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表題作CANIS Dear Mr.rain

(仮)柏葉リョウ,19歳,道端で倒れていたワケありのハーフ青年
(仮) 沓名聡,29歳,帽子店・DANTEの店長

その他の収録作品

  • Shopping?

あらすじ

帽子屋を営む沓名聡(くつなさとる)は、道端に“落ちていた”不思議な男・柏葉(かしば)リョウを拾う。
ニューヨークから来たというリョウに、何の気なしに来日の目的を聞くと「死ぬために」という意味深な答えが返ってきて……。
大胆な筆致と力強いストーリーが評判の大型新人・ZAKKの初単行本がついに登場!

収録内容】
「CANIS-Dear Mr.Rain- #1」
「CANIS-Dear Mr.Rain- #2」
「CANIS-Dear Mr.Rain- #3」
「CANIS-Dear Mr.Rain- #4」
「CANIS-Dear Mr.Rain- #5」
「CANIS-Dear Mr.Rain- #6」
「Shopping?」(描きおろし)


著者:ZAKK

作品情報

作品名
CANIS Dear Mr.rain
著者
ZAKK 
媒体
漫画(コミック)
出版社
茜新社
レーベル
EDGE COMIX
シリーズ
CANIS Dear Mr.rain
発売日
ISBN
9784863493735
4.2

(186)

(108)

萌々

(42)

(17)

中立

(9)

趣味じゃない

(10)

レビュー数
33
得点
768
評価数
186
平均
4.2 / 5
神率
58.1%

レビュー投稿数33

あ゛ー、とうめく

思えば、表紙を見た瞬間から悪い予感がしてたんですよ。
で、今読み終えて予感が的中していたなぁと呻いている
訳でして。
豊作過ぎて思わず千手観音の手も借りたくなりそうな年に
限って又こう言う作品が出てきちまうってのはねぇ…
読者にとっても運命の皮肉ですよ。

内容の傾向から言えば文芸で言う作家さんの名前を冠した
賞にある感じの俗っぽさと内面掘り下げをミックスした
感じの作風なんですが、御見事な事にこの作品には
そう言う作品にありがちな斜め上から見下す様な視線が
見当たらないんですね。
並行した視点が上手く絡み合って必要な陰影を作り出している。

参ったな。
続きを早く出して貰わないと精神的に飢えてしまいそうです。

12

その壁をぶち破れ

本屋さんで、表紙にぐいぐい引き寄せられました。
最近ジャケ買いで失敗したばかりなので少し悩んだものの、やはり買うことに。
1頁開いたカラーイラストのデザインに一目惚れ!
なんやこの往年のロックLPジャケットデザインみたいなカラーイラストは!
嗚呼、すっかりハートを鷲掴みされました。

中身ももう、ビックリするくらいハイレベルな絵で。
あるイギリスアニメを思い出しました。
日本漫画で言うと、モンキーパンチ風?
純日本な家の、縁側風景とか出てくるのに。
絵は完全に欧米漫画タッチという、不・思・議。

いくら絵が上手くても、話が面白くないとな~。
と思っていると、話もすごく面白い!
深いし、強いし、泣けるし、もう、上手く言えない。
初単行本だそうで、確かに粗削りなところもありますが。
それもまるっと含めて今後の期待も込めて、『神』だと思いました。

表紙の帽子、傘、ペンダントトップは、この物語の様々なキーワードたち。
帽子屋の沓名聡の世界、マフィア手下の柏葉リョウの世界。
それぞれがその世界に足を踏み入れた訳。
普通なら交わる事の無い二人。
それが過去の出来事やトラウマから、不思議な繋がりを持って。
スレ違い、交わり合い、繋がっていく。
その繋がりのキーワードの一つは、「一目惚れ」。
そんな普通な、でも普通ではない二人の物語。
とにかく上手いなぁ、と唸るばかり。

犬を拾う話が出てくるのですが。
私も以前、交通事故にあった犬を拾った事がありまして。
あ、その犬はすでに爺さんで、この漫画の小太郎は仔犬で、色々違いすぎますが。
うちの犬に顔が似ている事もあって、感情移入しすぎてしまいました。
犬はいいですね、賢くて、優しくて、本当に癒されます。
ちなみに、私も、ZAKK先生も猫派です(笑)

なんだかすごく、大きなパワーを感じます。
どんな世界でもそうなんですが。
こうでなければならない、とか、これは違う、とか。
人はどうしても、自分と同じ型にはめたがる。
そういう世界を狭めてしまう壁を、ドカンッとぶち破ってくれる一人だと思いました。

次回作がとっても楽しみです!

11

すごい、やばい。引力のある物語。

私、「やばい」っていう言葉、
あんまり日常でも使わないんですけど、
コレ読んでこう思うしかなかった。
手と目がとまんなかった。
すごい引力。
筆圧が強くてパワーのある絵柄。
強弱バランスがしびれるコマ割り。
そしてなんと言っても、
過去がチラチラと垣間見えるストーリー。
読後感は「興奮」の一言に尽きる。
早く続きを読みたい…!


最初は表紙絵柄のイメージで
何と無く海外モノかと思ってました。
しかし実際の舞台は日本。
帽子職人・サトルが、
道で行き倒れているリョウを助け、
拾ってくれたお礼にと、
人手不足のサトルの帽子店で
リョウが一日バイトをする、というところから
話は展開していく。

とにかく私は1話目からかなり引き込まれた。
先入観よりも読み易かったというのも
あったかもしれない。
そして、2話目では既に泣きそうになった。
一緒に生活してもお約束なBL展開に
すぐなったりすることはなく。
でもなんだかちょっとだけ感じる、
友情よりも愛情の部類に近いような香り。
「知ってる 知ってるぞ その感覚は」
この気持ちが根底にずっとあるんだろうなって
いうのを作中かすかにずっと感じる。
【一目惚れ】っていうのは、自分のことなのに
後からしか気付かなかったりするものだよね。
きっとここから先、二人が進んでいく中で
この感情が、もっと明確に自覚されていくんだろう。
過去の回想を見るにつけ、
一筋縄でそうなるとは到底思えないけれど、
その過程を見たい気持ちが抑えられない。

入り乱れる二人の回想は
ちょっと混乱しながら行きつ戻りつ読んだ。
よく読み返したら3話目って
全部二人の回想なのだね。
読んでるときは、それに何の不自然も
感じなかったから気付かなかった。
引き込まれるばっかりで。
いや本当にすごい。


レビューは書きにくかった。
言いたい感想や気付きは沢山あるのに、
書こうとしたら書けなくなるばかりで。
実際に感じた方がいい作品なんだと思う。
「萌え」よりも「ツボ」をつく感じだ。
でも描きおろしの『Shopping?』
はただの日常なのにとてもかわいい。
本編を含め、日常とシリアス、ギャグ絵と真顔の
バランスがたまらないのだ。
コマ割りとか台詞配分とかも
どこもかしこも期待外れないのが本当にすごい。


ストーリー重視の方、
ちょっと謎のあるお話が好きな方、
一癖あるBLを選びがちという方にオススメ。
逆にあまあまラブラブな展開を読みたい方には
全く趣味に合わないだろうと思います。
この巻では、ほぼBL的出来事は起こっていないし。
でも、ふと物凄くリョウがかわいいコマとか
はあるんだよなぁ…。

絵柄が独特で海外コミックの様な印象だったから、
私最初は読むのを迷ってました。
でも実際は読んで良かった。
そこで迷ってるなら読んでみてほしい。
一つのお話としてなんかもうドキドキする。
シリアス要素はサブリミナルの様に
小刻みにその存在感を発揮していて
全てが伏線に見えるほどに集中して読んでしまう。
とにかく引き込まれる。
すごくうまい。衝撃。
新人さんなの?もう、才能に感嘆する。

11

雨と狗と帽子屋

表紙の雨の表現がすごく好きです。
作家さんの新刊紹介のところで記事をお見かけしてからかなり気になっていた本でした。

中身は期待通りの自分の好きな白と黒の使い方の画面、
そして雨の表現も多用されているところがすごく好きでした。
もともと水の表現が多い絵が好きということもあって満足です!
そして煙の表現も好きでした。我ながら見るところがマニアックw

なんと言っても絵柄や内容、コマ運びが玄人さんと同じで、
新人と言われなければ分からないほどお上手です!始まり方が印象的でとても良かったです。
そして初コミックスで続きものというのもすごいですね~!
本当に今後が楽しみなかたです。OPERAさんグッジョブです!!

この作品の内容でいいなと思ったのは、
帽子屋がドがつくほどのノンケと作者さんがおっしゃっている通り、
ノンケな反応があるところです。
だからそういう方向にお話がすぐに進展しないのがいいです。
やばい、ノンケ好きセンサーがぎゅんぎゅん働いてしまいました!
これだよ、こういうの待っていたんです!作者さん分かってる~(涙)
「うーん…。本当にくっつくのかな、この二人…。」と作者さんがおっしゃるくらいの、
そのぐらいが丁度良い!!!そこはノンケ好きとしては強く希望です。
リョウのほうは多分ゲイ?なので、リョウのリアクションとかが、沓名の気持ちを少しづつ押し上げていくようなそんな風になるのかな。
沓名がタバコを吸っているのにキスしようとしたリョウのイヌ精神はなかなかのもの。
あのシーン萌えました~!!そして沓名の反応はやっぱりどノンケでニヤニヤ。

それにしてもリョウが帽子似合うな~!カッコいい。単純に見た目がカッコいいのがいい(笑)
沓名の帽子屋設定も職人っぽさと芸術家っぽさが混じっていて好きな設定です。

お話の展開としては、海外マフィアも絡んでいて、何らかの事件性をはらんでいるのもすごく気になるところです。
ほんとにほんとに次回が待ち遠しいです!

10

上手く言えないけど、この本スゴイ!

こちらのレビューを読んで興味がわいたので、7月はじめに購入。
即読んで、うわ!鳥肌!!!と思ったのですが、
いざ自分もレビューしようと思うと、この素晴らしさをどうやって表現すれば…?
となってしまっておりました~(アツクテ、アタマガハタラカナイノモアル…)
その後もステキレビューが続き、ランキングでもこの本の表紙を見ることができて、
もうもう、すごく嬉しい!!

きっと、
絵柄も読みなれたBL本とは違うな~と思うでしょうし、
エッチは脇役がちょっとしているだけで、
手軽に萌えを補給できる本ではないと思うのです。
でもこの本に出会ったら、多分、
十分すぎるほどの読み応えに脱帽で、作者に賛辞を!と感じる方が多いのでは☆


ふたりの過去のエピソードが、
物語の途中で沢山入れ込まれ、時間が激しく行き来して、
一読では、ん??と思うところが、わたしは多々あったのですが、
彼らをより理解したくて、気づけば何度も戻ってページをめくっていました。

BL本において、
悲しい過去が語られるという展開は決して珍しいものではないですが、
この本は単に悲しいだけでなく、
現在のふたりを構築している大切な過去、それが描かれていたのが素敵でした。
現在に繋がる転機や、大切な存在や想い、満たされた瞬間などが…

雨の日にふたりが出会う、その前にも、
それぞれの人生がしっかりあり、一生懸命走って来たのだと感じられることが、
キャラを魅力的に見せ、惹き込む要素になっているように思います。
(でもそこにページを割いているため、
この1巻では、BL的発展まではストーリーが進まないのですが…w)

そしてこの本は、
マシンガンのようにキャラがしゃべりまくるページがあるかと思えば、
セリフの一切ない雨に打たれるシーンがあったり、
マフィアに血に炎にと、シリアスで重いシーンが描かれていたと思ったら、
箸の使い方だの、同じ歯ブラシを使っちゃっただの、
かわいいエピソードがあったり。
温度もテンポも違う、
時には対極とも言えるシーンが次々に描かれて、最後まで読者をぐんぐんひっぱる。
そして、それらが上手にまとめ上げられているのもスゴイ。

色々書いてみましたが、
やっぱり時間が経っても上手くは言えないもんですねぇ…
要は、この本スゴイな!!鳥肌たったもん!!たくさんの人に読んでほしい!!
…ってところでしょうか…(アア、ブンサイガホシイ…)

10

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