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表題作どうせもう逃げられない

藤代陽生 サークルの先輩
白井 遼 大学一年生

その他の収録作品

  • どうせもう逃げられない 5.5話

あらすじ

友人に誘われ出席したサークルの飲み会で、子供の頃キライだった男・藤代に再会した遼。相変わらず誰にでも愛想が良く、周囲に好かれている藤代に苛立ちを覚えた遼は関わらないようにかわしていたが、二人きりになった途端「俺のこと嫌いだろ」と藤代に核心を突かれてしまう。唯一自分を嫌う遼のことが「好きだ」から「好かれるように頑張る」と遼を押し倒し、のしかかってくる藤代。そんな藤代に翻弄される遼だったが…?
曖昧で不純なスキとキライの境界線………。
描き下ろしも収録‼︎
(出版社より)

作品情報

作品名
どうせもう逃げられない
著者
水名瀬雅良 
媒体
漫画(コミック)
出版社
KADOKAWA
レーベル
あすかコミックスCL-DX
発売日
ISBN
9784041036624
3.2

(14)

(0)

萌々

(6)

(5)

中立

(3)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
6
得点
42
評価数
14
平均
3.2 / 5
神率
0%

レビュー投稿数6

泣き顔、流行ってるのか?(笑)

一冊まるまる表題作です。

友人に誘われて無理矢理入れられたサークルの飲み会で遼(受)は子供の頃に入っていたサッカークラブで中心選手だった藤代(攻)と再会します。
遼は、その子供の時から評判の良い藤代が嫌いでしたが、藤代も又その事をその当時から知っていました。

飲み会で藤代は酔ったふりして遼に家まで送らせ、そこで強引に関係を持ち、その時に撮った写メを脅迫のネタにして強引に付き合い始めます。期限は、遼が藤代を好きになるまで、として。

普通、相手の事が本気で好きなら、期限を決める時に、相手が自分を好きになる迄なんておかしな事は言いませんよね。
両想いになったら、脅迫じゃあなくて本当の恋人同士になる筈なのに…
だから、遼も藤代が自分の事を好きだと言いますが信じてはいません。
普通に嫌いだから嫌がらせにしていると認識しています。

でも藤代も遼の前では八方美人で取り繕った自分ではなく、意地悪も言うし性格も捻くれて素でいられるのです。
それは、昔から遼だけが藤代の本性を見抜いて嫌っていたからで、その意趣返しで無理矢理、遼が嫌っている事を知っていて強引に付き合わせているのですが、藤代も遼もどちらも本気になっていきます。

でも本気で好きになったら別れる約束で…
というお話です。

藤代の弟が出てきて少し波立たせますが、余計に藤代自身の気持ちを自覚する事にもなったり、遼に本音で弱い自分を見せたりしていられます。

何事にも要領良くやってきた藤代が遼に別れを告げられて、みっともなくも泣きながら縋る藤代の本気度を目の当たりにしてあっさりと決心を覆してる遼に、おいおいと突っ込みを入れてしまいましたが、藤代の泣き顔も20歳過ぎて泣き過ぎ感があるぐらい泣いてます。
そりゃあ普段飄々としているイケメンが泣きながら好き好き言って縋ったらギャップで絆されるよ〜
水名瀬さん作品でここまで泣いてる攻めは初めて見たかも(笑)

なんだかんだ言って逃げられないのは二人共だったというお話です。

あっさりとまとまったお話が読みたい時にお勧めしたい作品です。


11

泣いて縋るオレサマ

1冊丸ごとの長編です。
物語の前半と後半が色合いが違うように感じました。
前半は、攻めの藤代が何か企んでいて、受けの遼も過去に藤代と何かがあったのか?サイコ系?とか勘ぐってしまいましたが、そういう話ではありません。
でも、周りにいい顔をしてみんなから好かれる自分の力(?)が一人だけ通じなかった遼に執着していただけかと思いきや、遼に他の子と笑ってると怒ったり。
遼もレイプなんかされて脅迫されてイヤイヤ付き合っていたのに、段々ほだされていくのはややご都合に感じる。
藤代いわく、遼だけが自分の本性を見抜いた、そうだけど、その「本性」っていうのが『弟(高校生だけどオッさんみたい。藤代と全く似てない!)より優れてる理想的な兄を演じてきた』というもの。
重大感があんまりないよーな。
そんなこじらせ男の藤代が可愛くなったのか、藤代への「好き」を自覚する遼。しかし、初めの約束通り別れを告げます。
そこでの藤代が……ひっくひっくポロポロと泣きどおしで。あらら。
結局ラストはあまあまのカップル出来上がり、になりました。
絵柄が綺麗で、イケメンの泣き顔も憂い顔も絡みも、実に美しいです。

2

お手軽チョロ吉

人付き合いも愛想も良くない大学生の遼(受け)。親友の誘いで嫌々ながらサークルの飲み会に参加すると、そこで小学校の頃入っていたサッカーチームで花形だった藤代(攻め)と再会する。
受けは、イケメンで誰にでも愛想がよく、皆から好かれていた攻めが嫌いだった。しかし人に嫌われたことがないという攻めは、逆に受けに興味を持ち、自宅に連れ込んで無理やり受けを抱いてしまい…。


これ明らかにもうちょっと抵抗できるよね、という程度の拘束で受けがヤられちゃっていました。口ではよせやめろって言ってても逃げる気がないのか、と勘ぐってしまいました。もっとくくりつけるとか、薬盛るとかしてくれないと(←犯罪)。
嫌いだった男に無理やり犯され、すぐに許しちゃう受けにも疑問だらけでした。実際には嫌いだったのは憧れの裏返し、というならともかく、嫌いな男に犯されたらなんかもっと嫌悪感とかあるでしょう。なのにすぐ流されて、口では嫌い嫌い言ってるけどほぼ付き合ってるみたいな状況で、攻めが泣いたらすぐにほだされて好きだよとか言っちゃう。ちょっとお手軽すぎる。人馴れしてなさすぎて、好きと言われたらすぐに落ちちゃう系の男子かな、と思いました。

攻めの弟が面白かったです。サッカーの有力選手で、脳内筋肉で、兄ちゃん大好きで可愛い。個人的にはこの弟×攻めだったほうが萌えたかもしれません。(笑)

1

イケメンの執着からはもう逃げられないって話。

…と言っても、スパダリでは無く。女子に人気でコミュ力高いモテ男の藤代先輩が、何で俺に⁈ってお話。襲われて落とされて、脅されて付き合って。本音を出せるのはあなただけ。と、ほだされて。
大きな当て馬くんも登場せず、(藤代先輩の大きな弟くんは登場して、一瞬邪魔しますが。)基本的にはあまあまです。水名瀬先生らしい美形同士の絡み合いですが、(そして、カラダが柔らかくて遼はめっちゃ脚開いてますよ〜)藤代弟の蒼太が美形じゃない!のがちょっと引っかかりました。
一冊丸っと表題作ですが、内容的にはショートストーリーかも。

0

その「好き」は本物?

1冊まるまる1CP。
じっくりどっぷり浸れるはずが、引っかかるものが。

「攻めの気持ちは本物?」

この疑問がずーーーーーっと頭から離れませんでした。

誰にでも好かれるいい子。
そんな藤代が少年サッカークラブで初めて、自分を嫌う相手に出会った。
年月が経って、サークルの飲み会で因縁の相手と再会して…。

吸血鬼が自分の催眠術が効かない相手に執着するとか、誰にでもモテるフェロモンを生まれながらに漂わせている人間が、フェロモンの効果が出ない相手に興味津々になるとか、優等生の仮面の下の自分を見抜いた相手に惹かれるとか、そういう感じのものかなと思います。
何でも器用にこなせて、誰からも好かれるように頼られる自分を演出してきた藤代にとって、それが通用しない遼は「異質な存在」だったのは分かります。
そういう相手に自分を認めさせたい気持ちも分からないではない。
だけど、そこで再会していなかったら、それはそれでっていうくらいの存在じゃなかったのかな?
ずっとお前を探してたっていうわけでもないし、たまたま再会できたから「認めさせてやろう」みたいな。
こういう設定の場合、執着が強く見られないと説得力がなくて、単なるゲームに見えてしまう危険性があるんですよね。
そんなわけで藤代の気持ちがどうも「一度負けた試合に、今度は勝つ!」みたいな負けず嫌いによるものに見えて、仕方ありませんでした。

弟の登場から後半にかけて、その疑問が吹き飛ぶ展開にはなります。
遼がやたらと優しくなった辺りは「こ、これは絶対、そういうことだよね…」とこの後に起こることを予感できて、切なさで胸がいっぱいに。
いつも笑顔を貼りつかせて余裕だった藤代が、切羽詰まって涙を流すシーンも胸が締めつけられました。

でも、嵐が過ぎるとやっぱり頭をもたげてくる疑問。
「遼のどこを好きになったの?」
遼が藤代を憎からず思うようになるのは、何となく分かるんです。
みんなの前では取り繕って「いい人」を演じている藤代が、遼の前では素を見せる。
そういうギャップとか、自分だけにしか見せない面があったり、強いと思っていたひとが弱いところを見せた瞬間とかって萌えるじゃないですか。
自分だけ特別っていう感じがするし。
でも藤代…、遼のどこに…?いつから好きだったの?
分からない…。

そんなわけで表面上の熱量のわりに、内面の熱を感じ切れない作品でした。
「やっと見つけた!」くらいの再会だったらなあ、と悔やまれてなりません。

0

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