嫉妬深い毒舌の先輩作家×健気な元アシの売れっ子作家

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表題作うそつきあくま 上

宇郷悟,先輩漫画家
余利計一,元アシスタントで現在売れっ子漫画家

あらすじ

ラスト40ページ、ただただ祈るように。

余利計一は健気なほうだ。
先輩作家・宇郷悟が好きだったが、
セフレのような扱いに甘んじている。

宇郷という男は、
嫉妬深い・卑屈・毒舌と3拍子がそろう
性格の悪い男で(そしてセックスはねちっこい)、
ファンでアシスタントだった余利に手を出したあげく、
余利が100万部超の大ヒット作家になるや
その腕から放り出したのだった。

そして余利が泣いて泣いて立ち直った頃に
宇郷はなぜか再び現れ、肉体関係は復活。

ふりまわされて心を痛める余利はーー?

作品情報

作品名
うそつきあくま 上
著者
雁須磨子 
媒体
漫画(コミック)
出版社
祥伝社
レーベル
on BLUE comics
発売日
ISBN
9784396784799
4

(61)

(33)

萌々

(8)

(16)

中立

(1)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
11
得点
246
評価数
61
平均
4 / 5
神率
54.1%

レビュー投稿数11

上下巻同時発売で本当に良かった…

タイトル可愛いですよね!『うそつきあくま』、ひらがななので
全然悪魔っぽくなくて雁須磨子さんらしいというか。

宇郷という漫画家のファンでかつてアシスタントを務めていた余利は
独り立ちして(さっせられて)売れっ子漫画家になっても天狗になったりしない、
謙虚で誠実な男です。
宇郷の口の悪さも身勝手さも、余利は好きだから許せることだけど
なんかこう…リアルな生の複雑な感情が刺さってきます。
宇郷ムカつく!ふざけんなおめーは!って思うのに、
自己肯定力が低い宇郷がなんだか憎めないのです。
余利はちゃんと好きだってちょいちょい伝えているのに
明確な返事をするわけでもなく……うん、やっぱりムカつくww
勿論嫌いなわけじゃないし好意を持ってはいるものの
余利の成功に嫉妬して、でも人気作家のあの余利が自分を好きという優越感と安心感。
でも余利にとってはたまったもんじゃない……。
二人をとりまく先輩後輩同期作家の人間関係もじわっと面白いですし
なんと言っても会話のセンスがピカイチだと思います。
「おまえなんか」って決して良い意味では聞こえませんけど
そこに含まれているであろう宇郷の本音とか
切羽詰まるとタメ口になる余利とか
いやー……ホント楽しいんです……!!

上巻のラストで「わああああああ余利……!!……でもワカル」になるので
心底上下巻同時発売で良かったですし感謝したいです。
宇郷のバカ!!(捨て台詞)

7

好きです平蔵くん

上下巻揃って最高でした。
と思ったらちるちるでは200点未満だったのですね…去年中に読んで投票しておくべきだったなぁ…悔しい。とにかく最高です。自分の中のベストBLのうちの一つになりました。
すみません、ひょっとしたら上下の区別がきちんとついてなくて下巻のネタバレを含むかも知らないです。

◾︎宇郷(先輩漫画家)×余利(人気漫画家)
あんまり色んなことを明確に描きません。宇郷や余利が作家としてどれほどのキャリアで、雑誌でどれほどの人気度なのか。漫画の良さは売れてることも一つの基準かもしれませんが、それだけでは計れないものが確かにあると思っていて。余利の作品の映画化やアニメ化にこそ言及されましたが、余利と宇郷の掲載順とかどちらが上かみたいなことは明確にはなってない。
上も下も結局は当事者の思い次第ですし、「そんなん言っても本当には上も下もない」はずだ。

千葉の分析にもありましたが、宇郷の作品の良さは彼のプライドの高さ(私はやっぱり彼はプライドが高いと思う。プライドの解釈の違いなのかもしれないけれど、千葉の語りは高さの否定でもない気がしてるがどうだろう)と、劣等感のバランスで成り立っていて、余利の眩しさに触れ続けるのは、彼の仕事に対しては毒なんでしょうね。だからこそ一度別れた。この辺が下巻でさらに強い毒として作用していきます。

上巻では余利がいかにチョロくて、宇郷に心酔し切っていて、でもクソだのバカだの言える関係性かが描かれます。で、宇郷もうまい感じに餌をやってると。かわいいって言ってみたりして。でも宇郷は嘘はついてないんでしょうね。ある種タチ悪く本音で生きてる。
宇郷が描けなくなって余利に電話しようとして、結局はネーム仕上げてるとことか、下巻読んでから見返すとしんどい。上巻での積み重ねが神がかってる。

1

かわいい甘利とひどい先輩

今回はなんと漫画家同士。

ファンでアシになった、かわいい甘利。イケメンだけど謙虚で恥ずかしがり。そんな甘利とできてしまった先生、宇郷。

この宇郷がひどい人。甘利のことは都合のよい相手として思っていないような、ひどい言葉や態度。でも、なんとなくお互い離れられない感じが漂っている。

相変わらずの、雁須磨子節がしっかり出た、つかず離れずのカップルのお話。この空気感が好きです。
だからなのか、宇郷を心底悪い人と思えない。
宇郷は自分より売れていく甘利に屈折した思いがあるし、甘利は宇郷にちっとも優しくされず想いを持て余している。
そんな二人、どうなるのでしょうか。

0

とでも好き

顔須先生初読みです。上巻のみの感想です。
絵、キャラの顔立ち、表情、アングルとかとても好み。

漫画家同士の話も好きです。
仕事のことや他愛ないやりとりをしながら2人の関係がわかってくるのがおもしろい。

好きなところをいくつか
事後、宇郷に呼ばれた余利の裸足の右足のアップのコマ。つま先立ちで宇郷のもとへ向かう気持ちが出ているなと痺れました。背景が黒いのが余利の複雑な心境の表現ですよね。

あと、宇郷がめんどくさい奴なのにそれでも余利が宇郷を好きなこと。
ベタなセリフはなく、軽口を叩き合うのが2人の性格や関係や気持ちや距離が伝わっていい。

余利「あのいつもの不愉快な宇郷でいる時の方が 宇郷はずっと誠実なんだ」←ここも痺れました。余利が宇郷のことをよくわかっていてそんな奴でも好きだとわかる。

仕事の様子を織り交ぜながらテンポ良く進むのがよかったけど、屋良と宇郷が山へ行ってそこからのくだりが少し長く感じました。
その分、その後の余利が怒る流れがしっくりきました。
や〜おもしろい。
人間のめんどくさい性分やどうしようもない思いとか描写がお上手です。
何気ない会話ぽいのに、ひょいと覗かせる表情とか、一言とかで、ああ2人とも相手のことが好きなんだなとか、喜怒哀楽なんとも言えない気持ちがわかるような描き方されるの大好きです。
下巻楽しみです。

0

漫画家同士のお話です

わかりやすい萌えがあって、ぎゃー!!と萌え転がるみたいな派手さはないんだけど、終始目が離せず、面白かった。

そして上下巻通して言える事は、攻めの宇郷が屈折しててめんどくさい男だなぁということ。
あらすじにもあるけど「嫉妬深い・卑屈・毒舌と3拍子がそろう」ってほんとそうなんですよ。

でも、なんかわかる気がしてしまって、最低!!と一方的に罵ることもできない。

自分のファンとして登場しアシスタントをやらせていた余利が、自分を追い越しどんどん売れっ子になっていくのを素直に喜べないのも、鬱憤がたまっていくのもわかる。
宇郷が押しも押されぬ超大御所だったら素直に後輩の成功も祝えると思うんだけど、恐らく中堅くらいでスランプぎみだったら尚の事だと思う。

どんなに振り回しても宇郷のことを見捨てず、想ってくれる余利という存在。
売れっ子漫画家になっても、自分の言動で右往左往してくれるのって気持ちイイよね、きっと。
そんなところもかわいいなって思ってるはずなのに、そういう気持ちは滅多に見せてくれない。

余利しか対応できないんじゃないかな、こんな人‥‥‥と読みながら思いました。

圧倒的にデレが少ないので、宇郷がちょびっといつもと違う様子を見せただけで「貴重なデレいただきましたー!!」という気分になります。
甘利が二徹中に電話をかけてきて、修羅場にも関わらずどうでもいい電話を続けようとする宇郷に対して「くそおまえまじ死ね」とぶちぎれた甘利に対しての「はは なんなの おまえかわいいな」というやつ。
悪態つきまくりの二人の会話なんだけど、萌えたし、気持ちの見せ方が上手だなぁって思いました。

そして今まで色々振り回されていても我慢してきた甘利の堪忍袋の緒が切れて、絶縁を突きつけるところで次巻に続く!となります。

7

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