電子限定かきおろし付
本作は「つらなるステラ」が神作だった高野ひと深さんのデビュー作で、BL AWARD 2017 BEST 次に来るBL 23位にランクインしてます。
DK時代~>大学生同士による「生徒会会計(後輩)xナルシストな会長(先輩)」なんですが、デビュー作でこのクオリティはすごい。
なんと深い作品…!
緻密に練られたストーリーラインにハラハラドキドキさせられながら一気に読破しました。
これはぜひネタバレなしでお楽しみいただきたいです。
巧みに張られた数々の伏線はすべてきちんと回収されるので、実にスッキリとした読後感です。
私は「タレ目の攻めには中毒性があるから気を付けろ」が我が家の家訓なので身構えましたよ。
相変わらず絵が美しいですね。
そしてちゃんとところどころオモロイ!地盤の確認w
まさか2016年発売の作品でジュディ・○ングのあの歌詞にお目にかかれるとは夢にも思いませんでしたwww
しかもちゃんと「男も」ってなっとるw
同時収録の短編はものすごくせつない…たったの25ページでこのインパクト。
なんて力のある作家さんなんだろう…。
「私の少年」で、あんな一般的に共感を得にくい難しいテーマで見事に「このマンガがすごい!2017年<オトコ編>第2位」を獲得した(←買わなくてもいいんで、今日はここだけでも覚えて帰ってください)実力派作家さんだけあって、言葉選びやコマ展開が本当に秀逸。
大ヒットしたそちらの作品も余力のある方はぜひ。
そしてとにかく前述した「つらなるステラ」の美しい表紙だけでもチラ見してきてほしいです。
<注意点>
攻めがDK時代に既婚者と不倫する描写があり、しかもガッツリと受けてますので無理な方は回れ右です。
どうしても表紙の会長の頭に被さるように両手で持たれた物が何なのか分からなくて気になって仕方がない
歯みたいに見えちゃうしなんなのか
お話の方は高校生の乙坂が苦しそうで可哀想なんだけど、そんなときにキラキラといつも変わらない妙な人が近くにいたのそれだけでもなんと言うか救いじゃなくてもちょっと楽だったんじゃないかと思う
それにしても、会長を家を出るための手段としてしか見なかったってこともないんだろうけど、要は友達だっただけな彼女、謝るだけじゃダメでしょう
お金大変よ
ダブルベッド買ったんなら友達と思ってたってわけでもないんだろうし、裸で寝て怒られたのはムダに裸になって何もしないでただ寝たからなんじゃないな
会長が自分の方が見ていたんだと気付いたの可愛いな、敵の背中でそれを語るのね
なんかコッチ見てるとか言うのはコッチがアッチを見てるんだって言うね
尊敬されて愛されてってのは最高なのではないか?良かったね、乙坂も会長も
分かった!サラブレッドだ!!
被ってた被ってた
ひょうひょうとした後輩✕天然ボケで思い込みの激しい?元生徒会長。
高校の先輩後輩が大学で再開して同棲を初めてしまうお話でした。
とにかく主人公(受け)が天然でまっすぐで可愛すぎます。
一見ギャグテイストですが、主人公以外の他のキャラクターがすごく根暗だったり、全体的にシリアス目なストーリーでした。それを主人公の明るさと天然お花畑な思考回路と行動力で全部ブチ壊していくスタイルが笑えました。
初めての作家さんだったのですが、キャラクターが魅力的で話もすごく面白かったです。
エッチシーンはありませんが、大満足です。
高校時代生徒会長をしていた北橋と
その後輩・乙坂のお話。
北橋はナルシストで周りとちょっとずれているけど、キラキラで憎めない天然キャラ。
大学に進学し、なんだかいろいろあって(ざっくり)
乙坂と再会し、ルームシェアする流れに。
冒頭では北橋と乙坂の高校時代のエピソードが描かれていますが
その頃からどこか噛み合っていないふたり。
乙坂が自分を好きだと信じて疑わないところにいっそ清々しさすら感じました。
北橋は乙坂の悩みに"恋だ"とアドバイスしていたけど、それは本当に恋だったのだろうか?
行為をするときに結束バンドで拘束して
後悔で潰されそうになって。
好きだからこそ逆らえないものがあったんでしょうかね。
重たくなりすぎないためにも
どんな経緯でコーチとそういう関係になったのかが描かれていてほしかったなと思いました。
北橋目線の底抜けに明るいお話とのギャップがありすぎるような気がしたので。
そして結局、乙坂は北橋をいつから好きになったのか?というのが曖昧なところ。
昔から気持ちはあったけど封印していたのか、それともまったくなかったのか…
気になってほんのりもやっとしてしまいました。