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◆鹿島くんの知らない日常
不思議な作品でしたが、これは、人には自分でも気付かない、あるいはふとした時に衝動的に出てしまう別の一面が潜んでいるものだと暗に示していたのでしょうか。鹿島1人が何かの病気だとか、多重人格だとかいうよりは、いろんな人に通じる何かのような気もしました。後味が悪いというほどでもなく、考え込んでしまうような結末でした。
◆未確認の証明
これは正真正銘、後味の悪かった作品。UFOやネッシーなどのUMAをよく目撃するという利久ですが、周りは誰も信じてくれません。彼の虚言、あるいは幻覚は一体どこから来ているのか?というのが最後に明かされるのですが、これが本当に痛々しくて、胸にきました。きっと、彼の脳が心を守ろうと必死で見せていたものだったんでしょうね。一番印象に残った作品でもありました。
◆おれ、被害者
後味が悪いと見せかけて、なんだかんだ明るくギャグで終わったのが良かったような、そのままバドエンでも良かったような、何とも言えない読後感の作品でした。相手の生死を握っている立場が逆転していく展開が面白く、被害者の豪胆さには最後まで感心してしまいました。個人的にはやっぱり暗い結末の方が良かったかも。
初読み作者さん。
うわ〜何これ!全然理解できない!でもハマった!
すごく、人を選ぶと思いますが、好きな人は好きになる作品だと思います。
どの話も、はっきりこんな話!って紹介がしにくい。不思議な世界観で、あぁ、多分こんな事を言いたいのかな?っていうニュアンスはとらえられるものの、ここではっきり言ってしまわない方がいい気がするのでやめときます。自分に自信がない…
最初はあまり心にこなかったのに、読んでいくにつれ、すっかり作者さんの世界観にはまってしまってすぐに2度読みしてしまいました。
最終的に「よろこびの先鋒」の2人が1番まともなカプに見えるから不思議…それくらいやばいキャラしか出てこない…信夫の綺麗になったお顔見たかったな。
ぶっとんだかんじなのに、みんなちゃんと人間らしいから凄い。ファンタジーじゃなくちゃんとリアルに感じるのは独特の才能だなぁと思いました。
少し気になったのは、絵が本当はすごくお上手なかんじなのにちょっと雑なところがもったいないかなぁ…と思いました。
本当に心休まるBLが1本も入ってないよ!木村先生!!
どろっとした短編ばかり詰まっています。凄まじいえぐみと狂気。萌では決してないのですが、萌という評価ボタンしかないので仕方ない。
一つ一つの作品に言及したい気持ちはあるのですが言葉にし辛く、自分は好きですけど人には勧められない作品です。キッツーと漫画うまいなぁーと2つの感情が湧き上がる。
BL漫画なんですけど、BL漫画読んでるっていうより一般漫画読んでる時と同じような漫画の妙を見る面白さを感じさせてくれます。
基本的には明るい感じ(絵柄のおかげもあるかもしれませんが)の話が多い短編集ですが、少し毒がある話なのではという話が多かったです。ていうか私的には昨日の話と今日の話以外はそんな感じに思えました。
未確認の証明は後味が最悪ですし、おれ、被害者の首吊りのシーンはゾワっとしました....
メリバ好きかつ明るいタッチの話が好きな方は好きだと思います。
私も好きなのですが、人に勧める本かと言われるとうーんという感じなので中立にしました。
表紙の印象からほのぼのラブラブなお話なのかなと思ったので読んでビックリしました。
カバー下の背表紙を見たら「心休まるBLなんて一本も入ってない」とありなるほど納得です。
会社員の上司と部下の「昨日の話と今日の話」は唯一心休まるお話だと思いますけど、スリリングな心境下で読んでいたので結果的に心休まってなかったです(笑)
個人的に分かりにくく読みづらい部分があったことと、好みの問題で中立になりました。
読んだ後もなんとも言えない感情を味わいましたが、ネガティブな気持ちにもなりませんでした。
それは、作者さんの作家性による処が大きいのかなと思います。
この作品はいわゆる不条理ものだと思うのですが、それを「読者を楽しませようとウキウキ描いてる」とあって作者さんの凄みみたいなものを感じました。
表現することに躊躇がない作家さんって凄く魅力的だなと思います。
具体的に言うと、汚部屋とその住人の汚さ、人間の薄情さや偽善的なリアルをしっかり見せるところです。
薄っぺらい善悪の話ではない、ありのままであるからこその軽やかさというか。
なので衝撃的ではありますが重苦しくはなく、そのバランスが絶妙な気がします。
私は最後の“四つんばいでサッカーする人間ロボット”がツボにハマったので、どうしても嫌いにはなれないですね。
個人的には記憶に残らないような綺麗な「萌」作品よりも、表現することに躊躇がない「中立」作品のほうが評価が高い気がします。
でもやっぱりハッピーエンドが好きだし、救われない子が救われるまで読みたかったので中立にならざるを得ませんでした。