• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作日常クライマックス

御厨翼,32歳,会社員
日下優,32歳,翻訳家

その他の収録作品

  • ビッグマザー(描き下ろし)
  • カバー下:あとがき(描き下ろし)

あらすじ

「お前が約束を破ったから、もう別れる」高校時代に大恋愛のすえ駆け落ちしてから15年――
パートナーの日下から、突然別れを切り出された御厨。こんなに激しく愛し合って浮気もしてないのに、なぜなんだ!?
身に覚えのない「約束」に動揺する御厨だが、ある日、日下に秘密にしていたある事を思い出して!?

作品情報

作品名
日常クライマックス
著者
倫敦巴里子 
媒体
漫画(コミック)
出版社
徳間書店
レーベル
Charaコミックス
発売日
ISBN
9784199607332
4.4

(221)

(142)

萌々

(46)

(25)

中立

(5)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
19
得点
974
評価数
221
平均
4.4 / 5
神率
64.3%

レビュー投稿数19

日常クライマックス

​大恋愛のその先にあるのは、ただの日常。その日常が実はとんでもなくドラマチックなことを再確認させていただきました。倫敦巴里子先生のお話が大好きで、これは何回読んでも最高です。本当に好き。受けちゃんの可愛さや攻めくんの愛情深さ、よし美さんの優しさとかどれをとってもいい。すごく心に沁みます。どんなに好きでも一緒にいる時間が長くなると見たくないところが出てくるもので、けれどそれを丸ごと愛してくれる攻めくんの懐の深さにうっとりです。ほんとにいい男。受けちゃんの境遇とか、いきなり別れ話から始まる展開とか、穏やかじゃないのにこんなにも心温まるお話に仕上げられるのがホントにスゴイ。

0

物語のその後から始まるストーリー


冒頭が15年後から始まる珍しさ!
出会った頃の学生の頃の話が度々出てきますが、基本的には現在の32歳をメインに進みます。

学生時代に親にカミングアウトして駆け落ちした二人。
それから15年後経った今でもずっと隣にいる。

だけど変わったこともある。
あの頃のように若くはないし、美少年と呼ばれていたのに今やオッサン。
その変化を受け入れられず、変わってしまった自分を攻めがこのまま好きでいてくれるのかと悩む受けの心境がとても切なかったです。

二人とも落ち着いているし、悩みも恋愛も大人です。
なので、青春系の学生BLとは違い、やはりグッと来るものがありました。

老後を見据え、互いを尊重できるからこそ同性の問題に思い悩む受け。
対する攻めがとても明るいのが救われました。
いつだって受け一筋で、受けの事をちゃんと考えている本当にいい子。

全ての事情を知っている大家さんが、また良かったです。

15年も連れ添った熟年夫婦なこともあり、私が普段読んでいる激しい愛といったものはなかったのですが、これもこれでありだなぁ~と思えました。

0

ややこしく拗れた恋人を包容する御厨君が素敵

あとがきを読んで(*_*; この作品は編集さんと「耽美な作品」でプロットを組んだのだそう。

始まりは、悲しみの余韻を醸すやや耽美風。
でも日下くんの義父と御厨くんが約束した「笑わせて優を幸せにしてやってほしい」の場面の後、すっかりギャグになっている。
駆け落ちした二人と親、色々な人との15年分の交流録。駆け落ち後は、大家さんが親代わり。良い人間関係に恵まれた二人の32才までの回顧録。

32才。突然「約束を破ったから別れる」と言われた御厨さん。
御厨くんが日下の義父と会っていたことに、義父の死後に相続手続きで日下が気づく。その隠し事のお仕置きが別れ宣言。

必要以上に日下君は約束事にこだわる人・・御厨君への劣等感と嫉妬がこじらせている。
日下君は「美少年」だった。「美少年」を捨てる為にタバコを吸い、言葉使いを悪くしたり、御厨君の気持ちを試す、ややこしい人。
養父を捨てた日下君には、御厨君しかいない。御厨君の心が離れる事を恐れている。
・・・御厨君が容姿だけで惚れた訳じゃないのに、不安な日下君。「年を経ても捨てないで」と直球を投げたらいいのに、その勇気がない。

御厨君が日下君に、「生前の日下君への義父の気持ち」を伝えて、仲直り。
・・でも、義父存命中に日下君に伝えてあげて欲しかったな。

御厨君は、ヤヤコシイ日下君を丸ごと包容する思いやり深い人だった。
いつも笑わせてくれるパートナーがいるって、素晴らしい。

「三村と片桐のつれづれ」も付き合って15年をテーマにした作品。
作者は15年に拘りもってますねー。

0

拗らせを上回る包容力

AIソムリエさんに勧められて。
読み終わって表紙を見返すと笑ってしまうくらい非日常でさらにきゅんときます。
初読み作家様でした。
背景も描き文字も含め、松苗あけみさんとか吉野朔実さんとか吉村明美さんとか(バラバラですが私の中では同じ枠な)往年のぶ〜け的タッチで、最初のページから「ああ絶対漫画面白い絵だ…」とどきどきしました。
物語が、展開も笑いも涙もえろも隅から隅まで濃かったです。

日下がかなり拗らせてることがどんどんわかってくると同時に、振り回されてるようでいてそんな日下をまるごと包み込んでる御厨さんのカッコよさもどんどん伝わり…痺れました。

ギャグテイストに乗せつつ、15年かけてパートナーを試してしまう日下さんが…たくさんの背景を背負っているにしても哀しい…。
自分に夢中で求めてる御厨の雄な顔をオフィスで見せつけるアレ、自分の使い方を知ってる美少年の性根にぞくぞく。
マウントし返すところは、やっぱり好きです。
モテるパートナーを持って15年、当てつけられ慣れた拗れの反動はすごくてよかったです、が、
モブの側にやや違和感。彼氏だと公言されてる相手に、ただの部下が、マウント取る?家まで押しかけてわざわざ牽制…インスタとかで匂わせる不倫相手てこんな感じ?とかあの女子の上メセ行動は少し疑問でした。

でもでもあんなにキラキラになった日下を、「なんか今日雰囲気違うね?」てすごーく遅れて気づく御厨さんが良くて…!!同じ角度に首傾げてるあの小さなコマがいちばん好きです。めちゃくちゃ何気ないデフォルメコマに、御厨さんは日下の存在が好きで、衰えも何もビジュアルで日下を見てないってことが溢れてて。
なのに飽きられてるかなあといつまでも不安を拗らせてる日下が、自分の見た目で選ばれてると思いたくないために試してるのが苦しい…!もっと信じて…!御厨さん頑張れ…!

それから。つい最近、別のオジさん話で年齢について某国民的アイドルで比較したところだったので、「アイドルとリーマン並べんなよ図々しいな」てやり取りの場面は個人的にタイムリー過ぎてツボでした。
うん、でも、わかりやすいから引き合いに出すよ!てww
このお話ではそこまで爺扱いはしてなかったけれど、15年連れ添うて意味では「熟年夫婦のような」は正しいと思うけど、年齢的に熟年てわけではないと思うのですが、30超えるとBL界ではオヤジ属性つくのですね。
ひょっとしてアラフィフな「何食べ」とか、お爺ちゃんLOVEに分類されるのかな…。厳しい。

さらに、駆け落ちと学歴と現職とのギャップなどアレ、て思う点は置いといても、読んでよかった作品でした。
爆笑しながらのベッドはとても胸に沁みて、何の事件がなくても、二人のこれからも時々眺めたいなあと思いました。

AIソムリエさんの精度のためにレビュー始めてますが好みに近づいてきた気がします。

1

テーマは元耽美

◾︎御厨翼(みくりや 会社員)×日下優(翻訳家)
この作品大好きなんだけどそれと同じぐらい嫌いなことがありまして。
日下が17歳から15年付き合って、同棲している御厨に「別れよう」というところからストーリーが始まります。日下も御厨と別れようとは思っていないのに、この最強のフレーズを使うんです。「別れる」と「妊娠した」は本気じゃないと使ってはいけないフレーズだと自分は思っているので、日下のこのやり方が嫌いです。日下と御厨ではこれは本気ではないと分かりあっているからいいんですけど。

そこを度外視すれば萌えだらけの作品です。ここまで嫌いなところを書いておいて神を付けてる時点でお察しかと思いますが、大好きです。もともと恋に落ちるまで、より恋に落ちた後の話が好きなので、熟年夫婦CPいいですね〜
17歳で駆け落ち、そこからかなりいい働き方が出来ているっていうのは少々無理があると思いますが、いいストーリーとキャラクターです。
皆さまのレビューにも沢山ある日下の「敵じゃねえんだよ」…最高

※電子書籍 カバー裏あとがき有り

1

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(コミック)一覧を見る>>

PAGE TOP