• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作初恋コンプレックス

高塔龍之介
提携先のコーヒー会社の担当者
北村真生
製靴メーカーのチルド菓子開発担当者

その他の収録作品

  • オレンジに溺れる
  • あとがき

あらすじ

製菓メーカー勤務の北村は、コーヒー会社との業務提携をきっかけに
幼馴染の高塔と再会する。
学生時代同じ家で育ち、想いを確かめ合った仲だったが、
ある出来事から疎遠になっていた二人。
物腰柔らかな美形で仕事のできる彼は昔と変わらず、
素直になれない自分を仕事やプライベートで甘やかし溺愛してくれる。
高塔の一途な想いに気後れしながらも、10年越しの初恋と向き合うことになり…?

作品情報

作品名
初恋コンプレックス
著者
ナツ之えだまめ 
イラスト
北沢きょう 
媒体
小説
出版社
フロンティアワークス
レーベル
ダリア文庫
発売日
ISBN
9784866570068
2.9

(19)

(1)

萌々

(4)

(8)

中立

(5)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
3
得点
50
評価数
19
平均
2.9 / 5
神率
5.3%

レビュー投稿数3

執着と拒絶のぐるぐる

幼馴染との再会BL。
この場合、幼馴染といっても淡い恋の思い出とかいう可愛らしい関係ではなくて、子供の頃からの不均衡な性的接触あり。
ひとつ年下の高塔が主人公の北村に執着して強く求め、北村は引き摺られて快楽を知った後はズルズル…みたいな関係。
ところが、北村の妹が15才で風邪を拗らせて急逝、しかも高塔に心を寄せていた事を知った北村が激しく動揺して高塔との関係性を断ち切って10年。
偶然にも仕事上で再会し…
…とストーリーが始まります。
途中まで、北村が絶対的に高塔本人、高塔との過去を封印/拒絶していて、それは納得しながら読んでいたのだけれど。
終盤、共に取り組んでいるお菓子の製造トラブルの後で急に「今でもおまえのことが好きだ」から始まって激流に雪崩れ込んで…からどうも私の方が物語に入り込めなくなった。
BL的に言えばここからがクライマックスなんだけど、唐突というかつながりが悪いように思えた。
イカつくて体育会系でデリカシーが無い、という北村の造形がエロシーンにおいてどうもピンとこない。
ギャップとはまた違って、当初攻め受けの曖昧さと対等性を醸し出していたのにいざ挿入となったらその造形がブレたように感じたというか。
高塔がベトナムで事故に遭ったというのに目の前に現れて、のシーンも唐突。ご都合を感じた。
絵柄も違和感あり。
高塔は合っていると思う。でも北村はイマイチ?
このような理由で終盤乗り切れず、でした。残念。

0

初恋再会もの

表題作 + SS1篇

表題作は受け視点です。
製菓メーカーの商品開発部に所属する北本真生(受け)はコーヒー会社との商品開発プロジェクトで幼馴染で元恋人の高塔と再会します。
もう2度と会わないと思っていた真生はどう接してよいか決め兼ねて高塔にきつく当たってしまいます。

真生と高遠の出会いは高塔の父親と真生の父親が友人で、両親の離婚により育てられなくなった高遠を北本家で預かることになったことに始まります。
妹と二人兄妹だった真生は3人兄弟のように育てられます。
高塔になつかれた真生は、長く一緒にいるうちに高遠から愛情を向けられるようになります。そして、真生の友人に嫉妬する高塔が自分にだけ許してくれる行為としてキスを強請るようになります。その後は、なし崩しで最後まではしないまでも身体を重ねるようになります。が、妹ふみかの死によりその関係が破綻します。

真生がひいた風邪にふみかが感染し肺炎を発症し亡くなったことがショックだった上、死後ふみかが高塔のことを好きだと知ったことでふみかの未来を奪った自分に科した罰が高塔との決別でした。
二人のことを知って自殺したとかだったらもう少し共感できたかもしれませんが、流行性の風邪なので誰が悪いわけではないのに、相手の気持ちも考えず、自分の罪悪感だけで決別することにした真生には共感できませんでした。もし、ふみかが生きていたらという想像ではふみかに謝りながらも二人で生きていっていただろうと想像していたので、譲る気はなかったようだし。

はじめは真生の気持ちはもう高塔には無いのかと思ったのですが、奥底に封印していただけだったので、一緒に仕事をしていく中でどんどん心乱され封印していた心が表に出てきて懊悩する真生には悪あがきはとっとと諦めれて自分を許してあげればいいのにと思いました。

人はいつ死ぬかわからないことを、若い妹を亡くした真生にはわかっていたはずなのに、やっとそのことに気づき、もう間に合わないかもと思いながらも高塔への独白のような告白にはやっと正直になれたことが喜ばしかったです。


SSは高塔視点。
表題作の中でトラブった工場へのお礼の挨拶帰りにラブホに寄る話。
わたし的にはこのSSは要らなかったです。
表題作は真生に共感できなかったとは言え、話としてはよくできていたので良かった良かったという感じで読み終えた後での話なので甘々なのを期待していたのです。

高塔視点なので、彼が真生から決別を宣言された時にあっさり別れを受け入れた理由、彼がどんなに真生が好きで、他の人と話しているのを見るのも嫉妬するくらい独占欲の塊のような心情がわかったのは良かったのです。
ただ、別れてからも絶対諦めないと決意して、他人に取られるくらいならリベンジポルノも辞さない構えだったのに、真生がこの手に戻ってくるか不安だからと似ている人を男女誰でも手を出していたということがわかり、一気に萎えました。自分から離れた真生に文句をいう権利はないかもしれないけど、真生は他の人は代わりにならなかったのに、高塔はちょっとでも似てれば代わりになったんだと思うとがっかりです。高塔の執着はかなり重いと思ったので、ちょっとでも似てたら誰でもいいというのがどうも腑に落ちません。どちらかというと、高塔を封印して離れた真生が何人かと付き合ってみたけどだめだったという方が私としてはしっくりくるのですが。

高塔の過去さえなければ全く問題ない甘い話だったのですが、たった数行のこれが心に強く残ってしまって、その後の甘い展開をまったく享受できませんでした。残念です。
私は、相手がなんとも思っていないんならかまわないんですが、両想いの場合は執着攻めには心身ともに一途であって欲しいです。★−1です。

高塔の過去だけが萎えた原因なので、これさえ気にしなければSSも普通に甘い話でした。

真生を好きな同僚が、真生がいつまでも自分を誤魔化しているから迷惑してきた人がたくさんいたはずでとっとと認めたほうがいい、という助言をしていましたが、高塔は真生の身代わりにした人をたくさん泣かせてきただろうし、真生はその人柄で普通にモテてかつ鈍感で気づかないため被害者もそこそこいたことでしょう。10年という期間が真生にとって必要な喪に服する期間だったのでしょうが、被害者がこれ以上増えるのを阻止するためにも二人には一生離れずにそばに居てほしいと思います。

5

途中までは萌萌でした。

10年前に両思いだった真生と高塔は、真生の妹の死をきっかけに決別する。なぜなら亡くなった妹が高塔の事を好きだったから。あれから大人になり、仕事の関係で再会した二人だったが、真生はまだ前に進めずにいた。

途中まではとても面白かったのです。素直になれないツンデレな真生が、高塔を失うかもしれないと分かって初めて告白するシーンは、ベタながらも感動的でした。
執着攻めが大好きなので、高塔がめげずに真生を追いかけたのまでは良かったのですが、あれだけ嫉妬深いくせに自分は真生に似ていたというだけで男女問わず手を出していた、という事実に萌えが急落してしまいました。私が神経質なだけなんでしょうが、好きな人がいながら、寂しかったという理由で他の人に手を出すというのがどうも地雷でして。諦めるつもりがないならそれを貫いて欲しかったです。

8

この作品が収納されている本棚

ちるちる評価ランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP