瑞龍。
このへんがとても上手いんですよ。
徐々に真実のパーツが与えられる事により、おおよそを掴んでいく読者。
それに並行して、自身の歪さに気付いてゆく秀瑛てなもんで。
こう、秀瑛の秘せられていた真実を、ジワジワと気付かせてゆく形なってるワケです。
これ、ラストでドーンとネタバレするより、ずっとずっと秀瑛に共感して心を奪われてしまう。
なんかもう、秀瑛不憫過ぎるだろう・・・(TдT)
とは言え、この秀瑛が疑問を覚えてゆくパートと言うのは、同時に甘酸っぱくもあるのです。
丁重な扱いではあるものの、閉じ込められている秀瑛。
そこに訪れては、彼と交流を深めてゆく瑞龍と言った感じで。
何も知らない秀瑛にですね、音楽を教えたり、物語を読ませたりと構い倒す瑞龍。
秀瑛がかなりの跳ねっ返りなんですよね。
そんな彼を、子猫でも相手にするように、おおらかに受け止める瑞龍。
彼の「世界は広いぞ」と言うセリフがめちゃくちゃ素敵なんですよ。
ああ、瑞龍は全てを察してるんだなぁと。
で、この後、逃げおおせた父王から、間者を通じて瑞龍暗殺命が下る秀瑛。
自国再建と言う責任と、瑞龍への想い、そして未だ分からない真実ー。
彼は思い悩み・・・と続きます。
これ、私にとってはかなり痛い展開になるんですけど。
が、それ以上に、深く感動もするんですよね。
死をも覚悟した秀瑛が、一番に心に願った事ー。
そして、何よりも伝えたかった事。
もうさあ、ここでの二人の会話に、ダーと号泣なんですよ。
「うおおーー!!」とめっちゃ胸アツなんですよ!!
死ぬほど感動するんですよ!!!
良かった! 本当に良かった!!。・(つд`。)・。
あとですね、ラストがすごく優しいです。
不憫受けにこうゆうラストって、なんだかホロリとしてしまう。
と、とにかく素敵な作品でした。
ぜひぜひ、たくさんの方に読んでいただきたいです。
作家買い。最近、野原さんは薄幸・健気受けを描かれるイメージがありましたが、今作品の受けさんも薄幸受けさんです。薄幸受けさんですが、はかなげではない。
めっちゃ男前です!
内容はすでに書いてくださっているので感想を。
主人公は秀瑛。壬乃国の若き王です。
壬乃国は兎乃国に攻め込まれ陥落寸前。一人で城に残り、敵を迎えるところからスタート。
彼自身が首を差し出すことで、父である前王や姉妹を逃がすことにしたのだ。
そして、兎乃軍に捕らえられ、労働者として働かされることに。綺麗なビジュアルを持つ秀瑛は、兎乃国の監視の兵士に慰み者になる寸前、兎乃国の王である瑞龍に救われるが―。
とにかく、秀瑛という人物がめっちゃ男前です。
中身が豪胆でカッコいいんです。
壬乃国の王であるというプライドを持ち、若いけれど愚鈍ではない。麗しいビジュアルではあるものの、鍛錬も欠かさず一本筋が通った青年なのです。
一方の瑞龍も、お約束のスパダリさん。
王であることに胡坐をかくこともなく、国のために政治を執り行う。
正直、この作品のタイトルを見たときに、「?」と思ったんですよね。
『気高き愚王と野卑なる賢王』。
「気高き」と「愚王」が結びつかないし、「野卑」と「賢王」も結びつかない。
が、このタイトルが秀逸です。この作品の全てを、このタイトルが物語っているといってもいい。
瑞龍に囚われた秀瑛、という事で彼らは敵対する関係にあるわけですが、彼らの会話が悉くかみ合わない。
秀瑛は壬乃国は卑しい国だと教わってきたのに対し、瑞龍は兎乃国は盗賊の民だ、という。
秀瑛は次期国王という事で厳しい教育を受けてきてはいますが、その「教育」すらも次期国王に対するそれとは一線を画している気がする。
正しい歴史を知っているのは秀瑛なのか、はたまた瑞龍なのか。
瑞龍×秀瑛の恋愛的な要素だけではなく、そういったバックボーンが非常に面白く、どうなるのか気になりページをめくる手が止められませんでした。
が、この作品の大きな魅力は、やっぱり瑞龍と秀瑛の人物像かと思います。
BLにおける受けさんは、時として女性っぽい、というか可愛らしい男性が多い気がしますが、秀瑛は「漢」っていう感じ。
個人的に、これぞ理想の受けさん!っていう感じの、非常に男前な中身を持った受けさんでした。
そんな秀瑛にふさわしい攻めさんなのが瑞龍。
彼もカッコいいんですよ。
まさに「賢王」です。
秀瑛はかごの中の鳥でした。そんな彼の全てを、彼は理解したうえで秀瑛の気持ちを慮り、そして行動する。実は嫉妬深く執着心満載なのも可愛いです。
カッコよすぎて悶絶しました。
素直に甘えることが出来ない性質で、口を開けば憎まれ口をたたく秀瑛なので、彼らの間に甘い空気感はほぼなし。
が、そんな彼の本質を理解している瑞龍なので、甘くはないけれど、でもお互い相手を思い遣っている。ポンポンと飛び出す憎まれ口が、なんとも軽快で笑いを誘われました。
秀瑛が今まで受けてきた環境は劣悪なもので、でも、それを知って、彼自身が導き出した答えに胸が詰まりました。最後に二人が結ばれるシーンが、これまた良い!
優しくて、温かくて。
めっちゃよかった。
文句なく、神評価です。
今回は兎乃国の王と壬乃国の新王のお話です。
自国の状況を知らず王となった受様が
攻様との出会いと正しい歴史と恋を知るまで
受様の国・壬乃国は
野蛮な民の国・兎乃国に攻められ
王城は陥落寸前です。
受様は壬乃王の第二王妃の長子で
第一王妃の産んだ男子が早世後は
王太子として育てられました。
受様は先ほど父から譲位され
最後の王として玉座を守って残り
前王は受様に壬乃国再建を約し
他の王族を引き連れ脱出します。
受様は戦に敗れた責を追うべく
最後の時を待つのですが
兵を率いて王の間に現れた偉丈夫は
受様を壬乃王と認めないばかりか
受様の父を粗陋な王、
受様の民を盗賊の末裔と愚弄します。
この偉丈夫こそ今回の攻様です♪
受様にとってこの戦いは
野蛮な兎人の国の侵略行為でしたが
兎乃国の王である攻様にとっては
奴隷扱いされていた兎人を解放し
兎人の土地だったこの国の
奪還をかけた戦いだったのです。
受様は攻様の率いる兵に捕えられ
奴隷として疲弊し土地の開墾を
命じられます。
受様は監視兵に嘲られ
過酷な労働を強いられても
矜持を捨てず黙々と従事しますが
兵の憂さ晴らしの対象として
情欲の対象とされかけたところに
開墾地を見回りに来ていた攻様に
助けられます。
受様は重労働と怪我で痛めた身体を
王城の離れで癒す事となりますが
攻様は受様への所業を謝りつつも
兎が壬にした仕打ち故だったと
暗に壬乃国を責め立てます。
攻様は壬は兎の土地を略奪した上に
兎人から全てを搾取した
傍若無人な民だと言い
攻様は真実に目をつぶり
虚偽の歴史を積み重ねても
いずれ綻びが出るぞと言い募りますが
受様の壬乃国は
千年も栄えた平和な国であり
壬のに庇護を受けながら
裏切ったのは兎人の方なのです。
果たして真実を語っているのは
攻様か!? 受様か!?
先祖伝来の土地と
民の境遇を巡る戦いを根底に
敗戦により新王となった受様が
勝者である攻様と関わる事で
変わっていく姿を描いた
ドラマテックな物語です。
受様は次代の王として
王としての心得等を叩き込まれますが
民の暮らしを知るためと
日に2度もない質素な食事を供され
下位兵達の兵事訓練に参加しても
自由に民と関わる事はできず
城内から出る事は許されない身でした。
そんな日常を受様は当然なことと
疑いもなく受け止めていたのですが
囚人だった受様への暴挙をきっかけに
受様の身を保護した攻様は
壬乃国での受様の扱いに疑念を抱きます。
最初は攻様に反発していた受様ですが
養生中に手にした壬乃国の教書や
受様に付けられた世話係との関りで
徐々に自らの知識の偏りを知り
攻様との関り方を変えていきます。
攻様も聡明な受様を自身の側近として
召し抱えたいと行動を起こすのですが
逃走した壬乃前王が攻様の暗殺を図り
受様に接触してくるのです!!
受様の真実の地位と扱いの意味と
壬乃王の画策していた策略が
白日の下に晒され
受様が攻様の手を取るまで
ワクワク&ドキドキし通しでした♪
野原さんのお話は
主役の背景に悲しい過去がありますが
それを乗り越えてる勇気と芯の強さをもち、
自身と取り巻く人々を変えていく様子に
ワクワクさせられ
巧妙に隠された秘された真実が
ドンデン返しへの布石となって
怒涛のクライマックスまで
ドキドキが止まりません。
今回も自身の出自を疑わず
王としての矜持を忘れない受様と
そんな受様を見守りつつ
良き道へと導いていく攻様の様子と
タイトルを見事に表していた
2人の立ち位置というか設定が
とても見事でした ヽ(^o^)ノ
タイトルの秀逸さが絶品だったので
「神」評価とさせて頂きます。
今回は攻様に攻められ囚われる受様で
楠田雅紀さん『偽りの皇子は淫らに啼いて』は
いかがでしょうか。
健気な受様に泣かされました。
落城寸前の王座に座らされた新王と侵略してきた王の話。
すでにたくさんのレビューがついているので、感想を少し。
すごく良くできたお話だったと思います。
タイトルも「気高いと愚王」「野卑と賢王」という表現がそれぞれが対比になっていてちぐはぐな二人をうまく表していると思いました。
落城することが決まってから急に即位し新王となった壬乃国の王・秀瑛(受け)が安定の不憫受けでした。
王族としての矜持と国のために生きることだけを教えられてきた秀瑛が一人城に残り生贄になることで、逃亡した父をはじめとする王族たちが壬乃国を再興することを望み死を覚悟する秀瑛が気の毒で仕方ありません。
侵略してきた兎乃国の王・瑞龍(攻め)から見れば、聡明そうな秀瑛の考え方のおかしさにさぞ不思議に思ったことでしょう。
気高く自分の役目を全うしようとする強い態度には感服するとともにいっそ憐れでした。
兎乃国の教本を読むことで自分と全く違ったことを教えられている瑞龍と話がかみ合うはずがないと気が付き、自分の常識とは違う知識を吸収した結果、自分の受けた教育が本当に正しいのかわからなくなった秀瑛が悩む姿がどこまでも気の毒でした。
反対に瑞龍は鷹揚で能力も高く王として優秀な人でした。
いつも皮肉気に笑っていますが、冷静で大局が見ることができる人だと思いました。
秀瑛が噛みついても大らかに笑ってからかう姿は秀瑛はいらついたかもしれませんが、秀瑛の懐に入るにはよい作戦だったかもしれません。
思い悩む秀瑛にいち早く気づき説得したり、どう見ても秀瑛が不利な状況にもかかわらず信じようとするなんて誰にでもできることではないと思いました。
そんな瑞龍の秀瑛に全快祝いにと誘われた時の慌てっぷりには笑いました。
いつも冷静に見える瑞龍も秀瑛には簡単に心乱されるのかなと思うととても楽しかったです。
秀瑛は気位の高い血統書付きの美しい猫、決して懐かない野生の猫という両極端な存在が違和感なく共存している感じがすごく出ていました。そんな秀瑛だからこそ、幻と言われるマヌルが懐いたのかもしれませんね。
お話は、なかなか秀瑛に安息の日が来ず、早く楽になってほしいと思いながら読んでいたのですが、最後にやっと二人の想いが通じ合った時は安堵しました。
ここで終わってしまうのが惜しい。
環境のせいで間違った知識しか与えられなかった秀瑛はちゃんと教育を受けたら優秀な人材になること請け合いのこれからの二人が読みたいと思いまいした。
ただ、兎乃国の王は血統性ではないということですが、瑞龍が秀瑛を選んだことを周りは納得したのでしょうか。特に、父親とか・・一切話が出てこなかったのでちょっと気になりました。
お話もよかったですが、イラストもとても素敵でした。
特に、凌辱されそうになり自害しようとする秀瑛とそれを阻止しようとする瑞龍のシーンは全裸で剣を構えているという姿が気迫がある上とても美しく、瑞龍がコロッといってしまうのもわかるような気がしました。
面白かったー、イッキ読みでした。
とにかく今作は受けが魅力的でした。
王でありながらも敵国の奴隷…なので様々な試練を与えられながらも誇りを失わず美しく強いのです(強いのイイ!)。
モブ悪役達からのレイプ未遂、敵国の王との大太刀まわり(ここの気迫凄い、攻め様が惚れたの納得)後にほのぼのパートにすぐ移行してくれたのも良かった(過酷な状況がもう少し続いていたらリタイアしてたかも)。
敵の王や従者と接するうちに少しずつ覚える自国の歴史への疑念。ついに自分が王ではなく人身御供の為に生きてきたと知るのです…
ここは受けの境遇があまりにも不憫で泣いてしまいました。最低限の食事しか与えられず、ねじ曲がった教育を押し付けられてきたこれまでの人生…かわいそう過ぎるだろ。
でもその後の受けが前向きに、新しく生き直す希望に満ちているような描き方が良かった。それもこれも攻めさまや可愛らしい従者のおかげですね。
それとマヌル!重要な所でグッジョブでした。最近、回ってきたマヌルネコの画像見て印象に残っていたので想像しながら読めたのも楽しかった。