とろけるまで縛って

torokerumade shibatte

とろけるまで縛って
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神9
  • 萌×29
  • 萌5
  • 中立0
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
3
得点
96
評価数
25
平均
3.9 / 5
神率
36%
著者
葵居ゆゆ 

作家さんの新作発表
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イラスト
雪路凹子 
媒体
小説
出版社
プランタン出版
レーベル
プラチナ文庫
発売日
価格
¥620(税抜)  
ISBN
9784829626191

あらすじ

痛みで快感を得てしまった星卯。職場の先輩・波留河に相談すると試してみようと言われ、尻を叩かれた。もの凄く感じてしまい……。

表題作とろけるまで縛って

波留河希一,星卯の憧れの上司,35歳
松上星卯,会社員,28歳

その他の収録作品

  • あとがき

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レビュー投稿数3

性癖か、恋か

電子書籍で読了。挿絵(雪路さん、好きです)、あとがきあり。

果してこれからの人生で役に立つのかどうか解らないのですが『SM道(ここまで来るとまさしく『道』としか言いようがない)』の深さをまたしても学んでてしまったお話でした。
いや、SMについてだけじゃないと思うのですよ。
体の相性、あるいは性癖と恋の成就はどういう関係があるかについて、考えちゃったりしたんです。今回、攻め(S)の波留河の科白から色々考えちゃったもので、後の方で直接引用します。お嫌いな方はこの部分から回避してください。

階段から落ちたことをきっかけに、自分が痛みで性的快感を得てしまうことに気づき悩んでいた星卯は、かねてから憧れていた職場の上司、波留河に相談したところ「手伝ってあげるから、本当に痛いのが好きなのか、試して確認してみたら?」と言われます。波留河の手で、自分がマゾヒストであることに気づいた星卯は、それと同時に彼に恋をしていることにも気づきます。波留河の恋人になりたいと願っても、スレイブとして施される調教は自分を辱め、突き放すようなものでした。それに寂しさや哀しみを覚えるのと同時に、波留河から蔑まれていることに性的興奮を覚えてしまう星卯。言いつけを守っていれば波留河の恋人になれるのではないかと考えていた星卯ですが、彼の友人から「波留河のスレイブ=恋人ではない」「波留河はスレイブとも長続きしない」と聞かされます。それでも星卯は波留河への想いを断ち切れません。そんな中、波留河の転勤が決まり、結局は一度も体を繋げないまま波留河は大阪に行ってしまうのですが……

『恋することが解らない男』波留河は、このお話の中でいくつかの名言を吐きますが、そのいくつかを紹介します。
「結局我々(サディストのことです)は……自分のために、相手に奉仕を要求するという意味では同じなんだ」
「だいたい、恋人ってなんだろうね?セックスがしたい、欲望を満たしたいという気持ちならわかるよ。でも、それなら恋人じゃなくてもいい」

確かにそうなのよ。
言う通りなのよ。
でも「違う!」って強く思っちゃうんですよ。

星卯がこのお話のラスト近くで波留河の友人に話した気持ちは、奉仕を要求するのではなく、奉仕したいと思うことに繋がっています。
また、最終的に波留河が星卯に抱いた感情は、セックスが(体の)欲望を満たすだけのものではないことを知った結果から生まれたものだと思うのです。
私の疑問は、このお話の進行と共に見事に解けて行きました。

『恋は幻想かも知れない』と私も思います。
でも『二人の関係を続けていこうとする気持ちがあれば、幻想が真実に変わるという奇跡が起きると信じること、それこそが恋なのだ』と語るこの物語に、深く感動しました。
SMエロ話を読むつもりで読み始めたのですけれど『恋の真実』なんて途方もない処まで連れて行ってくれたこのお話、文句なしの名作だと思います。

下卑た欲望まみれのおばさんで申し訳ない。
でも『下卑た欲望』の方も充分満足いたしたことも申し添えておきます(笑)。

4

リアルなSMの世界

受けの星卯は元々はノンケでノーマルなセックスをしてきた、少しワガママで可愛い猫っぽい男子です。
穏やかで優しくスマートな上司、波瑠河(攻め)が大好きで上司として憧れています。
波瑠河も甘え上手で憎めない星卯を可愛く思っていて、上司と部下ですが、友人として食事をしたりしてました。

ところが一見スマートで穏やかな波瑠河は、実はゲイでベテランなSだったのです。
そうとは知らない星卯は自分が痛みで興奮するMかもしれないと、波瑠河に相談して、Mかどうか試してみようという展開になるのです。

しかし波瑠河はMが従順になると冷めてしまうという屈折したSで、波瑠河が好きだと自覚した星卯にお願いされてプレイの関係を結びますが、星卯の気持ちが信じられず厳しい調教を繰り返します。

波瑠河を好きな星卯は、いつか波瑠河に好きになってもらおうと、必死に調教に従順に従いますが、激しい調教に徐々に壊れていきます。

ワガママで恋人にもあっさりだった星卯は波瑠河を好きになり、波瑠河に振られても諦めない健気な性格に変わります。

激しい調教の合間に、カレーを作ってキスしたり、香水をプレゼントしたりと、スレイブから恋人になりたい星卯は好意を示しますが、スレイブとしてしかみていない波瑠河には、その好意にイライラするばかり。

しかし元々上司と部下の時から、可愛いと思っていた星卯に、波瑠河は徐々に絆され、心を開き、星卯と恋人同士になるのでした。

首輪にスパンキング、鞭に射精管理と、
会員制SMクラブや、公開調教などもでてきて、本格的で読み応えがあります。
ただ調教は淡々としていたので、調教+挿入の甘々セックスをもう少し読みたかったです。

ベテランSに調教されMに開花されていく単純なお話しだけでなく、スレイブを信じられない屈折したSと、少しワガママでSM初心者Mとの、一癖ある恋愛もあって面白いです。

私がBL小説読んでで、初めて本格的なSM作品に出会い、SM系BLに目覚めさせられた作品なので、神評価にさせてもらいました。

雪路凹子先生の波瑠河と星卯の絵が、お話しの雰囲気とあってて、とっても素敵です。

3

SとMのバトルを描いた意欲作

SMカップルの馴れ初めを描いた一冊。
攻めのSとしての恋愛観や美学、受けのMとしての成長が丁寧に描かれており、双方の心理描写に引き込まれました。

あらすじ:
階段から落ち尻を打った際、その痛みに快感を覚えてしまった星卯(受け)。
職場の憧れの先輩・波留河(攻め)に相談すると、本当にMなのか試してみようと提案され…

波留河にスパンキングされ感じてしまった星卯。
優しく紳士的な波留河が実はSだったと知り驚きますが、ずっと憧れていた彼に調教されるのは満更でもなく。
その後も、首輪をつけられたり、縄で打たれたり、貞操帯(尿道栓付き)をつけて過ごすことを命じられたり…と、波留河に調教されることでMに目覚めていきます。

波留河は、今までに様々なM(スレイブ)と付き合ってきた生粋のS。
恋人を作る気はなく、スレイブが調教により完全に自分に屈服した途端、興味を失ってしまうという屈折した嗜好の持ち主。
何かのきっかけでそうなった訳ではなく、昔からそうした冷めた恋愛観を持っていたというのがこのキャラクターの面白いところです。

そんな波留河ですが、自分に従いつつも完全には服従しない星卯にはペースを乱され気味。
波留河に命じられれば他のSに触られるのも我慢する星卯ですが、
波留河の自宅で勝手に料理を作ったり、誕生日に香水をプレゼントしたり…と無自覚に恋人のような行動をとる積極的な一面も。
性的嗜好はMでも本来の性格はなかなか強気な星卯は、波留河の理想とするスレイブには程遠いタイプなのでした。

スレイブしか必要としない波留河VS本音では恋人になりたい星卯とのバトルは大変読み応えあり、ラストの決着の付け方も納得いくものでした。
ラストの両想いHは道具を一切使用しない至極ノーマルなもので、甘い雰囲気を堪能できます。

雪路さんの美しい挿絵も物語の雰囲気にぴったりで、独特の濃密な世界観に浸ることができました。
SMプレイのみならず、SとMそれぞれの心理や微妙なパワーバランスを描いたドラマとしてオススメです。

※作家さんのブログに後日談SSが掲載されています。
ラブラブかつ相変わらずSMカップルな二人が描かれていて、こちらもオススメです。

10

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