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好きだと想う瞬間の感覚は、涙がこみあげてくるときの苦しさに似ている
吸血鬼モノなのでがっつりファンタジーではありますが
彼らの『心』がしっかりと見えるストーリーになっているので
愛の前では種別の垣根は無いんだな。と思わせてくれて、良い意味でファンタジーっぽくなくて読みやすかったです。
出会いこそあまりいい印象のなかったふたりですが、「医者と患者」として接しながら心の内側を明かしあえるようになっていく様子に胸をうたれます。
日々の小さなやり取りを重ねていくうちに感情が変化する自然な恋の始まりもすごく良かったです。
親を亡くした辛すぎる過去を持つ犀賀と、母親との悲しい別離を抱えている有理と。
『家族』に対して様々な思いを抱えているふたりですが、その思いに共感したり同情したりして惹かれ合うのではなく、
区切りをつけて乗り越えた先でお互い求めていくのが本当に素敵でした。
『出会い直し』の場面では有理の塩対応にハラハラしましたが
その塩対応の可愛すぎる理由にめちゃくちゃほっこり。
その後の恋人時間をもっと甘くしてくれていたなと思いました。
小野瀬家族のことも有理の寿命のことも
このお話の先に広がる未来はとっても気になるけれど、
みんな『愛』を知っているからきっとそれぞれに悔いのない選択をして生きていくのでしょうね。
静かで切なくて、でもとっても美しいお話でした!
以前、朝丘戻さんの作品を読み、すごく気に入ったので他の作品も読もうと、今回購入しました。
結論。やっぱり好きです。
ハッピーエンドなのか、そうでないのかも、あえて調べずに読み始めたので、かなりソワソワしました。
この世界には吸血種も紛れていて、有理は人間と吸血種のハーフ。二十歳になったら、血を飲まなければ生きていけない身体なのに、血を飲むことを拒み続けた為、身体が衰弱し目が見えなくなってしまった状態からの物語です。有理の父親に頼まれ、診察に来た医師が深幸で、こちらは血しか飲まないで生きてきた生粋の吸血種。
最初は敵意丸出しでの出会いでしたが、そこから一転、静かな雰囲気で二人の距離はゆっくりと近づきます。でも、それは患者と医者。これが恋心になる過程が、本当に自然過ぎて違和感がありません。
医者と言う立場や、男同士で相手は何も見えていない。色々な事が重なり踏み切れずにいる深幸。
有理はかなり積極的に深幸に好みのタイプとかを聞いたり、電話ごしにチュウをせがんでみたり、自分の気持ちをぶつけるけれど、人見知りな彼がどうしてそこまでできたのか?が後半に出てきて、すごく納得しました。そういう感覚って、自分が同じ立場になってみなきゃわからないものだなぁと感じました。
吸血種のハーフの寿命。。。先を読むのが辛くなる事もありましたが、幸せな終わり方で良かったです。
不思議で綺麗な物語でした。
朝丘先生の作品本当に好きです!
死にたがっている吸血種の有理くん
医師で吸血種の犀賀さん
頑なに血を飲むことを拒み、視力が
落ち、このまま死んでも良いと思っていた
有理の前に現れた犀賀先生。
先生の前では、冷静な態度が崩れてしまう
その、会話の中で欲しいと思っていた
言葉をくれる先生に
少しづつ心開き惹かれていく有理くん。
有理に仔猫の世話を進める先生
手の中の小さな生命の重さに、自分の
生命を重ねることで生きようとする
二人が抱える暗く辛い過去
でも、その過去が二人を惹き寄せる…
bl小説には珍しい厚さの本です。
お話もゆっくりとココロの動きに合わせて
進んでいきます。
透明な優しさと太陽のようや希望
そんなものを読後に感じました。
今朝丘先生の本を集めていますが、
また、読みましたら拙いレビュー書きます。
優しくて切なくて…機会がありましたら
是非 読んで頂きたいです!
優しい気持ちになれる、すごく素敵なお話でした。
本編の内容の前にまずこの本の厚さ。なんと1冊で380ページ!(笑)こんなにページ数のあるBLは見たことありません(笑)電車などで読み進め、読破するのに3日ほどかかりました。
朝丘先生の作品は、サヨナラ、リアル 坂道のソラ に続いて3作目です。今作も朝丘先生らしい、丁寧で優しい文章。2人の抱える過去は辛く暗いものです。重たい話は断念してしまうほど苦手なのですが、こちらはそのしんどい気持ちとともにほんのり優しい含みがあって全然平気でした。
現実社会に、吸血種が紛れているという世界観。彼らは人間食を好まず、3日ごとに血を摂取するだけで生きていけます。吸血種同士は匂いで互いを判別出来ますが、ほとんどの人間は吸血種が存在すること自体知りません。200人に1人くらいの割合で吸血種は存在しますが、社会にその事実が浸透していないのが少し不思議に思えました。
視点は章ごとに移り変わるので、目の見えない受けだからこその気付きと、医者である攻めの気持ちや葛藤などがストレスなく伝わってきます。他の朝丘作品では受けに感情移入しがちでしたが、今作は攻めに近い気持ちで読んでいました。
ゆったりとした日常の描写が続くので、退屈に思う人もいるかも。中盤の250ページくらいが、2人が共に暮らす2週間の描写に尽くされています。エロは最後にほんのちょこっとだけ………。しかもいやらしさも全くない、心の通い合いの果てと言えるような描かれ方をしています。ふたりが「本当の意味で出会う」瞬間は、こちらまで緊張させられました。色々と重たいものを乗り越えて、最後には感極まり、甘く優しい気持ちに。展開に凹凸がないので、朝丘先生1冊目には少し向かないですかね。ファンなら楽しめると思います。独特の甘い語り口が堪りませんでした。
吸血鬼もの。
といっても、時代も現代日本、
ごく普通に市井に紛れてヒトと共存している吸血鬼。
吸血「鬼」ではなく、吸血種というべきか。
幼い頃自身が引き起こした事件が尾を引いて、
吸血種であることを厭い、血を飲むことを拒む大学生の有理と
重い過去を背負うゲイの医者・深幸との物語。
成人すると人間の食べ物だけでは栄養を摂取できず、
視力も弱くなり弱っていく一方だった有理を心配し、
父親が訪問治療を頼んだ医者が深幸。
猫を介して少しずつ心を開く有理は、20歳らしいかわいらしさ。
一方の深幸せは、最初はすっかり大人だと思っていたのに、
距離が縮むにつれ臆病さを露呈していく……。
多分、少数派の意見なんだと思うのだけれど、
(そして人でなしの誹りを受けそうだけれど)
これは、バッドエンドかな……だといいな、
死んじゃうんだよね……と、思いながら読んだのに、違いました。
ちょっと残念……というか、腑に落ちない気分。
親友の妻のエピソードも、必要なんだろうか?
こんな大事!と思うのに、妙にアッサリだし、肩すかしを喰った気分。
映画「レオン」がモチーフとして使われているのだが、
これは好きな映画なので、そのイメージは悪くなかった。
毎度思うのだが、朝丘さんとはやはり
フィーリングが合わないとしか言いようがない。
どこが悪い、とかどこが嫌い、と明確ではないのだが、
細かくツッコミたくなるところが散見し、どうしても座りが悪いというか、
全体のバランスがピンとこないまま話を読み終わる。
この話も、設定は面白いしキャラも好みなのだが、
トータルすると何故かイマイチ。
と、いいながら、彼らの(親友一家を含め)
その後を覗き見てみたい気もするので
それなりに話には引き込まれたのだと思うが。
評価は、好きな人はいるんだろうなぁというのはよく分かるけれど
私はイマイチというところで、中立に。
