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この恋を終らせるためだけに、過去に戻った――。
冒頭からすでに切ない恋の予感を匂わせていたので
タイムリープした先の過去でも幸せが待っているとは限らないな、と覚悟しながら。
彼らはどんな運命を辿るのかを見届けるべく、ものすごくドキドキしながら読み進めました。
ニューヨークにいる由弦のもとに突然現れた絢人の
突拍子のない発言に戸惑いながらも
すんなりタイムリープすることを決めた時点では
『恋をしない』ことを決めていた由弦でしたが。
惹かれる気持ちを努力で止めることなんてできないほどの引力で心が奪われていくわけです。
抗えば抗うほどに深く絡んでいく縁を目の当たりにして、
ふたりが出会ったことは運命だったのだなと感じたのでした。
結局そこから同じような道を辿って別れもまた訪れてしまうので
タイムリープした意味は…?などと思ったりもしましたが
謎だった絢人がストーリーを繋ぐ鍵のような存在になっていて、
慧太と由弦だけではなく絢人の心までが救われる展開になっていて良かったです。
途中の流れだけ見ていれば
別れない道を選ぶために動けばいいのでは?と
感じたところもあったけれど
「やり直せない過去」を経て違う未来を掴んだことに意味があったのだなと感じられるラストにじんわり感動。
そして。ぜひ絢人にも幸せな道をあげてほしいなと思いました。
面白いお話でした。タイムリープものってよくあるっちゃあると思うのですが、それが話を複雑にするわけでもなく、冷めてしまう要因になるわけでもなく、全体的に甘酸っぱい青春テイストで多くの方に受け入れられると思います。
で、こちらの本、4つのお話(全て書き下ろしですが、本編+3つの番外編のような形)で構成されてるのですが、本編が1番良かったです。
結構BL小説って、案外番外編が一番重要だったりすると思うのですが、こちらは最初のお話が一番良かったですね。
「タイムリープ」ってなんのことやら?だったのだけど、なるほどこういうことなんですね。
大学時代の友人が枕元に現れて、大学時代に戻って過去の恋をやり直せと言われて、二年前に戻る……というもの。
過去に戻った受けは、あの別れの悲しみを二度と経験したくないからと攻めとは恋愛ムードにならないようにあれこれ抵抗するんですね。
だけど、いくら必死に抵抗しても攻めはアプローチしてくるし、恋愛フラグが立ちまくってしまう。
そもそも嫌いになって別れたわけではないので、「彼とは恋をしない」なんて無理なんですよね……。
攻めがワンコで、受けのために世界でたった一つの特製万華鏡を作るというくだりが素敵でした。
こういうエピソードにキュンキュンさせられます。
どーやっても不可能な「過去のやり直し」が題材なので、思わず自分も過去のやり直しをするとしたら……とか考えながらの読書で、なかなか楽しかったです。
私の中で甘々なイメージの川琴さんの作品にしては、タイムリープで2年前の恋人の元へ行く、という切なくてちょっとSFチックなストーリーが意外で興味深かったです。
ですが!ストーリーテラーのようなミステリアスな存在の受け攻め2人の友人の絢人。受けの枕元に突然現れる彼がどういう立場の人で今どういう状態なのかが気になって気になって主役2人の恋愛に集中できない面がありました。時々ホラーみたいになるし。ホラー好きなのでそっちに注意が行っちゃうんですよ。
ラストまで読んでも何だか絢人が可哀想。2人だけ幸せになりやがって!とちょっと思います。でも過去に戻ってやり直そうとしても結局どうしても好きになってしまう、というのは歌の歌詞みたいにロマンチックで素敵です。
これ救済作が必要だと思う。絢人にもいい人が現れて幸せになってほしい。
電子書籍で読了。挿絵有り(多分、紙の本の方が美麗ではないかと思います)。
「悲しい結末になった恋だから、時をやり直すならば絶対好きにならない」と決めても、そう出来ない。そういう恋なのですね。恋に『落ちちゃう』のですね。
アートを創る人達の恋だから、その作品に惹かれて、次にその人に惹かれていく感じが丁寧に描かれていて、恋愛の過程を辿っていく部分はとてもひきつけられました。
ただこの二人、ちょっと言葉が足りなさすぎるのではないかしら。すれ違いが起きた一番の原因は『勝手な解釈』だと思うのです。アート作品は「感じろ」と送り出してやれば良いものだけれど、一緒に人生を送っていくためにはそれだけじゃあ難しいんではないだろうか、とおばさんは余計な心配をしてしまいました。