イラスト入り
あらすじを拝見して痛い話かなあとちょっと手に取るのを悩んだのですが、作家買いしてみました。沙野さんには珍しくファンタジー設定でしたが、非常に沙野さんらしい作品だったと思います。
とある国の第十二代皇帝であるレオン・ヴェルザー。表紙の左側にいる金髪の彼です。彼の国では誕生時に雷を呼べないと皇位継承権が得られない。代々雷神から雷を操れる能力を神から授かったものしか王位を継げないからです。レオンは雷を操る能力を持ち生まれてきており、父の没後、自身のカリスマ性もあり国を豊かに発展させてきた若き皇帝です。
レオンの専属神官として仕えるのがハル。表紙の真ん中にいる黒髪の彼(受け)です。この国では珍しい東洋系の風貌を持ち、かつ修道院の門の前に捨てられていた彼を、周囲の反対を押し切り専属神官として登用してくれたレオンに心からの信頼と敬服心を持ち日々仕えています。
レオンを守る近衛兵として新規に抜擢されたのがゼイン・クレス。彼を近衛兵として起用するのは占いで良くないと出たためゼインを近づけるのはよくないと反対するハルですが、実際彼はとある目的でレオンに近づいています。
権力を持ちカリスマ性を兼ね備えるレオンに、彼に盲目的ともいえる信頼を寄せ何をされても彼を疑わないハル。そしてレオンに敵対心を持ちかつハルに横恋慕するゼイン。
三人の関係性という点で、沙野作品の「処女執事~the virgin-butler~」や「秘恋は咎に濡れ 」のような雰囲気です。
が、今作品は三人の思惑や関係がもう少し複雑で、それでいて様々な伏線を回収しつつストーリーが絡むことなく進んでいくので、ぐっと引き込まれてしまいました。途中、最後この三人はいったいどうなってしまうのだろうかと心配しつつ読み進めましたが、幸せな結末で本当に良かった。さすが沙野先生と言ったストーリー展開でした。
エロも濃かった…!神官である自分が快楽におぼれるのは罪だと常に自身を戒めているハルですが、二人に愛され快楽に抗えなくなっていく様は本当にエロかった。この「二人に」ってところが非常にツボでした。
またレオンもゼインも、ハルに対する愛情が半端なく、二人の時に非情な行動もそれぞれ意味があって行うことだったのも良かったです。
確かに様々な要素がてんこ盛りですが、それらを軸にどっしりとしたストーリー展開がなされていて、非常に読み応えのある作品でした。
個人的に沙野さんに笠井あゆみさんの挿絵がテッパンなのですが、円陣さんの絵柄も非常にきれいで良かったです。
円陣先生の挿絵おっかけで購入したのですが、珍しく色事&設定が画期的にツボって、お仕えしつつイケメンにデロ甘に愛されるのって大好きだわっと激しく思った作品。色っぽい方面の評価で神です。今回改めて読み直したけどやっぱり好きだー。人によっては地雷かもと思うので属性ご確認ください。
色素の薄い民が大半であるヴェルザー皇国の宮廷内で唯一の東方人種であるハル。幼い頃からレオンに仕え、今は皇帝専属神官となり皇帝を支える日々。近衛騎士の任命式を行うにあたり、選ばれたゼインを占うと「不吉」と出たため皇帝に撤回を願うのですが、皇帝は聞き入れずゼインは近衛騎士となります。何かあるのではと疑うハルはゼインの後をつけてその行動を見張るようになったのですが・・・と続きます。
攻め2受け以外の登場人物は
マルガ(王妃、ご立派!)、皇太子(可愛い♡)、ヘルムート(ゼインの師匠)ぐらいかな。
国の攻防戦というか内紛があるので、お話は二点三点、かなりドラマティックです。皇帝になれるのは「サクラメント」という雲を必要としない雷を起こせる者だけという設定で、要所要所でそれが出てくるのですが、本当に痺れますー効果的で。
**以下はより内容に触れる感想
サクラメントもいいのですが、一番好きなのはやっぱりイケメン二人からでろっでろに愛されるところかな。(1:1でないと嫌という方は速攻回れ右です)そして単なるイケメンではなく国を背負う立場にある方!おーお仕えしたい欲がそそられるー。
ごめんなさいと思いつつ、二人とも好きというハルに「お主、やるのー」と盛大に突っ込みをいれて、デロデロシーンをにまにま読了できるこの幸せ!
しかも円陣先生の挿絵付きで!!ありがたや。です。
途中色々うまくいかなくて切ないシーンがあるのも、最後のおなかいっぱい感を増幅させているのかな。
ああ、幸せな本。やっぱりこの本は本棚に永久保存です。
沙野風結子先生作品の初代中世ファンタジーは『神の囲い人』になるのかな?
あれはオムニバス形式で最後6Pというなかなかブッとんだお話だったけど、今回は円陣闇丸先生のたいへん麗しい表紙を見てわかる通り3Pです!
舞台は雷神の加護にあるヴェルザー皇国。
雷を自在に操る魔法のような力“秘蹟(サクラメント)”とか、呪術とかが出てくる世界です。
レオン•ヴェルザー(攻1)
第十二代皇帝。民衆のカリスマ的存在の若き指導者。
初夜権を行使し、新婚の男と性交した後、告解の名目でハルを抱いている。
ハル(受)
皇帝の専属神官。
修道院に捨てられて、出自の分からない身だが、レオンに専属神官として登用された。以来レオンに心酔しながらも、神官という立場は崩さずにレオンと性的関係にある。
神官は貞操帯のリング着用!故に生まれてこのかた射精の経験ナシ!!
ゼイン•クレス(攻2)
新任の近衛騎士。
ある目的のためにヴェルザーの騎士になる。人望厚く、着任後その地位を確かなものにする。
ハルに焦がれていて、執着している。
上記を見ても、なんじゃそらと思いますが、なんじゃそらな設定が多すぎるのでレビューが難しいです。
ザックリネタバレすると、
レオンとハルは想いあっていて性的関係にあるけど、それは一応皇帝と専属神官の告解という名のもとに成り立っています。
そんな2人の間に入ってきたのが、ゼイン。彼は実はレオンの異母兄弟なのですが、レオンをある理由から憎んでいて、皇帝の座と想い人である専属神官のハルを奪おうとやってきたのです。
謎に包まれたゼインを怪しみながらも、彼の周囲から信頼される人となりを知るにつれてハルはゼインに惹かれるのを止められません。
レオンへの愛情と、ゼインへの恋心に揺れるハル。
この三人の関係を利用した悪い呪術師に、ゼインは乗っ取られたり、ハルは怪しい呪術をかけられたり、レオンは捕らえられ国を奪われたりしますが、最後は兄弟力を合わせて国を取り戻し、兄弟仲良くハルも共有しちゃうっていう話です。
気になる三角関係おもにエロの内容ですが、特筆するような濃ゆいプレイはなかったです。
ただ、沙野先生が書く文章の安定の淫靡さで、普通の内容も2割増しでいやらしく感じれるのでヨカッタ。
ハルがtnkにリング装着で射精をしたことがないっていう設定はなかなか滾りますね。んで、攻ふたり同時に抱かれないと絶頂を極められないという淫らで貪欲な身体の持ち主とかお約束だがそれがイイ!
レオン×ハルでは、情事の後、ハルの股の下に手鏡を置いて自分の玉袋や尻穴から溢れてこぼれ落ちる精液を見せながらの後始末が。
ゼイン×ハルでは、ちょっと無理矢理ですが、牢屋で鉄格子ごしの挿入エロが楽しめます。
3Pでは、怪しい呪術により催淫状態になったハルが、レオンに後ろから貫かれ抱きかかえられたままゼインにフェラされる。
皇帝の座を奪われたレオンが鎖に繋がれた状態の中、ゼインに犯されるハルがレオンにすがりついてというNTRだけどtnkとtnkで擦りあいっこ。
そして、ラストのすべてが一件落着したあと、仲良く二輪挿しでした!
二輪挿しの過程も、ひとりずつ次々と交互にハルの中に入る攻ふたりに対し、なかなかイケないハルが「もぅ…ひとりずつは、やめて、ください」と無意識同時挿入おねだりしてしまったからなのです。なんともけしからん無自覚淫乱ちゃんなのです。
総評として、レオンの過去に犯した罪とか、ゼインのレオンへの憎しみの原因とか、レオンの妻の皇妃のこととかうまいこと丸く収めてあるので、あっさりとサクサク読めました。
三角関係については、攻ふたりライバル心に燃えながらも、ふたり同時に抱かれないとイケない受のために、これからも仲良く可愛がっていってあげるのではないでしょうか。
そして円陣先生の挿絵もとてもふつくしかった…。
キャラの設定とかとてもいいと思うのですが、いまいち萌えられなかったです・・・。
一冊に詰め込みすぎてる感があって、物語の背景(ファンタジーの世界観?)がわかりづらいというか、最初から受けがツライ展開ばっかりで読んでて疲れました。
好みの問題かもしれませんが、レオン×ハルは好きかもですが、ゼイン×ハルはあんまり推したくないなぁ・・・・