ニアリーイコール

nearly equal

ニアリーイコール
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神114
  • 萌×253
  • 萌17
  • 中立5
  • しゅみじゃない8

--

レビュー数
35
得点
838
評価数
197
平均
4.3 / 5
神率
57.9%
著者
凪良ゆう 

作家さんの新作発表
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イラスト
二宮悦巳 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
価格
¥650(税抜)  
ISBN
9784403523854

あらすじ

幼い頃に両親を亡くし孤独の中で生きてきた仁居は、高校時代はじめての恋に溺れ、その一途さゆえに相手を追いつめ捨てられてしまう。以来十年、人を愛することに臆病になっていた仁居は、ある日、元同僚の国立と出会う。人懐っこく優しい国立は独りきりの仁居の生活にするりと入り込み、心をひどく波立たせた。自分の重すぎる愛情で大切な人を失う恐怖に、国立から距離を置こうとする仁居だが……。

表題作ニアリーイコール

国立遥,仁居が以前勤めていた高校の数学教師,26歳
仁居恭明,塾バイト掛け持つ英語非常勤講師,27歳

その他の収録作品

  • プロローグ 2005
  • 川べり暮らし
  • ノットイコール
  • エピローグ 2015
  • あとがき

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レビュー投稿数35

優しい、思いやりにあふれたストーリーでした

作家買いです。

もともとトラウマを持つネガティブな受けが、攻めに愛されトラウマの呪縛から解放される、という設定が好きなこともあってあらすじを拝見した時から非常に楽しみにしていました。
内容はすでに書いてくださっているので感想を。

受けの仁居が恋愛に対して臆病になったのは初めて好きになった彼に「お前の愛は重すぎる」と言われたことがきっかけではあります。
が、その前に彼の両親が自ら命を絶ってしまった、その時に「たくさん愛して、愛されて、幸せに生きていってほしい」と言った、母親の言葉にも縛られてるんですよね。

愛したいし、愛されたい。でも愛されずに生きてきた自分は「愛する」と言うことがどういうことなのか分からない。

両親亡き後、引き取ってくれた母方の叔母の家で、自分の両親のように甘えることはできず、そして従姉妹の子の言動がきっかけで若干17歳にして叔母の家を出て一人暮らしを始める。
これがどれだけ仁居の心を傷つけることになったのか、彼の気持ちを考えると涙がでました。

姉の子を引き取って育てることにした叔母の気持ち。
妻の甥だから引き取ったけれど、自分の子を傷つける言動(これは嘘なわけですが)をされたからと事実確認もせずにまだ子どもである仁居を家から追い出す叔父。
自分の気持ちに納まりが付かないからといった、ごく単純な幼い気持ちで仁居を傷つけ、数年後には「あの時はごめんね~」で済ませてしまう従姉妹のみちる。

どの登場人物の気持ちもダークな部分も含めて非常に理解できる。人間の心のブラックさを正面から表現しているなあ、と。

そして従姉妹のみちる本人はそれほど酷いことをしたつもりがなく、それでいて相手の心を殺してしまうほどの言動の書き方に、「人を傷つける」ということがどういうことなのか、が端的に描かれていて感心します。
凪良さんの作品に惹かれるのは、こういう他者を思いやる気持ちとか、反対に人を傷つけてしまう言動といった心の機微が細やかに描かれているからかもしれません。

一方、攻めの国立も過去のトラウマを抱えているため、恋愛がうまくいかない。攻めにもトラウマがあるってちょっと珍しいパターンだなと思って読みました。

お互い、自身のトラウマを抱え、それでも相手を大事にしたい、という優しい気持ちに溢れています。
が、その気持ち故に空回りしてしまいすれ違う部分もあってハラハラしながら読み進めました。

仁居にトラウマを与えることになってしまった、仁居の当時の恋人の気持ちもすごくよく分かるのです。
まだ17歳で、大きなトラウマを抱えたった一人で生きている少年。彼を丸ごと受け止めるにはまだ21歳だった彼にはしんどいことだったのでしょう。

この作品は仁居と国立の恋愛、と言うだけの話ではなくて、彼らを取り巻く周囲の人たちの気持ちの機微も丁寧に描かれていて、非常に感情移入しやすくまた読みやすい。
国立のトラウマの原因になったのは国立の妹に襲い掛かった犯罪が原因ですが、直接的な表現はないですが女性が襲われる、といった内容を含むため苦手な方は注意されたほうがいいかもしれません。終盤では彼女もゆっくりと前に進めるようになり同じ女性として安心しました。

子どもの頃母親と色々な話をした『川』。辛いことが多かったけれど、それでも自分は両親に愛されていたんだと気づくことが出来たのもの国立おかげで、本当に良かった。これから二人でずっと幸せでいてほしいと願ってやみません。

『川』の使い方も非常にお上手。穏やかに流れる時もあれば、濁流となって流れることもある『川』。まさに仁居の気持ちと上手くリンクさせた情景で、さすが凪良さんと感心するばかりの神作品でした。

12

俺の一番感じる場所は、

昨年から、様々な色合いの作品を発表し続けていた凪良先生。
今回の初ディアプラス文庫は切なさ満載のひっそりとしたお話になりました。
過去に囚われて、恋愛することに臆病になっていた主人公・仁居が、これも、過去に囚われて恋愛関係が上手く続けられない国立と、子猫を拾った事をきっかけにして、少しずつ歩み寄っていく。
恋にのめり込んで、また傷つくのを怖れ、いつでも戻れると自分に言い聞かせながら、本当に少しずつ。

これ、読んでいて、最後バッドエンドになたらどうしようって、ドキドキした。
でも、ちゃんと、仁居は過去は過去として乗り越える事ができた。

エロはほとんどないし、主人公は傷つくのを怖れるばっかりでじっとり暗いし、お相手のトラウマは妹がらみ。
おまけに、語る視点は次々変わる。
この本、BL小説初心者さんにはオススメできないが、このジリジリ感は小説の醍醐味。
私的にはツボだった。

10

イコールじゃないからこそ

「おまえの愛情は重い」
高校生の時、仁居は恋した相手にそう言われて失恋します。
それからは恋をする度、重荷にならないように、相手と一定の距離を置くようになるのですが、いつも上手くいきません。
いつしか仁居は、自分はちょうどいい距離感で人を愛せないと孤独を受け入れるようになりました。
27歳、英語の非常勤講師になった仁居は、以前勤めていた高校の数学教師・国立と偶然再会します。
同じ高校に勤めていた時には、ほとんど関わりが無かった二人。
捨てられていた子猫を二人で介抱し、人懐っこい国立と過ごすうち、仁居はどんどん国立に惹かれていきます。が、過去の失敗から仁居は恋愛に臆病になっていて・・・・・・というお話です。

正直なところ読み始めは、少々読み難そうな印象だったんです。何だか淡々とゆっくりで停滞感があって、これはちょっと忍耐力が要りそうだぞ、と・・・
でも、仁居が窓を開けて呼ぶところで、その停滞感が流れ、すっと消えていきました。作品の空気感が、登場人物とシンクロしているように思いました。
凄く透明感があって、綺麗な作品だと思います。
人懐っこい国立にもいろいろあります。悩みも、トラウマも、傷も。
きっと皆そう。それでも皆生きていて、日々を何とか乗り越えようとしている。そんな、ある意味当たり前のことを思い出させてくれました。
本当に、大きな事件なんて一つも起きません。ただ、仁居と国立の日々が丁寧に綴られていくだけ・・・なのに、物語がちゃんと成立しているのは、本当に凄いと思います。

人と人って、元々ノットイコールなんだと思います。
相手のことを分かって理解したつもりでいても、相手と自分が同じ気持ちだと思っても、それは絶対にイコールじゃない。
だけど、それを二アリーイコールに近づけていく努力。それは話し合うことだったり、自分をさらけ出すことだったり、触れ合うことだったり・・・楽しいことばかりじゃなくて、時に喧嘩をして、傷つけあうこともある。
そうやって二アリーイコールにしていくことの大切さ、みたいなものを静かに描いた作品です。
物語の最後で仁居が語る「感じる場所は心にもある」という言葉に、ぐっと来ました。
エロい話も勿論大好物です。でも、セックス描写の有無じゃなく、相手が心の感じる場所に触れる幸せな瞬間。その瞬間が描かれる作品が読みたくて、私はBL小説を読み続けているんだと思いました。

8

ゆっくりと流れる幸せ

過去に苦しめられながら生きるもの同士が出会う話。二人の想いがゆっくりと丁寧に綴ってある素敵な物語でした。

愛しすぎると嫌われてしまう引きすぎると離れてしまう。愛されずに生きてきた仁居が国立と出会い過去とさよならするまでずっとドキドキしながら読ませて頂きました。最初、仁居がまた誰かを失うことが怖くて逃げているシーンばっかりで国立も同じような感じだし。真っ暗な寂しさで終わるのかと思ってましたが幸せになってホッとしました。

私は仁居の気持ちにすこし共感できました。帰ると誰もいない暗い家。自分で電気を付けないと明るくならない。食事も独り。人に『頼って』断られた時、人と関わることを避けようとします。それが自分と似てると思いました。

エロ度がかなり少なめで、というかほとんどなかったですけど。こういう切なくてほのぼのとしてて深く二人の想いを追いかけている話もいいなと思いました。

5

紅茶に角砂糖が溶けるようにゆっくり甘くなる恋

大泣きするだろうなぁと思いながら読み始めましたが、ゆっくり話が進むので、こっちもゆっくり読めて、泣きたい気分にはなったけど、それがじんわりほどけていくような、甘くて優しくてほろほろした、紅茶に溶ける角砂糖のような恋のお話。
傷を抱えた人たちはみんな苦くてつらいけれどど、お互いを思う気持ちは甘くて優しくて、それを投げ込まれると、最初は受け入れられずに形を保ったままのそれが、だんだんほどけて、崩れて、染み込んで、溶け込んでいく感じ。紅茶に角砂糖が溶けるみたいに、ゆっくり混ざって、ゆっくり甘くなる、そんなお話でした。
じんわり染み込んで、真綿で首を絞められるように切なくて、あったかくて、泣けるけれど、ぼろぼろ泣くというよりは、ほろっと来る感じの、優しいお話でした。呼吸がゆっくりできるような気持ちになります。
穏やかな恋というか、傷を抱えて、隠そうとして、近づくうちに、さらけ出して、隠し続けて、それを辛抱強く待って、時にはゆっくり暴こうとしてみて、お互い怖いけれど好きだから、手探りで幸せを見つけようとしている感じで、激しい感情はあるけど、それを見せないのがいじらしく、切ない。

5

トラウマを持った二人のゆっくり流れていく恋

はぁ~~。いいお話だった。
読み終わった後も余韻が残る幸せなラブストーリーです。
大きな事件が起こるでもない、淡々と時が流れて、二人がトラウマを乗り越え、自分達の愛の形を作っていく。

私はあまり孤独を感じた事が無く(一人でも全然寂しさを感じない図太い女です)主人公の仁居(受け)の気持ちを共感する事は出来なかったんですが、私の中での孤独って絶望と隣り合わせの感情だと解釈しております。それを乗り越える為の勇気ってすごいパワーが必要ですよね。

お話とは少しそれてしまいましたが、仁居の国立(攻め)へのくん呼びが
萌えました。これは年上受けの醍醐味ですよね!

猫のニィニも可愛かったですねぇ。うちにも猫がいますがカーテンは半年に1回は買い換えてます(苦笑)

国立の妹さんも幸せになって欲しいな。

4

何度も胸が切なくなるお話

個人的に凪良ゆうさんの作品の中で五本の指に入るくらい好きな作品です。時間をあけて何度も繰り返し読んでは萌えています。

内容としては、控えめな受けが優しい攻めによって心を開き、自分の過去から解放されていくというようなお話です。過去の恋人に、お前の愛は重いと言われたことで愛することに臆病になった受けの仁居。そんな彼を歯がゆく思いつつ、真剣に向き合う攻めの国立。国立にも実はトラウマがあり、彼も恋愛について悩みを抱えていました。そんな2人が付き合い、本当に分かり合うまでを描いたゆっくりとしたストーリーがとても美しかったです。
作品の視点は、大まかなまとまりごとに仁居→国立→仁居→国立と変わります。私は、交互に視点が変わる方が好きなのでこの構成は嬉しかったです。
いろんな素敵なシーンのある中、凄く印象深い場面があります。それは、国立が仁居の本当の姿を垣間見るシーンです。デートの後、やっぱりもう少し一緒にいたいと思った国立が仁居の家に引き返した時、真っ暗な部屋の窓際できつい酒を飲み、縮こまってる彼を発見します。仁居の周りに広がる、どうしようもなく重い孤独を初めて見た国立が、本当の彼について疑問に思うシーンでした。仁居の孤独がこちらにもひしひしと伝わり、とても印象的でした。好きな本でも、時間をあけて読んだら大まかなストーリーさえ忘れてしまうことがあるのですが、この本に至ってはこのシーンだけいつでも鮮明に思い出せます。それくらい胸にグッときたシーンでした。

4

しみじみと、いいお話でした。

凪良先生の小説は10冊以上読んでますが、今のところ、これがトップ3には入るくらい好きです。

最初、高校時代の初めての恋で心に傷を負った受けを抱擁系の優しい攻めがゆっくり癒していってくれる、みたいな話かなと思って読んでいたのですが、最初のお話「川べり暮らし」のラスト、豪雨の中、携帯電話で攻めの国立くんが受けの仁居さんに、これまでの恋人との関係がうまくいかなかった原因を告白するところで、ちょっと予想外の展開に。
それまで、こんなにいい雰囲気なんだから、攻めはもう少しはっきり付き合ってほしいって言えばいいじゃんと思っていたのですが、それができずに、好きになるほど二の足踏むのがすごく納得できました。国立くんもすごくセンシティブな心の問題を抱えていたのね。まさにニアリーイコールなふたり。

その後付き合いだしてからの、ゆっくり歩み寄って仲を深めていく様子もすごく素敵でした。エピローグの「俺の一番感じる場所は~~」のくだり、特によかったです。仁居さん、派手さはないけど、情が深くていい受け。国立くん、いい人と付き合えてよかったね。

二宮先生の繊細なイラストもよく合っていて素敵でした。優しく癒されたいときお勧めです。

4

つい感情移入してしまう丁寧な人物描写でした

ちるちるでの高評価が気になって購入しました。凪良ゆう先生の作品は初めてでしたが、正直言って大当たりでした。

自分も過去に似たような経験をしたことがあったため、仁居にかなり感情移入してしまい、前半はほとんど泣きそうになりながら、あるいはしばしは泣きながら読んでいました。重いって言われるのはホントに堪えますもんね。読み終わったあとは仁居の真似をして窓辺で冷凍庫に入れておいたお酒を飲んだりしてました(笑)

あとがきにもあるように、物語の中では大きな事件が起こるわけでもなく、その代わりに視点転換などをしながら丁寧に二人の気持ちが描写されています。仁居から国立に視点が変わったときに名作を確信しました(笑)

登場人物たちのなかには一部を除いて悪い人はおらず、仁居のトラウマの原因である佐竹も悪人ではなかったことは、物語の世界やさしいものにしていると思います。ほっこりとする一方で少し物足りない気もしましたが(笑)

凪良ゆう先生の作品としては中間的なところに位置しているらしく、もっとダークな作品も読んでみたいと思わされました。とはいいつつもしばらくはこの作品を何度も繰り返し読むことは確実になりそうです。

4

ああ……凪良作品だな……。

『ここで待ってる』から間髪いれず発行された『ニアリーイコール』ここで待ってるの方が主人公の子供だったり相手の家族を物語に絡め基本は色々抱えて重たいのですが、まだ軽い気持ちで読み終えられましたが、この作品はガッツリ影があり、重いです。カップル二人ともに過去に一物を抱え、悩み、囚われ続けています。
家族のトラウマを抱え、過去の恋人に依存し愛が重すぎて捨てられた受けと、妹にまつわるトラウマを抱え、性的交渉ができなくなる攻め。
そんな二人が仲良くなり恋に落ち、平坦で行くわけがありません!
でもお互いが歩みより近づいていく葛藤や思いが、作者らしい書き方だなと思いました。
気持ちが重なっての性的交渉が完全じゃないって所もある意味リアルだなと。ラブラブになる→トラウマ克服→ガンガン性的交渉をする!だとこの作品が作品である意味がないですよね(笑)
うまく行く日もあれば駄目な日もある。人間だから仕方ないんだと思わずにはいられないです。

何か困難な試練が二人を待ち構えているとかは一切無い本当人間にスポットを置いた作品です。
エロシーンは当然少ないのでBLにエロシーンを求めている読者様には肌に合わない作品だと思います。

3

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