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いやらしのポールダンサー
見た目にわかりやすく難があるってのは大変ですよね。
目や耳の障がいみたいに周りから配慮されるわけでもない、こういう境遇で生きておられる方に深く同情いたします。
ふたりがダンサーというのもいやらしポイントの一つですね、身体が柔らかいからエッチの体位も深そうでいい。
煌びやかな作品でした。
あと引く読了感!!
荒さの中に妙に色気が漂ってて、雰囲気に引き込まれました。
帯に「いやらしの」とありますが、
下卑た感じではなく、美しさ、力強さを感じます。
ポールダンスを通して、ぶつかり合う二人が痛くて痛くて
読んでいるとギリギリ苦しいんだけど!!!
ケンケン突っぱねても、どうしようもなく惹かれ、
お互いの存在が無視できなくて、影響しあっちゃうところにグッときました。
重苦しさも心地よかった。じんわり後引く読了感。
ポールダンサーやステージものは初めてですし、男性のダンサーの存在さえ知りませんでした。
父の死に取りつかれて薬を飲まないと踊れない危ない状態なのに躍りはホール1の航。
華はあるけど躍りはもうひとつ、踊りへの情熱の足りないビッチなぎさ。
初対面は最悪でその後も険悪な二人。でもお互いの踊りや素質は認めている。
踊りを通して変わっていく二人と二人の関係。
お互いがお互いを認めあい必要とし高め合う存在に。
ダンサーとしても性的にもお互いの体に引かれあっていったのでしょうか。
航がなぎさを抱いたのは最初はまともじゃなかったのかな?お前どんどん上手くなってくな、なぎさの体を俺にくれよって。踊り続けることへの不安や焦り居場所を取られると思い詰めて。
2回目以降は気持ちも伴ってます。
ほとんど半裸です。衣装も際どい!
オーナーが若そうなのが気になります。父の代からなのじゃなかったのかな?
モノローグがどっちの方かたまに混乱しました。
二人とも決して明るい過去や現在を生きてないんだなあと思いました。
海辺のクラブでポールダンサー。今までにない世界観でした。
二人は海外(おそらくアメリカ?)に渡り活躍し仲睦まじく踊りを続けています。
あとがきの踊ることは生きることそんな言葉がぴったりの二人になりましたね。
スポーツでも仕事でもお互い競いあって高めあいかけがえのない存在になって一緒に上り詰めていくのはいいですね。
どことなくセンスの良さを感じる作家様です。
季節は夏でしょうか。海沿いのクラブにラフな私服と全体的にオシャレ感漂う雰囲気です。
舞台が海沿いという事で物語の見せ場のシーンでは崖の上の灯台、ショーが成功した後2人きりの明け方の浜辺などロケーションが上手く生かされていて良かったと思います。
最初は生意気で「アンタみたいな男すっげぇ嫌い」と言っていたなぎさが「お前になら何されてもいい」とまで言うようになるとは···
もうなぎさが可愛くて仕方無いです(笑)
航に認められたい、ダンサーとして生きて行こうと決めたなぎさですが、一方踊る事に全てを掛けて来た航は様々なプレッシャーから不安定になり、薬無しでは満足に踊る事も出来ません。
唯一の居場所であるステージもなぎさに取られてしまいます。
居場所を見つけたなぎさと居場所をとられた航。。。
航のなぎさに対する嫉妬や羨望がついに形になって出てしまいます。(無理矢理なぎさを抱いてしまいます)
ですがなぎさはそんな航を受け入れ、踊る意味を見失いかけていた航に自分の為に踊って欲しいと告げます。
それぞれの踊る理由が相手にあるというのはお互い必要としている感じがして良いですね。
色々あって結ばれた2人ですが、お互い作中で一度も『好き』という気持ちを言葉で伝えていません。(一緒に踊りたいとは言っていましたが)
でもお互い共に歩んでゆく大切な存在というのは明白です。
そういった台詞が無い事でパートナーとしてのより深い繋りを感る事が出来たし、パートナーになるという事はそういった感情よりももっと深い所で繋がっているものだと思うので、この台詞が出てこなかったのは逆に良かったと思います。
(仮にこの作品の世界感で「好き」とか「付き合って」みたいな台詞が出てきたら一気に作品が薄っぺらいものになってしまったと思います。)
後日談での2人の休日では航のシャツとなぎさのパンツが···お揃い!
航がなぎさの服を借りてるのか、一緒に買ったのか、どちらにせよなぎさの趣味と思われる服を着てるのに萌えました!
個人的に絵柄はとても好きですし、ポーズや身体のラインも不自然な部分も無く決まっていたと思います。
明るく華やかなシーンもありますが全体的にどことなく薄暗い雰囲気のある感じで、久しぶりにハマった作品でした。
ポールダンサーという、官能的でエロティックなものなのに今まであまり無かった職業に目をつけた所は凄く魅力的でした。
が、話しの流れや内容だけに目を向けると案外良く読む青春群像劇かな、という印象です。
センスは見え隠れするのにチヤホヤされ性にダラシナい子と
過去にやや暗い影があるストイックな子が衝突し、ぶつかりあい、わかりあう。
バンドものなら二人で曲を作ろう、っていうところがこれはダンサーだから二人で踊ろうに変わっている。というような…
悪くは無いんですが、もう少しドラマチックで大きな波が欲しかった。
トラウマ持ちの航は父親もポールダンサーだったから自分もっていういうのもやや説得力がないかな。
ポールダンサーって特殊な職業だと思うし、男の子が父親がやっていたからだけで其のままあこがれるのだろうか、という疑問。(父親がほぼ裸で踊ってる、これだけ聞くとプロでも小さい頃なら少なからずからかわれたりしたんじゃないかな、とか考えてしまいました)
トラウマ設定が少し薄い気がします。
もう少し全体を掘り下げてじっくり描いてくれたら良かったなあ、と思いました。
画力は向上途中でしょうか、折角の肉体美アピールできる職業なのにふわっとした感じなので説得力が弱めかもしれません。
ただ目をつけるポイントとかは良いなあと思ったので、今後に期待です。