官能小説家と俺の“言えない”お仕事

インディゴの気分

indigo no kibun

インディゴの気分
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神87
  • 萌×216
  • 萌7
  • 中立3
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
15
得点
523
評価数
115
平均
4.6 / 5
神率
75.7%
著者
 

作家さんの新作発表
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媒体
BL漫画(コミック)
出版社
祥伝社
レーベル
onBLUE comics
発売日
価格
¥680(税抜)  ¥734(税込)
ISBN
9784396784225

あらすじ

担当編集×若き日の官能小説家
[ポルノグラファー]過去編スピンオフ!

官能小説の編集者・城戸は、
大学の恩師の葬儀で、同級生だった
純文作家の木島と再会。

創作に行き詰まり困窮している木島に
城戸はポルノを依頼してみるが、
出来は濡れ場が5行で終わる始末…。

そんな折、木島は城戸の頼みで
ポルノ作家の大家・蒲生田のもとへ
弟子入りにやってくる。
そこで悪趣味で鬼畜と有名な蒲生田に
「あること」を命じられた二人は、
一線を越えた関係になってしまいーー。


『ポルノグラファー』から遡ること十数年。
凡人の憧れ×天才の孤独を描いた
城戸と木島の“言えない”過去の物語。

表題作インディゴの気分

城戸 士郎,ポルノ小説担当編集者
木島 理生,スランプ中の小説家

同時収録作品ポルノグラファー補遺(其の壱,其の弐)

久住 春彦,サラリーマン
木島 理生,小説家

評価・レビューするAIの精度がアップいたします

レビュー投稿数15

まさに、「インディゴの気分」

『ポルノグラファー』同様、クスリと出来る場面が多いものの、読み終えた途端に感じた気持ちはまさに『インディゴの気分』……そういうお話です。

描き下ろしとして収録されている、ポルノグラファー組のお話2本は、久住くんの嫉妬が可愛らしいです。
「久住くん、若いなぁ……可愛いなぁ……」と、母のような気持ちになって読みました。

2本目のお話は特に、ドラマ版でも観てみたかった……
(ドラマ版『ポルノグラファー』まだ観ていない方には、是非観て頂きたいです)

1

こんな過去が!でも読んで良かった。

ポルノグラファーの過去編と久住とのその後のお話です。読みごたえがありました!

大学の恩師の葬儀で城戸と再会した頃、木島がまだポルノ小説を書く前からスタートします。

なんだか…。お互いにある意味必要な存在で必然な関係や出来事だったのかもしれませんが。
城戸が彼女と結婚するため木島を蒲生田に差し出すのがどうも。
いや、結果的に木島にとっても蒲生田にとってもお互いにかけがえのない存在になったし、木島のポルノ作家デビューにも、実の父の死に目に会えなくその分尽くしたい部分でも良かったのですが。

城戸は結局木島を売って得た転職話を取り消し結婚もなくなります。その後に出会った女性と家庭を持ち子供にも恵まれます。

複雑ですね。城戸が木島と微妙な関係を持ちつつ。まあ後に木島にとっては城戸が唯一頼れる?知り合いになるのですが。二人にこんな過去があったとは!

蒲生田もいい味を出してましたね。木島がこんなに尽くすとは。でもポルノグラファーではスランプからかまた無気力さんになってます。

久住とうまくいってるようで良かったです!久住が就職してからお付き合いを申し込んだり、一緒に住もうと言ったりこちらも嬉しいです。木島は同居が気が進まないようですが。

木島の車がヤりカー仕様なのはなぜ?2年以上振りの再会なのにすんなりできちゃうのは?
謎です。

過去編はあまり読む機会がなく一度ハッピーエンドで終わってるので抵抗もあったのですが、このお話は非常に読みごたえがありました。

ときどき城戸と木島の見分けがつかなくなるときがありました。木島とメガネ外してるのかな?とわからなくなったり。

ポルノグラファーもインディゴの気分も本の装丁がとてもいいですね。装丁に凝ってる本は読むのがさらに楽しみになります。

2

後から描かれたとは思えない、木島理生の人間性を突き詰める物語。

『ポルノグラファー』の木島は捉えどころのない不思議な人でした。
今作では、『ポルノグラファー』で編集として登場した城戸と木島の訳ありな過去が描かれています。
別な男との恋愛、しかも恋人にならない話ってどうなのかなと読むのをためらってましたが、紙本を手に入れる機会があって期待せずに読んだら、文学作品のような重みがあって、『ポルノグラファー』の奥行まで広げるストーリー!
これは読んで良かったです。

城戸と木島は大学同期。
城戸にとって木島は、女を寝取られ、木島の才能によって小説家の夢を諦めた因縁深い存在。
なのに再会した木島は城戸のことを覚えていないし、文学賞を取った華々しい過去から一転、スランプに陥り、生活にも困窮している。
そんな木島に城戸は官能小説を書いて稼ぐことを勧める。

そんな時、城戸は上司から転職を餌に、死にゆく作家の遺作原稿を取ってくることを命じられる。エロ小説編集からビジネス誌編集になれたら仕事を理由に振られた彼女を取り戻せるかもしれない。
城戸は自分の未来のために、木島を小説家の弟子として送り込んでまで遺作を取ろうとする。

木島は最初は老人の世話なんかって言ってたくせに、作家の前に出ると弟子になりたいと挨拶し、作家が出した城戸への尺八(フェラ)の無茶ぶりまでやってのける。
その後、欲望が止まらないまま二人はホテルへ…
木島は来る者拒まずで経験豊富でも、去る者も追わないし、欲望の激しさなんて理解してなかったはず。でもこの時の木島は間違いなく城戸を求めていた。
木島の城戸への想いはシリーズのどこにも触れられてないけど、木島は城戸に惚れていたと思う。
だから城戸が結婚のために自分を利用したことが許せなくてヒステリックにわめき、その後、城戸は結婚も退職も辞めて木島の担当のまま関係も続いたものの、城戸が家庭を持って別の人生を歩むのに比例して、木島はスランプになっていったんだと思う。

木島が反発したまま父を亡くしたことをどこかで悔やんでいて、それが老作家への献身になっているのも、木島の内面を覗けたような気がします。

丸木戸先生のあとがきによると、城戸と新キャラでスピンオフを作る予定だったのを、城戸の木島に対するモヤモヤした想いを突き詰めることにして、この話を描いたそうです。(私には木島の城戸に対するモヤモヤした想いに受取れましたが…)
ってことは、後付けの設定もあるはずなのに、城戸と木島の過去として全く違和感がない!
それどころか『インディゴの気分』の過去があったからこそ、投げやりで捉えどころのない木島になったんだと、”木島理生”の人間性まで突き詰めて『ポルノグラファー』に繋げてるのがすごいです!

城戸にとっても、木島にとっても、あの時の衝動はずっと熾火のように燻っていくはずで、余韻を引きずります…
この余韻はそのままにして欲しかったから、春彦と木島のその後はこの本では読みたくなかったなぁ。

8

スピンオフというより、こちらが本編と言いたい!

前作の『ポルノグラファー』もとてもよかったのですが、クズやゲスに萌えを滾らせる私にとっては久住の真面目さや一途さが誠実すぎてちょっと萌えきれなかったし、木島の行動もなんだかちょっと突飛に感じていて違和感を感じていたのですが『インディゴの気分』を読んで欠けていたピースがはまったようにしっくりしました(こちらだけ読んでも前作以上の読み応えがありますが、両方を並べて補完しながら読むと、あまり感情を表現しない木島の気持ちが見えてきて二冊ともさらによくなるので、まだ未読の方はぜひ両方読まれることをオススメします!)

どうして木島はスランプに落ちてしまったのか?なんで意味のない口述筆記などさせようと思いたったのか?そもそもなんで官能小説なのか?などの前作の宿題を補う以上の完成度で、とても読み応えがありました。

そこで鍵になるのが、編集者城戸の存在です。きっかけはお金だったにしても、彼の誠実さに惹かれたがゆえに見下していた官能小説に対しても考えを改め、また、師となる蒲生田に出会い官能小説作家として再帰するまでになり、気持ちも城戸に傾いていたのに、社会の目を恐れ、常識から外れることができず、思ったままには生きられない城戸に裏切られ、一度は歩み寄るものの、結局、社会のしがらみから抜け出せず常識人として生きる道を選んだ城戸に取り残されてしまう。

グズやゲスはある意味特別な人間がなるものだと考えていましたが、一般人であろうとするためにクズになってしまうタイプが1番相手を傷つけているのかもしれないとこの作品を読んで思いました。

傷つけられ辛い思いをしたのは木島の方なのに、誰かを宝物と思えるまでに木島が幸せを感じることができている一方で、思うがままに生きられず、燃え尽きることができなかった想いを燻らせ続けている城戸が哀れでたまらない気持ちにさせる、何ともいえない余韻を残す名作でした。

6

官能小説家の過去を記した文学

 木島が純文作家から官能小説作家に転じた経緯を、木島と城戸の再会から蜜月までと重ね合わせながら描かれたストーリーでした。結論から言うと、非常に読み応えがあります。とにかく全ての展開の理由付けがしっかりしているというか、とてもナチュラルで、本当に一冊の小説を読んでいるかのようでした。

 前作を読んだ時は、ふらふら危なっかしく人間性にも難のある木島を、城戸が面倒を見てやっていたのかなと思っていたのですが、今作を読んでかなり2人の印象が変わりました。城戸に共感できなくはないですが、客観的に見ると結構酷い男だったんですね。自分の婚約をスムーズに進めるための転職の条件として、官能小説家としてベテランの蒲生田の最後の作品をとってくるよう言われ、更にそれを成功させるために木島を全く書く気のなかったジャンルに放り込み、しかも彼女とよりを戻したことは言わないまま木島に手を出すというクズっぷりです。蒲生田はそれを分かっている上で引き受けたので問題ないのですが、何も知らなかった木島の気持ちを考えると何ともやりきれない感情になります。でも、そこまでの流れが凄く人間味があって、ただ城戸を責める気にはなりませんでした。木島が蒲生田の弟子になれたことも、城戸の思い付きのおかげでもありますしね。蒲生田と木島の関係性は温かみがあって、大好きになりました。木島と城戸がそういう行為に及ぶのも、毎シーンとても自然な流れに思えて、改めて丸木戸先生の人物描写スキルの高さを感じました。さすがに仏前でヤるのには驚きましたが、蒲生田の最後の望みなら仕方ないですね(笑)。その望みも蒲生田らしいな、と。

 結局嫁と子供ができても未練が多く残っているのは城戸の方なんだ、というのが切なさもあり納得できる部分でもありました。木島の方は思い返すことはあっても、もう久住との新しい関係にしっかり気持ちが向いているんですね。淡々としているように見えた前作から、ずっと人間らしく描かれていた木島にすっかり魅了されたので、久住と末長くやっていって欲しいなと願います。久住の知らない木島の過去をこっそり教えてもらったような気持ちになる作品でした。

4

前作も既読ですが。

作家ものが本当に大好きなので前作も既読ですが、正直前作は微妙でした。
気持ちがそこにあるかもしれないですが、自分が攻めだったらここまで嘘つかれて馬鹿にされていたら無理だなあと思ってしまいまして。

その記憶はあれど、装丁のお遊びがたまらなかったのでコミックスで欲しくて購入。
こういう装丁楽しいですね。素敵。

内容も前作よりも小説を読んでいるようでたまらなかったです。
この二人がもうどうにもならないのがわかっていて、逆にそれが切なくていい感じでした。
続編ではあれど、全く後から足しましたという感じがなく、個人的にはこっちが本編では?と思えそうなほどしっかりした内容で。
すみません、完全に前作が霞みました。
本当は神評価ですが、前作に続くと思うと少しマイナスで。

まあ、実らない方が結果的には良かったのかもですが。

3

曖昧な関係が大人っぽい

私は先にこちらを読んで、その後にポルノグラファーを読んだので、城戸に対しての気持ちがそれほど悪くないかもしれません。
城戸と言う男がとても小さくて、ズルい奴と言う印象は変わらないのですがそれでもこの作品の当時は二人の中にはやはり確かに愛情もあって、尊敬もあって色々なことを経て自然にそれぞれのパートナーとの出会いに繋がったんだなと思うとやはりこの二人はこの二人でいいカップルに思えました。

ポルノグラファーでは最初から色気のある作家として登場している木島ですが城戸とのこういう曖昧な関係が今の木島を作り上げたんだなと天国の蒲生田先生にでもなった気分で読んでしまいますね。

やはり、読む順番はポルノグラファーが先の方が良さそうです。

3

手練れのムード

前作「ポルノグラファー」からの本作「インディゴの気分」の流れ。
木島がどう木島になったのか、城戸とは何があったのか、それを遡って創作し皆を唸らせる。
離れ技的に上手い!と感じる。

時は遡ること十数年、木島が純文学小説家として完全に行き詰まっていた時期。
偶然アングラ出版社の文芸(ポルノ)担当の編集者となっていた大学の同期・城戸と再会し…と物語が動き始める。
この辺は、プライドは高いが現実には金に困っている木島と、木島の才能にかつて打ちのめされて文学を諦め、それでもまだ文芸の世界から抜けられない自分を卑下しつつ、今の自分が仕事を恵んでやるんだという歪んだ優越感を抱いた城戸との精神戦的描写。
本作のキモは、どうしても原稿を取りたい城戸が、弟子として人身御供的に木島を送り込んだ大物官能小説家・蒲生田です。
蒲生田は木島の持つ「何か」を嗅ぎつけ、それを解放せよと伝え、そして木島が失った「父親」の代わりのような存在となって、今になって後悔している父への喪の儀礼のやり直しをさせてくれるわけです。
この蒲生田が初対面時、嫌がらせで木島に城戸のtnkをしゃぶらせる。
そこから木島が受け的要素に目覚め、城戸と木島の関係性が決定的に変容するわけですが、城戸は一度は結婚や出世よりも木島との仕事を選ぶけれど、結局は普通の結婚をし……

そして「ポルノグラファー」の時期に続き、木島には久住が現れ、城戸は自分が距離を置いたくせに炎を燃やし尽くせなかった…と目を伏せる。でも確かに城戸にもあのタクシーでのキスの後のホテルでの激情が、炎があったんだ。
今、久住と炎を燃やして作家道を行く木島を見やる城戸は、後悔しているのか、諦めているのか。
ブルーよりも憂鬱なムード。

巻末に「ポルノグラファー補遺」。
久住と木島の甘々なエピソード。
これはいいんだけど、ここは「ピンクの気分」になっちゃってます。

4

神神神

今読んだばかりなので静かな興奮が冷めやらぬ状態なのですが、ただでさえ文章が下手くそな上に考えも纏まっておらず申し訳ないのに書かずにいられませんでした。

先ず後書きで作者さんが、当初は城戸に男を充てがってと考えていたけど妻子がいるし…と思いとどまったという経緯。
ハッピーエンドがお好きにもかかわらず、
変えられない現在という足枷がある中でこの様な素晴らしい作品を書き上げられた力量にただただ感動、尊敬、溜息です。

久住くんとの現在は、ハルくんなんて呼んでいるしきっとポカポカと暖かいものなのだろうな、過去の思い出とは比べる物でもないけど比べられない特別な宝物で。
でも多分木島にとっての受け身ではない最初で最後の恋の相手は城戸、なんでしょうね…城戸にとってもまた特別で。
そこを表現したラストシーンが見事だと思います、余韻が残ります。

6

本当に本当に読んで良かった!!

木島と編集者城戸との過去のお話、つまり成就しなかったお話なのできっと読んだら悲しい気分になってしまうんだろう…と警戒して当初、読む予定はありませんでした。
でもいるいるさんの素晴らしいレビューのおかげで(本当にありがとうございます!)俄然興味を惹かれて入手。

結果…本当に読んで良かったです。

純文学作家としてデビューした木島が官能小説を書き始め、どのように変わりあの「ポルノグラファーでの木島」に至ったのかという経緯が描かれているので、もちろん城戸との関係も描かれているのだけど、木島と城戸の愛憎劇などに終始しておらず恋愛メインではないところが素晴らしい。
城戸は既婚者で子供もいるので、例えば結婚が決まった際のエピソードなどドロドロしたものが描かれているのかと思いきや非常にあっさりしたもので、成就しなかった関係=悲恋という見せ方ではありません。

続編が出ると聞いたときに、キーパーソンとして城戸くらいしか出てこないのではないかと思っていたのですが違いました。
官能小説の大家と呼ばれる蒲生田が非常に重要なキーパーソンとして登場します。彼の元に木島が弟子入りをするのですが、この二人の非常に人間臭いやり取りが印象的でして、師弟関係にとどまらず木島が理想の父親像を蒲生田に重ね、親子のような関係になっていく過程がとにかく素晴らしかった。

そして何よりも読みたかった久住との続きが読めたのが幸せです。
ポルノグラファーで再会したその後が描かれており、さらに本編では再会して付き合っている二人のその後の様子が木島の口から語られています。

「宝物なんだよね 僕の」

これを木島の口から聞けたときには、あぁほんとにこの本買って良かったぁぁ!!と思いました。木島は久住に会えて良かった。それを確信できた一冊でありました。
そして、それを聞きながら自分の知らなかった表情をするようになった木島を見つめる城戸。

そのあと、二人でタクシーに乗り込んだシーンも神です。

「城戸くん またね」「またね」
二度めに言った「またね」に何とも泣けてきます。

城戸にとってハッピーエンドともバッドエンドとも言えない。モヤモヤした思いは一生残り続ける。
でもそう単純じゃないからこそ、ほろ苦く味わい深い。大人のためのストーリーでありました。

こりゃ神しかないっ!!

12

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