電子限定漫画付き
表題作のどうしようない共依存的な愛も凄まじいんですが、最後の「ハッピードリームマン」!!!!世界中の語彙力集めても説明しきれないくらいツボに入りました。
もっと読みたい!けど、この凝縮度が良い!切ないのも苦しいのも可愛いのも詰まってて、のたうちのたうち回る。再読して、あれやこれや見えてくると、それはそれでのたうち回ります。ヒメとユメの絆が強くて脆くて儚さが狂おしくって可愛くて!!死んだような表情も愛おしそうな表情も!!FANBOXで番外編が読めて充足度凄まじかった…
間に収録されているアダム~も、褌が拝めて、それだけでハッピー!2人の関係性がおかしくて、可愛くて、ほっこり。
万人にはおススメできないけど、夜明け黄昏闇の腐女子の私が満たされたいなって時にさっと手に取る再読率の高い噛み締め作品です。
4つのお話が入っています。
表題作の「どうしようもない」は共依存兄弟のお話です。
近親相姦のお話なので嫌いな方もいるかもしれません。
2つめのお話「アダム浪漫譚」は金髪碧眼(外人)と日本人のカップルの
コスプレエッチ(先生×生徒)が収められています。
エッチする前からお芝居が始まるので本格的なプレイです。
コスプレも生徒が袴なので大正?昭和?のコスプレです。
やまと(受け)が生徒役で袴を着ているのですが下着がふんどしなのがエッチでした。
3つ目のお話「おにいさんと呼びなさい」は飛び降りをしようとしている高校生と
飛び降りようとしたビルの所有者のお話です。
飛び降りの理由はホモだとクラス中にバレたからなのですが
それをくだらないと一蹴するビルの保有者。
そして自殺されると困るころを淡々と説明します。
すると自殺するのをやめるという高校生。
高校生が童貞と言うことを知り自殺をやめるご褒美にセックスをしようといいます。
そしてお互いはお互いの名前を知らないままセックスをし、
付き合うのですが不思議な関係だなぁと思いました。
4つめのお話「ハッピードリームマン」は暗いお話でした。
殺人犯と社畜のお話です。
バッドエンドでもないのですがユメ(殺人犯)が捕まってしまうと
ヒメ(社畜)は死んでしまいそうだなぁと思うお話でした。
全部それぞれ違う色のカラーのお話で面白かったですが
執着攻めが好きなので表題作が個人的には一番好きでした。
弟×兄。一見、兄の方が弟の面倒を見てやらないと、としっかりしているように見えるのだが、「自分がいないとダメな弟」に依存しているのは実は兄の方…という展開はとてもおいしかった。
が、執着が強調して描かれているわりには、ちぐはぐに思えるところもあり。性的な関係になったきっかけが唐突で、この程度のことでなるなら、あんないつもベッタリしてたのだから、もっと早くにそうなっていたのでは?という違和感を抱いてしまう。
兄が友達と一緒にいただけで激昂してレイプまがいのことをしちゃうくらい好きなのなら、弟は最初に兄が一人でしてた時にその場で即、押し倒すくらいはしてもおかしくなかった気がするし。彼女がいて、彼女と普通にエッチもできるというような描写はいらなかったんじゃ、とも思う。
もしかして、兄を抱くようになってから、徐々に弟がおかしくなっていった、というような流れだったのかもしれないけど、そのへんがイマイチよくわからなかった。
作者さんの「兄弟のこういうシチュを描きたい!」というような熱は強く伝わってくる作品。
同時収録作「アダム浪漫譚」「おにいさんと呼びなさい」はわりとハッピーなエロを楽しめるんだけど、ラストの「ハッピードリームマン」が全然ハッピーじゃない。なんとなくこの本の読後がどんよりした印象になるのは、このお話のせいな気がするのだが……掲載順を変えた方がよかったのでは?
電子版ですがカバー下もしっかり収録されてて、そこは嬉しかったです。
ガチ兄弟。ガチなんですね‼︎ という、ドロドロした病み具合と、それでもふたりだけの世界でさえすれば、それは幸せ。と言える、なかなかのビターさ。悩み、もがきながらも、手を伸ばさずにいられない。堕ちて行くことに罪悪感さえ滲まない様な。いや、少しだけ、ほんの少しだけ兄 タカヒロは迷う素ぶりもあるものの。どうしようもなく、溶け合ってしまう。
身体を重ねて 時間の経過も解らないほどに、文字通り溶け合ってしまう事と。
もう 兄無しでは、弟無しでは、生きて行く事すらままならないほどに。
互いを欲しているさま。焦燥感がこちら側まで伝わってくるようで、読んでいるだけで疲れます。
弟のコウキは 明確に兄の「匂い」にだけ依存しているようにも見えるけれど、それはただ 鼻が敏感なだけで、その実、彼が欲しているものも兄自身なのだと思う。
これまた兄が 黒髪の美形さん。絵の美しさと相まって、何やら耽美的な要素も垣間見れて。
その要素は、コスプレ好きの先生と元生徒の「アダム浪漫譚」にも引き継がれます。
夢か現か。幻か。「ハッピードリームマン」の背筋を凍らせる怖さも、そんな感じ。
ユメは果たして夢なのか。現実に現れた幻影なのか。それとも。姫川が作り出したものなのか。
シュールレアリズムみたいな、そこに無いものを視るような。不思議な物語。
そんな中では一番「おにいさんと呼びなさい」が、現実的にも思えて来ます。
んなわけ無いんだけど。ゲイばれした事でイジメられ、自殺しようとした猛の前に現れたのは40歳のおじさん。自殺を止められた縁で、今度はそのおじさんと関係を持つ様になってしまう。
気持ちいい事は生きること。そして図らずも、性欲は二人の人間を救うのだ。という様なお話。
美しい絵と、耽美的な世界観と。
次はこの世界観を丸々っと一冊で読んでみたいです。
普段から禁忌モノとか、執着モノとかを好んで読んでいるせいか
この本の読後はニヤニヤしていました。
特にカバー裏がすごく萌えました
そのカバー裏を含めて読み直すと、ほんわかさえしてしまいそうな…(笑)
内容が思っていたよりライトというか、表紙の背景がピンクじゃないですか、赤紫とか暗い色じゃないんですよね、ポップなドロドロ、みたいな、中身をうまく表現できていると感じました。
私が特に好きだったのは、おにいさんと呼びなさい、です。
最初は傷心で縮こまってしまっていた高校生くんが、大人のお兄さんに介抱され、終いにはふーふーして雄をむき出しにする所が可愛らしくって…!
お名前が、猛(たける)くん、だそうで、ナイスネーミング賞ですね(笑)
歪んではいますが、どのカップルもお互いが幸せになれていたので私は非常にうれしいです!
ちょっとドロ…くらいなら読んでもいいという方にはいけるとおもいますよ。