なんだってできる 三人でなら、この状況を変えることすらも

  • 紙書籍【PR】

表題作CANIS THE SPEAKER #2

ハロルド,33歳,警官/サミュエル,33歳トレーダー
タダノブ,33歳,ヤクザ

あらすじ

孤児院からノブが連れ去られ、また、
自身らも別の学校に進学させられることとなったハルとサム。
周りのすべてが信じられないまま成長し、どうにか再会を果たした二人は、
ノブを取り戻すため“孤児院のヒミツ"を探るようになる。
そんなハルとサムの前に現れたのは―――……

作品情報

作品名
CANIS THE SPEAKER #2
著者
ZAKK 
媒体
漫画(コミック)
出版社
茜新社
レーベル
EDGE COMIX
シリーズ
CANIS Dear Mr.rain
発売日
ISBN
9784863496484
4.6

(79)

(60)

萌々

(12)

(4)

中立

(1)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
12
得点
361
評価数
79
平均
4.6 / 5
神率
75.9%

レビュー投稿数12

やばすぎ

そう、いい意味でやばすぎるシリーズに!
絶対に離れないと誓った3人。しかしノブだけが連れ去られてしまう。
成長して社会に出た2人は、ノブを探し始める。

ノブのその後が痛々しすぎる。暴力がまざまざと感じられるようなページ。
お話も絵もすごいってありなんですね、と実感してしまいます。

抜群に優秀だったサムはトレーダーに。明るく体育会系のハロルドは警官に。
そしてついに見つけたノブは、別人のようになっていた。

3人の絆がいかに深いか、ただ体の関係はその絶対的な愛を確かめるものでしかないとすら思わせられます。

本格サスペンスの様相を呈してきました。
続きが気になります。

0

サムに安眠できる日が訪れますように

 長年の離別を経て、ようやく再会できた3人。サムは頭脳を鍛え人脈を手にし、ハルは大事な人を守る武力と権力を手に入れた。2人がノブを見つけるために、また、孤児院の闇を暴くために、平和に生きる道を選ばず暗躍してきた覚悟に惚れ惚れしました。そんな2人もきっと、ノブまで同等の力を手に入れているとは思わなかったのではないでしょうか。ノブは幼い頃の控えめな性格のまま、悪環境で声も上げられず耐えているのではと想像していたんじゃないかと思います。しかし、2人の親友もまた成長していた。満足な教育も受けずに辞書とたった1人の親切な人間との関係のみで、ここまで自力で這い上がってきたノブの精神力、けっしてここでは終わらないという強い意志に感銘を受けずにはいられませんでした。

 きっとノブも、2人が自分との強制的な別れを経験した後で、心から幸せな生活を送っていたとは考えていなかったでしょう。それでも、理不尽な扱いの差にはやりきれない想いが溢れて当然ですし、6年もの長い月日を2人と同じような環境で過ごせていたら、立派な肩書きを手に入れた2人の隣に自分も堂々と並べたかもしれない、という想いもあったのかなと。再会した時の悔しさとも恨みとも寂しさともつかない、空虚な表情を浮かべた彼の心には、とても一言では言い表せない感情が怒涛のように渦巻いていたのではないかと思います。2人を危険な目に遭わせたくないのはもちろん、2人に非のないことで自分の激情をぶつけてしまうことが怖かったのかなと。そんな彼を、目を背けたくなる傷ごと受け入れて抱いた2人。情事の描写はあっさりしていたけれど、こんなに胸が熱くなる濡れ場もないでしょう。未来を変える3人に期待しています。

1

続きは出るのか、出ないのか

2巻です。
3人で部屋を借りて暮らしていく」という夢を持ちながらも、孤児院の「同室の3人が同時に消える謎」を探ったせいで、離ればなれになってしまったハルとサムとノブ。
全寮制の学校へ入れられたハルとサム、売られたノブ。
過酷な環境で、ノブが自分の名前を捨てたところで終わった#1。
彼らは再び相見えることができるのか…。

誰もが尊敬する、慈愛に溢れたシスターメアリー。
彼女の裏の顔を知るのは、ハルとサムとノブだけ。
#2は、#1で描かれなかったハルとサムサイドの話からスタートします。

成績優秀で大学卒業後は投資銀行に就職したサム。
警察官になって、NYPDに配属されたハル。
2人とも持ち前の高い能力で周囲を圧倒しています。
ハルが情報を集める一方で、サムは岩城和昌としての人生を送るノブと再会することから、ようやくまた3人が一堂に会するのですが…。

サムが痛々しくて。
3人のリーダー的存在だっただけに、ノブのことを自分のせいだと思い込んで深刻な不眠症を患っている様子が、痩けて疲れ切った顔からも見て取れます。
ハルと一緒だと眠れるけれど、ハルを見るとノブを思い出す。
そしてまた自責の念が強くなるという悪循環がつらい。

BLという観点から見ると、#1よりはBLと言っていいのか…。
再会の瞬間、感涙に咽ぶハルとサムとは対照的に、冷静な表情を崩さないノブに、彼の送ってきた22年が彼から感情を奪ったのを感じます。
ノブの過去に触れ、ノブの傷だらけの体に触れ、「この傷ごと受け入れてくれ」と言うノブを抱く。
このシーンが…、涙なしには読めません。
傷だらけのノブを抱きしめるサムと、2人を抱きしめるハル。
その姿と幼い3人が無邪気に抱き合う姿を重ねてくる演出が…、秀逸すぎます。
ただBL的な触れ合いという感じではないんですよね。
3人が揃って初めて「完全体」になれるというか、抱き合うことでそれぞれに欠けた部分を補うような感じなので、ただただ胸が痛い。

そこからはシスターメアリーの裏の顔を暴くために、また3人が力を合わせていくのですが、その過程でノブがサムの不眠症を知ってしまうシーンも印象的。
自分は体に消えない傷を受けたけれど、サムもまた心に消えない傷を無数に受けていることを知る。
心の刺さるシーンでした。

FBIも絡みつつ、騙し合いをしつつ、謎に近付いていく3人ですが、完結してないんだよなあ。
この作品が出たのが2017年。
続きは読めないのか、読めるのか。
ぜひとも完結まで出してほしい!

1

3人の再会シーンにぐっときた

少しずついろんなことがわかってきたような、もっとややこしくなっているようなw
私が事実関係が複雑な話が苦手なのでついていけていないだけなのですが。

サムはノブがいなくなって以来、よく寝られないんですね。
それくらいショックで受け入れがたいことだと。
ハロルドにしても人生をかけてノブを取り戻したい、2人を守りたいんですね。
この絆が強すぎて…途中でよくあきらめないものだなと。
子どもの頃のお互いの存在が、3人でいることが絶対的だったんですね。
3人で一つの魂…みたいな。

メアリーが偽善ぽく、言っていることにヘドが出そうなのは、言葉の内容はもちろん、あの口元のアップ、赤い口紅べったりなのが効いていると思う。

3人が再会した時の、サム&ハロルドに対してノブの温度差。
ノブの心境が表れている。
すかさずノブを抱きしめて涙するハロルドが彼らしい。
サムも少し遅れて握手からのハグもいい。

ノブは2人が自分に関わると危険が及ぶことをわかっているんですもんね。

ノブが裸になって、それまでの自分のことを話した時、2人がハグするのにじーん。
2人になら言えたし涙も流せた。
「なんだってできる 3人でならこの状況を変えることすらも」
力強い言葉だわ。
うわっつらでなく本気で思っているのがすごい。

「変えていく覚悟があるのなら この傷ごと受け入れてくれ……!」
の後、2人ともすぐさまキスするのが迷いがない。

3人が再会してまた心が一つになってここから更に物語が動きだすんですね。ドキドキ。

ラストのサムの部屋の場面で、Kashiba Groupの名前が出てきたけど、リョウの両親が関係しているのか。
Dear Hatter2の巻末の予告編には「俺たちが欲しいのは柏葉リョウじゃない」と言っているから、リョウに災いがふりかからないのではと思うのですが。
またリョウとサトルが登場するのはうれしいけれど。

事実関係をちゃんと理解できなかったり、ハラハラ怖い面もありますが、3人がまた笑顔になれる日を信じて続刊を待ちたいと思います。

1

BLの括りでは勿体ない

暇を持て余し作家さん開拓のつもりでBOOKOFFオンラインのおススメに出てきた【CANIS Dear Mr.rain】を手にしたのがつい先日 買った後にシリーズ化してるのに気づいて慌てて既刊を買い集めた


お話は【CANIS Dear Mr.rain】にチラッと登場するハルと岩城
【CANIS-Dear Hatter-#1】に一瞬登場するサム
その3人の前日譚のような物語

【CANIS THE SPEAKER #1】で幼少期を過ごした孤児院の秘密にふれ 引き裂かれる3人

運命を呪いながら 忽然と消えたノブを ずっと一緒にいられると思っていたハルとサムを 失ったものを取り戻すため 孤児院の闇を暴くために 各々が動き出す

年月を経てやっと再会した3人 
が 3人にはそれぞれ「立場」という足枷ができていて…

この後【CANIS-Dear Hatter】へどう繋がっていくのか



【In These Words】の犯人に辿りつくための残忍な行為や【囀る鳥は羽ばたかない】の裏社会で繰り広げられる生臭い駆け引きがお好きで 暗かろうが何だろうが派手なセックスよりもストーリー重視なものを読みたくなった時は是非ッ!

とにかくBL括りでは勿体ない男たちのドラマがここにあります

2

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(コミック)一覧を見る>>

PAGE TOP