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「溺愛王子の執愛」を読んで、こちらの作品が懐かしくなったので再読しました。
現在のいさき李果先生の絵と比べてしまうと、身体のバランスや顔の輪郭とかに大分粗っぽさを感じてしまいます。
でもふとした表情が印象的だったり、お話はとても切なくてこちらの作品の方が私の性癖に突き刺さりまくりでした。www
まず臣の「俺はいつでも間が悪い」って冒頭の台詞が印象的でした。
でも、臣はいつも水守から逃げていたんですよね。
それが偶然知り合った高校生のカズマの行動によって、自分達の姿に重ね合わせるからこそ突き付けられるんです。
このカズマと思い人である高須賀の関係もとても素敵でした。
同時収録作の「きみにあえて」も良かったけど、このカズマと高須賀のその後がもっと読みたかったです。描き下ろしの4ページじゃ全然足らないです。
カズマの影響から臣は過去と違う選択をします。それによって水守との新たな関係が築かれるのです。
水守の過去の回想を聞くとお互いに惹かれあってたのに、水守が同性と付き合うと言う事にまで考えが及ばなかったので、遠回りしてしまったのでは無いかと思いました。
でも実際は水守のほうが思い切りが良いのだと思いました。
表紙から素敵です。
蛇顔は苦手ですが、いさきさんの描く髪が長めな人物は魅力的。
【いくじなしの恋】(前中後編+描き下ろし2編) 萌2
相手の反応を見たくて失敗して、伝えるタイミングを待っていたのに機会が来ないまま離れた友人との再会ものです。
結婚するという相手を祝う気にもなれず、高校からの友人だった水守と距離を置いた臣。
ある日、昔の自分に似た少年と出会って話を聞いていたところ、教師になった水守が現れて…。
切ないんだなー!!
伝える勇気は出ないけれど、相手が少しでも自分を意識してくれているのか確認したかった臣の気持ちも分かるし、親しい友人が先に大人になっていくのが寂しくて、自分も追いつこうとした水守の気持ちも分かるし。
子供の頃の憧れはその当時だとプライドや恥ずかしさがあって絶対に言えないけれど、大人になったから言えることもあるんですよね。
切なさを煽る構成と、「間が悪い」というキーワードも効果的。
真っ直ぐにぶつかった少年に勇気をもらって踏み出す臣に対する水守の反応は、ちょっと読者の期待とは違うかもしれないけれど、良い作品です。
描き下ろしは大人バージョン(水守×臣)だけでなく、子供バージョン(臣に相談していた水守の教え子)もあります。
【きみに会えて】 萌
会社が倒産して地元に帰ってきた貝田が、母親に言われて店番をすることになった洋品店にいたのは、10年以上前に自分に懐いていた駿也で…。
こちらも再会ものです。
子供の成長は大人が思っているより早くて、子供の一途さは大人が思っている以上に一途で強いよという話でした。
正面の顔は結構蛇顔率が高いので、苦手な方は苦手かもしれません。
でもストーリーが良いので、気になった方はぜひ。
まず、臣のビジュアルが好きです。
絵だけをみたとき、てっきり水守が片思いしてる方かと思いましたが逆でした。
臣みたいなカッコいい人に好かれたら、水守だって悪い気はしないでしょうね。
高校時代から水守に片思いの臣は、いつか別れると思っていた彼女と水守が結婚するかもしれないと聞き距離を置く。
好きな人の結婚を喜べるほど強くない臣だったが、あることをきっかけに水守と再会し…。
水守は結局結婚していませんでした。
教師である水守の生徒と縁ができ、そこから水守と再開する臣が今度は前回とは違う選択肢を選び、水守に告白するところが切なくて良かったです。
水守は臣に対してどういう感情を抱いていたのかは分かりませんが、2人は結ばれハッピーエンドに。
長年の片思いが報われてよかったと思う反面、あっさりしたラストに少し物足りなさを感じました。
フリーライターの朝倉は、高校時代からの親友だった水守を今も忘れられないでいる。ノンケの水守に彼女ができ、結婚を考えていると知って、そばにいるのが辛くなり離れたのだ。しかしとある事情から高校生を保護したら、その担任教師として水守が現れる。とうに結婚したはずだと思っていた水守の左指に指輪はなく…。
大人同士の再会ものです。
視点キャラの朝倉さんが割とワイルドな男前だったので、こっちが攻めだろう、そして保護した高校生とくっつくのかな、などと思いながら読んでいたのですが、普通に再会もので、しかも朝倉さんは受けでした。(カップリング説明に書いてあるので、一応核心的なネタバレではないと判断しました)
ワイルドな男前受け…素敵です。いさき李果さんのイラストが色っぽいので、ビジュアル面ではかなり萌えました。攻めも、ワンコっぽい見た目の割にはガタイがよく、エッチシーンなどでは程よくガツガツしていてよかったです。
絵はほぼほぼ文句なしだったのですが、話はちょっとあっさりしすぎてたかな…と思いました。高校生カプは要らんのですよ、ちゃんと「先生」してる攻めの描写とかも要らんのですよ。案の定ほかでページを食いすぎて、本編にエッチシーン入らなかったし、その点はかなり残念でした。
巻末の短編で、一瞬だけどようやく本番描写があり、うれしいというかホッとしました。受けの腰を摑む攻めの手がすごくエロかった。
同時収録の中短編が1本。これは20歳大学生×30歳手前求職者の再会ものでした。8年前にかまったことにより小学生に懐かれた受けが、会社の倒産によって無職になり地元に帰ってきて…という流れです。
こちらもエロはなく、これからラブい方向に向かうのかな、というところで終わり。まあ可愛らしくていいのですが、正直物足りなさはありました。
表紙の絵がとても綺麗で買いました……が内容はもう少し掘り下げて欲しかったです。
同性愛に否定的な登場人物が出てこないのは読んでいて良かったですが、(昔から相手を想っていた主人公はともかく)周りの人達順応性高すぎないか…?と逆に違和感を感じる部分もありました。