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じんわりほのぼの商店街の日常とじれじれパキッとした展開が面白かった!!
各話、曲と絡めたお話になってるのも、脇キャラの味も良い。記憶喪失不思議ちゃんだったタイ、のらりくらりなユイの変化も良い。センスの塊~
"でんきあんま"の キャラもみんな濃いくて良い人ばかり!!さとこさんが後半、キャラ変わってきたのも笑っちゃいました。
これまで読んだたうみまゆ先生の作品と雰囲気(特に受け)が違ってたけど、こういう優しいお話も好きです。魅せ方、会話が子気味良い!!
そして、修正気にならない安心アングル!!
微エロだけど、初めてのキスシーンにグッときました!!ユイの漢気を見た~~~
まるまる一冊表紙の二人のお話です。
記憶喪失のタイちゃん。ゲイバーのママにひろわれ、レコード屋のユイのところに居候しています。
音楽の記憶力が半端なく、一度聴いたら忘れないし、どんなワンフレーズでもピタリと言い当てしまう。それを活かしてユイの仕事を手伝っています。
タイちゃんの過去、ご近所さんの女性、ゲイバーの温かい人たち。
そんな人間模様が面白く、二人の恋もリアルな感情があって読み応えありました。
独身でお店持ってるような女はもうオカマよ〜、のセリフに爆笑。どこかコミカルながらも哀しみがあるお話、じんわりきました。
すごくシビアな話でした。
まさかそういう方向に転んでいくとは…。
古い商店街にあるキツネレコード。
店舗の奥で暮らす店主兼便利屋のユイ。
その2階で雑貨屋を営むさとこさん(32)。
「でんきあんま」という名前のゲイバー。
夏はかき氷、冬はたい焼きを売るコウジくん。
うろ覚えでレコードを探しに来るヒロシ。
ある冬の雪の日に、「でんきあんま」のあるビルの裏で傷だらけのまま倒れていた「タイ」が、ゲイバーのママに拾われて、ユイに預けられてからの話です。
タイは不思議な子で、音楽全般の知識が豊富。
豊富と言うレベルではなく、もはやデータベース。
だけど自分の名前も覚えていなければ記憶もないし、ふつうのことがわからない。
「好き」という感情や、「キス」をどうしてするのか。
そういうことが全く分からない子です。
タイという名前も、ユイが「たい焼き」からつけたもの。
全体的にほわっと優しい雰囲気で、周囲がタイのことを見守って、最初はちょっと他人行儀だったさとこさんが、ちょっとずつお母さんみたいになっていくのが微笑ましいです。
そんな毎日の中で、消えた恋人を探す男がくちずさむ鼻歌で恋人が見つかったり、ヒロシのろくでもない父親が大事に持っていたレコードの秘密が明かされたり、音楽と結びついた思い出がいくつも出てきます。
匂いと音楽が呼び起こす記憶って、結構根強く頭と心に残りますよね。
街でふとすれ違ったひとの香水で昔付き合ったひとを思い出したり、ラジオでかかった昔の曲で当時のことを思い出したり。
でもたくさんの音楽を知っているタイには、呼び起こされる記憶がないんです。
後半はタイの謎をユイが突き止めていく展開でした。
前半のまったり感と終盤のテンションがだいぶ違うので、「おお?」ってなってしまいました。
「おお?」とはなるけど、ひとの「好き」という感情に対して、見返りを差し出さないといけないように考えていたユイが、「相手に自分が何をしたいか」で動いたのには感動したし、「好き」という感情を知って、音楽に思い出が結びついた単なる「データベース」ではなくなったタイが、自分のために生きる道を選ぼうとする姿にも、心が震えました。
深かったです。
想像していたものとは違ったけれど、あたたかい何かを受け取れた作品でした。
タイと東海林の日常から、徐々に切ない思いに引き込まれていった。
特に説明はなくとも、感情移入できるのがいい。
萌えやエロは少なくても、2人の気持ちを根底にストーリーが進むのが好き。
数少ないちゅうのシーンもドキドキものだし。
「つまらない人間が 本当はどれほどしあわせなのか」
のタイの独白にめちゃ共感。
タイトルは「音楽」と「思い出」のことですかね。
音楽って、聴いていた時の状況や記憶と紐付けされやすいですもんね。
毎話、ある曲とリンクしたエピソードでそういう作りなのもおもしろい。
ヒロシの父親のレコードの話もよかった。
さとこのことをママが
「独身三十路で一人で店構えてるような女はほぼオカマよ」
に笑ったww
やっぱり好きだなぁ、たうみまゆ先生。
こちらは未読だったのですが、読んでみたらこれまた良かった。
独特な雰囲気で優しい気持ちになりました。
ある日、倒れているところを拾われたタイ。
音楽に詳しいタイを引き取ったのは、レコード屋の東海林。
タイの過去が謎に包まれていて少しミステリー風味もあります。
タイの父親と東海林のやり取りはグッときました。
だったらもっと早く踏み込んでほしかったと思わずにはいられなかったけど、東海林の優しさに感動でした。
「つまらない人間」は、当たり前の人生を当たり前に生きてる人だと思う。
だけど、それを貴重で尊いと思う人だっている。
タイと東海林、彼らを取り巻く面々といつ迄も「つまらない人間」でいて欲しい。
心に残る作品でした。