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その世のどこか、常夜の楽園

sonoyo no dokoka tokoyo no rakuen

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表題作その世のどこか、常夜の楽園

アマル,私塾の生徒
ヤシュム,ターキア王国の私塾教師

その他の収録作品

  • 楽園の情景(描き下ろし)
  • あとがき(カバー下)

あらすじ

僕に依存して。先生の中が、僕でいっぱいになるまで。
大国ガルシェの王子兼冒険者のシンは、故あって潜入した砂漠が広がるばかりのターキア王国で、私塾を営むヤシュムと出会う。
胡散臭い見た目に反して聡明なヤシュムのそばには、ナイトの如く彼を守る少年・アマルが寄り添っていて…。
悲しい歴史を持つ砂漠の小国で、“薬”を巡ってすれ違うアマルとヤシュムの思いは――。
朝の来ない楽園の、狂おしい依存愛。

作品情報

作品名
その世のどこか、常夜の楽園
著者
鯛野ニッケ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
Jパブリッシング(ジュリアンパブリッシング)
レーベル
arca comics
シリーズ
その世のどこか、地図にない国
発売日
電子発売日
ISBN
9784866693576
4.2

(125)

(65)

萌々

(39)

(13)

中立

(4)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
15
得点
524
評価数
125
平均
4.2 / 5
神率
52%

レビュー投稿数15

シリーズ読みを是非…!!

「その世のどこか」シリーズ2作目。

オムニバス形式というのかな。
1作目・2作目…と主役が違って独立したお話なんですが、共通して登場するキャラクターがいますので
出来れば前作から読んで頂くと理解しやすいかと思います+゚。*(*´∀`*)*。゚+

ーー・ーー・ーー・ーー

めっっちゃ良かった!!!(;///;)

続編情報が出たとき「よっしゃ、リアンドロス待ってたぜ╭( ・ㅂ・)و」と思ったら
メインカプって…え?誰??(戸惑い)
なんでリアンドロスのお話じゃないの…?なんで?
と最初はおもったけれど意識ひっくり返されました。
これでいい。これがいい。

メインカプとシン&リアンの絡み方が3作目の布石にもなっているんですね。
フライング気味ですがこれはオススメしたいシリーズ物になるな!と確信しました(;///;)
(3作目はまだこれからだけどシンとリアンのお話になると明言されています…!)
(楽しみすぎて悶える(///Д///)~3)

というわけでシン&リアンもタップリ登場する2作目。
肝心なメインカプのお話も切なくて苦しくて泣きました。
前作と共通項を踏まえながらベクトルが違うのも面白いです…!


さてさて。
国で大人しく仕事をしているシンの耳にオライエからとある不審な報告が入ります。
好奇心の塊のシンが黙っているはずもなく、速攻国を飛び出して、不審な動きをしたターキア王国へーーー。
(今回はリアンドロスも同行しています)

ターキア王国に入ってすぐヤシュムと知り合うのですが、
ヤシュムは観察力が鋭くどこか胡散臭い雰囲気を纏っていてリアンドロスは警戒します。
しかしシンはそれに反してヤシュムを気に入りました。

シンはヤシュムの開く私塾にも興味津々で参加し、
そこでヤシュムを守るように立ちはだかるアマルに出会いーーーと展開します。


相変わらず情報量の多いストーリーなのでカプごとで感想を分けます。

◆アマル×ヤシュム
この2人は謎がいっぱいで展開していました。
そもそも冒頭からセックスしているんですが、恋人ではないのが明らか。
しかもセックスの最中のヤシュムは人が変わったように淫乱で自我を失っているようにも見えます。
アマルは自分に見向きもせず快楽だけを貪るヤシュムを大切に抱くのですね。

セックスは出来てもキスや心を交わすことがない関係。
その切なさがブワッと押し寄せてくるのですよー!!

アマルには秘密にしている出自があって。
ヤシュムには人に言えない過去があって。

これにはすごく泣きました。

純粋に好きな人を助けたかっただけなのに、
好きな人の死の手伝いをしていたなんて誰が思います?
そりゃないぜヤシュム……(;ω;)
アマルの空回りが痛々しくてマジシンドイ…(;ω;)

でもヤシュムが追い詰められてたのにも理由があって。
その理由には皮肉にもアマルの出自が関わっていて…。

もうね。この2人どうなるの?どうなるの?って号泣しながらページをめくる手が止まりませんでした。

ちなみに見た目はショタじゃないんですが、
精神的にはショタ攻め感を少々感じたかな…?
(幼くして国王のムスティア様より断然子供っぽい←)

子供の浅知恵で動く面もあるんですが、その純粋さに心打たれました。
(アマルが泣く度にもらい泣きしてた(;ω;))
(アマルが学を持たない理由も切ないんですよ…)

ちゃんとハッピーエンドです…!
心のこもったセックス・キスが最&高で最高。
生きようと前向きになったヤシュムの言葉にも感動しました。すっごい良かった(;///;)

◆シン&リアンドロス
前回と同じようにシンがひっかき回し場が好転していく。
読者的には悪運の強さはさすがだわ~と思ったけれど、
リアンドロスは表情を硬くしてシンが動く度に怯えるんですね。

動いたら動いただけの危険がある。
もしシンになにかあったらーーーー。

リアンドロスがシンを失う恐怖に怯えているのが切なくて苦しいです。

けれど「従者心、主知らず」と言いましょうか。
リアンドロスの心配を"過保護"と捉えて、
リアンドロスがシン以外の人間を冷たく突き放すと"興ざめ"と擲つ。

主従関係はそんなもんだと言ってしまえばそうなんですが、この温度差がも~~~~堪らんのです…!!!
その後リアンドロスの言葉に疑問を持ち、
シンの中に変化が生まれたのも萌えでした////

きっと1作目が出版されたあと、リアンドロスのお話を熱望されるファンが多かったと思うのですね。
(私もその一人なんですが)
そこを敢えて外して、2人の関係を多角的に描いて問題を浮き彫りさせてから、本山へ挑む。
3作目の布石としても素晴らしかったなと思います。

余談ですが、紙本購入パスワード漫画あり。前作のムスティア様がお好きな方は紙本購入がbetter♪こちらはサービス機能がある限り期限はないそうです!

8

3作目が待ち遠しい

『この世のどこか、地図にない国』の続編です。
前作未読だと分かりにくいかも知れません。


オライエでの出来事から数年後、今度はガルシェの隣国・ターキア王国の調査に乗り出したシン。
というのも、ターキア王国からオライエに、使者を名乗る不審な人物が現れたからです。

ターキアの使者とは何者なのか?
その目的は?

北の大国ガルシェの王子・シン目線で進んでいくストーリーで、構成は前作同様です。
シリアスクラッシャーでトラブルメーカーのシンが活躍する、ミステリアスでセンシティブなお話。

シンと従者のリアンドロスがターキアで出会ったのは、胡散臭い私塾の教師・ヤシュムとその生徒・アマル。
夜な夜なアマルに気絶するまで抱かれるヤシュムは、ある理由から薬物を服用しています。
そして、少年・アマルにも秘密があり……

ストーリーの中の謎が少しずつ紐解かれていくところが面白く、その事実はとても切なかったです。
ヤシュムを助けたい一心で危険を犯すアマルの、狂おしいまでの愛に胸が詰まりました。
そして、ヤシュムが背負わされた戦争の代償が余りにも大きくて辛い……

身体だけを繋げて、抱き合うこともキスもしてこなかった2人の関係性が変化していくところに感動しました。
特に、アマルの存在が薬物依存の引き金じゃなく、生への執着に変わっていくところが良かった。

で、シリアスの中の唯一のコミカル要素であるシンが、2人のために手を尽くしたであろう事は明らか。
だから憎めないんだよね、この人。

今回もリアンドロスとの関係はハッキリしないけど、続編があるそうなので楽しみに待ちたいと思います。
リアの過保護ぶりに萌えたし、シンのためなら悪者になるのも厭わない献身さに胸キュンしました♡
2人のラブストーリー(だよね?)楽しみです!

7

続きが気になる!次回作でやっと!?

こちらは『その世のどこか、地図にない国』
の続編になります。

このシリーズ、
まだ続きがあるようなので
この先の展開もすでに楽しみにしています。

メイトとなるカップルは
前作とは関わりのない2人なので
スピンオフではなくおそらく
続編なのだと思うんですが、
すべての事情をサポート?
関係してくるキャラクターが
前作からも出ているシン王子。
本作、前作を読んでいくと
このシン王子が凄く気になってくるはず!
なので読んでいて
どんどん楽しくなってきます!

メインのカップルは
切ない関係から
最後はハッピーエンドに終わります。

読む人によって
目線は違うかもしれません。

続きも楽しみにしています!

6

相変わらず引き込み方が上手いっ!v

作者買い!
大好きなシリーズで、さらに続きもあるという朗報も!

相変わらず謎の散りばめ方が絶妙で、
読み始めると止まる事なく最後まで読んでしまう!
これを連載で読むのは辛い……!

今回もシンが道化のようなストーリーテラーのような役目。
しかし、今回はしっかりリアも一緒ですv

さて、今回の主人公の二人も、
色々拗らせてますね。
お互いがお互いを大切に思うが故に、
こじれていくという……

なぜ?と引っかかりつつ、
次第に解き明かされていく謎と、
ヤシュムの本心。

物語のその先もきちんと描かれていて、
ハッピーエンド大好き侍の私も大満足!
本当に気持ちよく読み切りました!v

謎の二年と
その間のシンとリアの関係の変化も気になりますが、
その辺は次回作のお楽しみのようですv
まちどうしい‼︎ジタバタ!

ギャグで笑い、シリアスでキュンとし、
とろけるシーンでもきゅんきゅんで、
評価はやっぱり「神」!

5

なぜか、読むと賢くなれる

衝撃の本格ファンタジーBL「その世のどこか、地図にない国」から3年ぶりの続編が登場。
今度の舞台は砂漠に囲まれた地、ターキア王国。
隣国オライエに現れた不審な使者を調査するため、現地に向かった北の大国ガルシェの第三王子シンとその従者リアンドロス。
現地で彼らが偶然交友を深めたのは儚げな私塾教師ヤシュムと、彼に一途な思いを抱く無知でいたいけな青年アマルだった。
しかし例の不審な使者の正体がアマルであるという情報が飛び込み、身辺調査を開始したシン。
何のために?そして彼の本当の正体は?
シンが究明した真実は、アマルにとってあまりに残酷な現実に繋がってしまい――。

となるんですけど、この時のアマルの愕然具合が本当に強烈で。
「良かれと思ってやっていたことが、全て裏目に出ていた」の至上最悪クラスが一度に降りかかるんですよ。世間知らずのピュアボーイに。もう彼の心はバッキバキの複雑骨折です。

しかし、そこからのヤシュム先生の言葉がですね……染みるんですよ。
傷ついてバラバラになった心もまるごと包みこむ慈愛に満ちた言葉。
血の通う人間にしか紡げないような言葉。

これ、ヤシュム先生が聖人君主じゃなかったからこそ良かったと思うんですよね。
アマルに半端な知識を与えてしまったこと。
身体を鎮める目的でセックスの相手をさせてしまっていたこと。
自ら命を絶とうと考えていたこと。
それでもアマルからの恋慕を拠り所にズルズルしてしまったこと。
彼自身も間違いだらけで悩み多き存在だったから、説教臭さなく真っ直ぐにアマルに、そして読者に届いた気がしました。


で、その盛り上がりだけで終わらせず、エピローグまで面白いのがこのシリーズのすごい所。
2年後のアマル君、前作の攻様に負けず劣らず大化けします。
で、前作に負けず劣らず拗らせてる笑。
そこですかさずシンがナイスアシスト。
その後が至極のワンシーンでした。
図書館の本を取り出したら、その隙間から最愛の人の姿を見つけ駆けだしてく
というベタに美しすぎる演出。
作画構図ウマー作品だからこそ成り立つ神々しさでした。

最後はアマルの「僕に依存していいよ」という言葉から一歩を踏み出せたヤシュム。
だけど恐らく、二人の関係を本気で依存と呼ぶ人はいないと思います。
二人の間にあるのは愛情であり、絆であり、つまりは人と人との健全で強固なつながり。
それはむしろ依存症の対極にあるものだと思うから。

面白くて、人生の教訓も貰えて、薬物依存にまで詳しくなれる、実に一石三鳥くらいのマンガじゃないですか?
絵も綺麗でギャグも滑らず、ピアスや花、隣国の友人など前巻とのリンクも素晴らしい。
かつ、聡明な登場人物たちに刺激され、読む度に知見が広がるお気に入りのシリーズです。


あ、一個だけ言うなら

ムキムキ元軍人バージョンも、ちょっとだけ見たかった……。

5

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