• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作苦いのテーマ

(※リバ)新
トリマー専門大生
(※リバ)中谷 夏樹
大学1年

同時収録作品苦いのテーマ

三浦 涼真
大学3年, アウトドアサークル代表
中谷 夏樹
大学1年

その他の収録作品

  • 甘ずっぱいをもう一度
  • 甘いのはじまり(カバー下)
  • あとがき

あらすじ

中学の頃からお付き合い中&同棲を始めたばかりの新と夏樹の前に、最高にカッコいい先輩が現れた。
新いわく、「抱かれたら気持ちよさそーな体」の男。
でも、夏樹は「自信に満ち溢れてるヤツ」「だから苦手」。
だけど、新抜きで参加した大学のサークル合宿で先輩の優しくて、影のある一面を知った夏樹は、本能的に惹かれるまま、先輩とセックスしてしまいー。

彼しかいらないのに、彼以外に抱かれたい
ーリバ男子のいびつなトライアングル
幸せ。だけど、ホントは飢えてる。
おバカでラブな二人の世界が、一人の男によって激変するー

作品情報

作品名
苦いのテーマ
著者
阿部あかね 
媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイコミックスデラックス
発売日
ISBN
9784799734667
4.1

(179)

(106)

萌々

(29)

(24)

中立

(9)

趣味じゃない

(11)

レビュー数
33
得点
727
評価数
179
平均
4.1 / 5
神率
59.2%

レビュー投稿数33

怒りのぶつけ方に不謹慎だけど萌えた

 こういう話を描いてくれる阿部先生ってやっぱり貴重だなぁとしみじみ思いました。過去に浮気されたキャラやしていたキャラ、そもそもビッチとして登場するキャラは珍しくなくても、現在軸で相思相愛の恋人がいるのに浮気してしまうキャラを商業BLで描くのって勇気がいるんじゃないかなと思うんです。メインキャラ、特に受けには潔癖であってほしい、攻めに一途であってほしいという読者が多いはず。そんな私たちに、現実には浮気のきっかけはその辺にごろごろ転がっているのだと突きつけてくる作品でした。

 脅迫されたわけでもない限り、恋人以外に心や体を許したらすべて浮気。その通りです。ただ、私個人としては2種類に分けられるかなと思っていて、恋人への気持ちがすっかり冷めていて新しい恋を積極的に求めている浮気と、恋人とは心地よい関係が築けていて、ただ時々刺激が欲しくなったり恋人との関係に不安を感じた時にそれを忘れようと衝動的に他人を求めたりする浮気があるのかなと。

 夏樹の場合は後者なんですよね。新しか知らなかった彼はまだ大学生で好奇心旺盛だし、面倒見のいい先輩はさぞ魅力的に見えるでしょう。でも浮ついた心の根幹には、新との安定した生活、安定した関係性があり、涼真といる間も自分がそれを手放せないことはずっと心のどこかで感じていたはず。新のことを一瞬忘れたという台詞も涼真との会話で弾みで零れた言葉で、本心ではなかったでしょう。

 新にとっては浮気は浮気で、自分には何の非もないのに傷付けられたというのが事実です。ただ、私はこの1件で夏樹は二度と浮気に走ることはないんじゃないかなと感じました。大事なものが当たり前になりすぎていて感覚が鈍くなったり向くべき方向を見失ったりしていたけれど、実際に他人と寝てみて、新に怒りをぶつけられて、義務ではなく人生で自分が本当に大切にすべきものにしっかり焦点が定まったように見えました。楽観的な見方かもしれないけれど、私は2人が今までより1段階深い関係になれたのだと思います。

2

一読の価値のある作品でした!

ずっと気になっていた1冊
お安くなっていると知り、気になる沢山の声も読み背中を勝手に押されて購入

多分、ずっと悩んでいた人は買って読んでみた方がいいと思います
この作品の持つテーマを知りながらも「気になっている」なら多分買い!
そもそもダメな人はずっと悩むほど「気にならない」のかな?って思うんです

買って良かった点はこんな形での終わりかぁーっていうのを知れた事
この終わりが良い悪いは賛否あるだろうと思います

私は「頑張れ!」って思いました
選んだその道は多分浮気をした以上に「いばらの道」
ずっと後悔と相手への贖罪を大好きな人なのに持ち続けていかなきゃならないって相当辛い…
何かやってもいない罪を執拗な取り調べに耐えかねて自白してでも解放されたい!って思うような感覚になってしまって、最悪戻したヨリをまたほどいてしまいそう…
そうならないように「頑張れ!」でもあるし、そうなったらなったでそれからを「頑張れ!」とも思う

ゲスい内容だし3人が3人とも完璧な善人じゃない
だからこそきれいごとじゃなく見れて人間臭さを感じます
善人じゃないけど悪人でもないと思うんです
なので読んでる私にとっては不快じゃない
うん、やっぱり読んでみて良かった作品でした

3

最低だな…

最低だなって自分でも思うし、顰蹙(ヒンシュク)覚悟で言っちゃうケド。。。
理想的な浮気ものだった…‼

浮気に理想なんて無いよ?
知ってる、分かってる、、、
…ワカッテル……んです…よ…?

浮気する人→なっちゃん(リバ)
浮気される人→あらた(リバ)
浮気相手→涼真くん(攻め)

これのどれか、またはどれも、の立場を知ってたり何なら思い当たる経験があってこの話を読むと多分色んな感情が渦巻くすごい「テーマ」のお話し
そして、読後は様々な感情が読み手によって生まれるんだろうなぁって思います

私の感情は…「そっか、アレ苦かった」んだっていう事を気付かされるような感覚
あの想いは狂おしいでも苦しいでもなくて「苦かった」
そっかぁ・・・と、ぶっちゃけどの立場からも考えて、納得してしまいました

普段BLは俯瞰してキャッキャウフフ♡するタイプの私にとっては大分入り込んで読んじゃったお話しでした
ほんと、3人のどの立場で読むかで感情のベクトルは全く違う先を示すから…だから第三者視点で言うなら「最低だよ」って3人それぞれに言いたい
でも3人の内の誰かの視点で言うのなら「良かったね」って胸を撫でおろしちゃう

真剣に想い合って時間を重ねて来た2人の関係でこんなにもキレイな浮気のその後なんて滅多に無い、、、真剣だったからこその反動がそれ相応起こるハズだし、やり直すって域に達するのって相当苦しいし、後々を考えるし、、、結局キレイに忘れ去る事なんて出来なくてずっと喉に刺さった魚の小骨みたいに引っ掛かってしまう気がする
小骨が刺さってるのが両方なのか、片方なのかでも、全然違う関係性に変化してしまう。。。
でも、この作品の中ではみんな強靭な喉筋(←そんな筋肉アリマスカ??)でその小骨を木っ端微塵にしてくれたような終結
実際ボッコボコに物理的にしてたしね…

言わば、いいトコ取りだし偽善的な終わりなのかも知れないな
しかも若干力ずくのホントの意味での「パワープレイ」も炸裂(゚д゚)‼
現実から目を背けたい卑怯な私にはこんなアリエナサが「理想的」に映ってしまったのかも知れません

ずっと「読みたいな!」と「どうしようかな?」を繰り返して来てたこのお話しだったのですが、すごい興味を惹かれるレビューを拝見したのと、ちょうど他にも1作そちらは不倫でしたが心移り作品を読んでいた事、そして読みなさい!と言われているかのようなセールとシーズンくじ結果、、、全てが重なったので今回読んだこの作品

おススメしたいーーー!という類の作品ではないかも知れませんが間違いなく私にとっては読んで良かったお話しです
読む人にとっては軽い内容にも見えるかも知れないし、深いお話しにも見えるかも知れない
私にとっては自分だけの「避難所」のような作品でした
時間の経過が教えてくれた「苦み」が持つ意味
大人になったもんだな、私も・・・。



1

苦いは毒

甘味 塩味 酸味 うま味 苦味

甘味、塩味、うま味、はエネルギーとして本能的にお子様でも美味しく頂けます。

しかし苦味は基本的に毒のシグナルなので食べられません。不味いのです。
では何故、苦味は大人になると美味しくは食べられるのか?
それは「経験」です。
経験することで、苦味は安全→美味。と変化します。
つまり…………… 浮気に対して能動的、または受動的に関わった読み手側の経験または価値観によって読後感が変化する作品だ。
と、ビールが飲めない私は思う訳です。

同棲ラブラブな新と夏樹の前に現れた、身体も性格も男前の 涼真を巻き込こんだ痛悔ストーリーです。

幼馴染で長く付き合って、大学生と専門学校生で人間関係も変わる20歳前後のタイミングって心に隙が出来ますね。
先に涼真と出会ったのは新。
憎い演出だわ。
新は涼真と出会った事を無意識に夏樹伝えない。
何故? 無意識に比べたのでしょうか。
でもね、本当〜に涼真は良い男なんですよ。

阿部あかね先生は良い男を描くのがとてもお上手ですね。

好きな人と付き合ってる最中、2次元3次元問わず心が少しでも移ることは有りませんか? 例え手の届かない「推し」が、もし届きそうなら…!?
推しが自分だけの隙を見せてくれたら?
まだ20歳、未来は無限大、そんな勢いがあったら?
日常が変わるかもしれない。
手を出してしまうかもしれない。

手を出したら…残るのは 罪悪感 です。

夏樹が痛々しいですね。 どちらが加害者だか分かりません。
じゃあ手を出すなよ!?
うん、本当その通り、間違いない。
だけど…人間だもの……………。
勿論、夏樹の行為は最低!新の気持ちを考えろ!裏切り者!
…けれども…何だか、ほんっの少し先っぽだけでも心移りを理解してしまうなんてブラックコーヒーが飲めない私は思う訳ですよ。

ラストは茨の道。 1年後5年後10年後、二人を繋ぎ止めているものは愛か?情か?執着か?

今リアルタイムで「浮気」が起こっている方は要注意かもしれません。 浮気は心が抉れますからね。


ちなみに酸味も腐敗のシグナルなので経験ですよ。 御腐人様BL食わず嫌い良くない!

2

苦味の前と後

ずっと一緒でらぶらぶ、2人の新生活楽しみ〜と導入部できたので、波乱がくるのね…と身構えました。

Prologue1〜4で、4人の紹介、状況がわかって、いざ、Episode1が始まる…というところで、涼真が2人にどう絡んでくるの?とドキドキで。

何度か合間に挟まれる「ラブリーコーポ I」の文字がじわるやら、ビビらされているような気がするやらw

夏樹が涼真に惹かれて誘う場面はスリリングでした。
ダメだと思いながら抗えない興奮が伝わってきた。

夏樹は新とのセックスしか知らなかったし、魔がさしたというか、涼真の魅力に当てられたというか。そう描かれている気がしました。

その後、関係が続くのも。
怖いと泣く夏樹も。
わかる気がする。

これまで阿部先生が描くダメ男にはイラッとすることが多かったし、浮気は嫌ですが。
夏樹を責める気にならないは、後悔や自責の念を本人が感じているからなんだなと。

新に浮気がバレてボコられたのが怖かった。
暴力シーンがなかったのがまだ救いだけど。

涼真はそこまで悪い奴じゃないですよね。
付き合っている奴がいるとわかると、夏樹とするのを止めたし。
新に会いに行って、夏樹が新を大事に思っていることを伝えたし。

「誰とでもヤるよ お前とでも。」
「やるか? 一発。」
は涼真のウソよね。
語尾に「。」がついてるし。
自分がクソみたいな奴だと思わせようとしたんですよね。

新は夏樹と距離を置いて、また始められてよかった。
雨降って地固まる…ですね。

確かに、苦いテーマだった。

でも、苦いと思えるのは、その前と後に甘さを感じることができているからだとも思いました、

あとがきにあるように、涼真にも幸せになってほしいです。
何ならスピンオフ読みたいです。

1

この作品が収納されている本棚

ちるちる評価ランキング(コミック)一覧を見る>>

PAGE TOP