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sonoyo no dokoka chizu ni nai kuni
最近続編が出たので、久しく読み返していなかった本作を読み返してみました。
多くの続編がそうである様に。本作の感動を上回る事が出来なかった様な気がします。
作者によると、これは3部作になるそうですが、やはり物語の発端である本作が特別で。
もちろん次回作にも期待していますが、これを超えられるのかどうか。
最初はとても驚いたのです。物語の主人公であるかの様に見えた、シンは、ストーリーテラーというか。本作を通して成長するとはいえ、恋人たちを見守る役柄であるということ。
彼にももちろん、いずれ大切な恋人になるであろう従者、リアンドロスがいるのですが、物語の主軸であるムスティア様とその従者であるノネとの、それこそ命を賭した恋にとっては間男というか当て馬の役割でしか無いからです。そんな主人公いますか⁈ っていう。この新しさには当初、本っ当〜に驚かされました。
全ての隣国から遮断され、『地図にない国』。その小国であるオライエの秘密。
外界から入国したら最期。国外に出る事は許されない。それはこの国の風土病、罹れば幼くして命を失なう肺病のせいだった。この病の為に父王を亡くし、母を亡くし、兄弟を幼ない頃に亡くして。それでも独り健気にこの国を守ると決意した少年王・ムスティア様。
発行された時とは違い、コロナ禍に喘ぐ2020年に読むのとでは、また違った心持ちになると思います。かの感染症は出現した当初、2週間足らずで人々の命を奪い去り、重篤者を増やし、我々の世界を一変させたのだから。世界中でロックダウンを起こした事を鑑みれば、閉ざされた小国というオライエの事をあながちファンタジーだとも思え無いのです。
物語の初め、謎であった病原体の抗体を保つ少年たちをドナーとして売買し、その沢山の命を奪ってしまっていた事。そんな中で出逢ったムスティア様と、いずれ命を奪われる事と覚悟して生きている従者のノネ。病で苦しむムスティア様に口移しで抗体を注ぐノネの姿は、ミケランジェロのピエタ像の様に美しくて哀しい。そんな2人を間近で見つめるシンは、2人を救けたいと心から願っているから、行動します。思い出しただけでも号泣必至。
互いに愛し合っているからこそ。自分が生きる事は、相手を死なせる事。
命に上下は無いものの、ノネはこの国を統べるムスティア様こそ生きる価値があると願い、ムスティア様も子供ながらに、国の為に、自分が生きる為に。愛するノネを死なせるしか無いと自分の無力さに苦しんでいる。ムスティア様が、眠っているノネの手を握って自分の手の小ささに嘆く様子がいじらしくて泣けます。
そんな2人が2人で生きられる世界にしたい。シンの強い願いもまた、彼自身を成長させる一助と成って行く。
7年後の再会も素晴らしい。成長して、ノネより背も高く男らしいムスティア様が、7年間もの間、ノネに手を出していないという初心さを見かねて。シンが7年ぶりに間男ぶりを発揮するのがまた。ニクい!
描き下ろしの甘さも含めて、完璧なんです。
これは、この世界の何処か、『地図にない国』の何処かで。
きっと今も紡がれている『小さな国の 愛の話』
そんな風に思えて来るのです。
世界から閉ざされた国の少年王ムスティア。従者のノネ。
そこへ、侵入したシン。
子どもの致死率の高い肺の病のせいで、衰退していく国。
設定がすごい!
悲しすぎるし、絶望しかないのに、それでもあがいて一緒に生きたいと思う気持ち。
自分を救ってくれた王になら、命を捧げることも厭わない気持ち。
この2人の間には割って入る余地はないのに、シンとノネの関係もあり、色々な方向に転がりそうで、先が読めない。
壮大で後味のいい作品です。
程よくエロさもあり、なんと言っても、ノネが美しい!!!ムスティアが自分の予想より、凛々しく成長しているのには驚きましたが、2人こHも見られ満足な一冊でした。
映画みたいなお話
ストーリーがすごく良くて、絵も繊細でとても美しくてキレイな一冊でした
設定がファンタジーでどんなオチになるのかと気になりながら、ちゃんとBL要素もあって、けどそれも切なくて新鮮だなと思いました
表紙が魅力的で気になってたのですが、あらすじからはあまりそそられなかったというのが正直なところですがそのあたりは良い意味で裏切られました
誰も不幸にならない、けど簡単な終わり方じゃないところが好きでした
シンの本心が最後まで読めないのが逆に良かった
地図にない国に足を踏み入れた冒険家のシンが出会ったオライエ家当主・ムスティアと従者のノネの話。てっきりシンとノネがくっつくのかと思っていたので、斬新でした。
ムスティア(ショタ)がかわいすぎました。立派に成長し、ノネとやっとのことで想いが通じて良かったです。静まるまでじっと待とうとしていたノネもかわいすぎる。
最初から最後までシンのキャラが良すぎて、この作品になくてはならない存在でした。
リアンドロスからの手紙や、マリーメイの話も良かったです。リアンドロスのエピソードがもっと見たい!絵が綺麗でした。
いい意味で予想を裏切られた作品でした!
主人公がカップルにならない作品は初めてかもしれません。
とはいえ、物語自体は主人公を中心として展開するし、主人公と受けとの絡みもあります。
やや引っかかる部分はありますがファンタジーな世界観と次々に展開されていくストーリー、ちょっとした伏線もありとても楽しく読み切りました。
かなり人を選ぶとは思いますが、地雷がなくファンタジーBLがすきな方にはおすすめしたいです。
明らかに前半で主人公の立ち位置を見誤ってしまいました。
そのせいでしばらくモヤモヤやきもきする気持ちで読み進める羽目になってしまって、途中でこちらのページに攻受を確認しに来てしまいました。
地図にない国。国はあるのに空白になっている場所、という発想は面白くて、主人公の冒険者・シンがどのように絡んでいくのだろう、と楽しみに読んでいましたが…。
シンが攻めとして受けはムスティアルートだな、と思った数ページ後にノネに心奪われるシン。
シン×ノネと思って読んだ数ページ。主従関係の裏の複雑な感情を知る。こ、これはまさかの主人公当て馬ルートからのシン×ほだされノネ…、などと思っていたら怒涛の展開になって、この作品はBLとして読まない方が純粋にストーリーを楽しめるのかもしれない、と思いました。
シンは物語になくてはならない存在なのですが、あくまでストーリーテラーとして傍観者の位置にいた方が、主君への美しい自己犠牲愛と大切な人の命と引き換えに生きることへの葛藤に集中できたのかもしれません。
その辺りの場面はとても美しく切なく描かれていたので、わたしの中にシンの絡み方を心配をする気持ちさえなければもっと素直に感動できたのにと思うと、先にこちらを見なかったことが悔やまれます。
それと蛇足ですが、それまでの話だと肺を移植する→ドナーは死ぬという流れだったので、ノネの手術跡が気になったついでに、生体肺移植について調べてしまいました。移植する患者さんが小柄な場合、大人ひとりの移植分で大丈夫だそうです。肺は再生しないのでドナーの肺活量は減りますが、生活には支障ない、とありました。
ノネの希望通りムスティアの体の一部になることができて、ムスティアの希望通りノネと一緒に生きていくことのできる医療の進歩に感謝ですね。
同じ手術跡が目に見えるふたりの絆のように感じられました。
絵も綺麗ですし、ストーリーも斬新に感じたんですが、色々と違和感というかあと一歩の所で作品に入り込めない障害がありました。まず表紙を見てこの目の醒めるような美しいブルーの瞳を持つ彼が受けだと思った人が多いのではないでしょうか。その予想は大きく裏切られ、物語の中盤まで受けどころかストーリーの蚊帳の外という感じでした。表紙を一見しただけで勝手に受けだと思った自分が悪いのですが、攻め受けはともかく表紙を飾っておいて主人公または準主人公感すらないということに、ずっと違和感を引きずる羽目になりました。主人公は攻めムスティア(表紙)でも受けノネでもなく第三者で異国から入ってきたシン。表紙とのギャップが大き過ぎます。第三者目線で進むのも構成としてありだとは思いますが、その場合攻め受けのどちらかに好意を寄せているからこそ背徳感なりを感じて楽しめるのであって、シンはノネに手を出しますがそこから恋愛に発展することもないのでただただ第三者が好奇心から手を出しているだけに思えてシン×ノネに萌える余地がありませんでした(本番まではしません)。
そしてムスティアとノネの関係も不完全燃焼に感じました。ムスティアが幼い頃はノネが欲を我慢していて治療行為としてのキスのみの関係なのですが、どうしてもノネ×ムスティアに見えてしまうわけです。それが開国して諸外国の医療のおかげで病気も治り、急に何年後かのムスティアがぐんと成長した所に場面展開し、ムスティア×ノネになるんです。この急激な変化についていけないというか、確かにイケメンに成長したムスティアは十分攻めに見えるけれども、もう少しこの間の2人の関係性の変遷を読みたかったなと思いました。やっぱりシン目線で描くよりも、最初からノネかムスティアの目線で良かったのでは?と思わざるを得ませんでした。シンはキーパーソン的立ち位置での登場で十分だった気がします。シンをノネに手を出させたことに意味がなかったようにも思います。また、ムスティアとノネの関係性の重厚さと、シンの軽さやギャグ要員としての立ち位置にあまりにも温度差があるようにも感じました。このストーリーなら笑えるポイントをもっと控えた方が世界観に深く入り込めるのではないかと思いました。
よく作り込まれた魅了ある世界観でとてもワクワクしました。
ファンタジーBL良いなぁ。もっと増えて欲しい!
世界観、設定、規模を考えるとよくここまで綺麗に一冊でまとまったなと感心します。
ちょっと変わってるのが、この本の主人公がCPの二人ではなくシンと言う明朗闊達な青年だというところでしょうか。
シンが魅力的すぎて?ちょっとカップリング的にヤキモキする感がありましたが、ムスティアのショタからのスパダリ成長ぶりと美人受けノネのCP良かったです。
鯛野さんの描く受けちゃん、敏感すぎじゃないですか?今回も読んでるこっちが鼻血ものの悶えぶりです。良い!
素晴らしい世界観と、まだパートナーを見つけていないシンという素晴らしいキャラがいるので、続編が読みたくなる一冊でした。