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表題作嘘つきと弱虫

矢野麦人,駅メロ作曲家
小暮音也,地図会社社員

あらすじ

地図マニアで人付き合いの苦手な音也は、以前ひどい振り方をしてしまった親友の麦人に四年ぶりに再会し・・・?優しい嘘つきとがんばり屋の弱虫の恋!

作品情報

作品名
嘘つきと弱虫
著者
久我有加 
イラスト
木下けい子 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
ISBN
9784403523892
3.9

(53)

(15)

萌々

(23)

(12)

中立

(3)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
10
得点
206
評価数
53
平均
3.9 / 5
神率
28.3%

レビュー投稿数10

溺愛・再会・オタク同士の恋

やっぱり久我先生の現代もの、いいなあ…
そして関西弁萌え。物語に花を添えてくれてる。。
そしてイラストが木下けい子先生と、大好き×大好きな先生方のタッグで嬉しかったヾ(*´∀`*)ノ

攻めの溺愛 × 再会愛 × オタク同士の恋(鉄道駅メロオタク×地図オタク)と、萌えの広がる設定です。

今作の受け様は、地図制作会社の社員、音也。
彼は大学生の時、弟から突然「心は女だ」と告白され動揺し、話を聞いてもらおうと訪れた先、親友の麦人(むぎひと:攻)のうちで告白され、ひどい言葉で拒絶し縁を切ってしまった、という過去があります。

その4年後、転勤で東京暮らしとなり、飲み屋で飲んだ後、偶然麦人に再会しー

と続くお話。

中盤まで受けの音也視点、その後攻めの麦人視点のお話もあり、それがとってもいい!

大学時代から音也にハマり溺愛しつつ、友人付き合いに慣れていない音也を懐柔していく麦人…うーーん、策士です( ̄∀ ̄)
口の端に付いた食事の汚れを指で拭う、小柄で細い体を正面から抱き締める、挙げ句の果てには一つのベッドでくっついて寝る!!やりたい放題じゃないか〜!
そこで「いいぞ、もっとやれ!」と思ってしまう私。不埒な妄想をする腹黒攻め、いいですよね…

戸惑いながらも「友達やったらこれくらい普通やで」と言う麦人の言葉を信じちゃう純粋培養音也に、も、萌え。。

自分の気持ちにもなかなか気付けなかった音也が自ら告白しよう!と決意し、麦人の元に告白に向かうシーンは、序盤の音也とのあまりの変わり様にびっくりしてしまうほど。
正直ちょっと性急な感じもしたけれど、再会し心也を一緒に探すことで心の距離がグッと近づき、自分の心の奥底にあった恋心が湧き出たんだなあ、と納得しました。

そして受けだけではなく、攻めの麦人も内省し、今度こそ!とやり直そうとする姿が書かれているのが良かった。。
大学時代の麦人は、音也には自分以外の親しい友人がいないから、自分から離れられないだろう。よもや告白を断られるなんてことはあるまいと、傲慢に考えていたんですね。

攻め受け両者の成長を見ることができる、素敵な再会愛のお話でした✨

あと、私はコスプレとか女装プレイはピンとこないのですけれど、麦人のために事務員の服を着てくれた音也にめちゃめちゃ興奮する麦人が笑えた!
音也岳には変態っぽくなる攻め、最高。

0

心酔の攻め

久我先生、いくつか読んでおります。
メガネのぽやっとしたのが受けてるのはあんまりお好みでないので、うーんと思いながら手に取ってみました。
久我先生の読みやすい文体に加えて、攻め様・麦人の溺愛盲目攻め感が良くてガーッと読んでしまいましたね、いやー楽しかった。

受け様・音也、メガネのひ弱かと思いきや、意外と相手のことちゃんと考えてる感じがしてよかったです(メガネひ弱受けはあんまりとか言いながら毎回読んでみたらおもしろくてこうやって言ってる気がする……)
麦人がねー、私ああいう嘘で逃げる感じの好きじゃないんですけど、心情がわかりやすいからかな、普通に楽しめてしまった……
音也が好きすぎるのが至る所からにじみ出ていてよかった笑
後半、麦人の目線でいろいろ語られてるところでは大学時代の後悔の話とかあってそれもまたよかったです。

おかげでか、いつもは好みじゃない女装コスプレエッも普通に読めてしまった...
いろいろびっくりですが、溺愛の変態心酔攻め×気弱真面目受けが楽しめました!!
(にしてもいつもはいまいちな系統なのに楽しめたのなんでだ……コミックと小説では好みも変わってくるタイプなのか?私……)

0

主人公の心情描写に泣けて。

主人公音也。子供の頃から人見知りで話すのも苦手で友達もおらず、大人になった今でもポケットに地図をしのばせて、不安な時は握りしめる。
ずっと地図が大好きで何時間でも眺めていられて、将来の夢は国土地理院で働くこと。
母と弟を守ること。

大学で初めてできた親友の麦人。麦人は駅メロマニアで話も合い、とても親切で優しくて居心地がよくて。

色んなタイミングが合わなくて最悪の結果になって。
みんな苦しんで。

泣けました。音也の弟心也の言い分にも。

三角関係?ものはあまり読んだことなかったかな?かなり切なかったです。

麦人の音也を想う気持ちの強さにもグッときます。

本編は片想いと三角関係の切なさに、初恋が実るところに、心を動かされました。

「腹黒と天然」
麦人視点です。内容の強烈さに読後の余韻を持っていかれました。
麦人はとにかく音也が何しても可愛くて愛しくて。
大学時代の麦人の気持ち。反省。
そして見つかってしまった女性用の事務服にとっさについた嘘。

麦人のつく嘘はみんな音也のためなんですけどね。
音也は悩んで悩んで。

まあ結果はとっても大盛りあがりで良かったです。

地味っ子メガネっ子人見知りっ子なド天然な主人公が、イケメン親友に心を開き懐いて。
あ〜、何回も書き直してるのですがさっぱり作品の良さがうまく書けません。
少女マンガかな?な感じもしますが、とても感情を揺さぶられたお話でした。

0

絶妙

関西弁の会話が穏やかでほわほわ気分。

八つ当たり気味に振ってしまった唯一の親友と再び友情を育み、気持ちに気づいて…地味地味純粋培養ピュアで芯がある音也、音也を好きで好きで紳士に、でも時々腹黒いとこ見えちゃう麦人の繊細さときゅんが盛りだくさん。残念攻め良いじゃないか!

麦人は何でも卒無くこなす好青年、だけど音也にめろめろで下手な嘘ついたり、ガツガツ責めすぎたり…ってのをあとがきで残念攻めとされてたんだけど、受けの前で仮面はがれちゃうの良い~むっつり全開になるのも~片思い募らせすぎて買っちゃった女装衣装、大事に取って置いたら見つかるでしょ!

これが微妙なラインで、真面目な事務服なのにスカート短いってドキドキするよね!必死に伸ばそうとするのも、捲れあがっちゃうのも!ゆっくり静かに紡ぐような物語からのコスプレ濃厚えっち!やばばばー地味な子の豹変する姿、やばーーー!(おじさんの感想です)

0

受けの可愛さがわからなかった……

受けが真面目&地味でコミュ障気味で、想定外のことが起きると現実から逃避して心を落ち着かせるために地図を眺める……という地図オタク。(常にポケットに忍ばせている)

何かと現実逃避しがちな受けにあまり共感できず、今ひとつ魅力を感じなかった…….

弟から「女になりたい」宣言された日に、人生初の親友だと思ってた攻めから告白されるというダブルパンチでパニクったとは言え、「最低や!この変態!」と罵るなんて酷いなぁって思ったし、その後の攻めからの謝罪連絡も一切無視して絶交というのも酷いなぁ…って思ってしまった。

4年ぶりに再会した攻めの「好きな人がいる」というのが自分だという事にも気づけず、嫉妬したりしてるうちに、攻めへの恋心をようやく自覚したと思ったら、また攻めから逃げようとするし……。

そして振られること前提の告白といえども、攻めの事が好きだという弟(トランスジェンダーなので妹かな)もそこに立ち会わせようとするので、おいおい……となった。

弟とはライバル同士だからこそ陰でコソコソ告白したくないというのもわかるんだけど、両思いに気づいていないのは当人達だけで弟はとっくの昔に二人の気持ちに気づいているんです。

弟からしたら、目の前でカプ成立&失恋決定なんてやってらんねー!と思うのは当然だし、長年の鬱憤を爆発させた「兄ちゃんも母さんもズルい」ってのが、ほんとそうだなとしか思えませんでした。
鈍感も過ぎると罪というか無神経と同じだなって。

後半から攻め視点の【腹黒と天然】で、受けの良い点が色々挙げられるけどやっぱりピンとこず。

思ったより攻めの腹黒さは感じなかったです。
そんなことだろうよと思ったし、コスプレ以外は予想範囲内でした。

そしてその制服コスプレを発見して以来、またもや攻めと距離を置こうとするので、ま〜た受けの逃避グセが出たよ……と冷ややか視線送ってたんですが、四年前に自分が「変態!」罵ったせいで、男同士=変態ならば、攻めが女になろうとして買ったのだろうという斜め上のまさかの発想には、驚きました。
なんかここで少し受けのことを受け入れる気持ちになれました。

そして攻めを喜ばせたいから着るよというところで、ようやく初めて、この子かわいいなって思えたんだけど、時、既に遅し……もうほぼ終わりかけていました……。遅すぎた。

それと地味な受けに女装させてのエッチって、全く萌えないシチュなので読み飛ばしてしまいました……。これも悲しい。

攻めが自分のことを「僕」呼びで、受けが「俺」というところが、意外で気づいた時にはちょっと萌えました。

攻めが、受けのことを好きになる前から男女問わずそこそこ遊んでいて、振られて以降はヤケになって初物狙いの男としてゲイ界隈で名を知られるほど遊んでて、そして男にも何回か抱かれたことがあるという結構お盛んな人で、そこがイヤ…と思う人もいるかもしれない。
(私は特に気にならなかったけど、抱かれたんかい……性的好奇心がかなり旺盛だなとは思った。)

3

匂い立つ『濡れ場』

電子書籍で読了。挿絵有り。

学生当時の告白に、その時の理由があったにせよ「気持ち悪い」発言をしてしまい、友人づきあいすら消滅してしまった後の再会ものです。
自分の気持ちに気づいた後の小暮くんは、若干グルグルしますが、きちんと筋を通そうとする所など潔く、気持ちがよい。好感が持てました。

特筆すべきはその後の色っぽさ!
小暮くんが『地図マニア』という、オタクと言っても枯れている分野(偏見かしら?)の所為でしょうか?それとも、人付き合いが上手ではなく性的な匂いが全くしない所為でしょうか?一旦乱れはじめると、とんでもない色気です。
住宅地図作成や駅メロ作曲というのは、どちらかと言えば珍しい仕事ですが、その仕事自体が詳しく描かれているわけではないので、彼らの日常は普通の『勤め人』。そういった日常の中での濡れ場(古くさい言い方だな)は、鮮やかな色を塗ったよう。
こういうの、矢野さんはお上手だなぁ、と思います。匂い立つような色気です。

1

いい意味で裏切られました。

この作家さんの作品は何冊か読んだ事があるんですが、その時はわりと硬派でエロも少なめな物でした。
今回も可愛らしい感じの表紙やタイトルから、ピュアな物を想像してたら、いい意味で裏切られました。
エロが濃厚です。コスプレまであって、エロエロです。受けが真面目でピュアなので、余計エロが際だちます。まさか、この表紙やあらすじから、こんな濃厚なのが出て来ると思ってなかったので、びっくりしました。(褒めてます!)

そして、健気でヘタレ気味な攻めと思っていたら、攻め視点の書き下ろしで結構な腹黒だったことにも二度びっくりです。
最初の受け視点の話では、純粋な好青年にしか見えないんですね。もう一度読み直すと、ん?!と腹黒さの片鱗に気付くんですが。

そんな腹黒い一見好青年の攻めと真面目で不器用だけど純粋な受けが、誤解ですれ違って別々になるものの、偶然再会して…というお話です。

珍しい職業の仕事内容が分かるので面白いという事と、主役の二人以外にも全く空気を読まない同僚等、登場人物もそれぞれ個性が強く魅力的です。

そして、二人の気持ちが通じ合ってからの甘々が大変楽しめました。
コスプレ衣装が攻めの部屋にあった事で、一悶着ありますが、それも深刻なすれ違いではないので安心して読んでいられます。これの誤解が解ける所なんかは完全にバカップルで、もう勝手にやっててよって感じです。その後のコスプレHは非常に萌えます!

とにかく意外性があり、楽しい作品でした。

5

ライトに楽しく読了。

着メロ制作会社勤務・麦人×地図制作会社勤務・音也。
大学時代のタイミングの悪い告白で4年間音信普通だった二人が
再会して……という話。
久我さんらしく関西出身関西弁なんですが、現在二人は東京在住。

マニアックな職業設定がうまく生かされていて、
(ほんと、これは結構興味深かった!世の中色々な職業があるね。)
地味な日常系を一味違うものにしている。
天然で鈍感でピュアな音也も、一途なんだけれど実は腹黒な変態な麦人も
どちらもいい感じで可愛かった。

内容はほのぼのしながら繊細な心情が織り込まれて
きゅんとしながらも微笑ましい話なのだけれど、
まとまってからはなんだか笑いの質が変質……かな?
コミカルというかトンチキっぽく……(笑)

ま、それも含めて楽しい一冊でした。

私は木下さんは好きな作家さんなのですが、
でも、この挿絵はイマイチピンとこなかったかな……
合わないというより、最近の木下さんの時にラフな感じが前面に出ていて
素敵な絵!と思えなかったのが残念。

3

腹黒×天然

駅メロ作成会社社員×地図製作会社社員。

大学時代に親友だった攻めと、4年ぶりに再会した社会人の受け。大学生の頃に告白されたものの、そのときちょうど精神的に参っていたタイミングだったせいで必要以上にきつい言葉で罵り、そのまま疎遠になっていた。再会した攻めは、もう自分には彼氏がいるから仲直りしようと言ってきて、受けもそれを了承し再び友達付き合いが始まる。しかし、行方不明だった受けの弟が見つかったのを機に、その関係が揺らぎ始め…。

地味な設定に地味な主人公、という話ですが、何よりエッチシーンが萌えました。友人関係が長く、くっつくまでが長い小説に怒涛のエッチシーンがあるとめっちゃ萌えます。攻めに余裕がないとなお萌えます。
通常パートは正直萌えなかったというか、受けくんの弟は別にどうでもいいんじゃい、みたいな感じで読んでました。ちょうどいいところで受けと攻めとのあいだを邪魔する役割のキャラで、そのくせ最後にはあっさり引くので、好感を抱けない上に都合のいいキャラってイメージでした。
でもそのイライラも、怒涛のエッチで帳消しです。攻めの、遊び人だった過去が想像もつかないくらいの余裕のなさが、そんなに受けを好きだったんだねと思えてキュンキュンしました。いいエッチシーンでした。

イラストは…ファンのかたには大変申し訳ないのですが、私木下さんの挿絵が個人的に苦手でして…。
私の目には、可愛いキャラが可愛く見えず、かっこいいキャラがかっこよく見えないのです。絵師さんが好みの方だったら神だったかなぁ…。

5

地味な流れだけどしずかに波乱万丈

二篇で受け視点、攻め視点と両方あります。
ふたりとも関西弁で話しますが、東京にいます。
あまあまで一見地味だけど、むっつりエロエロでした。せつない心理描写中心ですが、その想いが互いに貫通したときに、エロが決壊するラブラブです。攻めが受けを愛するあまりに抱きたい、という心理描写がストレートに表されています。
麦人(攻)は容姿端麗だが目立ちすぎない設定で、日常感があります。
音也(受)は地味で人見知り、だが頑固なところがあります。
久我さんがあとがきで書かれてるとおり、一見普通の恋愛なのですが、音也の過去がなにげに凄まじいものがありました。弟のトランスジェンダーと、親友だった麦人に恋心を告白されたのが一気にやってきたものだから自分の中で大混乱。
音也が親友からの告白にどうすればいいのかわからず、しかも唐突なので「変態!」と罵りふってしまったことがしこりになっています。
いっぽう麦人は、両想いになってからも音也にふられたときに言われた「変態!」の一言がなにかとブレーキになり、下手な嘘をついて余計に面倒なことを引き起こしてしまいます。
音也の弟と、その弟の仲間が男前でした。
過去に麦人が遊んでいた設定はありますが、安定したラブラブをホッとした気持ちで楽しめる明るい作品でした。

7

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