電子限定おまけマンガ付
初めて読んだ作者さんの作品でした。
和菓子メーカー商品開発部のリーダー・ハ戸が落雁のデザインを後輩の友人・松木に依頼する所から始まるお話。
八戸は他人とずっと一緒にいられるなんて気がしない、割と淡白で結婚に興味が湧かない人物。
松木もまた人嫌いのフシがある、人見知りタイプです。
第一印象は最悪だった二人が、同じ目的に向かって進んでいくうちに恋が芽生えるパターンでした。
八戸は何故か松木のことを後輩経由で聞いた時からゲイだと確信してたみたいなんですが、果たしてそうなのか疑問に思ってた所でキス…だったので、ええっとなってしまいました。
松木の気持ちもわからない時点でキスは、まぁBLではよくある事っちゃあそうなんですが、八戸はそういうタイプじゃないと思ってたのでちょっとビックリしちゃいました。
結果オーライなので、いいんですけどね。
松木、嫌がってなかったしね。
固く閉ざされていた松木の気持ちが、この仕事や八戸によって落雁が口の中でホロっと崩れて広がっていくみたいに、溶けていくのがじんわりきました。
八戸は髪の毛下ろしてる、普段仕様の方が断然好みだなぁ。
頑なな心がとけて、ほどけて、まるで自分じゃなくなるみたいに恋に落ちていく…そんな優しく、ほっこりできるようなお話です。
前職場でのトラブルからフリーデザイナーとして活動する松木のデザインに一目惚れし、新商品開発プロジェクトへの参加を願い出る八戸。
初めはつれない態度の松木だが、八戸の優しさや包容力に触れ、ひかれていく。
ノンケの八戸も気が付けば頭の中は松木のことでいっぱいで、どうにも放って置けない存在に…。
仕事を通じて気持ちが近付いていく2人が微笑ましいです。
気持ちが通じてからのHも八戸が優しくて、とても萌えました。
勃ってる股関を隠して真っ赤になる松木がすごく可愛かったです。
読後は優しい気持ちにになれて、読んでよかったと思う作品でした。
カフェオレ味の落雁どこかに売ってないかなぁ?
できれば、松木デザインのパッケージで…
ヤスエイさんの作品読み直しデー4冊目。
本当に大好きな作品です。
何度でも読み返したくなります。
出版社ペーパーまで可愛い。愛おしい。
和菓子メーカーの商品開発部主任とフリーデザイナーの話です。
新商品の落雁のパッケージデザインがなかなか決まらず悩んでいた八戸。
そんなとき新人研修を受け持った後輩からデザイナーを紹介されて…。
何でしょうね、松木のかわいさは。
警戒心の強い野生動物がどんどん懐いていくような可愛さです。
八戸のイケメン行動にも胸が高鳴ります。痒いところに手が届いて、ちょうどいい強さで掻いてくれるイケメン。
ヤスエイさんの絵は結構クセがあるので好き嫌いが分かれる気がするのですが、作品をすべて購入しているわたしも上手いとは思うものの、好みかと言われるとそうではなく。
だけど毎回思うのは、読み進めていくうちに「イケメン設定」ながらイケメンに見えなかった人物がイケメンに見えてきたり、ふつうに思えていた子がものすごく可愛く見え始めるのです。理由を考えても分からないし、説明もできない、まさにヤスエイマジックです。
前の会社で慕っていた先輩に裏切られたことから心を閉ざしてしまった松木ですが、これは本当に八戸じゃなければトラウマ克服できなかっただろうなと思います。
昔からの友人のスミでも話を聞くことはできるだろうし、そばにいてあげることもできるけれど、それでは現状を保ったままぬるま湯に浸かっているだけで、傷は癒えないんですよね。八戸のように突っぱねられても根気強く、急かしたり脅したり無理をさせたりはしないで、ゆっくりだけど力強く引っ張ってくれるようなひとでなければ無理だった。またしてもすごく説得力のある展開にほれぼれします。
八戸の方も最初はデザインに惚れて、人見知りと言うより無礼で聞く耳持たない態度の松木には手間取っていたものの、やり方が常に大人で「わかっている」なあという感じです。待つことを知っている。でも手を差し伸べるべきタイミングもちゃんと分かっている。ヤスエイさんの「おいしいパスタ召し上がり方」の嶋に似たタイプです。「おいしいー」は未読、だけど八戸に惚れた!という方がいらっしゃったらぜひ読んでみてください。おすすめです。
過去の傷で凝り固まっていた松木のこころをとかしてほどいてくれた八戸。読み終わったあとは和三盆を使って丁寧に作られた落雁を食べたときの感動に似た感覚になりました。
口に入れた瞬間に溶けるようにさあっと粒子のひとつぶひとつぶがほどけていくあの感覚。落雁という目のつけどころと言い、いつもいつも感心してしまう自然なストーリー展開、魅力的な人物描写。ヤスエイさん、あなたは天才ですか!?と言いたくなる作品でした。
和菓子メーカーの主任さんとパッケージデザイナーの恋。
落雁のホロッとした触感と心がほぐれて行く様子をかけた「とける、ほぐれる」というタイトルは秀逸ですね。だけど、話が進んでくると和菓子があまり絡まなくなっていったのが少し残念。もう少し後半などにも小道具的に和菓子を印象づけるエピソードがあってもよかったのに。
かっこいい出来るサラリーマンの八戸さんは32歳という設定でしたが、落ち着いた風貌や態度からしても40代くらいでも良かったんじゃないかなぁ? 魅力的な渋い人物になったと思うのですが。(今時、特にゲイ自認とかじゃなくても40代まで独身の人、珍しくないですし)
八戸さんが恋を自覚してからグイグイ攻める様子はキュンとしました。いい男だ。
ただ、八戸さんにデザイナーの松木を紹介する後輩(松木の友人)や、松木にトラウマを与えたらしき前職の先輩などは、いまひとつ立場や関係性が描ききれてないような気もしました。全体的に着想やイメージはいいのに、ちょっと惜しい!ってのが多いような感じ…。
あと皆様も書いていらっしゃいますが、これ松木が女性だったらもっとしっくりとした少女漫画になりますね。前職では「女だからと舐められて先輩に手柄を横取りされた」とか、すごくありそうじゃないですか。
絵や全体の雰囲気はとても好きでした。
仕事を通して二人の関係が変わっていく様がしっかりと描かれていてとても良かったです。
きちんと何の仕事をしているのかが分かり、その仕事を通して相手を理解する契機となる。
舞台がとても 整っていたと思います。
その分、そこに登場する人物の方が ちょっと設定甘かったように思い、勿体ない気がしました。
親友の立ち位置が微妙だったり、
仕事に対するトラウマ。トラウマとなった先輩への思いの曖昧さ、
等が宙ぶらりんの状態のまま二人は恋人になってしまって 少し違和感がありました。
皆さんがおっしゃるように、確かに受けの反応がいちいち女性かっ。って突っ込みたくなるような時があります。
個人的に働いている男の姿が好きなので、この舞台設定がとても優良だった作品です。