なんだってできる 三人でなら、この状況を変えることすらも

CANIS THE SPEAKER #2

CANIS THE SPEAKER #2
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神24
  • 萌×25
  • 萌1
  • 中立0
  • しゅみじゃない1

188

レビュー数
4
得点
143
評価数
31
平均
4.6 / 5
神率
77.4%
著者
 
媒体
BL漫画(コミック)
出版社
茜新社
レーベル
EDGE COMIX
シリーズ
CANISシリーズ
発売日
価格
¥679(税抜)  ¥734(税込)
ISBN
9784863496484

あらすじ

孤児院からノブが連れ去られ、また、
自身らも別の学校に進学させられることとなったハルとサム。
周りのすべてが信じられないまま成長し、どうにか再会を果たした二人は、
ノブを取り戻すため“孤児院のヒミツ"を探るようになる。
そんなハルとサムの前に現れたのは―――……

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レビュー投稿数4

魂の救済

こうした優れた作品を読むと、BLのポテンシャルの高さに非常に興奮します。

主人公たち(ハル、サム、ノブ)がBLしているかと訊かれると首肯しずらいのですが、人間の愛着や信頼、自己犠牲も厭わない他者(自分以外の二人)への献身を読者へ見せてくれる稀にみる作品だと思います。



2巻は三人が各々の場所で大人になり再会しますが、先に再会したハルとサムに関しては衣食住は満たされ、教育水準も高く“平和で善きアメリカ”サイドで成長します。
けれど環境が整っているからといって手放しに幸せなわけもなく、二人はノブを失った事への自責の念と喪失感を抱き続け、いつかノブを取り戻すために己の武器になるツメを研いで日々を過ごしています。
この二人の再会シーンは目が印象的で、よく言われる「目は口ほどにものを言う」を体現していて、画力の高さはもちろんのこと張り詰めた空気感に心を掴まれました。
一方、ノブは1巻で描かれていたように劣悪な環境で生き延びています。
大人になり、二人と再会したときはヤクザの岩城和昌として姿を現します。
この三人の再会シーンがお互いの立場や生育環境の違いから温度差があって・・・。
単純に「やっと会えた!嬉しい!」だけにならないのがリアルで胸が潰される思いです。
ハルとサムが目の前に居るノブの佇まいや空気感、発言に戸惑いや違和感を持つのは当然なのですが、そうしたなかノブが二人に身体を晒し想いをぶちまける姿にノブの悲しみや憤りが迸り、そして素の自分をそのまま出せることへの束の間の安堵のようなものも滲み、読んでいるこちらの胸がひどく痛みました。
ノブはおそらく二人と別れて初めて自分の気持ちを憚ることなく吐露できたのではないでしょうか。
息を詰め、どうにか日々を生き延びてきたノブの魂がようやく息をつけた瞬間であったと思います。
この後、三人はセックスしますが、そこにあるのは肉欲とはほど遠く。
労り治癒し、お互いを護り合うことを誓う儀式のような様相を呈し、いっそ尊く映るほど。


シスターメアリーをはじめ、暗躍する組織に三人がどのように肉薄していくかも今後の大きな見どころですが、ハル、サム、ノブの三人三様の生き様と解けない確固たる関係性の行く先を楽しみに次巻を待ちます。

3

カッコいい男たちに痺れる

『CANIS THE SPEAKER』の2巻目。『CANIS Dear Hatter』のリョウの元ボス・ハロルドが主人公になったお話。『~THE SPEAKER』の1巻では、ハロルドの孤児院仲間のノブがメインになったお話。2巻は、表紙を見ても分かるように、ハルがメインのお話だったように思います。

ノブを見つけ出すために、自分のできることを最大限しようと奮闘するハルとサム。シスターメアリーへの不信感と絶望を抱きながらも、あきらめることなく自身の道を切り開いていこうとする、まだ少年である彼らの男らしさと、互いに寄せる友情や想いに激萌えしました。

高校生になり、再会したハルとサム。
その後警察官になったハルと、投資銀行で働くサムは、お互いが得ることのできる情報を法に触れても、だれを踏み台にしても、かまわずに貪欲に得ていく。

その過程の中で彼らが知った、ノブの行き先と状況は―。

欲と権力が渦巻く、ブラックな世界の中で、それでも失う事のないハルとサム、そしてノブの間に流れる感情。
それが愛なのか、友情なのか、なれ合いなのか。

いずれにせよ、この三人は三人一緒でなければ生きていくことができない。

ストーリーが濃厚で、男同士の駆け引きや狡さがこれでもかというくらいに描かれていてぐっと惹きつけられる。

そしてZAKKさんの描き方がこれまた良い。
表情やしぐさで、彼らが何を思い何をしようとしているのか。
それらが端的に読み取れる。

ハルとサムに再会したばかりの頃のノブの表情が死んでいて、1巻で読んだ彼の壮絶な過去を思えばそれも当然で、けれど二人に再会したことで表情に色がついてくる。それに、本当に安心した。ノブの身体に付けられた傷跡に、思わずウルっとした。

この三人は三人での行為があります。
普通の3Pとはちょっと違うんだよな。濡れ場はあまり描き込まれていないので攻め・受けが分かりづらいのだけれど、そこがまたいい。この三人にしか理解しえない「繋がり」が、確かにそこにはあるのだろうな、という。

ハルとサムはノブを救うために、そしてノブは二人を幸せにするために。
三者三様の思惑が交差する、カッコいい男たちのお話。

ところどころで回収されていく伏線もすごい。
『CANIS Dear Hatter』から再読すると、そのすごさに圧倒される。ZAKKさんに完敗です。

次巻も楽しみです。

1

BLとして読まないほうがいい(かもしれない)傑作。

1年くらい待つ覚悟はあったので、思ったより早く続きが読めて、小躍りするくらい嬉しい。今、続刊が最も待ち遠しい作品の1つです。

しかしてこの作品、BLかと問われたら、「……ハテ?」と答えます。確かに(とりあえず1巻では)BがLしてるんですが、恋だの愛だのいうアレでは、間違いなく、ないよね、これ……。後でもちっと詳しく書きますが、主役3人の関係性は、BLとしては地雷だという方も、大勢いらっしゃるでしょう。でも、作品としては、んなこたぁどーでもいいくらい、完成度が高く、面白い。雰囲気としては、クライムサスペンス&リベンジものの海外ブロマンス、といったところでしょうか。むしろ、こんな作品の存在が許されているあたり、ジャンルとしてのBLは奥が深いと思います。

1巻のノブくんターンからうって変わって、今回はsideアメリカ。何不自由ない環境に引き取られた、サムとハルのその後から、話が始まります。表紙がハロルドなのにサミュエル視点で始まって最初はちょっと戸惑いましたが、最後まで読んで納得。これは前シリーズ(「Dear Mr.rain」と「Dear Hatter」)をお読みの方にはおなじみの、「あの(謎に包まれた)ハロルド」誕生をめぐる物語でした。

て、ことは、次巻は3人の「頭」宣言をした、サミュエルターンですね、今度こそ。いやしかしこのシリーズ、各巻ピックアップされた1人が夜の街に佇む表紙が、格好良くてたまらない。タイトルといい絵柄といい、普通に本棚に入れといて、全く以って問題ないぞ!問題なさすぎどころか格好良すぎて、勝手に読まれる危険性は否定しませんが……。

1巻の展開スピードからすれば、3人の再会までもう少しかかるかと思っていたのですが、この2巻で(早くも)20年ぶりの再会を果たした3人。できればノブくんが「岩城和昌」として裏社会で出世するまでのアレコレをもう少し見たかったのですけれど、それやってたら前シリーズの時間軸に追いつくまでにどれだけかかるのやら、という話ですね。いずれスピンオフでもいいから、見たい。

この2巻で主に行われるのは、別離によってそれぞれが失ったもの、得たものの提示、壊された関係性の修復と、お互いがお互いを守り合う意思と、共闘の意志の確認。セックスの描写はありますが、プレイ的には3Pになるんですけどね。プレイとか言っちゃあかんよ、これ。この作品におけるセックスは、通常のBL作品におけるそれとは全く違う。自らの意思に反する暴力的なセックスによって深く傷つけられた、ノブの救済、というより、現状の承認のようなセックス。それでもいいよ、お前は汚くなんかない、という。それは愛だけど、恋愛じゃない。3人の関係性を修復する上で必要な行為だったけど、それは3人の関係の中では、本来、もしかしたら全く必要のないものかもしれない行為。私がこの作品をBLとして見きれないのは、描かれているのが恋愛・性愛を超えたところにある関係だからなんだと思います。でも、だからこそすごいものがこの先も見れそうだと、期待をしているわけなんですが。

最後に。この巻の最後で、パソコンをプレゼントされて無邪気に喜ぶ少年が出てきますが、誰かと思ったら前シリーズでリョウをサポートしていたハッカーのチェイスでした(驚)。……スレたね(笑)。ZAKKさんはいつから、どこまでのプロットを立ててこのシリーズを描いていらっしゃるのか。いや〜、完結まで目が離せないです。

2

ドキドキが止まらない!

CANISシリーズ、孤児院三人組の過去編その2。
待ちきれず、帰り道に暑さの中本屋に走って購入。
こんな風に求める作品は久しぶりだが、期待を裏切らない面白さだった!

クライムサスペンスというべき、息をもつかせぬ展開。
前巻はサム、ハル、ノブの三人の中で、
最も過酷な道を辿ったノブが大人になるまでが描かれていたが、
この巻では、それぞれ別な学校に進んだサムとハルの成長が
断片的に重要なポイントだけで描かれ、やがて再会、
そして、長じて強い思いを秘めながら仕事をしていく様が描かれている。

既刊4冊の中で断片的に示されていたモチーフが、
少しずつ繋がっていく。
23年の時を経て三人が再会する場面の痛みと甘さには
胸が切なく捩れ、涙がにじんだ……

悲劇の背後にあったものが少しずつ暴かれ、
彼らは互いを失わない為にだけ、闇をも恐れずに突き進んでいく。

ますます上手くなるZAKKさんの、この雰囲気のある表紙もいい。
そして、どの巻もそうだが、最後の引きが……
最初の3冊に繋がっていくエンディングに、すでに次が待ちきれない!
乞う、続巻!

3

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