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表題作朝とミーチャ(2)

ミーチャ=斉藤ドミートリィ,高校生,ロシアハーフ
朝ちゃん=三森朝彦,高校生

同時収録作品見返り、満ちる

あらすじ

危うすぎて、愛しい――相互依存。

愛することに怯えていた朝彦と、朝彦に出逢って愛することを知ったミーチャ。
ふたりの世界は、お互いだけがすべてだった。
「過去の男」との再会に動揺する朝彦に、ミーチャはただ寄り添い、一途な想いを打ち明ける。
その言葉に、心の奥底に沈んだ記憶と向き合う決意をする朝彦だが――。
危ういほどひたむきな相互依存愛、フィナーレ。

作品情報

作品名
朝とミーチャ(2)
著者
ビリー・バリバリー 
媒体
漫画(コミック)
出版社
フロンティアワークス
レーベル
ダリアコミックス
シリーズ
朝とミーチャ
発売日
ISBN
9784866570273
3.9

(79)

(35)

萌々

(20)

(12)

中立

(8)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
10
得点
299
評価数
79
平均
3.9 / 5
神率
44.3%

レビュー投稿数10

愛を知って強くなれる、救済の物語。

2巻は朝とミーチャ、それぞれが抱えていた傷の救済の物語、完結です。

朝が自暴自棄になっていた時に依存していたミカが、二人を壊すために登場。以前のミーチャだったら有無を言わずに殴り飛ばしていたはず、でもミーチャは殴りたい気持ちを必死に抑えて、ミカに朝への想いを語り「朝ちゃんは自分を変えてくれた、だから朝ちゃんも変われる」と…
ミーチャは朝に出会って本当に変わったんだなと、愛する気持ちってなんて強いんだろうって泣けました。

朝と久しぶりに会った叔父は、また大事なことを伝え合わないままになりそうなところに、ミーチャの言葉をキッカケに家族に戻れました。

そして腹違いの弟がミーチャに会いにきた。弟はちっこいミーチャみたいな姿で素直だしめちゃくちゃかわいいのに、ミーチャは自分を捨てた家族の一部を受け入れることができなかった。でも弟も寂しさを知っていることに自分を重ね、「さみしいって言え」とアドバイスをして「お友達になって。やっぱりお兄様がいい」という弟を抱きしめる。(この弟が本当にかわいい!)
このシーンは、ミーチャが自分の傷を抱きとめているように見えてジーンとしました。

2巻はバカップル二人のそれぞれの家族との関わりがストーリーの中心で、ラブストーリーとしての見所は1巻にあるかもしれません。
でも1巻で二人の刹那を見てきたからこそ、2巻の救済が心に沁みてきます!愛することを知って、二人は強くなったんだなと。
傷だらけでも手を取り合って笑いあってる表紙の通りのお話でした。

巻末にミカとエリのショートストーリーが載ってます。
ミカはエリの兄を想っていたけれど事故で亡くなり、傷ついて自暴自棄になって生きてきた。それをずっと見守ってきたエリ。そしてミカは傷ついて遠回りしてエリを受け入れる。二人の結末はハガキ一枚だけで終わりだったのが残念…
恋人になってからの二人をもっと見たかった。

『ばら色の研究と花喰らふきみ』にミーチャと朝の成人編が載っています。
成人編をキッカケに過去編の連載が決まったそうで、描かれたのは成人編の方が先になります。
成人編はバカップルがいちゃいちゃしてるだけでおもしろさがわからなかったけど、過去編を読んでから読み返すと、この二人はずっと一緒にいて、相変わらずラブラブなんだなーって嬉しくなりました。

6

みみみ。

ayaayacさん

こんにちは!コメントありがとうございました^^

浸っちゃいましたね。。。゚(゚´ω`゚)゚。ばら色〜の短編からこんなガッツリ読めるとは。3冊をぐるぐる読み回してまだ余韻に浸ってます。
傷だらけで危なっかしいけど可愛い子たちでした(お母さん目線。笑)

ミカエリ編、私ももっと見たい〜
ハガキ1枚じゃ残念過ぎます!

「空」から「大地」へ。

うわー
書影が出た段階でちょっと泣きそうだったんですが、中身も良かったです!
(2冊で1つになる帯デザインもいいね)

1巻のレビューに「病んだところは残しつつも、がんばって変わろうとしているところがイイ」と書いたのですが、この作品の良さ、やっぱりこれに尽きます。
共依存から相互依存へ。
刹那から永劫へ。
そして、今にも空に飛んでっちゃいそうだった空っぽの身体は、愛でぎゅうぎゅうに満たされて「大地」へ。
繊細で、不器用にしか生きられなくて外界をシャットアウトしてた子達の世界が、しっかりと回り始める第2巻です。

今改めて1巻を読み返してみて、好きだなぁと思うモノローグがあるんです。
「ちがう これじゃないのに 汚いもので満ちていく」
ミカに拾われて自暴自棄になっていた頃の朝ちゃんの言葉です。
自暴自棄になりながらも朝ちゃんが求めたものは、“そういう”目を塞いで心を誤魔化して生きるような生き方じゃなかった。
そんなもので満たされるくらいなら死のう、と学校の屋上へ行き、そこでミーチャと運命の出逢いを果たすのですが、この時の朝ちゃんの気持ちが2巻を読んだ今ようやくしっかり掴めた気がします。
ミーちゃんに出逢うまでの朝ちゃんは叔父さんに対する依存心を拗らせて確かにちょっと病んでたと思うんです。
「愛されたかった。」
でもミーちゃんに出逢ってそんな欲求が吹っ飛んでしまった。
「愛したいと思った。」

もしかしたら冒頭の私の書き方はちょっと誤解を与えてしまう書き方かもしれないんですが、朝ちゃんとミーちゃんの関係には最初から、共依存的な匂いも刹那的な匂いも空っぽな匂いもしないんですよね。
2人の関係は最初からずっと変わってはなくって、出逢ったその瞬間こそが朝ちゃんにとってもミーちゃんにとっても色んな全部の「転換点」(=新しい始まり)になったんだ、っていうお話なんです。
その一点からゆっくりと波紋が広がっていくように、2人の閉じていた世界に変化が広がっていく、っていうそんなお話。
表紙やあらすじからの雰囲気的には一見ベタベタのラブストーリーっぽく見えるんですが、重きは意外と人間ドラマの方に置いてあります。
優しく澱みが浄化されていくようなとても素敵なお話でした。
ミーちゃんの弟(めちゃかわ!)とのエピソード良かったなぁ。

そして、この作品の中で私的に一番気になる存在のミカ(帝)。
1巻の時点で何か抱えてることが仄めかされていましたので、彼もちゃんと救われるのかな?と気がかりに思っていたのですが・・・
彼の過去話が番外編として収録されています。
これは…なんだかスピンオフが期待できそうな振り?
胸と首の縫合痕は身体改造(Body Modification)かなぁって思ってたけど、なんだかそうではなさそうですね。首は分かんないけど胸は確実に。
ミカの話も読めるといいな。

最後にちょっとお節介かもしれないけど、共依存と相互依存について。
どちらにも依存と付いているせいかごっちゃにされがちですが、共依存というのがいわゆる病んだ依存状態なのに対して、相互依存というのは理想的な恋人関係・パートナー関係のことを指します。
ここがごちゃ混ぜになっていると作品の読み方がズレてくると思いましたので、お節介ながらここでちょっと触れておきたいと思いました。

【電子】ひかりTVブック版:修正-(描かれていない)、カバー下なし、裏表紙なし、特典なし
※ebj版にはペーパーが付いているようです。

6

ayaayac

こんにちはー。
みみみ。さんの深いレビューでさらにジーンとしました!
1-2巻通しで読むとほんと世界観に浸っちゃいますよね。絵が美しいのでとくに。

>>書影が出た段階でちょっと泣きそうだった
わかります!わかります!二人の心象風景を具現化したような表紙ですよね。私は読んでからまじまじと見て泣きました…

それと共依存と相互依存の違い、勉強になりました。
ミーチャと朝ははじめは共依存だったかもしれないけど、相互依存に変わっていくんでしょうね。
みみみ。さんのレビューのおかげでますます作品が好きになりました。
ありがとうございますm_ _m

愛おしいコワレモノ注意たち

一度目に読んだときに胸が痛みすぎて、なかなかもう一度読もうという気持ちになれなかったのですが、再読したのでレビューを残しておこうと思います。

何でしょうね。
ビリー・バリバリーさんって、トラウマやどうしようもない喪失感や孤独を描くのが上手すぎる。
上手すぎて、まるで自分がそのトラウマを持っている張本人かのように思えてしまう。
どうやって抜け出せるんだろう、どうやって救われるんだろう、とぐいぐい引き込まれて、最後は主人公と一緒に自分も浄化されて昇華するみたいな気持ちになれます。

そして絵が美しすぎる。
どの作品も美しい。
特にこの作品のミーチャは際立って美しい。
こんなに美しいのに、いらない、捨てられた子どもとして生きてきたなんて…。
おばちゃんが拾いたかったです!
と、乱心してしまうくらいに美しいです。

本作では朝ちゃんの過去は詳細に描かれていますが、ミーチャの方は断片的にしか描かれていません。
父親は知らない、母親にも捨てられて、親戚からは腫れ物のように扱われてボロアパートに一人暮らし。
他の作品であれば、外見の美しさから年上の女性に飼われたり、それこそ朝ちゃんが飛び込んだsex, drug and violenceな世界にどっぷり浸かっていてもおかしくない。
だけどそうじゃないようで、そうじゃなかったからこそ朝ちゃんがより特別に思えたのだろうなと思いました。
きっとミーチャが朝ちゃんの破天荒時代のような生活を送っていたら、朝ちゃんの存在も「通り過ぎていく中のひとり」でしかなかった気がするのです。

ひとりになった後も叔父さんという孤独を癒す存在がいて、その相手から逃げた後もミカという執着し合う相手がいて、でも満たされない。
少しずつ死んでいくというミカに引きずられるように、両親が死んだときに自分が助けられたのは間違いだった、自分は死んでいて然るべき人間だったと死を決意した瞬間に朝ちゃんが出会えた天使は、朝ちゃんと同じようにずっと「ひとり」だったけれど、朝ちゃんのように「誰といてもひとり」ではなくて、「本当にひとり」だったからこそ、排他的な「ふたり」になれたんだろうなとしみじみ思うのです。

盲目的に「このひと!」という設定は大好きで、それが攻め受け両方となったらダブルでおいしい。
ヤンデレ風味にも魅力を感じずにはいられないので、トリプルでおいしすぎる。
そしてこの作品を読んだ後にぜひとも「ばら色の研究と花喰らふ君」に収録されている番外編?続編?を読んでほしいのです。

控えめに言って、すごく良い。

出会いの瞬間の話がより詳しく朝ちゃんとミーチャ、それぞれの目線で読めます。
さらにその後のふたりの様子も読めます。
痺れます。
ぜひ。

3

ミカ・エリに萌えた

一巻の二人は、互いの物凄い吸引力とともに二人だけで遥か遠い別世界で生きているような感がありました。
その空気感がたまらなく好きだったんです。

二人のハッピーエンドは既に「ばら色の研究と花喰らふきみ」で数年後の幸せそのもの、穏やかで愛に満ちた同棲生活を送る二人が描かれているので知っている。
なのでこの二巻は、一巻のような人を寄せ付けないどこか遥か彼方の別世界で生きているような状態の二人と「ばら色の研究と花喰らふきみ」で描かれているような幸せに満ちて、地に足を付けた二人という隔たりを埋めるエピソードが幾つか描かれていました。

それぞれ抱えている孤独や心の傷から逃げずに向き合い始めます。一人だったら出来ないけど二人だから出来る、そうして二人で変わっていきます。

ただ二人が一蓮托生を確認しあうような台詞が全体的に長くて、全体を通じて語り過ぎのような気がしました。なのでここぞ!という胸を突き刺してくるような決定的な台詞がかえってないというか…。

例えば「大好きだよ、朝ちゃんしかいない〜ボクをひとりぼっちにしないで」というシーン。コマも大きくて多分重要な見せ場・盛り上がったシーンだと思うんです。でもすぐ後に「朝ちゃんの瞳に僕ってどう映っているのかな」〜とこれまた愛全開の台詞が4ページ位続いているので、え、まだ続くの…?みたいな感じ。なのでせっかくその直前の盛り上がりも印象が弱くなってしまい何だか勿体無いし、結果的に大きな見せ場がなくなってしまったような気がします。

朝とミーチャカプよりも、ミカとエリカプのほうが読んでて萌えてしまいました。エリの笑顔が一番記憶に残っているし、こっちの二人の話をもっと読んでみたくなってしまった。
ミカの胸と首元の傷跡のようなもの、これが重要な意味があると思っていたのだけど何も触れずに終わってしまった。

あれはなんだったのだろう?大切な人を失った事に対する自分への傷という意味で刺青なのか?とも思ったけど、高校生時代から既に入っている…。かなりの事故、あるいは大病を患っていたのだろうか?
スピンオフ希望です。

一巻がものすごく好きで、二巻もめちゃくちゃ期待していたのだけどちょっと違ったなぁ…というのが正直な感想です。もう少しカタルシスを得られるかと思っていました。

8

読み終わって、表紙で泣く

なるほどなるほど!一巻で今一つ分からなかった朝ちゃんとミーチャの家庭環境や二人が出会うまでのことがそれぞれ描かれていました。普通は不幸な生い立ちのキャラってどちらか片方な場合が多いので、そちらだけをじっくり掘り下げていくパターンが多いと思いますがこの二人の場合はどちらも可哀想な生い立ちなので、後から描かれたミーチャの方はちょっと駆け足気味で物足らない気もします。無理矢理この巻で終わらせずにもっと続けて欲しかったです。

それにしても、二人が出会えて本当に良かった。朝ちゃんにはミーチャ、ミーチャには朝ちゃんが絶対に必要な人だったのですね。お互い、二人だったからこそ変われたし、乗り越えていけるんだって、ひとつのエピソードが終わるたびに二人の成長を喜ばしく思いました。

叔父さんとのわだかまりがなくなって、晴れ晴れとした顔の朝ちゃんは急に可愛い男子高校生になってましたね。

エリと帝は、あっさりと葉書だけで終わらせていますがこちらはスピンオフ希望します。朝ちゃんに対しては帝が攻めていたようですが、エリには帝をガンガン攻めて欲しいです。


2

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