『辺獄』と呼ばれる死者の世界。私はここで、愛される喜びと絶望を知った…。

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表題作辺獄のカレンデュラ(1)

カレン, 死神, 元軍人
マコト, 辺獄の管理人, 泥人形

その他の収録作品

  • episode:5.5:描き下ろし
  • カバー下表紙1【表】:死神の耳に念仏。
  • カバー下表紙4【裏】:キャラクター紹介

あらすじ

目が覚めるとそこは死者の国だった――。
生前、軍人だったこと以外の記憶がないカレンは、『辺獄』と呼ばれるこの国の管理人・マコトと共に生活をし始める。
己の罪を購うため、神から与えられた『死神』の任務をこなすカレン。
一途に想いを寄せてくるマコトに支えられ、彼への愛しさを募らせる。
しかし、マコトはいつか、朽ち果ててしまう泥人形だと知り…。
ドラマティックな世界観と魅力的なキャラが織りなす、切なくも愛しい、贖罪の恋。

作品情報

作品名
辺獄のカレンデュラ(1)
著者
ハジ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
フロンティアワークス
レーベル
ダリアコミックス
シリーズ
辺獄のカレンデュラ
発売日
ISBN
9784861349089
4.1

(101)

(45)

萌々

(38)

(11)

中立

(4)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
14
得点
414
評価数
101
平均
4.1 / 5
神率
44.6%

レビュー投稿数14

恋もバトルも、死んでからが本番だ!

やはり、の面白さ。
この作家様ホント好きだ私。
デビューコミックから中二病全開でしたけど、3冊目ともなると表紙&タイトルからしてもはや隠す気ゼロの全開っぷりですな。
銀髪・軍服・アイパッチのカレンさん(攻)に超ときめいた。
アイパッチ取って髪下ろした姿もグッとくるイケメンです。

既刊の2冊に比べてエロがだいぶん抑え目の今作は、ますます少年マンガ色が濃くなりました。
舞台が辺獄だけに、贖罪とか魂とか転生とか…そんなキーワードがガッツリ絡んできます。
なんて書くと小難しく聞こえますが、ハガレンみたいな感じの少年マンガのイメージでいいかと。
あらすじや帯のキャッチコピーがなんだかやけに切なさを煽る表現のオンパレードなんですが、トーン的にはわちゃわちゃ楽しくって、ネガティブ要素があってもみんな前向きに生きてるハジさんらしいノリのお話です。
元気になれます。
私がハジさんを好きな一番の理由は、この前向きさかも。

お話の主役は、元軍人の死神〔カレン〕と泥人形〔マコト〕。
カレンが死んで「辺獄」に送られたところから始まります。
辺獄とは、天国でも地獄でもない、死者が次の生に備えて魂を休める為の世界。
辺獄には一般の死者(=住人)の他に、罪や禁忌を犯すも地獄行きは免れた「管理人」と呼ばれる死者がいて、マコトはその「管理人」。
そしてカレンもまた生前何らかの罪を犯したために「死神」として辺獄に送られた死者なのですが、生前の記憶をなくしているカレンについては軍人だったということ以外は一切不明。「カレン」という名前もマコトが付けたものです。

辺獄にはマコトの父親や、その他楽しげな管理人仲間達や、ファンキーな天使達がいて、彼らはそこで一見天国のようなほのぼのとした日常を繰り広げています。
だけど「管理人」も「死神」も生前に犯した罪を贖うために辺獄に送られている人たちなのですよね。
「住人」にとっての辺獄は魂を休める地ですが、管理人や死神にとっての辺獄とは「贖罪の地」です。
マコトの父親は生前にとても大きな禁忌を犯した者。
そのために息子のマコトは「いつか朽ち果ててしまう泥人形」なのです。
名前まで含めて生前の記憶をなくしているカレンの正体もまた気になるところです。
1巻はまだまだ序章といった感じです。

この巻はカレンとマコトのラブの巻です。
マコトのキャラがいいのですよ。
明るくって可愛くって元気で癒やされます。
最初はカレンのことを牽制しているマコトパパですが、なんだかんだで最終的には家族ぐるみでキャッキャしてます。
カレンさん、硬派で男気盛んな軍人かと思いきや、親と仲良くなるタイプでしたw
晴れてエッチした翌日パパに報告に行くなんて。

結ばれて幸せそうに眠っているカレンとマコトの姿にホッとするも、いよいよ何かが起こりそうな気配を残して2巻へと続きます。

あー終わりじゃないって嬉しい!
まんまと雑誌買っちゃいそうだけど。

とりあえずマコトパパと天使(天使×パパかな?)のカップル成立まではぜひよろしくお願いします。

7

神以上の評価をつけたい。

『Red Hood』が私のド真ん中で、ものすごくはまった作品だったので、作者さん買いで購入したのですが予想通りというかそれ以上にずっぽりツボにはまった作品でした。

ハジさんご本人は「中二病」と書かれていましたが(笑)私はこの作品のもつ死生観というか世界観がたまらなく好きで、神以上の評価をしたいくらいすごい作品だと思います。ブラックファンタジー大好きな私にとっては死神が大鎌振るってるってだけでもかなりの好得点なんですけど(メチャクチャかっこよかったし…うっとり…)それにも増して設定がすごくいい!

医者の父親によって泥人形に18才で流行り病で死亡した息子の魂を吹き込んでできたマコト(ゴーレム)と、生前は何人もの敵を倒し『痩せ脚の死神』と呼ばれるまでになった軍人のカレンが『辺獄』と呼ばれる天国でも地獄でもない国で管理人と死神という立場で出会い、恋に落ちるのですが、これが自然の成り行きではなく、生前の罪を償うために『神の意思』により仕組まれたものというのが切なかったです。
仕組まれたものとわかっていながらも、自分の想いに迷うことなく、お互いを何より大切で、失うことが怖いと考えるあまりに、この先二人には大切なものを失う苦しみという贖罪の日々が待ち受けているのですが、それに対し恐れつつも、受け入れ、立ち向かっていく姿が胸を打ちました。
こう書くとかなり重い話のようですが、マコトの素直で明るくて人を前向きにさせるところや、カレンが好き過ぎてキュンキュンしちゃっているところが可愛くて楽しく読むことができました。オチャメなマコトですが、時折見せる強い瞳にどきっとしたり…

そんな状況なので2巻は少し重めの話になると思いますが、まわりを固める人たちが世間ずれした上級天使だったり、偏屈オヤジだったりと魅力的な方々で、そして何より長耳ちゃんたちが可愛くて可愛くて…めちゃくちゃ癒されるのでシリアスになりすぎずに進みそうかなぁと思います。
エロに関しては少ないながらも、マコトの「お初」なのでかなりドキドキ美味しく頂けました(笑)
マコトの背中からお尻にかけてエロっエロのラインはたまらなく色っぽかったし、カレンの『いいぞ、上手だ』発言はもぅ…悶絶(笑)

3

No Title

ハジ作品大好きといいつつ、けっこう色々過去作品が読めていない私でしたが、やっと読むことが出来ました。

本作品もいつものハジ作品同様、ス●エニ系の少年漫画のような画風と作風で、しかもひときわ中二病感がつよい! 軍服で死神とは!!

そしてなんと言っても嬉しいのは、2巻もあることですw

魅力的な世界観とキャラクターとストーリーが大変素敵なハジ作品なのですが、残念なのは大体1巻で終わってしまうということです。めちゃめちゃ設定練られてて面白いのに勿体ない~。

でも本作はたっぷり厚みある2巻構成で大満足のボリューム。

うきうきで読んだ私。今回はちょっとセンチメンタルな空気を感じて善きだなぁ~と、うっとりと読み終えたわけですが、次巻では思いもよらないクソデカ感情に襲われることになったのでした……(次巻レビューにつづく)

1

『恋もバトルも、死んでからが本番だ!』

〖DMM電子書籍〗
修正 : 白抜き
カバー折り返し : なし
カバー下 : 4コマ漫画『死神の耳に念仏。』、キャラ紹介
帯 : なし
裏表紙 : なし
電子限定特典 : なし
カバーデザイン :
備考 :
ふた言 : マコトの境遇を思うとものすごく切ない。カレンさんのそれは同情じゃないと心から信じてる。

〖紙媒体〗
未読

0

圧倒的世界観

続き物は巻数が溜まってから読む派ですが、ハジさんなので買ってしまいました。
死後の世界・辺獄における、生前は軍人だった隻眼の死神×補佐を命じられた泥人形というカプの、作者さんいわく「中二病全開」な、実際はとても上質なダークファンタジーです。

軍人だったこと以外の生前の記憶がない攻めは、辺獄に来て泥人形の受けと出会います。
受けは攻めの補佐の役割を与えられている、明るい天然ワンコな青年です。作者さんの既刊『坊主と蜘蛛』の攻めとちょっと似た感じの性格のキャラ(でも受け)。そんな受けの天然ワンコな言動に感化され、最初は自分が死んだという認識さえないので荒ぶっていた攻めも、ここで与えられた役割を果たそうと思うように。

攻めに与えられたのは「死神」という名の役割で、死神と言っても死者の魂を狩るのではなく、死者の魂を化け物から守るお仕事です。化け物を狩る攻めがすごくかっこよくて、画力が飛び抜けてるのでそんなシーンがしびれるほど素敵。
そんな敵と戦いつつ、天然受けと辺獄での生活を送るのですが、もうほとんど夫婦生活みたいにほのぼのほんわかな日々で、なんとも微笑ましい。受けは攻めが好きなんですが、愛欲展開にはならずにひたすらほのぼの。
しばらくして受けの父親が登場し、結果的に2人の仲にちょっかいをかけて、初めてちょっぴりラブエロモードに。判明した受けの置かれた状況が切なく、攻めの役割もすぐにすげ替えられるようなものだということで、ほのぼのながらも刹那的な雰囲気の漂う1巻です。

作品としてはまだまだ序章のようで、続きは気になるのですが、とんでもないところで話がぶち切れたりしているわけでもないので心穏やかに続刊を待てる感じです。
でも少し先に待ち構えている切ない展開の気配が怖いなぁ。

4

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