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遅ればせながら雁先生作品にハマりましてこれまで5冊読みました。
今回本作含め4冊読みます。うれしい。
まず冒頭で心わしづかまれました。
─きゅんとする
相手の顔3コマ、横顔、ちらっとこっち見る、笑顔
をハッと見つめる西戸崎の目線。
この1ページがもうすばらしい。
絵、モノローグ、マンガが上手い!(プロの方に失礼ですが)好き!と叫ばずにいられません。
この後も怒涛の心わしづかまれ
坊主頭の君がフリルの日傘を持って現れ
野球部の部室の扉を開けたら坊主頭同士が泣きながら抱き合ってて…思わず「え?!」と声に出てしまいましたw
そこから西戸崎のぐるぐるがおもしろくて。
私はたいていの悶々ぐるぐるは2周くらいならいいんですが3周以上になるとめんどいわ!となるんですが、本作は全くならず。
言葉、思考、ジェスチャー、擬音(手書き文字)全てがおもしろく、わかるーとか、ツッコミ入れて笑いながら夢中で読みました。
ぐるぐるして挙動不審になったりするんだけど、自分を冷静に見ている部分もありセルフツッコミしたりするのが好きです。
糸先輩のおまえ呼びに
─おまえ おまえ おまえ
と心の中でリピートしたり。
─どうやら 俺は
から、髪に触れられたり、目をみつめる瞳アップがあったり、4ページ使った後の
─恋 だ
─恋 です
もめちゃくちゃぎゅんとしました。
糸先輩が野球から離れて西戸崎といるのが心地いいというのもわかるし。
糸先輩と吉井、倉野のやりとりもめちゃくちゃいい。
吉井と倉野が西戸崎のことを話す内容もいい。
西戸崎が思わず糸先輩のことを好きと言った時、言えたことを嬉しいと思い
─もっと言いたいなー
─もっと
と思ってるのがめちゃくちゃかわいい。恋だわぁ。
糸先輩が西戸崎のことを思ってぐるぐる考えるんだけど、自分で「おわり」と声に出して終わらせるのもかわいい。切り替え。
で
─俺って何か他に考えることないのかな…
は今までいかに野球のことだけだったか、今は西戸崎のことが大きいというのがよくわかる。
倉野が西戸崎のことをキーホルダーにたとえたり、マジメにアドバイスするところもいい。
ムカつくというのもw
「簡単に考えろ あんまし考えすぎんな」
もアスリートぽいなと思うし。
この2人バッテリーだったんですもんね。絆を感じる(バッテリー大好き)
糸先輩に「つきあおうか」と言われてからの間
外の景色、校庭、野球部員、空を飛ぶ鳥
があっての西戸崎の「はい」
もたまらなかったです。
つきあうって…とデートのことを想像して、糸先輩とのキスに思い至った西戸崎が授業中なのに思わずガタンと立っちゃうところは笑いました。
─今日俺は野球のことを一度も考えなかったな(野球の話はしたのに)
この糸先輩のモノローグもいい。
どれだけ西戸崎のことを考えていたかってことですもんね。
野球への未練のようなものも感じなくなっているのが大きい。
「いっそ泊まりで来るか?」のセリフが西戸崎のふわはわ頭の上で言われ、次のコマが
カラスの顔、電柱にとまるカラス、飛び立つカラス
「じゃあ 土曜に」糸先輩
口元から下の西戸崎、電車の上の空
この間、西戸崎の顔を見せず、西戸崎のドキドキを表現する描写がめっちゃいい。
─その先も おいおい
について考える西戸崎が悶々として壁にもたれたり、バンザイしたり、いろいろ声に出てて
「……言えるかよ バーーカ‼︎」と大声でセルフツッコミに食い気味に冷静に
「農」
「母ちゃんが家入ってからやれって」「ベランダから見えて嫌だからって」
の兄?弟?に爆笑してしまいました。
「やめろ」じゃなく「家入ってからやれ」というお母さんもおもろいし、兄弟くんの呆れた顔もおもろいし、迎えに来てくれたのもやさしおもろいし。
キスしてる時の西戸崎の
─泣きそう
もグッときました。めっちゃ恋!!
─いやしかし泣いてる場合ではないぜ
とすぐさま冷静になってその次に進みたいことを思い出す西戸崎(雁先生)さすがすぎる。
エロいことをした後、糸先輩がすねて
─この人 俺のこと好きなんだ
も感動だし
西戸崎にリードされて悔しい糸先輩があっち向いて横になったまま
「貸せよ その本 俺も全部読む」
がめっちゃかわいい。
一目惚れから始まり、両思いで終わるのでなく、お付き合いする2人まで描いて下さって大満足です。
キャッチボールする姿も見られてうれしい。
糸先輩がキャッチャーなのもいいんですよね(捕手好き)
吉井のポジション(野球の)がどこか気になります。
友だち、クラスメイト、家族…周りが皆冷静で2人にツッコミ入れるような感じも大好きです。
一コマごとにキャラの心理が乗っかっているので想像して、セリフやモノローグ、前後の流れを感じながら読んだのですごく時間がかかりました。
どのコマもめちゃくちゃ味わい深く楽しくて読み切ってしまうのがもったいないくらいでした。
特に、目のアップがきれいで印象的。
糸先輩はまっすぐ見つめる目で。
西戸崎は糸先輩に恋する目、ぐるぐる考える目、ボーッとする目など感情豊かで楽しかったです。
思春期のぐるぐるぎゅんきゅんだけどただピュアやきれいなだけじゃない。
等身大な感じの悩みやユーモアが織り交ぜられているのがとても好きです。
著者近影にタイトルの理由が記載されていると見たんですが、電子では見つからず。そこだけが残念です。
このお互いに探り探りな感じ。一歩進んで立ち止まってぐるぐる考えて、やっともう一歩踏み出してみる、そして後悔したりもする。付き合うとは何なのかもよく分からない、タイプの異なる男子高校生2人の等身大なやりとりが、とてもリアルに、繊細な心情描写と共に描かれていました。
糸島が元野球部なので雄々しい野球部の面々も登場しますが、2人のことを悪く言う人もいなくて、最初は戸惑うメンバーもいるけれど最終的には皆自然と接してくれたのも2人の人柄のお陰かなぁと思いました。個人的には西戸崎が受けているところも見たかったですが、可愛い可愛いと言われてばかりだった彼も男であり、先輩である糸島を可愛いと思っているのだということがよく分かる、雁先生らしい攻め受けだったなとも思います。
今から18年前!に発売された雁須磨子先生のこちらのマンガ
もう最初っから最後まできゅんきゅん、ドキドキしっぱなしで自分の初恋まで思い出した始末です。照
その後の作品もほぼすべて読ませていただいていますが変わらず良いですね!
かわいいこの子たち、今も仲良くしてるといいな…まわりの男の子たちもみんな元気かな?なんて。
きっと何年なっても色褪せない素敵な作品だと思います♪
雁須磨子先生の作品は、今だ!ってときに読むと非常に良い。BL漫画らしいキラキラ感とかエロとかはちゃめちゃさではなく、一般漫画のじわっとほっこりに近いから。実際一般漫画で活躍されてますもんね。帯は羽海野チカ先生ですし。
そしてこちらの作品、大変好きなのだけれど2人共ノンケ(多分)なのが少々怖くて、ほんの少し先の未来ではもう別れてるのかなって気がしちゃうのです。色んな感情がリアルなだけに。そしてこちらが作品の中に没入してるだけに。
高校で付き合った人と添い遂げる人間なんてそう多くはないでしょうから、リアルに描かれる方の作品ほどそういう目でお話の先を見てしまい辛い。これは完全に自分の問題です、すみません。
男子高校生とレースの日傘を掛け合わせて、ここまであったかい雰囲気が出せる絵のタッチもいいですよね。BL的狙ってる感が薄くて、糸島(元野球部,高校2年)の母親は本当に女性モノの日傘を押し付けてくるし、糸島もなんだかんだ素直に持って出ちゃうんだよ。近所の人ぐらいの気持ちで糸島のことも西戸崎(後輩)のことも思ってしまう。
「のはらのはらの」ってタイトルはなんなんだと思ったら、著者近影に理由が書かれてました。なんとおおらかな笑
萌2〜神
〖DMM電子書籍〗
修正 : -
カバー折り返し : なし
カバー下 : なし
帯 : なし
裏表紙 : なし
電子限定特典 : なし
備考 :
ふた言 : ドラマチックな事が起こるわけではないんだけど、ゆるりゆるりとした流れに気づくと引き込まれてた。倉野くんがかっこいい。
〖紙媒体〗
未読